直木賞のすべて
直木賞のすべて

第81回

=受賞者=
田中小実昌
阿刀田 高

=候補者=
宗田 理
滝口康彦
海老沢泰久
丸元淑生
帚木蓬生
中山千夏


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Last Update[H20]2008/1/3

帚木蓬生
Hahakigi Hosei
生没年月日【注】 昭和22年/1947年1月22日〜
経歴 本名=森山成彬(モリヤマ・ナリアキラ)。福岡県小郡市生まれ。東京大学文学部仏文科卒、九州大学医学部卒。TBS勤務。退職後に、医学を学び精神科医に。その傍ら小説を執筆。八幡厚生病院診療部長を務める。
受賞歴 第6回九州沖縄芸術祭文学賞(昭和50年/1975年)「頭蓋に立つ旗」
第3回日本推理サスペンス大賞佳作(平成2年/1990年)『賞の柩』
第14回吉川英治文学新人賞(平成4年/1992年)『三たびの海峡』
第8回山本周五郎賞(平成6年/1994年)『閉鎖病棟』
第3回福岡県文化賞(平成7年/1995年)
第10回柴田錬三郎賞(平成9年/1997年)『逃亡』
サイト内リンク 付録-山本周五郎賞受賞作・候補作一覧(第8回)
付録-柴田錬三郎賞受賞作一覧(第10回)
付録-吉川英治文学新人賞受賞作・候補作一覧(第14回)
小研究-ミステリーと直木賞
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直木賞 81回候補  一覧へ

しろ なつ ぼひょう
白い 夏の 墓標』(昭和54年/1979年4月・新潮社刊)
書誌
>>昭和58年/1983年1月・新潮社/新潮文庫『白い夏の墓標』
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
五木寛之 0  
水上勉 0  
今日出海 0  
新田次郎 0  
城山三郎 17 「極めて現代的な恐怖に目をすえ、国際的な舞台での人間の運命を追跡する知的で、しかも骨太な作品。それも、眼高手低とならず、構成も描写もみごと。」「わたしには、ほとんど非の打ちどころがないように見えたが、意外に賛同を得られなかった。」「この種の作品を評価することによって、日本の大衆文学の水準はさらに高まると思うのだが……。」
村上元三 9 「わたしには面白かったし、もっと票が集るかと思っていたが、いまだに残念だと思う。亡き柴田錬三郎君のよく言っていた「こしらえ物の面白さ」が、ここにはあった。しかし、この作者のペンネームは、一考も再考もしてほしい。」
源氏鶏太 10 「私の感じからいうと直木賞向きでないが、かといって、芥川賞にも無理である。そのことは作品にとって損であったが、寧ろ誇るべきであるかもしれない。」
選評出典:『オール讀物』昭和54年/1979年10月号
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文量
長篇
章立て
「第一章 吸着」「第二章 侵入」「第三章 脱殻」「第四章 転写」「第五章 成熟」「第六章 放出」
時代設定 場所設定
[同時代]〜昭和20年代  フランス・パリ〜ピレネー〜仙台など
登場人物
佐伯(北東大学教授)
黒田武彦(細菌学者、佐伯の元同級生、自殺死)
ラザール・ベルナール(米陸軍微生物研究所勤務、黒田の元上司)
ジゼル・ヴィヴ(黒田の墓守をする婦人)
クレール(ジゼルの娘)





かいきょう
三たびの 海峡』(平成4年/1992年4月・新潮社刊)
書誌
>>平成7年/1995年8月・新潮社/新潮文庫『三たびの海峡』
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他文学賞 吉川英治文学新人賞 14受賞 一覧へ
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし 36 「巨きな主題の設定と多岐にわたる素材の踏査に作者の時間と情熱が惜し気もなく注ぎ込まれており、そのことにまず敬意を抱いた。」「作者の手柄の一つは、昭和十年代の末と現代、この二つの「物語時間」を重ね合わせたことにある。」「登場人物たちも痩せていない。とりわけ主人公を命がけで想う千鶴という日本女性の奥行きの深い愛は烈しく、かつ魅力的だ。」
尾崎秀樹 7 「歴史のなかに刻印された日本と朝鮮の間のきびしい現実を、目をそらすことなく見つめ直し、現代にその傷痕をどう生かすべきかという立場から語った作品であり、(引用者中略)その意図を高く買いたい。」
佐野洋 15 「この作品では、サスペンスあるいは推理的要素を、最初から除外している。それが成功の大きな原因だと思われる。」「一番書きたかったことを、力を出し切って書いた作品と言えるだろう。書き終えたときの作者の充実感を想像すると、羨ましくさえなる。」
野坂昭如 18 「断片的な、一種の資料、記録はこれまで多く活字とされて来たが、これほどの量、そして小説の形で発表されたのは、井上光晴氏の作品以外知らない。」「一読巻を措く能わなかったのが、候補作品中これ一作、」「中途半端な読後感、ぼくはあえて当選から外し、他の委員の方の御意見を拝聴、だが、帚木さんの栄光は十分に予想していた。」
半村良 12 「ほとんど全員一致。」「これをひっさげた新人が登場できる時代にいたったのだと言う感慨を持ったし、この作品とぶつかった他の候補作の不遇さも感じた。」「ひょっとするとまだまだ根が浅いと言う一種の批判が起こるかも知れないが、この作品は重要な橋頭堡になりそうだと思い、強く推す側にまわった。」
選評出典:『群像』平成5年/1993年5月号
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へいさびょうとう
閉鎖病棟』(平成6年/1994年4月・新潮社刊)
書誌
>>平成9年/1997年5月・新潮社/新潮文庫『閉鎖病棟』
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他文学賞 山本周五郎賞 8受賞 一覧へ
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
阿刀田高 62 4点「私があまりよく知らない精神病院のありようを専門家の立場から説得力をもって提示してくれて、そして最後に、涙が出てくるくらい感動的な場面をちゃんと持ってきてくれています。」「私には、山本周五郎賞は、もう少し花も実もある絵空事というか、ストーリー性のある作品を選んだほうがいいのではという思いがあるんです。」「「閉鎖病棟」が素晴らしい作品であるということにはまったく異存ありません。」
井上ひさし 62 5点「素晴らしい作品でした。」「「よかった」としか言いようがない。」「自分が受けた歓びや嬉しさを、いろいろな人に分けて上げたいという気にさせる一冊です。文章も的確かつ計算が立っていて、しかも、とても自然です。これは作家が一生に一度ぶつかるかどうかという作品じゃないでしょうか。」「ある意味ではこの作者は大ケレンの持主ですよ。」
逢坂剛 55 5点「帚木さんは、いつも志の高い、弱者というか、ハンディを背負った人たちに対する、非常にあたたかい眼差しを持った小説を書く人です。」「精神を病んだために、世の中から差別的な見方をされている人たちに対して、あたたかい視点で書こうという姿勢が強く感じられて、私は感動しました。」「多少、構成にアンバランスな部分もありますが、文章がしっかりしているという意味では、候補作中随一でしょう。」「(引用者注:他の候補者と比べて)年季がちょっと違う。」
長部日出雄 67 5点「文章、語り口ともに、第一級で、人物の彫りもみな深く、伏線が二段構え、三段構えになっています。」「甘さとかヒューマニズムというのは、実はとても難しい問題で、ここをすれすれに通り抜けると、今の小説にあまりないような感動に到達できる。この作品は、それを成し遂げていると思います。」「この人は、甘いというのは実は本当に小説を書く上では厳しい道なんだということを計算して書いていると思いますね。」「読み終わった時に山本周五郎の現代的再来と思ったんですよ。」
山田太一 47 4.5点「地味な病院の話をなんとかエンターテインメントにしよう、という意気込みがみなぎっていて、全部読み終わって、ふりかえると、慰安を求めて本をひらいた読者にこういう世界をさし出す作家の緊張をいたましいくらい感じました。」「少し、患者たちに甘くないだろうかという印象を持ちました。」「少し、弱者の善にウェイトを置き過ぎていないだろうか。」
選評出典:『小説新潮』平成7年/1995年7月号
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ブログ版 直木賞のすべて 余聞と余分
  [H19]2007/12/23 大いなる助走  
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