直木賞のすべて
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第39回

=受賞者=
山崎豊子
榛葉英治

=候補者=
福本和也
津田 信
草川 俊
田中敏樹
棟田 博
水島多樓
北川荘平
多岐川 恭


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Last Update[H21]2009/4/6

津田信
Tsuda Shin
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生没年月日【注】 大正14年/1925年9月1日〜昭和58年/1983年11月22日
経歴 本名=山田勝雄(ヤマダ・カツオ)。東京生まれ。東京都立三商卒。昭和20年/1945年の終戦時には満州の予備士官学校在学。ソ連軍の捕虜となったのち昭和22年/1947年帰国。昭和41年/1966年日本経済新聞社を退社し、フリーライターとなる。
受賞歴 第35回芥川賞候補(昭和31年/1956年)「瞋恚の果て」
第37回芥川賞候補(昭和32年/1957年)「風の中の」
サイト内リンク 小研究-記録(候補回数)
子サイト
「余聞と余分」内
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しんに
瞋恚の 果て」(『貌』4号[昭和31年/1956年6月])
芥川賞 芥川賞 35回候補 一覧へ
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
丹羽文雄 3 「悪達者である。筆がすべりすぎる。あまりすべりすぎるので、作者は疑いをさしはさみ、立ちどまる時間をついみすごしてしまったのではないか。」
瀧井孝作 1 「達者すぎる。」
中村光夫 2 「現代を扱いながらひどく古風な感じのする風俗小説。」
石川達三 4 「いかにも新聞記者らしい筆の荒さを感じた。多元描写も成功していないし末尾の一章は無駄である。小説を書くことの面白さに溺れて、苦労なしに書き飛ばしているのではないかという気がした。」
佐藤春夫 0  
井上靖 4 「三人の女のドンファンの主人公に対する見方が、単なる三様の解釈に終っている。主人公を浮彫りにしなければ作品にならないが、それにはまだ作者は非力であると思った。」
舟橋聖一 0  
川端康成 2 「達者だが、いじくり過ぎではないか。」
宇野浩二 7 「書かれてあることは別として、下品で、通俗小説としても悪趣味であり、こういう小説を推薦した人を軽蔑したい程である、強いて取り得をいえば、文章が悪達者であるという事だけである。」
選評出典:『芥川賞全集 第五巻』昭和57年/1982年6月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和31年/1956年9月号)
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かぜ なか
風の 中の」(『貌』5号[昭和32年/1957年6月])
芥川賞 芥川賞 37回候補 一覧へ
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
石川達三 6 「評論家に云わせれば一言にして(風俗小説)と云うのではないだろうか。小説が風俗を描写することの興味だけで終っては、足りないものがある。」
舟橋聖一 9 「一代記でありすぎるが、ところどころ、捨て難い味と感覚があって、面白く読んだ。」「小説の最後で(引用者中略)あざとい小説作法が、作品の程度を落としているが、前半は気がはいっている書き方である。」「それにしても、題は変だ。」「近い将来、中間小説を達者に書ける人になりそうだ。」
丹羽文雄 4 「材料整理にこの形式をとったのが失敗であった。妻が良人に宛てて書くには、もうすこし工夫がほしかった。」
川端康成 0  
佐藤春夫 0  
井上靖 2 「作品の中を流れている感傷的な甘さが読物ならいいが、文学作品としては困る。」
中村光夫 3 「題材をこなしきれず、構成に無理があるので問題になりませんでしたが、前々回に候補作になった「瞋恚の果て」よりよほどよくなっています。」
瀧井孝作 3 「これは中間小説だが、前にこの人の「瞋恚の果て」という達者なのを読んだが、それよりもこんどの方が、稍佳いかと見た。」
宇野浩二 14 「かなり凝った、組み立ての、小説である、」「ずいぶん深刻な小説であるべき筈なのに、深刻な感じは全くなく、甘い感じさえする、わりに読みつづけてゆけるのに、ほめて云っても、『骨おり損』の小説である。」
選評出典:『芥川賞全集 第五巻』昭和57年/1982年6月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和32年/1957年9月号)
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直木賞 39回候補  一覧へ

にほんこうさくじん
日本工作人」
(『秋田文學』3号、4号[昭和33年/1958年1月、5月])
書誌
>>昭和33年/1958年10月・現代社刊『日本工作人』所収
>>昭和47年/1972年4月・財界展望新社刊『日本工作人』所収
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
小島政二郎 16 「随分沢山の人物が出て来るが、それぞれの性格を描き分けている手腕は、得やすからざるものだと思う。」「デキから言ったら、今度の十篇のうち、第一位を占める作のように思う。」
源氏鶏太 0  
木々高太郎 0  
中山義秀 0  
川口松太郎 3 「力作だが未完成である。」
吉川英治 3 「選考からはぶかれた。」
村上元三 0  
海音寺潮五郎 0  
選評出典:『オール讀物』昭和33年/1958年10月号
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文量
長篇の一部
章立て
「一の章」〜「四の章」
時代設定 場所設定
太平洋戦争直後  中国東北部
登場人物
杉(輸送隊長)
龍明英(八路軍の中国人通訳)
南光江(子持ちの臨時看護婦)
中原節子(看護婦)




直木賞 40回候補  一覧へ

にほんこうさくじん
日本工作人』(昭和33年/1958年10月・現代社刊)
書誌
>>昭和47年/1972年4月・財界展望新社刊『日本工作人』
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
源氏鶏太 2 「(引用者注:「長城線」評の、もっと省略すべきということと)同じことがいえた。」
海音寺潮五郎 10 「第三部の出来がわるかった。この部なからましかばの感があった。」「実力は入賞した人達におとらないと思う。」
中山義秀 2 「「日本工作人」、「二つの虹」、「落ちる」、「総会屋錦城」などを候補に考えたが、」
小島政二郎 6 「一番感心した。これだけ多くの男女の性格を彷彿とさせた手腕、柔かな上品な文章、全体の構図の自然な発展、どこにも間然するところがない。」
大佛次郎 1 「「日本工作人」も力作であり、」
木々高太郎 7 「曾つてその一部をみたときはよいと思ったが、こうして全部を出してからよんでみると、うなずけない感じがする」
吉川英治 6 「この種のものとして、すでにたくさんな類型作を読んでいる読者にはもう生ぬるい感が先立つのではあるまいか。」
川口松太郎 0  
村上元三 3 「ここからべつな材料で次の作品が生れるのを期待したい。」
選評出典:『オール讀物』昭和34年/1959年4月号
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文量
長篇
章立て
「第一部」【「一の章」〜「四の章」】「第二部」【「一の章」〜「三の章」】「第三部」【「一の章」〜「三の章」】
時代設定 場所設定
太平洋戦争直後  中国東北部
登場人物
杉(輸送隊長)
龍明英(八路軍の中国人通訳)
南光江(子持ちの臨時看護婦)
南よし子(光江の娘)
中原節子(看護婦)
小池(中年の輸送隊員)
内田とみ子(若い臨時看護婦)




直木賞 42回候補  一覧へ

めおとがいけ
女夫ケ池」
(『秋田文學』10号[昭和34年/1959年12月])
書誌
>>昭和36年/1961年5月・大和出版刊『女夫ケ池』所収
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
源氏鶏太 4 「たしかにうまいのだが、やや古風であり、名作の類似品的なにおいがしてならなかった。」
木々高太郎 6 「あまりに純文学であった、自分をいたわりすぎるので、楽しくない作品となっている。」
中山義秀 10 「好もしい印象をうけた。」「地道な努力をはらっていては、たやすく認められにくい。しかし奇手、権道は要するに一時のもの、良い芽生えは大事にしなければならぬものだと思われる。」
小島政二郎 0  
村上元三 7 「文学的であるかも知れないが、多分に青臭くて、無駄が多い。」
吉川英治 0  
海音寺潮五郎 9 「力は十分うかがわれたが、前作「日本工作人」ほどの迫力がなかった。」
川口松太郎 0  
大佛次郎 0  
選評出典:『オール讀物』昭和35年/1960年4月号
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文量
中篇
章立て
「一」〜「十」
時代設定 場所設定
太平洋戦争前〜戦後  鎌倉〜東京〜北京〜横浜など
登場人物
私(語り手、緒方健、不動産仲介業者の息子〜陸軍幹部候補生〜夕刊新聞記者)
真佐子(下駄屋の娘、私と同年齢)
緒方和夫(私の従弟、のち横浜法務局職員)
島子(和夫の義母、真佐子の叔母、元・芸者)
直輔(和夫の義父、私の父の末弟、同盟通信社の写真部員)




直木賞 44回候補  一覧へ

しのぶがおか
忍ケ丘」
(『秋田文學』12号[昭和35年/1960年11月])
書誌
>>昭和36年/1961年5月・大和出版刊『女夫ケ池』所収
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
中山義秀 7 「くりかえし叮嚀に読んだ。いや、読まざるをえなかった。」「その割に感銘が深くなかったのは、どういう原因だったのであろう。」
木々高太郎 1  
大佛次郎 17 「私は最後まで「忍ケ丘」を支持した。」「質実で素朴な筆を私は愛した。」「この作、前半がややくどい、もっと墨をおしんで、短く、主題に入ったら、平明に人を惹付けたろうと思う。」
村上元三 8 「きれいで、いい小説だが、丹念に書きすぎているうらみがある。」
源氏鶏太 5 「いつでも安定した実力を見せてくれる人であるが、今一歩何か突き抜けたものが必要のようである。」
小島政二郎 11 「もっとテーマをあらわに書いて、もっと小説の物語性を重視したら、リズムも強くなり、作者の壁を突き破ることが出来るだろう。」
川口松太郎 0  
海音寺潮五郎 11 「「日本工作人」がいいものだったので、大いに未練があったが、段々悪くなっているので、いたし方はなかった。この人は発想にも書きぶりにも、一種の型が出来てしまっている。」
吉川英治 5 「それぞれ惜しい。」「前回の「日本工作人」の方がどうもよかったようである。」
選評出典:『オール讀物』昭和36年/1961年4月号
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文量
中篇
章立て
「一」〜「四」
時代設定 場所設定
[同時代]  山峡の街
登場人物
私(語り手、緒方、新聞社整理部勤務)
真佐子(私の妻)
志朗(真佐子の子供、戸籍上は真佐子の弟、定時制高校生)
修造(志朗の父、貸本屋の主人、かつての演劇青年)
岡野重治郎(真佐子の伯父)
岡野澄江(重治郎の孫娘)




直木賞 47回候補  一覧へ

よる こよみ
夜の 暦」
(『秋田文学』15号[昭和37年/1962年5月])
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
木々高太郎 0  
海音寺潮五郎 6 「これまでのこの人の作品の中では一番見劣りがする。うまいとは思うが、材料で損をしている。」
源氏鶏太 0  
村上元三 0  
中山義秀 3 「それぞれ読みごたえがあった。」
小島政二郎 4 「「夜の暦」と「怪談」に一番点を入れた。」
大佛次郎 0  
川口松太郎 0  
今日出海 0  
松本清張 0  
選評出典:『オール讀物』昭和37年/1962年10月号
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文量
短篇
章立て
なし
時代設定 場所設定
[同時代]〜20年前  東京〜横浜
登場人物
杉亮一(新聞記者)
芳子(私の叔母、私の情婦)
千恵(私の妻、入院中)




直木賞 52回候補  一覧へ

ごよみ
破れ 暦」
(『小説と詩と評論』11号[昭和39年/1964年8月])
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
川口松太郎 0  
海音寺潮五郎 0  
木々高太郎 10 「よみやすく、イメージもはっきりしている。然しこれはまた、如何にも小説らしくして了っているところに、私の不満はあった。なかんずく津田信の如きは極めて達者である。」
源氏鶏太 0  
大佛次郎 0  
村上元三 4 「面白く読めたが、この人は実力もあるし、この作品が賞の対象になったのは不運であった。」
今日出海 0  
小島政二郎 4 「よく書けていると思ったが、イージーゴーイングとの評だった。私はそうは思わないのだが――」
中山義秀 0  
松本清張 0  
選評出典:『オール讀物』昭和40年/1965年4月号
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文量
短篇
章立て
なし
時代設定 場所設定
太平洋戦争直後〜[同時代]  東京
登場人物
杉(夕刊新聞記者、警視庁クラブ詰め)
田沢(杉の姉の夫、杉の先輩記者)
加納久子(警視庁文書課の事務員、杉の彼女)




ブログ版 直木賞のすべて 余聞と余分
  [H21]2009/11/22 直木賞とは……「候補作家」の肩書は、政治家をめざす者には、アクセサリーとしてはちょうどいい。――豊田行二「太陽への挑戦者――小説・糸山英太郎」  
  [H21]2009/8/23 直木賞とは……受賞したところで、それだけで自動的に作家が売れっ子になるものじゃない。――野口冨士男「真暗な朝」  
  [H20]2008/12/14 だれが候補作を決めるのか。その権力争いはすでに始まっていました。 第28回候補 松本清張「或る『小倉日記』伝」  
  [H20]2008/9/14 山本周五郎とのシャンペン。そして小野田寛郎の手記。おお、何たる奇縁。 第40回候補 津田信『日本工作人』  
  [H19]2007/11/25 町工場で、本を読む  
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