直木賞のすべて
直木賞のすべて

第140回

=受賞者=
天童荒太
山本兼一

=候補者=
恩田 陸
北 重人
葉室 麟
道尾秀介


候補作家の群像
トップページ
受賞作・候補作一覧
受賞作家の群像
選考委員の群像
選評の概要
小研究
大衆選考会
リンク集
マップ

候補作家の一覧へ
前の回へ後の回へ


Last Update[H22]2010/2/10

北重人
Kita Shigeto
生没年月日【注】 昭和23年/1948年1月3日〜平成21年/2009年8月26日
経歴 本名=渡辺重人。山形県酒田市生まれ。千葉大学工学部建築学科卒。昭和53年/1978年より建築・都市環境計画の事務所を立ち上げ、コンサルタント業務をしながら小説を執筆。平成16年/2004年「天明、彦十店始末」が第11回松本清張賞の最終候補になり、『夏の椿』と改題して出版。
受賞歴 第38回オール物推理小説新人賞(平成11年/1999年)「超高層に懸かる月と、骨と」
第9回大藪春彦賞(平成19年/2007年)『蒼火』
子サイト
「余聞と余分」内
関連記事
4件/最新は平成21年/2009年6月14日記事(このページの下部にリンクあり)
備考
Google
検索結果
  - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -



つきしばい
月芝居』(平成19年/2007年12月・文藝春秋刊)
他文学賞 山本周五郎賞 21回候補 一覧へ
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎 36 「江戸天保期の不動産と金融事情を描いて、まことに興味が尽きない。こうなるとマニアのひとりとしては、闘志をかき立てられて粗探しに走りたくなる。ところが刮目して読み進めども、なかなか瑕瑾が見つからぬ。」「大団円での活劇は今は懐かし東映時代劇の設定であるが、それは良しとしても綿密な時代考証とこの活劇の間には、やはり埋めきれぬ断層があると思った。」
北村薫 6 「前半には非常に引き付けられた。こういう観点、素材を使うのかと驚いた。」「期待しただけに、後半が月並みになってしまったところが、まことに残念だった。」
小池真理子 18 「これといった大きな欠点はないが、小説的な優雅な毒気が感じられないのは、作者の焦点がぼやけてしまったからではないか。男の悲哀や涸れない性への欲望を描こうとしつつ、悪との対決に枚数を費やし、せっかくの美しい、情緒ある仕掛けを、最後、ホラー映画ふうのドタバタ喜劇のごとくにしてしまったのはまことに残念であった。」
重松清 33 「物語の前半で感じたワクワクは「これからどうなっていくんだろう」というものだったが、後半では「やっぱりこう来たか」に変わってしまう。」「「世界」の持っている豊饒な可能性に後半の物語が釣り合っていない。たとえるなら、いくらでも自由な意匠の街並みがつくれるはずの土地に、規格品の建物を並べてしまった印象なのだ。」
篠田節子 20 「天保の改革の土地政策に着目した物語の前半は、単なるトリビアを越えた、まれに見る知的娯楽作品に仕上がっている。」「しかし黒幕が判明した後の展開は、通俗に過ぎる。」「題名に掲げた「月芝居」と、その舞台となる魅力的な仕掛け屋敷を、より効果的に使う手もあったのではないか。」
選評出典:『小説新潮』平成20年/2008年7月号
      - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -



直木賞 140回候補  一覧へ

しお
汐のなごり』(平成20年/2008年9月・徳間書店刊)
書誌
>>平成22年/2010年2月・徳間書店/徳間文庫『汐のなごり』
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
収録作品の書誌
海上神火
>>初出『問題小説』平成19年/2007年4月号
海羽山
>>初出『問題小説』平成18年/2006年5月号
木洩陽の雪
>>初出『問題小説』平成17年/2005年11月号
歳月の舟
>>初出『問題小説』平成20年/2008年2月号
塞道の神
>>初出『問題小説』平成20年/2008年3月号
合百の藤次
>>初出『問題小説』平成20年/2008年7月号
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
阿刀田高 7 「第二話、第三話など味わい深い作品があるものの全体として一頭地を抜くものがなかった。」
五木寛之 9 「すがすがしい物語で、荒涼とした今のような時代には、こういった筆致の作品を愛読する読者も少くないことだろう。しかし、受賞作として挙げるには、いささかスケールに欠けるような気がする。」
平岩弓枝 0  
宮部みゆき 10 「(引用者注:「いのちなりけり」と共に)作者の持ち味の出た作品でした」「一篇ずつ完成度が高く、貫禄さえ漂う筆致ですが、折々、ふっと既視感を覚えるのが辛いところでした。」
北方謙三 15 「落ち着いていて好感が持てるが、どの作品の印象も浅い。」「人肉食を扱った作品もあったが、私には大上段の構えと感じられた。日常から離れてしまうと、作為が見えてしまうのが、残念だった。」
林真理子 10 「「海羽山」が秀逸だ。噂どおりの力を見せていただいた気がする。が、短篇集の中のレベルが不揃いなのが残念であった。」
井上ひさし 24 「よく調べられており、誠実で丹精な筆の運びも好ましく、とりわけ、(引用者中略)「海羽山」は、佳品である。しかしながら、各篇とも、物語の原動力がすべて〈回想〉なので、話の仕立てがよく似ている。そのせいか、読み手側の感銘の度合いも次第に月並みなものに落ちて行き、やや厚塗りの自然描写もやがて読み手の足手まといになって行く。」
浅田次郎 16 「いったいに風景と人物の描写がすぐれており、その特性が一城下を舞台とした連作短篇という設えの中で有効に機能した。」「(引用者注:山本兼一とともに)このさき時代小説の両翼となるのではなかろうか。」
宮城谷昌光 15 「藤沢周平を想わせる筆致で、全体に明るい落ち着きがある。時代小説に新しい試みをもちこんだとはいえないが、読後感はかなり良い。」「欠点は、各章における回想の量が大きく、それが爽快さを殺いでいることである。」
渡辺淳一 0  
選評出典:『オール讀物』平成21年/2009年3月号
      - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
文量
短篇集
時代設定 場所設定
江戸  水潟(奥州の湊町)
海上神火
章立て
「一」〜「九」
登場人物
志津(「汐浦」のおかみ、元・遊女「花風」)
吉蔵(志津の想い人、船頭)
銀四郎(吉蔵の父、女衒)
海羽山
章立て
「一」〜「九」
登場人物
木津屋喜三郎(古手扱いの問屋主人、津軽出身、旧名・辰吉)
明雲海(修験者、津軽出身)
木洩陽の雪
章立て
「一」〜「八」
登場人物
千世(問屋「北嶋屋」の先代おかみ、隠居)
弥一(千世の唯一の男孫)
志保(千世の叔母、病気で独り住まい)
歳月の舟
章立て
「一」〜「八」
登場人物
喜田十太夫(酒出藩水潟町奉行)
箕輪伝四郎(十太夫のかつての同門、敵討のため諸国放浪中)
當麻桑次郎(伝四郎の兄を殺害した疑いで伝四郎の敵討の相手)
塞道の神
章立て
「一」〜「八」
登場人物
お以登(薪炭問屋「清川屋」の大おかみ)
お勢(お以登の娘)
妙慶(尼、かつてお以登の主人が恋狂いした相手)
合百の藤次
章立て
「一」〜「十」
登場人物
砂越屋芳五郎(川舟問屋主人)
藤次郎(渾名「合百の藤次」、芳五郎の幼馴染)
河北屋寅造(成り上がりの廻船問屋)
三九郎(加賀屋お抱えの相場師、上方出身)




ブログ版 直木賞のすべて 余聞と余分
  [H21]2009/6/14 新しさや斬新さが何もないのだとしても、それが小説として劣っていることにはなりません。 第140回候補 北重人『汐のなごり』  
  [H21]2009/1/18 直木賞のもつ隠れた意義。それを実感できるのは50歳を過ぎてから、かも。 第64回候補 三樹青生「終曲」  
  [H21]2009/1/15 第140回直木賞(平成20年/2008年下半期)決定の夜に  
  [H21]2009/1/11 第140回直木賞(平成20年/2008年下半期)候補のことをもっと知るために、その重みを知る。  
    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -  


ページの先頭へ

トップページ受賞作・候補作一覧受賞作家の群像選考委員の群像選評の概要
小研究大衆選考会リンク集マップ || 候補作家の一覧へ前の回へ次の回へ