直木賞のすべて
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第64回

=受賞者=
豊田 穣

=候補者=
三樹青生
梅本育子
黒部 亨
阿部牧郎
広瀬 正
宮地佐一郎
武田八洲満


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Last Update[H19]2007/8/22

武田八洲満
Takeda Yasumi
生没年月日【注】 昭和2年/1927年5月8日〜昭和61年/1986年9月13日
経歴 宮城県遠田郡南郷町生まれ。東京商科大学専門部中退。日本図書館協会、出版業を経験し、「大事」でオール讀物新人賞受賞。師に長谷川伸がいる。
受賞歴 第22回オール讀物新人賞(昭和38年/1963年)「大事」
サイト内リンク 付録-オール讀物新人賞受賞作一覧(第22回)
備考
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直木賞 64回候補  一覧へ

きのくにや ぶんざえもん
紀伊国屋 文左衛門」
(『大衆文藝』昭和45年/1970年4月号〜11月号)
書誌
>>昭和47年/1972年12月・朝日新聞社刊『紀伊国屋文左衛門』
>>昭和63年/1988年3月・光文社/光文社時代小説文庫『紀伊国屋文左衛門』
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
源氏鶏太 0  
石坂洋次郎 0  
水上勉 3 「文体の粗いのが気になり、」
村上元三 6 「こんどの八篇の中で、ただ一つ直木賞候補らしい作品だと思った。いくつも破綻があるし、饒舌すぎるが、実力は買いたい。」
今日出海 0  
大佛次郎 0  
柴田錬三郎 8 「やさしい文章をつかい乍ら、これほど読みにくい時代小説も、珍しいのではあるまいか。」「各処で大きなあやまりをおかしているのも、気になった。」
川口松太郎 0  
司馬遼太郎 5 「戯曲風に書かれた独特のスタイルだが、小生には人物群が結像しにくかった。」
松本清張 30 「推すなら武田八洲満氏の「紀伊国屋文左衛門」だと思った。ともかくこれには構成がある。史実も自分のものにしている。」「(引用者注:荻原重秀を)歩の悪い仕事を上から押しつけられる能吏として捉えていることに感心した。」「構想力のある新人と思う。」
選評出典:『オール讀物』昭和46年/1971年4月号
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文量
長篇
章立て
「第一章」〜「第十章」
時代設定 場所設定
江戸中期(明暦年間〜元禄年間)  江戸〜駿河〜大井川など
登場人物
文ぞう(紀州のみかん農夫、のち紀伊国屋文左衛門)
彦いち(文ぞうの友人、のち紀伊国屋一番番頭)
源べえ(文ぞうの友人)
河村瑞賢(老商人、のち旗本)
ゆう(瑞賢の女中)
まん(料理屋の女中)
奈良屋茂左衛門(最大の江戸商人)
松木新左衛門(駿府の絹問屋で町頭取)
荻原近江守重秀(幕府勘定吟味役)




直木賞 68回候補  一覧へ

のぶとら
信虎』(昭和47年/1972年11月・毎日新聞社刊)
書誌
>>昭和62年/1987年8月・光文社/光文社時代小説文庫『信虎』
>>昭和63年/1988年2月・毎日新聞社刊『信虎』
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
大佛次郎 0  
源氏鶏太 4 「案外不評であったのは、どうも力作に過ぎて読み辛いところに原因があったようだ。」
石坂洋次郎 3 「長すぎると思った。」
司馬遼太郎 8 「おそらくご自分の「何物」かを問うてみたくて書かれた作品であろう。しかし問うがための姿勢が前面に出て、技倆がうしろへひっこみ、ひどく貧困なものになった。」
川口松太郎 0  
水上勉 0  
村上元三 6 「構成に難がある。それぞれ人間はよく描かれているが、途中、何べんも前へ戻って読み返さないと、人間関係が雑然としてわからず、読みにくかった。」
今日出海 0  
柴田錬三郎 0  
松本清張 19 「信虎が人間的にまったく描けていない。」「子の信玄との間も、両方を体裁よくしようとしてか性格があいまいになっている。信虎・信玄とも個性が強いのだからこれでは困る。百姓の困苦も観念的な書き方だ。」
選評出典:『オール讀物』昭和48年/1973年4月号
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文量
長篇
章立て
「一之章 五郎」「二之章 ひょう」「三之章 せん」「四之章 でん」「五之章 るえ」「六之章 大次郎」「七之章 太郎」「八之章 晴信」
時代設定 場所設定
戦国(明応年間〜天文年間)  甲斐
登場人物
武田信虎(幼名・五郎、甲斐国守護、武田十八代統領)
ひょう(百姓の家の娘)
でん(ひょうの弟)
大井信達(甲斐の有力諸族の一人)
せん(信達の娘、信虎の正室)
武田晴信(幼名・太郎、信虎の長子、のちの信玄)




直木賞 69回候補  一覧へ

ほのお たびじ
炎の 旅路』(昭和48年/1973年5月・中央公論社刊)
書誌
>>昭和48年/1973年9月・中央公論社刊『炎の旅路』
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
司馬遼太郎 0  
柴田錬三郎 0  
源氏鶏太 4 「心からご苦労様といいたいほどの努力作であるが、この文体は、一考を要するようだ。」
石坂洋次郎 0  
水上勉 6 「力作ながら、前半に退屈をおぼえた。横浜に舞台を絞った方が成功したのではないか、と一委員がいったのに賛成だった。」
川口松太郎 0  
村上元三 8 「やはり横浜に舞台が移るまで、読んでいて食いつけないのが、大きな欠点になっている。」「文章は、もっと読みやすくなってほしい。」
今日出海 5 「様々な筋を無理に一篇にまとめたために散漫になり、興味の中心が絶えず移動して、平板な作品にしたのは惜しい。」
松本清張 15 「女がまったく観念的にしかできていないので、外人技師との間が木に竹をついだようになっている(ここは作者も苦労している)。」「氏の本領が前作の武田信虎や本作品のようなものより江戸の商人ものにあると信じている」
選評出典:『オール讀物』昭和48年/1973年10月号
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文量
長篇
章立て
「第一章」〜「第五章」
時代設定 場所設定
幕末〜明治初期  磐城国平藩〜仙台〜セイロン島〜江戸(東京)〜横浜など
登場人物
土屋こと(平藩士・土屋庄一郎の娘)
エドモンド・モレル(鉄道建設の英国技師)
ことの母(庄一郎の後妻、百姓の娘)
隆造(京浜汽船稲川丸の船長代理)
はな屋万次郎(商人、ことの育ての親)
土屋鉄之助(ことの異母弟)
井上勝(長州出身の役人)




直木賞 73回候補  一覧へ

なまむぎいちじょう
生麦一条』(昭和50年/1975年5月・中央公論社刊)
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
川口松太郎 17 「あの詳細な調査と記述とには敬意を表するが、どれほど努力しようとも所詮は一種のルポルタージュだ。」「単なる読物賞であれば「生麦一条」を推薦するに吝かではないが小説では棄権だ。」
石坂洋次郎 8 「私は右の三作(引用者注:「ふれあい」「生麦一条」「天を突く喇叭」)を推したが、賛否半ばして、直木賞に選ばれず、残念だった。」
柴田錬三郎 18 「小説ではなく、資料をならべただけで、作者不在である。」「あとがきに、おびただしい参考資料をならべているが、作者は、その資料の中にうずもれて、自分を全く見失った模様である。」
源氏鶏太 16 「大方の意見は、要するに資料の寄せ集めであり、小説になっていないし、資料を見る眼に疑問があるということで落ちた。」「私は、ちゃんとした小説として読んだし、それなら資料について、それほど大袈裟にいう必要があるのだろうかと思った。」「選考委員会は、資料についての選考会でないのだと、今でもその後味の悪さを感じている。」
村上元三 15 「史料の寄せ集めという酷評も出たが、史料を自分で消化して作品化している努力は認めたい。」「努力を認めて直木賞にしてもよい、と思った。だが、作者をよく知りすぎているだけに、強く推せば、やはり私情が出てくる。源氏委員とわたしだけの票では、なんとも弱かった。」
今日出海 7 「量からいっても一番の力作ではあった。資料の渉猟も綿密で、読み応えはあったが、全編に力が入りすぎて、作品の感動よりも、人を疲れさせる緩急を欠いた憾みがある。」
水上勉 33 「候補作の中で最もぬきん出た」「ところが、委員中に歴史事実の問題点、疑問点があると意見が出て、「歴史そのまま」ともいえない判定が出てくると、どこかに嘘があるなら、むしろ、もっと作者の空想や創造をひろげて、面白く語ってくれた方が、という気もして、労作は認めながらも受賞作に推すのを控えた。」
松本清張 94 「力作がかならずしも秀作ではないという見本のようなもの。」「いちばん大事な作者の眼がない。」「重大な事実の書き落しや間違いがある。」「(引用者注:私が間違いを指摘するのは)作者が江戸時代の商人について描ける才能を持っていると思うからである。それに、こんどの作では、文章が格段によくなっている。」
選評出典:『オール讀物』昭和50年/1975年10月号
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文量
長篇
章立て
「第一章 路上」「第二章 襲撃」「第三章 長文書翰」「第四章 激浪」
時代設定 場所設定
江戸幕末  武蔵国生麦村〜横浜〜江戸など
登場人物
小笠原図書頭長行(幕府老中格)
阿部越前守正外(生麦事件発生時の神奈川奉行、のち外国奉行)
エドワード・セント・ジョン・ニール(イギリス代理公使、陸軍中佐)
浅野伊賀守氏祐(阿部越前守の後任神奈川奉行)
清河八郎(出羽庄内藩郷士、急進的な攘夷派)




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