直木賞のすべて
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第37回

=受賞者=
江崎誠致

=候補者=
藤井千鶴子
池波正太郎
相見とし子
佐藤明子
有吉佐和子
村松 喬


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Last Update[H20]2008/5/10

来水明子
Kurumi Akiko
生没年月日【注】 昭和7年/1932年1月26日〜
経歴 本名=胡桃明子、別名=佐藤明子。東京・牛込生まれ。都立駒場高校卒。参議院速記者養成所で学び、参議院記録部速記課に勤める。
受賞歴 第10回オール讀物新人賞「寵臣」(昭和32年/1957年)佐藤明子名義
処女作 「寵臣」(『オール讀物』昭和32年/1957年6月号)佐藤明子名義
サイト内リンク 付録-オール讀物新人賞受賞作一覧(第10回)
備考
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直木賞 37回候補  一覧へ

ちょうしん
寵臣」
(『オール讀物』昭和32年/1957年6月号)佐藤明子名義
書誌
>>昭和32年/1957年9月・東京文芸社刊『代表作時代小説 昭和三十二年度』所収
>>昭和53年/1978年7月・東京文芸社刊『代表作時代小説 第3巻 昭和32年/1957年度』所収
>>平成4年/1992年1月・講談社刊『歴史小説名作館5 戦国2 雲のかかる峰』所収
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
吉川英治 5 「ものたらなさはあるが、それにしても、いつもの候補作品よりは、たちまさっていると私は思った。」
永井龍男 0  
井伏鱒二 11 「キリシタン会士の報告書のスタイルを取入れた武将伝だが、大がかりな抑揚が少くて適宜な節度も情緒も感じられ好感が持てた。」
木々高太郎 7 「読者のことは考えず、或いは考えられず一心になってかいたという感じが、僕にはゆとりをもって読めなかった。」
村上元三 6 「女流とは思えないようながっしりした構成で歴史小説を書いている態度に感心はしたが、第二作を読ませてもらってからでもいい、と思う。」
川口松太郎 0  
大佛次郎 10 「骨格もしっかりしているし石田三成をこれまでになかった新らしい見方をしていて面白かった。」「しかし、まことに直木賞的に過ぎるのである。」
小島政二郎 0  
選評出典:『オール讀物』昭和32年/1957年10月号
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直木賞 46回候補  一覧へ

はいきょうしゃ
背教者』(昭和36年/1961年7月・東都書房刊)
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
木々高太郎 16 「よみづらい書き方で、僕は数日をかけた。」「内容は、僕も嫌いではない。」「この作家は、いいものを持っているのだから、この際書き方を一変してみたらどうか。」
源氏鶏太 8 「この努力には、頭を下げた。」「私がそれほどに高く評価出来なかったのは、この物語文学の形式が、成功していると思われなかったからである。」
中山義秀 14 「これは読者を苛立たせるための労作かと、怪しまれるまわりくどさに辟易した。」「史実の調査に遺漏はなくそのひたむきな努力に敬意を表して、私はこの作品に最後の一票を投じた」
大佛次郎 19 「「背教者」の内容に一番感心した。女のひとだから繊細すぎて読者を疲れさせる欠点はあるが、コンポジションがしっかりして面白いし、とにかく調べたもので、月並に物を書く努力ではない。」
川口松太郎 12 「主題にがっちり喰い下って丹念に描いて行くねばりの強さには感服した。最後まで力を抜かず息切れもせず調子をくずさなかった筆力は将来のある人と思い次回作を期待する。」
海音寺潮五郎 17 「ぼくはこの作品を買わなかった。」「何よりも、読みにくかった。(引用者中略)人間の書きわけがないためだと思った。」「小説というものを、根本からじっくりと考えなおしていただきたい。」
今日出海 20 「文章も確りしている。」「訥々と語って真に迫るのならわかるが、まことによく喋りすぎて真から離れるのは惜しい気がする。しかしこれだけの物語をよく調べて書ける実力は他日必ず大成する人に違いない。」
松本清張 0  
村上元三 10 「文章や語句に対する神経の使い方は細かく行き届いているが、それがかえって平板な印象を与える。」「作者の説く哲学は甘くて、文学少女的な感じを受ける。」
小島政二郎 7 「人間が書けていないので、人間が紙にベットリくっついたまま浮き上って来ないので、退屈で退屈で参った。」
選評出典:『オール讀物』昭和37年/1962年4月号
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文量
長篇
章立て
「第一章」〜「第十四章」
時代設定 場所設定
戦国〜江戸初期  仙台〜長崎など
登場人物
孤窓(博多聖福寺の旅僧、仙台城下で捕縛)
有馬掃部(肥前相津領主、棄教者)
有馬修理大夫(掃部の異母弟、肥前日野江城主)
有馬左衛門佐直澄(修理の嫡子)
ルシヤ(修理の最初の妻、掃部のかつての縁談相手)
ドンナ・イネス(ルシヤの侍女)
小太郎(掃部の一人息子)
陸奥守政宗(仙台城主)
ペドロ・デ・サン・トマス師(フランシスコ会宣教師、仙台にて監禁中)




直木賞 47回候補  一覧へ

りょうげつき
涼月記』(昭和37年/1962年3月・東都書房刊)
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
木々高太郎 20 「今度の「涼月記」は、ずっとよみよかった。」「とに角明智光秀をこのように解釈した人を、僕はまだ知らぬ。」「この作者の長篇一本でゆく逞しさも僕は買っている。」
海音寺潮五郎 9 「力作だが、この作中のストーリー・テラーは現実に時代の波に漂わされた人の感じがしない。」
源氏鶏太 5 「前回の「背教者」よりも進歩のあとが読み取られた。殊に、私には、信長と日向守との仲の描き方が面白かった。」
村上元三 9 「作者の史観があまくて、肝腎の信長と光秀との葛藤が描き切れていない。」「もっと簡潔に作品を仕立てあげる苦労をすべきであろう。」
中山義秀 7 「まじめな努力を買う。惜しむらくは、読者を作中にひきこんでゆく筆力に、盛上る勢を欠いでいるようで、」
小島政二郎 13 「人間なり舞台なりすべてが、文章から離れて紙面から立ち上って来ないと小説の文章ではない。その点、なんとかして是非会得してもらいたい。」
大佛次郎 25 「最初の予選通知に来水氏の「涼月記」が入っていなかったので、私から推して入れて貰った。他の作品に劣るものとは信じなかった。」「しかし、(引用者中略)他人に語らせて重ねて話を進めて行く展開の技法が、込み入り過ぎて読みづらくするのである。」
川口松太郎 0  
今日出海 15 「あまりに描写に拘泥し、くどくどと書きすぎると、大衆性のみならず、現代性まで失う恐れがある。」「これだけの史観と表現力を持っている人は埋れることはあるまいと私は信じている。」
松本清張 22 「もう少し材料の整理をし、焦点をはっきりとさせる必要がある。」「凝った文章が、この長篇に満遍なくちりばめてあるのも、作者が苦心したほどの効果がなく、かえって重苦しく感じさせた。」
選評出典:『オール讀物』昭和37年/1962年10月号
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文量
長篇
章立て
「序章」「第一章」〜「第十二章」「終章」
時代設定 場所設定
戦国〜江戸初期  京〜岐阜〜安土〜坂本〜甲府など
登場人物
私(語り手、かつての能役者・観世小次郎)
織田信長(小次郎の仕える主人)
明智光秀(日向守、信長配下の武将)
羽柴秀吉(筑前守、信長配下の武将)
細川藤孝(幽斎、兵部大輔)
城介(信長の嫡男、光秀に心酔)
乙菜(小次郎の義妹で許婚)




直木賞 49回候補  一覧へ

みじかよものがたり
短夜物語』(昭和37年/1962年12月・東都書房刊)
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
川口松太郎 8 「この作家の、材料と取り組む態度に問題がある。当人の気負っているほど技量が進歩していない。」
村上元三 16 「併せてもう一人、という説が選考の席上で出た時、来水明子氏の「残花集」を推した」「この作者は、理窟を言う前に、もっと小説の省略法を覚えたほうがいい。」
源氏鶏太 0  
大佛次郎 36 「来水氏の短篇を、「短夜物語」より上に出ていると信じ贔屓にした。」「このひとの一皮も二皮も脱いでから後が楽しみである。才能が豊か過ぎるのではないか。」
木々高太郎 16 「今度の「短夜物語」も悪癖がまた出て了った。これは手前勝手の書き方で、よみにくい。」「このまま、いつまでも依怙地な書き方で、ますますよみづらい小説を書くようになり、自滅するのではないか。」
海音寺潮五郎 16 「この作家はきわめて頑強な個性をもっている。」「あるいは大器かも知れないが、今のところは何ともわからない。」
中山義秀 0  
松本清張 14 「相変らず歴史上有名な事件と人物とが展示会のようにくりひろげられるが、解釈に新鮮さがないから退屈なだけだ。」「これでは鴎外を攻撃するのに子供らしさが目立つだけだ。」
今日出海 17 「どれもよく調べた力作であるが、クセの強い人柄か、作品の構成にクセが出て、全体のバランスを損っている。」
小島政二郎 3 「この人は人間を書こうとせずに文章を書いている。」
選評出典:『オール讀物』昭和38年/1963年10月号
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文量
長篇
章立て
「第一章 宵闇」「第二章 満ち潮」「第三章 月の出」「第四章 暁風」「第五章 曙」
時代設定 場所設定
戦国[天正年間]  備後〜安土など
登場人物
松意(幼名・千寿、盲目の青年、絵師、岸和田城主・安宅冬康の末子)
三好左京大夫の妹(松意の従姉、洗礼名カタリナ)
小早川左衛門佐隆景(三原城主、毛利家の外交役)
麻生の方(隆景の側室)
津田宗及(堺の豪商)
一色兵庫介(前将軍足利義昭の近侍)




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