直木賞のすべて
直木賞のすべて

第47回

=受賞者=
杉森久英

=候補者=
津田 信
杜山 悠
野村尚吾
木野 工
川野彰子
結城昌治
金子明彦
小林 勝
来水明子


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Last Update[H20]2008/6/1

木野工
Kino Takumi
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生没年月日【注】 大正9年/1920年6月15日〜
経歴 北海道旭川市生まれ。北海道帝大工学部卒。元・北海タイムス論説委員。
受賞歴 第30回芥川賞候補(昭和28年/1953年)「粧はれた心」
第36回芥川賞候補(昭和31年/1956年)「煙虫」
第44回芥川賞候補(昭和35年/1960年)「紙の裏」
第46回芥川賞候補(昭和36年/1961年)「凍」
第5回北海道新聞文学賞(昭和46年/1971年)「襤褸」
備考
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よそお
粧はれた心」(『新潮』昭和28年/1953年12月号)
書誌
>>昭和47年/1972年☆月・光風社書店刊『樹と雪と甲虫と』所収「粧われた心」
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芥川賞 芥川賞 30回候補 一覧へ
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
瀧井孝作 0  
石川達三 6 「ほとんど問題にされなかったが、私はなかなか力のある作家だという気がしている。題材はいかにも古めかしく、作者の立場もその古さからあまり出てはいないが、主人公の女の捕え方、その描写力は間違っていない。」
丹羽文雄 0  
佐藤春夫 0  
宇野浩二 4 「芸者の社会を書くのもよいが、全体が古めかしく、取り得なし。」
川端康成 0  
岸田國士 0  
舟橋聖一 0  
坂口安吾 0  
選評出典:『芥川賞全集 第五巻』昭和57年/1982年6月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和29年/1954年3月号)
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えんちゅう
煙虫」(『冬濤』13号[昭和31年/1956年12月])
芥川賞 芥川賞 36回候補 一覧へ
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
石川達三 4 「面白いところがたくさん有るにかかわらず、強く推す人はなかった。煙虫という仮定の設定と、その他のリアルな部分との関連が不充分で、むしろ虫などを持ち出さない方が、良かったのではないかと私は思った。」
瀧井孝作 0  
丹羽文雄 3 「さらに筆を入れ、省略をすれば、よいものになりそうである。」
中村光夫 5 「ニコチン中毒の士官という異常な題材を扱いながら、書き方がものものしいわりに実感がなく、三作(「軍用露語教程」「煙虫」「犬の血」)のうち一番劣ります。」
舟橋聖一 1 「(引用者注:他に比べて)更に見劣りがする。」
川端康成 0  
井上靖 2 「(引用者注:他に比べて)かなり見劣りがした。」
宇野浩二 10 「作者の意図は「奇妙な或るニコチン中毒者の半生の記録」を書いたつもりであったらしい。が、この小説は、あまりに奇妙になり過ぎて、箸にも棒にもかからぬ作品になってしまった。」
選評出典:『芥川賞全集 第五巻』昭和57年/1982年6月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和32年/1957年3月号)
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かみ うら
紙の 裏」
(『赤門文學』2号[昭和35年/1960年10月])
書誌
>>『文學界』昭和35年/1960年12月号再録
>>『文藝春秋』昭和36年/1961年3月号
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芥川賞 芥川賞 44回候補 一覧へ
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
井伏鱒二 4 「(引用者注:「忍ぶ川」の次に)あげるという意味を、日本文學振興会へ申入れておいた。」「題材が良いと思った。」
中村光夫 3 「(引用者注:「忍ぶ川」が)当選作とすると、「紙の裏」のように欠点はあってもそれなりの力作といえる小説は気の毒という感じがのこります。」
瀧井孝作 5 「新聞の販売拡張の機構を描いた小説か、新聞配達少年の恋を描いた小説か、どちらか、しまいの方で話が二つに割れて、出来栄は拙い。筆も粗雑だ。」
石川達三 3 「選者の永井氏が直木賞の方に推したかったと云ったように、面白いところはたくさん有るが、新聞記者的な文章と創作態度とが、私には物足らなかった。」
佐藤春夫 0  
丹羽文雄 2 「四位」
永井龍男 4 「ひき込まれたが、芥川賞よりは直木賞に向けたい作品だと思った。題材も珍しいし、確りした作品なので、文藝春秋誌上に再録してもらえればと希望した。」
川端康成 0  
井上靖 3 「(引用者注:「花やあらむ」と共に)自分の持場で丹念に仕事をしていて、好感の持てる作品だった。」
舟橋聖一 0  
宇野浩二 7 「直木賞の銓衡委員に見てもらったらという説も出たが、私は、長すぎる事は別として、話が二つに割れている事でも、この作品はとらない。」
選評出典:『芥川賞全集 第六巻』昭和57年/1982年7月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和36年/1961年3月号)
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しばれ
凍(しばれ)」(『文學界』昭和36年/1961年6月号)
書誌
>>昭和47年/1972年☆月・光風社書店刊『樹と雪と甲虫と』所収
>>昭和56年/1981年8月・立風書房刊『北海道文学全集 第20巻 さまざまな座標』所収
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芥川賞 芥川賞 46回候補 一覧へ
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
瀧井孝作 3 「北海道の積雪の鴉の飢えが、なまじいに小説に仕組まれてあるのが、筆のくだくだしさと共に、スッキリしなかった。」
石川達三 0  
中村光夫 0  
丹羽文雄 4 「木野工君の話はいつも面白い。」「何か信頼出来る作家という気がするが、料理の仕方に一抹やぼったいところがある。今度のも必要以上に人間がごたごたしていたので損をした。」
永井龍男 0  
舟橋聖一 0  
井上靖 0  
井伏鱒二 0  
佐藤春夫 0  
選評出典:『芥川賞全集 第六巻』昭和57年/1982年7月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和37年/1962年3月号)
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直木賞 47回候補  一覧へ

かいだん
怪談」(『文學界』昭和37年/1962年4月号)
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
木々高太郎 0  
海音寺潮五郎 0  
源氏鶏太 0  
村上元三 0  
中山義秀 3 「それぞれ読みごたえがあった。」
小島政二郎 4 「「夜の暦」と「怪談」に一番点を入れた。」
大佛次郎 3 「興味深く感心して読んで行ったら、終りの方で背負投げを喰った。」
川口松太郎 0  
今日出海 0  
松本清張 5 「北海道のタクシー運転手のスカウト話というありきたりな内容の上にニューズストーリイ的になりすぎたと思う。」
選評出典:『オール讀物』昭和37年/1962年10月号
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文量
短篇
章立て
なし
時代設定 場所設定
[同時代]  札幌〜東京
登場人物
秋宗東三(実直なタクシー運転手)
潤子(東三の妻、料亭の女中)
中場千吉(周旋業者)
田沼(東三と同じ会社のタクシー運転手)




直木賞 66回候補  一覧へ

らんる
襤褸」
(『北方文芸』昭和45年/1970年7月号、昭和46年/1971年7月号)
書誌
>>昭和47年/1972年6月・新潮社刊『襤褸』/単行本化に当たり一章〜三章まで章割り
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
源氏鶏太 16 「もし授賞作を選ぶとすれば、「自動巻時計の一日」と「襤褸」のどちらか、であろうと思って選考会に出席した」「今でも「襤褸」が惜しかったと思っている。」「必ずしも器用でないし、省略すべき点もいろいろあるが、全身をぶっつけるようにして書いてある。濃度がある。」
川口松太郎 26 「諸作品中これだけが人間性を貫いている。残酷な人生を風のように流されて死んで行く売女の哀れを感情をこめずに書いている。」「無駄を書かずにおけば作品になれたものを、愚にもつかぬ無駄が呆れるほどの枚数を使っている。」「花子の描写は芸術だが、遊郭の説明は新聞記者の報道記事だ。そこにこの作品の失敗がある。」
石坂洋次郎 8 「明治三十年代、東北地方の津軽に生れ育った私は、周辺にこれと似た貧しい人々の生活をたくさん眺めて来ているが、それだけに暗い思い出をそそられて拾い上げる気になれなかった。」
司馬遼太郎 0  
村上元三 13 「強力に推すのには弱い」「調べたことを生のまま書きすぎて、作品の中に消化していない。」「この作家は筆力も豊かだし、物語性のある作品を期待したい。」
柴田錬三郎 10 「あるいは当選するのではあるまいか、という気持で、選考会に臨んだのであるが、大半の委員が、自然主義時代から一歩も出ていない、という意見に屈せざるを得なかった。しかし、私は、作者の努力をみとめるのに、やぶさかではない。」
大佛次郎 28 「文章も態度も立派で、文学として優れ、(引用者中略)日本の自然主義文学の時代に、仮に田山花袋がこの小説を書いて発表したものとしたら、一世を聳動し、「重右衛門の最後」以上に深刻な作品として今日にも重きを為す名作として残ったろうと思う。しかし出る時が五十年遅れた。」「私など大いに感心したが文学の進歩に逆転する恨み無きを得ない。」
水上勉 16 「印象ぶかく読んだ」「この作者は確かな眼をもっている。が、如何せん文体が古くて、時代の背景や史実に力を入れすぎたために、主人公の方がうすれたところがあり、惜しいと思った。」「こういう作風には好意ももったのだけれど、受賞となると手入れが足りない。」
今日出海 8 「力作であった。まことに綿密に調べて、感心したが、調べた部分と主人公の人生とのつながりが分裂しているというよりは消化し切れていない憾みがあった。」
松本清張 9 「古めかしい自然主義ふう(派とはいわない)の作品で、ざらざらした印象だけだ。売春婦の哀れが類型的に積み上げられているだけで、性格の個性が一つも出ていない。」
選評出典:『オール讀物』昭和47年/1972年4月号
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文量
長篇
章立て
なし
時代設定 場所設定
昭和初期  北海道雄冬〜旭川など
登場人物
花(吉川楼の娼妓)
すぎ(花の母親)
一郎(花の姉女郎)
中島爺(中島遊郭で働く正体不明の老人)
山伸(周旋屋)
はま(吉川楼の女将)
菊乃(吉川楼の隣にある大正亭の女将)




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