直木賞のすべて
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第75回

=候補者=
小田原金一
栗山良八郎
谷 克二
藤本 泉
西村寿行
岩川 隆
壱岐光生


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Last Update[H19]2007/8/27

西村寿行
Nishimura Juko
生没年月日【注】 昭和5年/1930年11月3日〜平成19年/2007年8月23日
経歴 香川県高松市男木島生まれ。旧制中学卒。新聞記者、速記者、自動車運転手、飲食店経営など数々の職を経験。以後、作家へ。兄は直木賞候補作家でもある小説家の西村望
処女作 「犬鷲」(昭和44年/1969年)
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直木賞 75回候補  一覧へ

ほうこう
咆哮は 消えた」
(『小説現代』昭和51年/1976年5月号)
書誌
>>昭和52年/1977年3月・講談社刊『咆哮は消えた』所収
>>昭和54年/1979年6月・講談社/ロマン・ブックス『咆哮は消えた』所収
>>昭和54年/1979年9月・講談社/講談社文庫『咆哮は消えた』所収
>>昭和55年/1980年2月・徳間書店/西村寿行選集『咆哮は消えた』所収
>>昭和55年/1980年4月・角川書店/角川文庫『咆哮は消えた』所収
>>平成14年/2002年5月・徳間書店/徳間文庫『咆哮は消えた』所収
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
司馬遼太郎 5 「せっかくの作品にひとことで片づけるような言葉を使いたくないが陳腐な感じがした。」
川口松太郎 16 「途中で底の割れてしまうような書き方は、小説の初歩だ。途中でラストの判ってしまう底の浅さでは、読者を感動させる事はもちろん、受賞なぞ到底おぼつかない。」
源氏鶏太 4 「キメのこまかい力作であった。しかし、こういうテーマの扱い方に今一つの新鮮味が欠けていた。」
水上勉 7 「小説づくりのタッチの早い巧妙を買ったが、しかし、授賞作としては弱く、欠点も目立った。西村さんも落ち着いて、いい材料にめぐまれれば、という気がした。」
村上元三 7 「これはむしろ時代物で書いたほうが面白かったのではあるまいか。現実感がないし、せっかくのラストも、空々しいもので終っている。」
柴田錬三郎 5 「着想の面白さは、充分に買える。」
石坂洋次郎 2  
今日出海 5 「話は充分面白かったが、語り方に引きつけ方の物足りぬところ、(引用者中略)これも惜しまれる作品であった。」
松本清張 5 「筋は陳腐で、明治期の出来事のようでもある時代不明の話。」
選評出典:『オール讀物』昭和51年/1976年9月号
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文量
短篇
章立て
「1」〜「8」
時代設定 場所設定
昭和10年代  長野山中〜南紀
登場人物
徳蔵(強盗犯、山寺に独居)
ゴロ(徳蔵が山中で拾った犬)
源造(山に棲む名射手)




直木賞 76回候補  一覧へ

ほろ ふえ
滅びの 笛』(昭和51年/1976年9月・光文社刊)
書誌
>>昭和54年/1979年12月・光文社/カッパノベルス『滅びの笛』
>>昭和55年/1980年4月・角川書店/角川文庫『滅びの笛』
>>昭和62年/1987年8月・光文社/光文社文庫『滅びの笛』
>>平成9年/1997年10月・廣済堂出版/廣済堂ブルー・ブックス『滅びの笛』
>>平成11年/1999年5月・徳間書店/徳間文庫『滅びの笛』
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
水上勉 0  
川口松太郎 8 「空想としては面白いのだが度がすぎて好意の持てなかった点は残念だ。この種の作品は、荒唐無稽にすぎると腹が立って来る。鼠の大群を山の中だけで納めて真実性を保たせればよかったのではないか。」
今日出海 16 「驚くべき豊饒な想像力の作品だ。」「構想は尨大だが、この結末は意外に呆気ない。」「しかしこのような想像力はこれ亦凡庸な作家の持ち得るものではない。」
村上元三 6 「ぐんぐん読ませて行く筆力は買うものの、東へ消えたイタチとノスリが、鼠群を食いつくすあたりを、もっとていねいに書いてほしかった。」
柴田錬三郎 9 「迫力に於ては、最も秀れていたが、結末がお粗末すぎた。」「さらにいけないのは、イギリスのパニック小説で、ロンドンを鼠が食いつくす「ザ・ラッツ」がすでに書かれていることである。」
司馬遼太郎 14 「自然破壊の現実を前提に、それによっておこる特殊な自然の異常肥大をたんねんに書き、それが、人間を文明からひきずり出して弱い一個の自然物に化せしめることによって報復するという主題を活劇的な小説に仕立てたものである。」
源氏鶏太 4 「妙ないい方になるが、達者で面白過ぎた。ある種の水々しさがあったらと思った。」
石坂洋次郎 0  
松本清張 16 「ネズミ大群の襲来がくりかえしくりかえし書かれて後半が冗漫。」「この半分くらいの枚数にしたら仕上りがきりっとなったろう。ネズミの大群による恐怖ではすでに開高健氏の佳作「パニック」があり、一考を要する。しかし、作者の筆力は並以上に評価する。」
選評出典:『オール讀物』昭和52年/1977年4月号
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文量
長篇
章立て
「第一章 蠕動」「第二章 狂瀾」「第三章 危機」「第四章 蔓延」「第五章 潰滅」「第六章 別離」「第七章 晦冥」「第八章 筵旗」「第九章 業火」
時代設定 場所設定
[同時代]  山梨県〜東京都など
登場人物
沖田克義(環境庁鳥獣保護課員)
曲垣五郎(新聞記者、沖田の友人)
右川竜造(林業試験場主任研究官、鼠研究の権威)
沖田広美(沖田の妻、山梨県出身)
片倉明義(山梨県警警備部長)
竜村(陸上自衛隊第一師団幕僚長)




直木賞 77回候補  一覧へ

まてき
魔笛が 聴こえる」
(『オール讀物』昭和52年/1977年5月号、6月号)
書誌
>>昭和52年/1977年7月・文藝春秋刊『魔笛が聴こえる』
>>昭和53年/1978年9月・徳間書店/西村寿行選集『魔笛が聴こえる』
>>昭和54年/1979年3月・文藝春秋/文春文庫『魔笛が聴こえる』
>>昭和61年/1986年7月・徳間書店/徳間文庫『魔笛が聴こえる』
>>平成11年/1999年6月・日本文芸社/日文文庫『魔笛が聴こえる』
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
水上勉 0  
今日出海 0  
松本清張 12 「前候補作よりも見劣りがする。」「プロットの無理と、パターンのマンネリ化と、文章の粗雑さと、騒々しさだけが伝わる。」「多忙という理由は、読者にむけては理由にならないのである。」
司馬遼太郎 0  
源氏鶏太 4 「その集団の狂気の描き方は見事であったが、それだけで終っていた。」
村上元三 4 「極彩色の劇画を見るような感じで、それなりに面白いが、エピローグでがっかりした。」
石坂洋次郎 0  
柴田錬三郎 9 「おそろしく乱暴な、荒唐無稽なストーリイ(引用者中略)の方が、(引用者注:「つゆ」や「竹生島心中」よりも)面白かった。もとより、それぞれに、高い点数をつけた次第ではない。」
川口松太郎 10 「決定的作品がなくて困ったが、(引用者中略)一応推した。」「欠点がありすぎる。」
選評出典:『オール讀物』昭和52年/1977年10月号
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文量
長篇
章立て
「第一章 少女の死」「第二章 少年の死」「第三章 女敵討」「第四章 地崩れ」「第五章 焼き打ち」「第六章 四人の男」「第七章 遠吠え」「第八章 お妙の霊」「第九章 男」
時代設定 場所設定
[同時代]  鳥取県御霊町〜東京
登場人物
野川禎二(御霊町南地区自治委員長)
左川十三郎(御霊町長)
藤塚虎之助(南地区の急先鋒)
虎吉(虎之助の弟、万勝寺住職)
中江広介(原子力燃料公社の技師)
中江美沙子(広介の妻)
塔沢(鳥取県警捜査一課の刑事)
町田亮介(左川の義弟、暴力団の用心棒)




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