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Last Update[H20]2008/6/1

佐江衆一 Sae Shuichi

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生没年月日 昭和9年/1934年1月19日〜
経歴 本名=柿沼利招(かきぬま・としあき)。東京・浅草生まれ。栃木高校卒。コピーライター等を経て『文藝首都』に参加。その後、文化学院卒。社会問題を題材とした作品を書き、のち歴史・時代小説に作風を広げる。
受賞歴 第7回新潮同人雑誌賞(昭和36年/1961年)「背」
第9回新田次郎文学賞(平成2年/1990年)『北の海明け』
第5回Bunkamuraドゥマゴ文学賞(平成7年/1995年)『黄落』
第4回中山義秀文学賞(平成8年/1996年)『江戸職人綺譚』



まゆ
繭」(『新潮』昭和36年/1961年2月号)
書誌
>>昭和48年/1973年3月・冬樹社刊『猫族の結婚』所収
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芥川賞 芥川賞 45回候補 一覧へ
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
中村光夫 2 「技巧倒れに終ってはいますが、或る新鮮さで印象にのこりました。」
石川達三 0  
丹羽文雄 0  
瀧井孝作 3 「やわらかい筆だが、何か弱々しい。これは図式小説のようだが、図式小説としてはわりによい方だろうか。」
宇野浩二 0  
井上靖 4 「私は(引用者中略)上位に置いた。」「候補作の中で一番難しい主題と取組み、欠点も露わではあったが、一応フレッシュな感覚の作品となり得ていたからである。」
川端康成 0  
舟橋聖一 7 「なかなか気取った構成と文章だがその主題の残酷さが面白い。当選作にしても悪くなかろうと思った。」「ところが委員の中には最初から落とす中へ入れている人もある。井上靖さん以外に、強く推す人がない。」
佐藤春夫 0  
井伏鱒二 1 「井上君は「繭」を推すと云い、」
永井龍男 2 「形式に捉われ過ぎたせいか、読後感が素直ではなかった。」
選評出典:『芥川賞全集 第六巻』昭和57年/1982年7月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和36年/1961年9月号)
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すばら そら
素晴しい 空」
(『近代文學』昭和38年/1963年11・12月合併号)
書誌
>>昭和44年/1969年7月・新潮社刊『すばらしい空』所収「すばらしい空」
>>昭和54年/1979年2月・角川書店/角川文庫『すばらしい空』所収「すばらしい空」
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芥川賞 芥川賞 51回候補 一覧へ
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
石川達三 0  
中村光夫 2 「この作者にいま少し飛躍がほしい」
高見順 4 「妻や娘に逃げられた孤独な老人と少年という組合せが何かいかにも小説くさく、そうなると過去の回想の点綴までが小説的装飾を思わせて損をしている。」
瀧井孝作 3 「何かキメのこまかい筆のようだが、弱くて、印象は淡かった。」
丹羽文雄 4 「私はこういう小説が好きだ。平凡な一人の運命をしみじみと感じさせる。が、授賞となるとその上に何かが加わらねばならない。」
永井龍男 0  
石川淳 2 「力よわく、」
舟橋聖一 0  
選評出典:『芥川賞全集 第七巻』昭和57年/1982年8月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和39年/1964年9月号)
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かぜ
風」(『犀』9号[昭和42年/1967年7月])
書誌
>>昭和44年/1969年7月・新潮社刊『すばらしい空』所収
>>昭和50年/1975年☆月・初谷行雄/韻文叢書『風』[限定版]所収
>>昭和54年/1979年2月・角川書店/角川文庫『すばらしい空』所収
>>昭和56年/1981年7月・立風書房刊『北海道文学全集 第19巻 凝視と彷徨』所収
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芥川賞 芥川賞 58回候補 一覧へ
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
三島由紀夫 10 「古風なドイツ風な静かな小説で、文章は(引用者注:「徳山道助の帰郷」より)このほうがよいと思った。」「このごろはこういう作品に接することが少ないので、久々で、演奏が素人っぽくても気品のある室内楽をきいた感じがする。」
石川達三 2 「綺麗だが、綺麗ごとに終っている。」
大岡昇平 0  
舟橋聖一 0  
瀧井孝作 0  
丹羽文雄 0  
石川淳 0  
井上靖 13 「私には面白かった。」「なかなかいい短篇である。」「人生の截断面の切り方はなかなか鮮かだと思った。殊に主人公の妻の唐突な行動は、唐突ではあるが、はっとするようなものを持っている。」
永井龍男 0  
中村光夫 0  
川端康成 5 「作品の長所短所は別としても、それぞれの才能は見えている。」「いかにも一つの短篇という、選者のほぼ一致した評価であった。」
選評出典:『芥川賞全集 第七巻』昭和57年/1982年8月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和43年/1968年3月号)
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きゃく
客」(『文學界』昭和43年/1968年12月号)
書誌
>>『文藝春秋』昭和44年/1969年3月号
>>昭和48年/1973年3月・冬樹社刊『猫族の結婚』所収
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芥川賞 芥川賞 60回候補 一覧へ
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
石川淳 0  
三島由紀夫 7 「今度の候補作品でうんざりするほど多かった父母の主題のうちで、もっとも古くさいリアリズムで書かれているのが、却って効果を発揮して、何一つ新しいものはないけれど一片の真実だけは確保した、という趣きがみとめられる。」「とってつけたようなラストに難がある。」
石川達三 0  
瀧井孝作 0  
中村光夫 13 「比較的できのよい作品」「成人した子供が父親をもてあます話は、今度目立って多く、現在の世相の反映と思われましたが、そのなかで「客」がもっとも現実性を感じさせます。」「しかしそれだけ手法に型にはまったところがあり、新鮮味がどこにも感じられないのが致命的」
井上靖 3 「そつなく書いており、(引用者中略)光ったところはあるのだが、読後強く打って来るもののないのが惜しまれた。」
丹羽文雄 0  
舟橋聖一 6 「夜中に部屋を飛び出し、車の中で一夜を明かす主人公の心理はちょっと面白い。しかし、最後になって両親が死んだか生きたかわからないような暗示的な書き方をしているのが、やはり疑問だ。」
永井龍男 1 「古く、」
大岡昇平 3 「多くの現代的なモチフが組み合されているが、映画的あるはテレビドラマ的な場面仕立てに、ごたごたした印象を受けた。」
川端康成 9 「候補作九篇のうち四篇まで、老父母と若い息子夫婦との間を扱った作品があったのは、今回の特色で、偶然かもしれないが、今の社会の問題の一つとして、必然のことかもしれなかった。」「実感は自ら動いている。」
選評出典:『芥川賞全集 第八巻』昭和57年/1982年9月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和44年/1969年3月号)
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せいねん たいし
青年よ、 大志をいだこう」
(『文學界』昭和44年/1969年5月号)
書誌
>>昭和44年/1969年7月・新潮社刊『すばらしい空』所収「青年よ、大志を抱こう」
>>昭和54年/1979年2月・角川書店/角川文庫『すばらしい空』所収
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芥川賞 芥川賞 61回候補 一覧へ
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
三島由紀夫 0  
丹羽文雄 0  
石川達三 0  
瀧井孝作 0  
舟橋聖一 12 「所々に上手な描写があるが、しめくくりが曖昧なのと題が内容にそぐわないのが減点で、前回の「客」よりも人気がなかった。佐江のみならず、題が奇抜すぎ、鬼面人をおびやかすていの疑問もあって、内容とチグハグなのは、ここ数年の候補作に見る一般的な傾向だ。」
大岡昇平 7 「(引用者注:当選二作と「青年よ、大志をいだこう」「大いなる日」「時間」は)甲乙をつけ難い出来でした。」「こんどは主題が一層単純化されていて、現代の繁栄から取り残された夫婦のあわれさがよく出ているように思いました。」
井上靖 0  
中村光夫 0  
川端康成 0  
永井龍男 4 「小説技法の練達を示した。」「なんでも描破する筆力を持っている」
石川淳 0  
選評出典:『芥川賞全集 第八巻』昭和57年/1982年9月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和44年/1969年9月号)
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えどしょくにんきたん
江戸職人綺譚』(平成7年/1995年9月・新潮社刊)
書誌
>>平成10年/1998年9月・新潮社/新潮文庫『江戸職人綺譚』
>>平成13年/2001年11月・埼玉福祉会/大活字本シリーズ『江戸職人綺譚』(上)(下)
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収録作品
「解錠綺譚―錠前師・三五郎」「笑い凧―凧師・定吉」「一会の雪―葛篭師・伊助」「雛の罪―人形師・舟月」「対の鉋―大工・常吉」「江戸の化粧師―化粧師・代之吉」「水明り―桶師・浅吉」「昇天の刺青―女刺青師・おたえ」「思案橋の二人―引札師・半兵衛」
 
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他文学賞 山本周五郎賞 9回候補 一覧へ
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
阿刀田高 42 4点「一冊にまとまると、やや作品のばらつきが目立ちまして、そこが、ちょっと減点になるのかなと思いました。」「この連作集の場合、どうも四人強力なバッターがいないんじゃないのか。」「江戸の文化を支えた職人たちの生活が、非常にきめ細かく書かれていて、その点はとても面白く感嘆して読んだんですが。」
井上ひさし 69 4.5点「とりわけ感心したのは「対の鉋」という、大工職人の話で、これは飛んでもない傑作ですね。」「つまり、なんにも起こらない。(引用者中略)それなのに、いつの間にか一篇の恋物語ができている。唸りました。」「中には、同じ作者のものとは思えないような低調な作品もある。」
逢坂剛 45 4.5点「この短篇小説のストレートなところを、私はむしろプラスに受け取りました。」「佐江さんはもともと純文学の人で、そういう方が、エンターテインメントの分野に参入してこられたことについて、私は諸手を上げて歓迎したいと思っています。」「短篇一本につぎ込む労力は、すごいものがあると思いますね。」
長部日出雄 29 3.5点「たいへん丹念に調べてあって、ほんとうに律儀な職人のように実直で丁寧な仕事だし、一本一本が十分、長篇になるほどの興味深い材料で、とても勉強になったんです。」「大ベテランに失礼だとは思いますけど、これをもっと長い枚数で読みたかった、惜しいなという気持ちをこめて三・五点とさせていただきます。」
山田太一 55 3.5点「職人についての薀蓄に支えられていて、その薀蓄自体はそれぞれ面白く読ませていただきました。しかし、人情噺が少しストレートすぎないでしょうか。」「今の時代にも需要がないとは思いませんけれども、少し、こういうレースの中では、素直すぎるのではないかという思いがいたしました。」「話振りはたいへんお上手ですし、ひねりにひねった上でのさらりとした物語なのかなとも思うのですが、もう少しコクが欲しい。」
最終投票     ○1票
選評出典:『小説新潮』平成8年/1996年7月号
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