直木賞のすべて
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第44回

=受賞者=
寺内大吉
黒岩重吾

=候補者=
夏目千代
木戸織男
畷 文兵
笹沢佐保
小堺昭三
星 新一
津田 信


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Last Update[H18]2006/8/6

笹沢左保
Sasazawa Saho
生没年月日【注】 昭和5年/1930年11月15日〜平成14年/2002年10月21日
経歴 本名=笹沢勝(ササザワ・マサル)。神奈川県横浜市生まれ。関東学院高等部卒。簡易保険局に勤務。「招かれざる客」で江戸川乱歩賞次席となり作家デビュー。昭和36年/1961年に左保に改名。本格ミステリー小説や、股旅物を数多く書き、「木枯し紋次郎」シリーズはテレビドラマ化された。父に詩人の笹沢美明がいる。
受賞歴 第14回日本探偵作家クラブ賞(昭和35年/1960年)『人喰い』
第3回日本ミステリー文学大賞(平成11年/1999年)
サイト内リンク 小研究-ミステリーと直木賞
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子サイト
「余聞と余分」内
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直木賞 44回候補  一覧へ

ひとぐ
人喰い』
(昭和35年/1960年11月・光文社/カッパノベルス)笹沢佐保名義
書誌
>>昭和46年/1971年3月・日本文華社/文華新書小説選集『人喰い』
>>昭和50年/1975年10月・中央公論社/中公文庫『人喰い』
>>昭和58年/1983年8月・講談社/講談社文庫『人喰い』
>>平成3年/1991年3月・徳間書店/徳間文庫『人喰い』
>>平成5年/1993年6月・出版芸術社/ミステリ名作館『人喰い』
>>平成7年/1995年5月・双葉社/双葉文庫 日本推理作家協会賞受賞作全集14『人喰い』
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
中山義秀 5 「二つの推理作品のうち「人喰い」がおちて、「背徳のメス」が当選したのは、ある社会面の暴露が、効果をあげていたからであろう。」
木々高太郎 0  
大佛次郎 0  
村上元三 0  
源氏鶏太 4 「登場人物に魅力がなかったのと、殺人の動機がアイマイであった。」
小島政二郎 0  
川口松太郎 0  
海音寺潮五郎 0  
吉川英治 3 「それぞれ惜しい。」
選評出典:『オール讀物』昭和36年/1961年4月号
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文量
長篇
章立て
「前章 指名手配」【「一 遺書」「二 仇敵」「三 消滅」「四 爆破」「五 二死」】「後章 佐紀子」【「六 矛盾」「七 追及」「八 食人」】
時代設定 場所設定
[同時代]  東京〜浦賀〜山梨県昇仙峡など
登場人物
花城佐紀子(銀行員)
花城由記子(佐紀子の姉、昭一の恋人、失踪)
本多昭一(本多銃砲火薬店社長の息子、由記子と同時に失踪)
豊島宗和(本多銃砲の労働組合執行委員長、佐紀子の恋人)
浦上美土利(本多銃砲技術部社員、豊島の元恋人)
本多裕介(本多銃砲社長)
柏村信吾(本多銃砲専務、社長の死後に社長代理)




直木賞 46回候補  一覧へ

くうはく きてん
空白の 起点』
(昭和36年/1961年11月・光文社/カッパノベルス)
書誌
>>初出『宝石』昭和36年/1961年8月号〜11月号「孤愁の起点」
>>昭和55年/1980年6月・講談社/講談社文庫『空白の起点』
>>平成2年/1990年8月・勁文社/ケイブンシャ文庫『空白の起点』
>>平成10年/1998年3月・日本文芸社/日文文庫『空白の起点』
>>平成14年/2002年5月・埼玉福祉会/大活字本シリーズ『空白の起点』(上)(下)
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
木々高太郎 9 「内容が、とに角殺せばよい、殺したものをつきとめればよい、ということで、結局よみ終って空白を感ずる。」
源氏鶏太 3 「登場人物にもうすこしの魅力を盛り上げて貰いたかった。」
中山義秀 0  
大佛次郎 0  
川口松太郎 0  
海音寺潮五郎 0  
今日出海 0  
松本清張 9 「可能性の犯罪トリックに無理がある。」「直木賞に推すには力不足といったところだ。もっとユニークなものが欲しい。」
村上元三 4 「人間を描こうとしている努力は認められるものの、推理小説としての骨組は平凡。」
小島政二郎 4 「推理小説家というものは、面白い題を付けるものだと思った。これが文学だろうか。」
選評出典:『オール讀物』昭和37年/1962年4月号
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文量
長篇
章立て
「崩れた絵」「歪んだ環」「捩れた線」「濁った芽」
時代設定 場所設定
[同時代]  真鶴〜東京〜小田原〜軽井沢など
登場人物
新田純一(協信生命保険の調査員)
小鹿鮎子(広告宣伝会社の秘書課員)
小鹿美智雄(鮎子の父、広告宣伝会社の会計課長、崖から転落死)
佐伯初子(東日生命保険の調査員)
国分久平(小鹿美智雄の幼なじみ、死亡)
高良井(神奈川県警捜査一課刑事)




直木賞 48回候補  一覧へ

ろっぽんぎしんじゅう
六本木心中」
(昭和37年/1962年6月・東都書房刊『第三の被害者』より)
書誌
>>初出『小説中央公論』昭和37年/1962年5月号
>>昭和39年/1964年4月・宝石社刊『現代推理作家シリーズ5 笹沢左保』所収
>>昭和40年/1965年4月・光文社/カッパ・ノベルス『日本代表推理小説全集 第1巻 疑惑・裁き編 遭難』所収
>>昭和40年/1965年9月・芸文社刊『笹沢左保選集第5 銀座心中』所収
>>昭和43年/1968年1月・日本文華社/文華新書小説選集『六本木心中』所収
>>昭和46年/1971年5月・角川書店/角川文庫『六本木心中』所収
>>昭和55年/1980年4月・集英社/集英社文庫『日本名作シリーズ8 心中小説名作選』所収
>>平成1年/1989年7月・講談社/講談社文庫『ミステリー傑作選特別編1 1ダースの殺意』所収
>>平成8年/1996年10月・角川書店/角川文庫『六本木心中』[改版]所収
>>平成13年/2001年12月・リブリオ出版/大きな活字で読みやすい本『ラブミーワールド 第6巻 愛と死と』所収
>>平成16年/2004年2月・リブリオ出版/大きな活字で読みやすい本『恋愛小説・名作集成 第6巻 愛と死と』所収
>>平成16年/2004年9月・光文社/光文社文庫『甘やかな祝祭 恋愛小説アンソロジー』所収
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他の収録作品
「死視界」(『別冊文藝春秋』昭和37年/1962年4月)
「純愛碑」(『小説新潮』昭和37年/1962年6月号)
「墓場の存在」(『小説中央公論』昭和37年/1962年1月号)
「第三の被害者」(『オール讀物』昭和36年/1961年12月号)
 
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
源氏鶏太 9 「私は、高点をつけた。格調の高い好短篇になっていると思ったからである。が、笹沢氏は、あまりにも有名になり過ぎていて、それで損をしたようなところもないでなかったようだ。」
川口松太郎 4 「既に流行人気作家なのだから、最も悪い作品が候補に上ったのではないかと思う。」
村上元三 8 「肝腎の六本木界隈の雰囲気(それも、これの発表当時と現在とではだいぶ違う)がよく出ていないし、(引用者中略)それほど感心はしなかった。」
木々高太郎 0  
今日出海 0  
小島政二郎 6 「主人公と少女千景との出合いまで(引用者注:が面白く、後半には文学を感じなかった)」
海音寺潮五郎 0  
大佛次郎 0  
松本清張 17 「氏の作品の中で最優秀とは云えないが、最近の氏の活動は職業作家として将来性ある才能を感じさせるに十分である。」「いうまでもなく笹沢氏はすでに流行作家だが、だからといって、受賞対象から外す理由はないように思う。」
選評出典:『オール讀物』昭和38年/1963年4月号
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文量
短篇
章立て
「1」〜「6」
時代設定 場所設定
[同時代]  東京
登場人物
海老名昌章(休学中の大学生)
芥川千景(高校生、妊娠4か月)
芥川恵子(千景の母、レストランの女主人)
大木勇太郎(東京地検検事)




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ゆき はなち おうしゅうじ
雪に 花散る 奥州路」
(『オール讀物』昭和46年/1971年1月号)
書誌
>>昭和46年/1971年8月・文藝春秋刊『雪に花散る奥州路』所収
>>昭和57年/1982年1月・文藝春秋/文春文庫『雪に花散る奥州路』所収
>>平成2年/1990年4月・祥伝社/ノン・ポシェット『裏切り街道〜暗闇に泣く女』所収
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
石坂洋次郎 3  
水上勉 14 「意外性の積みかさねも目まぐるしくて(中山峠)、もう少し笹沢氏の眼のゆきとどいた人間群の登場する股旅物が望ましいと思った。筆力はあるし、直木賞にふさわしい作家なのだが、不運な候補作品だった。」
源氏鶏太 18 「私は実に面白かった。西部劇を真似ているとか意外性があり過ぎるとの批評もあったが、私には苦にならなかった。寧ろ長所に想えた。」「結局、笹沢氏に受賞さるべきであったと今も思っている。」
川口松太郎 21 「笹沢君の今度の二作は不成功だ。君が推理小説から出発してこの分野に挑戦する事は歓迎だが、それならそれで下準備が必要だ。誰かが西部劇の焼き直しといい、「ひとり狼」(村上元三作)の亜流だといったが、そんな感じを起させるだけでも失敗である。」
柴田錬三郎 10 「どれを読んでも、パターンが同じである。また、すでに、村上元三氏が、「ひとり狼」という、このパターンの佳作をつくっている。この作家は、候補にあげられたので、むしろ、損をした模様である。」
司馬遼太郎 0  
今日出海 4 「既に定評があるだけに、今回の候補作品に特に顕著な特質も、野心もなかったのは遺憾である。」
村上元三 13 「股旅物に新しい傾向を盛り込もうとした作者の努力が、よくわかる。読んでいて面白いし、こんどの候補作のうち、これだけが大衆小説だと思うが、最終的には票が集まらなかった。」
大佛次郎 0  
松本清張 30 「文章は、かなりキメのこまかい箇所があり、筆力も十分。しかし、あまりに意外性を狙いすぎてか、前半に伏線が足りず、読後はどんでん返しでヤミ打ちに遇ったような気がする。その意外性に納得がいかず、後味が悪い。」「主人公の虚無的な性格も型にはまっている。」
選評出典:『オール讀物』昭和46年/1971年10月号
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文量
短篇
章立て
「1」〜「8」
時代設定 場所設定
江戸末期  甲州下部〜野州越堀
登場人物
武吉(渡世人、通称・二本桐の武吉)
勘助(仁五郎親分の三下)
仁五郎(越堀の貸元)
竹蔵(仁五郎の敵、佐久山の貸元)
時次郎(竹蔵の片腕)




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なかやまとうげ じごく
中山峠に 地獄をみた」
(昭和45年/1970年12月・講談社刊『見かえり峠の落日』より)
書誌
>>初出『別冊小説現代』昭和45年/1970年初夏号[☆月]
>>昭和48年/1973年1月・角川書店/角川文庫『見かえり峠の落日』所収
>>平成4年/1992年8月・講談社刊『歴史小説名作館9 江戸4 大川端秋色』所収
>>平成8年/1996年9月・講談社/大衆文学館『見かえり峠の落日』所収
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他の収録作品
「見かえり峠の落日」(『小説現代』昭和45年/1970年4月号)
「地蔵峠の雨に消える」(『小説現代』昭和45年/1970年9月号)
「暮坂峠への疾走」(『小説現代』昭和45年/1970年11月号)
「鬼首峠に棄てた鈴」(『小説現代』昭和46年/1971年1月号)
 
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
石坂洋次郎 3  
水上勉 14 「意外性の積みかさねも目まぐるしくて(中山峠)、もう少し笹沢氏の眼のゆきとどいた人間群の登場する股旅物が望ましいと思った。筆力はあるし、直木賞にふさわしい作家なのだが、不運な候補作品だった。」
源氏鶏太 18 「私は実に面白かった。西部劇を真似ているとか意外性があり過ぎるとの批評もあったが、私には苦にならなかった。寧ろ長所に想えた。」「結局、笹沢氏に受賞さるべきであったと今も思っている。」
川口松太郎 21 「笹沢君の今度の二作は不成功だ。君が推理小説から出発してこの分野に挑戦する事は歓迎だが、それならそれで下準備が必要だ。誰かが西部劇の焼き直しといい、「ひとり狼」(村上元三作)の亜流だといったが、そんな感じを起させるだけでも失敗である。」
柴田錬三郎 10 「どれを読んでも、パターンが同じである。また、すでに、村上元三氏が、「ひとり狼」という、このパターンの佳作をつくっている。この作家は、候補にあげられたので、むしろ、損をした模様である。」
司馬遼太郎 0  
今日出海 4 「既に定評があるだけに、今回の候補作品に特に顕著な特質も、野心もなかったのは遺憾である。」
村上元三 13 「股旅物に新しい傾向を盛り込もうとした作者の努力が、よくわかる。読んでいて面白いし、こんどの候補作のうち、これだけが大衆小説だと思うが、最終的には票が集まらなかった。」
大佛次郎 0  
松本清張 30 「文章は、かなりキメのこまかい箇所があり、筆力も十分。しかし、あまりに意外性を狙いすぎてか、前半に伏線が足りず、読後はどんでん返しでヤミ打ちに遇ったような気がする。その意外性に納得がいかず、後味が悪い。」「主人公の虚無的な性格も型にはまっている。」
選評出典:『オール讀物』昭和46年/1971年10月号
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文量
短篇
章立て
「1」〜「7」
時代設定 場所設定
江戸[嘉永年間]  上州大胡〜中山峠
登場人物
長次郎(渡世人)
新蔵(熊谷の織物問屋の手代)
美代(新蔵の姉、織物問屋の妻)
安五郎(無宿者の兄貴分)
亀吉(安五郎の子分)
源兵衛(小料理屋の亭主)
要助(美代の夫、実は盗賊天狗の勘八、佐渡送りの途中)




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