直木賞のすべて
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第82回

=候補者=
高柳芳夫
阿久 悠
つかこうへい
深田祐介
中山千夏
岩川 隆


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Last Update[H20]2008/2/24

阿久悠
Aku Yu
生没年月日【注】 昭和12年/1937年2月7日〜平成19年/2007年8月1日
経歴 本名=深田公之(フカダ・ヒロユキ)。兵庫県淡路島生まれ。明治大学文学部卒、明治大学大学院修士課程修了。広告代理店の宣弘社に入社、退職後は放送作家、作詞家に。『スター誕生』の番組企画なども手掛ける。
受賞歴 第4回〜第12回日本レコードセールス大賞作詩賞(昭和46年/1971年〜昭和54年/1979年)
第13回日本レコード大賞大賞(昭和46年/1971年)「また逢う日まで」《作詞》
第15回日本レコード大賞作詩賞(昭和48年/1973年)「ジョニーへの伝言」「じんじんさせて」《作詞》
第7回日本作詩大賞大賞(昭和49年/1974年)「さらば友よ」《作詞》
第17回日本レコード大賞作詩賞(昭和50年/1975年)「乳母車」《作詞》
第18回日本レコード大賞大賞(昭和51年/1976年)「北の宿から」《作詞》
第18回日本レコード大賞西条八十賞(昭和51年/1976年)
第9回日本作詩大賞大賞(昭和51年/1976年)「北の宿から」《作詞》
第5回FNS歌謡グランプリグランプリ(昭和51年/1976年)「北の宿から」《作詞》
第19回日本レコード大賞大賞(昭和52年/1977年)「勝手にしやがれ」《作詞》
第10回日本作詩大賞大賞(昭和52年/1977年)「勝手にしやがれ」《作詞》
第20回日本レコード大賞大賞(昭和53年/1978年)「UFO」《作詞》
第22回日本レコード大賞大賞(昭和55年/1980年)「雨の慕情」《作詞》
第1回古賀政男記念音楽大賞プロ作品・優秀賞(昭和55年/1980年)
第14回日本作詩大賞大賞(昭和56年/1981年)「もしもピアノが弾けたなら」《作詞》
第15回日本作詩大賞大賞(昭和57年/1982年)「契り」《作詞》
第3回古賀政男記念音楽大賞プロ作品・優秀賞(昭和57年/1982年)
第2回横溝正史賞(昭和57年/1982年)『殺人狂時代ユリエ』
第17回日本作詩大賞大賞(昭和59年/1984年)「北の螢」《作詞》
第27回日本レコード大賞作詩賞(昭和60年/1985年)「夏ざかりほの字組」《作詞》
第28回日本レコード大賞作詩賞(昭和61年/1986年)「熱き心」《作詞》
第8回古賀政男記念音楽大賞プロ作品・大賞(昭和62年/1987年)
第21回日本作詩大賞大賞(昭和63年/1988年)「港の五番町」《作詞》
第36回日本レコード大賞作詩賞(平成6年/1994年)「花のように 鳥のように」《作詞》
第38回日本レコード大賞作詞賞(平成8年/1996年)「螢の提灯」《作詞》
第45回菊池寛賞(平成9年/1997年)
第7回スポニチ文化芸術大賞グランプリ(平成11年/1999年)
紫綬褒章(平成11年/1999年)
第7回島清恋愛文学賞(平成12年/2000年)『詩小説』
第35回日本作詩大賞大賞(平成14年/2002年)「傘ん中」《作詞》
第3回正論新風賞(平成14年/2002年)
旭日小綬章(平成19年/2007年)
処女作 『ゴリラの首の懸賞金』(昭和53年/1978年2月・スポーツニッポン新聞社出版局刊(上)(下))
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直木賞 82回候補  一覧へ

せとうちしょうねんやきゅうだん
瀬戸内少年野球団』
(昭和54年/1979年11月・文藝春秋刊)
書誌
>>昭和58年/1983年11月・文藝春秋/文春文庫『瀬戸内少年野球団』
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
新田次郎 7 「一気に読ませる力があったが、生硬な部分がところどころ目についた。走り過ぎる傾向の筆を押えて次回の力作を期待する。」
水上勉 0  
松本清張 0  
源氏鶏太 6 「軽妙な文章だし、登場人物がそれぞれ活き活きと描かれている。しかし、読みながら上質の少年小説でないかとの感じを捨て切れなかった。」
城山三郎 13 「新鮮なイメージがちりばめられてあり、(引用者中略)奔放な構成と筆致で時代をうつしとろうとしている。童話のよさも活力もあるが、少々調子にのりすぎたところも。」
今日出海 0  
五木寛之 0  
村上元三 3 「直木賞の対象にするには平板で、どうということもない。」
選評出典:『オール讀物』昭和55年/1980年4月号
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文量
長篇
章立て
「かぼちゃの花」「墨ぬりまつり」「コロとヘラ」「ジープは走る」「三本足の怪人」「古いボール」「悲しき竹笛」「一本刀里帰り」「アホな夏」「バラケツ兄弟」「三角ベース」「野球石器時代」「唐辛子の整列」「梅雨とハーモニカ」「上には上」「健康ボール」「チーム誕生」「足長おじさん」「晴れの門出」「プレイボール」「大乱戦」「サマータイム」「夏景色」
時代設定 場所設定
太平洋戦争戦後  淡路島
登場人物
足柄竜太(小学生)
中井駒子(若い教師)
正木三郎(綽名・バラケツ、竜太の親友)
波多野武女(美少女)
中井正夫(役場勤め、駒子の夫)
忠勇(竜太の祖父、駐在所の警官)




直木賞 99回候補  一覧へ

かっさい とな きゃくく
喝采」「 隣りのギャグはよく 客食うギャグだ」
(昭和63年/1988年1月・文藝春秋刊『喝采』より)
書誌
>>平成3年/1991年1月・文藝春秋/文春文庫『喝采』
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収録作品の書誌
喝采
>>初出『オール讀物』昭和60年/1985年12月号
隣りのギャグはよく客食うギャグだ
>>初出『オール讀物』昭和61年/1986年5月号
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他の収録作品
「ジャック・レモンによろしく」「私の仕事じゃありません」
 
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
黒岩重吾 13 「「隣のギャグはよく客食うギャグだ」を一読しその才筆に感嘆した。テレビ界の人物を抉る作者のメスは容赦がない。ただ達者過ぎてところどころ筆が走り過ぎている。」
陳舜臣 0  
村上元三 12 「才筆というのも、こういう場合は軽く見られる。」「もっとていねいに、文章を練ってもらいたかったが、それではこの作者の持味のテンポの早さが失われるかも知れない。この人が直木賞を獲得するのは遠いことではないだろう。」
田辺聖子 21 「私は面白く読み、入選圏内だと思ったが、意外に票が集まらず残念。」「道化という、最も現代的な存在の本質を衝いていて、饒舌体の小説なのに、無明のニヒルがただよう。現代の断面が鋭く切取られていて、私は共感した」
藤沢周平 9 「「喝采」は、わがままで落ち目のスターと献身的なマネージャーという図式が古く、私は「隣の客は……」の八方破れのコメディアンの方が書けていると思った。しかしこちらも最後の詰めに不満があった。」
山口瞳 7 「実力は誰でも知っていて、今回の候補作にも巧い描写がふんだんにあるのだが、全体として魅力に乏しい。これで受賞したら阿久悠さんにとって不名誉なことになると思った。」
五木寛之 27 「現代の作詞家としてすでに位人臣をきわめたといっていい阿久氏だけに、つい読む側も完成度の高い大傑作を期待してしまうというのが、この作家の不幸かもしれない。」「前に読んだ「瀬戸内少年野球団」と比較して、今回の二作は阿久氏の手すさび(原文傍点)といった印象が強かった。」
平岩弓枝 8 「読者が、作中の人物を実在人物の誰彼に重ね合せて楽しく読むのだろうと思う。洒落た短篇だが、候補作品としては少し軽かったようだ。」
井上ひさし 0  
渡辺淳一 0  
選評出典:『オール讀物』昭和63年/1988年10月号
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文量
短篇2篇
喝采
章立て
「1」〜「7」
時代設定 場所設定
[同時代]  [東京]
登場人物
円たまみ(歌手)
磯田兵吉(円たまみのマネージャー)
小田咲子(円たまみの付き人)
高沢義人(レコード会社製作部長)
隣りのギャグはよく客食うギャグだ
章立て
「1」〜「8」
時代設定 場所設定
[同時代]  東京
登場人物
二丁目トマト(コメディアン、本名・渡辺武明)
山内雅子(トマトの陰の女)
アドルフ(インテリ臭漂うコメディアン)




直木賞 101回候補  一覧へ

すみ しょうねん
墨ぬり 少年オペラ』
(平成1年/1989年1月・文藝春秋刊)
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
陳舜臣 20 「面白さからいえば、阿久悠氏の作品が(引用者注:「秘宝月山丸」「高円寺純情商店街」「墨ぬり少年オペラ」の中では)第一だが、少年たちのことばが、読んでいる私のなかで肉声化しないのが気になった。あるいはこれは作品に問題があるのではなく、私の読み方が悪いのかもしれない。」
黒岩重吾 0  
山口瞳 10 「御膳立てはいいのだけれど、その割に感銘に乏しいのはどういうことだろうか。これは映画かTVドラマにしたら面白いと思ったが、そのことがそのままこの小説の弱点になっているような気がした。」
田辺聖子 17 「私にはこの作品、巧いけど可愛いげない気がしてしょうがなかった。これは少年たち、というより、狂言廻しのように出てくる女、モモ子の責任であろう。モモ子にリアリティがなく、可愛いげがなかったように思われる。」
藤沢周平 13 「うまい小説だが、しかし小説はそれだけでは不十分で、その上に何かヘソのように動かしがたいものが必要ではなかろうか、と思わせる作品でもある。魅力あふれるモモ子が、後半次第にマンネリ化して生彩を失うのはどうしたことだろう。」
五木寛之 0  
村上元三 8 「わたしは今期の第一に推したが、票が集まらなかった。小さな島の少年たちの成長、モモ子や勇などがよく描かれている。これがなぜ賞を逸したのか、再読、三読したあとも、残念で仕方がない。」
平岩弓枝 11 「登場人物の中で一番、魅力的だったモモ子という女性の経済的基盤がよくわからなかった。(引用者中略)哲には不明でもいいが、読者にはわからせるように書いてもらいたかった。」
渡辺淳一 22 「主人公のモモ子がやや臭いが、千人針の勝や長谷先生などは生き生きとして、読んでいて楽しい。だが少年の目が悪餓鬼すぎて、ときに大人になりすぎるところと、やや荒すぎるのが難点である。それ以上に、この作家には「瀬戸内少年野球団」という快作があり、それを超えるか否かが問題になるところが、ある意味で不幸である。」
井上ひさし 7 「敗戦直後の、あの明るい混沌の時代の正体を、少年の目を通してはっきり見据えようとする」
選評出典:『オール讀物』平成1年/1989年9月号
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文量
連作長篇
章立て
「八月十五夜のマドンナ」「天の川のバタフライ」「木枯しのストリーキング」「菜の花畑のアコーデオン」「霧の波止場のストレンジャー」「屋根の上のストリッパー」
時代設定 場所設定
昭和20年代  淡路島
登場人物
哲(小学生、巡査の息子)
勇(哲の友人)
モモ子(旧家の娘、未婚の母)
いずこ(モモ子の娘)
千人針の勝(石崎勝雄、復員兵)
沢田英雄(酒屋の長男、復員兵)
北野愛子(沢田英雄の許婚、校長の娘)
金ピカ入道(大道芸人)
ベティちゃん(金ピカ入道の連れ)




ブログ版 直木賞のすべて 余聞と余分
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