直木賞のすべて
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第64回

=受賞者=
豊田 穣

=候補者=
三樹青生
梅本育子
黒部 亨
阿部牧郎
広瀬 正
宮地佐一郎
武田八洲満


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Last Update[H20]2008/2/26

広瀬正
Hirose Tadashi
生没年月日【注】 大正13年/1924年9月30日〜昭和47年/1972年3月9日
経歴 本名=広瀬祥吉。東京・京橋生まれ。日本大学工学部卒。バンドマンになり、「広瀬正とスカイトーンズ」を結成。ジャズ・テナーサックス奏者として活躍。バンド解散後、SF小説を書き期待されたが、心臓まひで急死。
受賞歴 第4回星雲賞[日本長編部門](昭和48年/1973年)『鏡の国のアリス』
個人全集 『広瀬正・小説全集』全6巻(昭和52年/1977年2月〜昭和52年/1977年7月・河出書房新社刊)
 (昭和57年/1982年2月〜昭和57年/1982年7月・集英社/集英社文庫)
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直木賞 64回候補  一覧へ
『マイナス・ゼロ』 (昭和45年/1970年10月・河出書房新社刊)
書誌
>>初出『宇宙塵』90号〜99号[昭和40年/1965年☆月〜☆年☆月]
>>昭和52年/1977年2月・河出書房新社刊『広瀬正・小説全集1 マイナス・ゼロ』
>>昭和57年/1982年2月・集英社/集英社文庫『マイナス・ゼロ』
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
源氏鶏太 10 「席上あまり高く評価されなかったようだが、私にはひどく面白かった。」「空想力と構想力、更には昭和七年頃の東京風俗、人物などが巧みに描かれていて申し分がなかった。しかし、直木賞作品となると別のことのように思わせられた。」
石坂洋次郎 0  
水上勉 0  
村上元三 6 「着想は新しいとは思えない。昭和七年の東京の描写などは面白いが、終章の同一人物が二人あらわれるあたりがつまらなかった。」
今日出海 0  
大佛次郎 0  
柴田錬三郎 9 「面白い点では、いちばん面白かったが、ただそれだけのことで、いったい、なんのためにこんなに努力して、多くの枚数をついやしたのか、作家の情熱は、ただ、読者をおどろかせたり、面白がらせたりするためにだけ、わきたつものではなかろう。」
川口松太郎 0  
司馬遼太郎 16 「一読者として一番面白かった」「この人の空想能力と空想構築の堅牢さにおどろいた。」「七分目がた、これを推した。が、どうもぶ(原文傍点)がわるく、ぶ(原文傍点)の悪い理由もよくわかるから、途中で推しつづける根気をうしなった。」
松本清張 0  
選評出典:『オール讀物』昭和46年/1971年4月号
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文量
長篇
章立て
「プラス・ゼロ」「プラス18」「マイナス31」「ゼロ」「マイナス・ゼロ」
時代設定 場所設定
太平洋戦争戦中〜1963年〜昭和初期  東京
登場人物
浜田俊夫(電機会社の技術部長)
及川伝蔵(老人)
伊沢啓子(浜田の昔の隣人)
レイ子(バーに勤める肉体美人)
カシラ(仕事師、浜田の仮の家主)
及川美子(芸名・小田切美子、映画女優)




直木賞 65回候補  一覧へ
『ツィス』(昭和46年/1971年4月・河出書房新社刊)
書誌
>>昭和52年/1977年3月・河出書房新社刊『広瀬正・小説全集2 ツィス』
>>昭和57年/1982年3月・集英社/集英社文庫『ツィス』
>>平成8年/1996年5月・集英社/集英社文庫『ツィス』第3刷
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
石坂洋次郎 7 「よく描けている推理小説で、私は面白く読んだが、やはり現実性が不足だということで通らなかった。」
水上勉 0  
源氏鶏太 8 「私なんかに全く書けぬ種類の作品であるだけに、よけい魅かれて読んだ。しかし、読み終ってからすべてが徒労であったような虚しい印象からまぬがれ得なかった。」
川口松太郎 0  
柴田錬三郎 5 「面白さに於ては、一番読みごたえがあったが、途中から結末が判ってしまっては、SF物としては落第ではなかろうか。」
司馬遼太郎 12 「自分の空想をどれほど精緻に計数化しうるかということに挑んだ作品で、この作業そのものが志であり、(引用者中略)変に魅かれるものがあった。しかしこの種のものが受賞作になるには多少先例と筋合いがちがうし、なるにしてもあと数年かかるかもしれないとおもった。」
今日出海 9 「珍しく新鮮な、且つ冒険的な題材だった。なかなか繊細微妙な設定で書き出していたのに、(引用者中略)授賞作品というには粗末な構成になったのは惜しまれる。」
村上元三 6 「いまに面白くなるだろうなるだろうと思いながら読み続け、とうとう面白くならずに終った。SFには、もっとびっくりするような着想と構成がほしい。」
大佛次郎 46 「会に出て、「ツィス」に対して確か私は直ぐに拒否した。しかし後になってから段々と、この一種変った作品に授賞してもよかったのではないか、と気になって来た。」「書いてある内容が、私程度の人間の理解の外にあった。(引用者中略)それが後日になって自分の怠慢と無知の故のように感じ、気がかりに成って来た。」「他の作品にくらべ、新鮮だったことは確かである。」
松本清張 0  
選評出典:『オール讀物』昭和46年/1971年10月号
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文量
長篇
章立て
「イントロダクション」「レベル1」「レベル2」「レベル3」「レベル4」「レベル5」「レベル6」「レベル0」「エンディング」
時代設定 場所設定
[同時代]  神奈川県C市〜東京
登場人物
秋葉(精神病医)
榊英秀(イラストレーター、聾者)
日比野譲(B大学教授、音響学者)
逸見のり子(耳鳴りの患者)
ダイアン稲田(愛称・オイネ、榊の恋人)
尾沼寅蔵(元刑事、聾者)




直木賞 66回候補  一覧へ

ひと かこ
『エロス――もう 一つの 過去』
(昭和46年/1971年11月・河出書房新社刊)
書誌
>>初出『週刊読売』☆年☆月
>>昭和52年/1977年4月・河出書房新社刊『広瀬正・小説全集3 エロス もう一つの過去』
>>昭和57年/1982年4月・集英社/集英社文庫『エロス』
>>平成8年/1996年5月・集英社/集英社文庫『エロス』第4刷
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
源氏鶏太 6 「このもしもあのときに、の設定にそれほどの必然性が感じられなかった。前に候補になった二作よりもすっきりしているが、それだけに軽くなってしまっている。」
川口松太郎 0  
石坂洋次郎 3 「ひかれるものが乏しかった。」
司馬遼太郎 32 「私は広瀬正氏の「エロス」を推した。」「この小説の設定につかわれた人間も空間も時間も、フラスコや試験管といったふうの実験器具として組みあわされ、作者自身は白い実験衣を着た進行係にすぎず、実験の進められようが非現実的であっても、遊戯としてわりきってしまえばじつにおもしろい。」「才能(広瀬氏のは従来の文学的才能ではなさそうである)という点では、私は三作(引用者注:「エロス」と前候補作二つ)とも頭がさがった。」
村上元三 6 「構成に難点がある。」「しゃれた結末を期待していたが、平凡に終っている。」
柴田錬三郎 2 「前作「ツィス」より、数段劣る。」
大佛次郎 0  
水上勉 0  
今日出海 0  
松本清張 0  
選評出典:『オール讀物』昭和47年/1972年4月号
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文量
長篇
章立て
「第1章 現在」「第2章 過去」「第3章 現在」「第4章 もう一つの過去」「第5章 現在」「第6章 過去」「第7章 現在」「第8章 過去」「第9章 現在」「第10章 もう一つの過去」「第11章 現在」「第12章 もう一つの過去」「第13章 現在」「第14章 もう一つの過去」「第15章 現在」「第16章 もう一つの過去」「第17章 現在」
時代設定 場所設定
同時代〜昭和初期  東京
登場人物
橘百合子(ベテラン歌手、本名・赤井みつ子)
片桐慎一(帝大卒、盲人の学者)
林田(片桐の寄宿先)




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