直木賞のすべて
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第137回

=受賞者=
松井今朝子

=候補者=
北村 薫
桜庭一樹
畠中 恵
万城目 学
三田 完
森見登美彦


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Last Update[H21]2009/8/22

万城目学
Makime Manabu
生没年月日【注】 昭和51年/1976年2月27日〜
経歴 大阪府生まれ。京都大学法学部卒。在学中から小説を書き始め、化学繊維会社勤務を経て、平成17年/2005年『鴨川ホルモー』で第4回ボイルドエッグズ新人賞を受賞しデビュー。
受賞歴 第4回ボイルドエッグズ新人賞(平成17年/2005年)『鴨川ホルモー』
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「余聞と余分」内
関連記事
6件/最新は平成21年/2009年7月15日記事(このページの下部にリンクあり)
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直木賞 137回候補  一覧へ

しかおとこ
鹿男あをによし』(平成19年/2007年4月・幻冬舎刊)
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
五木寛之 5 「(引用者注:森見登美彦とともに)平成の新興芸術派とでもいうべき新風の到来を感じたのは事実である。」
浅田次郎 19 「破綻のない小説である。」「もし接吻によって浄身が成るという大団円から、帰納的にストーリーを構築したのだとすれば、いよいよ安易な作法であると私は思う。前途有望な才能であると思えばこそ、小説の冒険を試みてほしいと願わずにはおられない。」
渡辺淳一 4 「部分的に良質な感性が垣間見えるが、鹿との会話は安易すぎる。」
平岩弓枝 15 「風変りな面白さで印象に残った」「発想は上出来で、ゆったりした書き方も好もしい。作者は意識的に軽快な作風をねらったと思うが、万人向きではなかったのかも知れない。」
阿刀田高 11 「才筆である。」「結構なファンタジーだが、私はこういう作品は現代の社会や人間に対する寓意性がなければたわいないものになってしまう、と考える立場なので積極的には推せなかった。」
北方謙三 14 「描写力があり、面白く読めた。ただ、私が面白いと感じて引きこまれた主人公の現実が、すべてファンタジー的な要素から起因してくるとなると、物語の都合だけではない必然性が要る、と思わざるを得ない。私にとっては、剣道の試合の迫真力の方が、はるかにリアリティのあるものであった。」
宮城谷昌光 9 「大いに関心をもった。かくれた工夫がなされているのに、顕現されたものが品格の高さを保持できていないのは、残念である。」
林真理子 21 「面白いことは面白いのであるが、途中からいっきにだれてくる。」「読み手よりもまず書き手が楽しんでいるのは、最近の若い作家によく見られる傾向である。自分が真先に面白がり楽しんで、この輪の中に入ってくる読者だけを迎え入れる。」「ありきたりな言い方であるが、(引用者中略)あまりご自分の才に溺れないでほしい。」
井上ひさし 22 「作者のしたたかな知的膂力を感じた。またこのごろ大流行の「高校運動部の感動小説」への風刺もあるし、なによりも、『坊つちやん』譲りのテンポのいい文章にずいぶん笑わせられた。」「こういう愉快な作品は顕彰する値打ちがある……と思ったが、(引用者中略)最終的には票を投じなかった。」
選評出典:『オール讀物』平成19年/2007年9月号
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大衆選考会 137回推薦候補 一覧へ
大衆選考会での推薦
推薦者 推薦日 推薦文
P.L.B. 平成19年/2007年6月10日 このまま誰も投票しないで放置しておくのも寂しいので、いろいろなところで評判の高いマキメさんを、推しておきます。
『血と骨』でも『永遠の仔』でも『コンセント』でも駄目だった高い高い直木賞受賞の壁を、幻冬舎がついに越えることができるのか!? なんて興味はあまりにもゲスに過ぎて口にするのも恥ずかしいんですけど、たくさん賞をとちゃった人に遅まきながら受賞させるとか、そんなことばかりやる前に、マキメさんに直木賞もらってもらえば、少しは直木賞復権への道に近づくと思うのです。
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文量
長篇
章立て
「はじめに」「第一章 葉月(八月)」「第二章 長月(九月)」「第三章 神無月(十月)」「第四章 霜月(十一月)」
時代設定 場所設定
[同時代]  奈良〜京都など
登場人物
おれ(語り手、大学院研究生、奈良女学館高校の代休教師)
堀田イト(奈良女学館一年生)
小治田(奈良女学館の教頭、綽名・リチャード)
長岡(京都女学館の剣道部顧問、綽名・マドンナ)
南場(大阪女学館の剣道部顧問)
藤田(奈良女学館の歴史教師、綽名・かりんとう)
鹿(春日大社辺りに棲む雌鹿)





ろっけい
『ホルモー 六景』(平成19年/2007年11月・角川書店刊)
収録作品
「第一景 鴨川(小)ホルモー」「第二景 ローマ風の休日」「第三景 もっちゃん」「第四景 同志社大学黄龍陣」「第五景 丸の内サミット」「第六景 長持の恋」
 
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大衆選考会 138回推薦候補 一覧へ
大衆選考会での推薦
推薦者 推薦日 推薦文
omi 平成19年/2007年12月18日 (なし)
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『プリンセス・トヨトミ』 (平成21年/2009年3月・文藝春秋刊)
書誌
>>初出『別冊文藝春秋』平成20年/2008年1月号〜平成21年/2009年1月号
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎 15 「たいへん面白く読んだのだが、奇抜な発想に基く一種のナンセンス小説にあえて知的整合性を持たせようとする機制が働いてしまう。」「嘘をつくことのうしろめたさをかなぐり捨てるか、さもなくばここまでの嘘をつかずにすむ作風に転換するか、壁を突き破る方法は二つに一つである。」
井上ひさし 55 「独立国家の中にもう一つ小国家があるという発想は魅力的だが、しかしこの壮大なホラを成立させるためには、あらゆる細部をいちいち、もっともらしいものに作り上げなければならない。本作ではその工夫が足りなかった。」「いっそ、あの阪神タイガースさえもじつは大阪国の国立野球チームだったとでも大ホラを吹いて、その大ホラを無数の、まことしやかでもっともらしい細部で支えるぐらいの気組みと手練が必要だ。」
北方謙三 18 「この発想の必然性が、私にはわからない。ここに暗喩があるのなら、独立国の普遍性が必要であったと思う。」「物語としては面白く読めるのに、読後に空漠とした印象が残るのは、作者の方が読者より面白がっているから、と思えなくもない。」
平岩弓枝 0  
阿刀田高 13 「この途方もないイマジネーションを私は高く評価したい。」「とはいえ、細かいところは疵だらけである。こういう作品にはさらに周到な企みが必要なのではあるまいか。」
渡辺淳一 0  
宮部みゆき 16 「「おかしい」と異議を唱えたくなる大風呂敷の破れ目が多々ありました。」「〈国家〉も〈歴史〉も、書き手を圧倒する強大な題材です。奔放な想像力だけを武器に戦うのは、さすがの万城目さんも分が悪かったように思えます。」
林真理子 9 「もっと面白い小説になったはずなのに、という意見が多かったが全く同感だ。ホラ話なら、もっと大きく拡げた方がいい。」
五木寛之 16 「今回の候補作は残念ながら評価できなかった。大阪城の歴史をたどるなら、蓮如が荒涼たるこの地に石山本願寺をきずき、やがて特異な寺内町が形成されたことを無視することはできないはずだ。参考資料の使いかたにも、物足りなさを感じるところがあった。」
宮城谷昌光 0  
選評出典:『オール讀物』平成21年/2009年9月号
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文量
長篇
章立て
「第一章」〜「第五章」「終章」
時代設定 場所設定
[同時代]  東京〜大阪
登場人物
松平元(会計検査院第六局副長)
鳥居(松平の部下)
旭・ゲーンズブール(松平の部下、フランス人と日本人のハーフ)
真田大輔(大阪市立空堀中学校の二年生)
橋場茶子(大輔の同級生)
真田幸一(大輔の父、お好み焼き屋「太閤」主人)
蜂須賀勝(中学三年生、蜂須賀組組長の息子)




ブログ版 直木賞のすべて 余聞と余分
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