直木賞のすべて
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第141回

=受賞者=
北村 薫

=候補者=
西川美和
貫井徳郎
葉室 麟
万城目 学
道尾秀介


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Last Update[H21]2009/8/22

西川美和
Nishikawa Miwa
生没年月日【注】 昭和49年/1974年7月8日〜
経歴 広島県生まれ。早稲田大学卒。在学中より映画の助監督を務め、平成14年/2002年に『蛇イチゴ』でオリジナル脚本・監督デビュー。長篇第二作『ゆれる』は、自ら小説化もした。
受賞歴 第58回毎日映画コンクール[脚本賞](平成14年/2002年)『蛇イチゴ』
第58回毎日映画コンクール[スポニチグランプリ新人賞](平成14年/2002年)
第25回ヨコハマ映画祭[新人監督賞](平成14年/2002年)『蛇イチゴ』
新藤兼人賞[優秀新人監督 銀賞](平成14年/2002年)『蛇イチゴ』
第7回みちのく国際ミステリー映画祭2003 in 盛岡[新人監督奨励賞](平成14年/2002年)『蛇イチゴ』
第61回毎日映画コンクール[日本映画大賞](平成18年/2006年)『ゆれる』
第49回ブルーリボン賞[監督賞](平成18年/2006年)『ゆれる』
第58回読売文学賞[戯曲・シナリオ賞](平成18年/2006年)『ゆれる』
第1回インビテーション・アワード[クリエイター・オブ・ザ・イヤー](平成18年/2006年)
第28回ヨコハマ映画祭[監督賞][脚本賞](平成18年/2006年)『ゆれる』
第16回東京スポーツ映画大賞[監督賞](平成18年/2006年)『ゆれる』
第21回高崎映画祭[最優秀監督賞](平成18年/2006年)『ゆれる』
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直木賞 141回候補  一覧へ

かみ
『きのうの 神さま』(平成21年/2009年4月・ポプラ社刊)
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎 19 「少なからぬ衝撃を受けた。昨今の小説がおしなべて映像的であるのに、映画人の書いた小説がかくも文学的であるという皮肉である。」「文章表現の要諦をすでに心得ている。」
井上ひさし 44 「主人公に名前のないこともあれば、過去と現在とが勝手に入り交じったりもして、たしかにつんのめり(原文傍点)ながら読まねばならないが、それが魅力にもなっているところは、作者に物語を語る才能があるからだろう。その才能を十分に買った上で言えば、せっかく医師を登場させながら、人間の生命や魂の奥底に「ねじ込む力」が少し弱い。そこがやはり惜しい。」
北方謙三 21 「僻地医療を題材としたものを、私は評価しなかった。人間の描き方に、小説的昇華が欠けていると感じながら、読み続けたのだ。思わず、二度、三度と読み返したのは『1983年のほたる』である。これは紛れもなく秀作である。」「ただ、この力量は普遍的なものなのか、継続力のある資質を見せたのか、という思いはつきまとった。」
平岩弓枝 0  
阿刀田高 26 「心に残る作品だった。なによりも小説家らしい気配が、その視線に、その筆致にみなぎっている。」「私としては、「もう一作見たい」と考え、これについては選考会でも甲論乙駁、私もいったんは、「二作授賞のほうがいいのかな」と傾いたが、結果は見送りとなった。今でも、これでよかったのかどうか、迷っている。」
渡辺淳一 0  
宮部みゆき 50 「同じ物語を綴るにしても、〈映画と小説では表現方法が異なる〉ということを、これほどしっかりと把握している映像作家がいて、こんな美しい文章を書くのだ。プロパーの小説家としては、感嘆しつつも少々やるせなくなってしまうくらい、立派な作品です。」「現段階で直木賞を受賞してしまうと、(引用者中略)ひと区切りという感じになって、この先、どうしても重心が映画の方に寄ってしまうのではないか(引用者中略)その結果、もの凄い性能を秘めたメインエンジンの点火が先送りされてしまうのではないか――そういう危惧をどうしても振り払うことができなくて、二作受賞を主張するタイミングを逸してしまいました。」
林真理子 40 「驚いた。映像の世界で大きな評価を集めている著者が、文学の世界においてもなみなみならぬ才能を持っていたからだ。」「特に最初の小説の緻密さといったらどうだろう。映像出身の人が陥りやすい、文章の荒っぽさがまるでない。初めて異性に性的なものを感じる少女の心の揺れと、緊張感とが実にうまく表現されている。」
五木寛之 40 「今回の候補作六作品のなかで、もっとも文学的な才気を感じさせた」「しかし、私には、その文学的(原文傍点)という点にこそ、この作家のアキレスの踵を感じないではいられなかった。本物のあたらしさは、決して心地よい文学性など感じさせないはずだからである。」「いろんな意味でルーティンな小説の世界に一石を投じた問題作だったと思う。受賞にはいたらなかったが、この作品が候補になったこと自体が、直木賞という賞を活性化したといっていい。」
宮城谷昌光 23 「「1983年のほたる」は、まちがいなく佳品である。」「この作家には感覚のみずみずしさがあり、引きぎみの好さもある。しかしながら、ほかの短編も一人称の連続となると、小説的遠近はみられず、小説的形態の感想文というところに堕ちてしまった。それが残念である。」
選評出典:『オール讀物』平成21年/2009年9月号
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文量
短篇集
1983年のほたる
章立て
なし
時代設定 場所設定
[1983年]  神和田村〜浜岡市
登場人物
わたし(語り手、鳥飼りつ子、小学生)
一之瀬時男(バスの運転手)
匂坂月夜(わたしの塾の同級生)
シゲちゃん(クリーニング屋の息子、32歳)
ありの行列
章立て
なし
時代設定 場所設定
[同時代]  ある離島
登場人物
岡野(離島の診療所の代診医師)
田尾(離島の診療所に35年勤める医師)
森尾セイ(85歳でひとり暮し)
ノミの愛情
章立て
なし
時代設定 場所設定
[同時代]  ある街
登場人物
私(語り手、乃木朱美、主婦、元・看護師)
乃木啓一郎(私の夫、小児心臓外科医)
乃木久美子(私の元・同僚、救急医、啓一郎の妹)
ディア・ドクター
章立て
なし
時代設定 場所設定
[同時代]  ある街
登場人物
ぼく(語り手、慎也、カメラメーカー研究開発部門勤務)
父(ぼくの父、外科医)
兄(ぼくの兄、北国の僻地に在住)
満月の代弁者
章立て
なし
時代設定 場所設定
[同時代]  ある港町〜神奈川
登場人物
男(港町の診療所の医師)
野添(男の後任の医師、元・製薬会社勤務)
孫娘(篠井商店の老婆サキヨの孫娘、“男”と同世代)




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