直木賞のすべて
直木賞のすべて

第136回

=候補者=
池井戸 潤
荻原 浩
北村 薫
佐藤多佳子
白石一文
三崎亜記


候補作家の群像
トップページ
受賞作・候補作一覧
受賞作家の群像
選考委員の群像
選評の概要
小研究
大衆選考会
リンク集
マップ

候補作家の一覧へ
前の回へ後の回へ


Last Update[H22]2010/1/5

池井戸潤
Ikeido Jun
生没年月日【注】 昭和38年/1963年6月16日〜
経歴 岐阜県生まれ。慶應義塾大学文学部人間関係学科、法学部法律学科卒。昭和63年/1988年、旧三菱銀行に入行。退社後、コンサルタント業のほか、ビジネス書の執筆を手がける。平成10年/1998年「果つる底なき」で第44回江戸川乱歩賞受賞。
受賞歴 第44回江戸川乱歩賞(平成10年/1998年)「果つる底なき」
サイト内リンク 付録-吉川英治文学新人賞受賞作・候補作一覧(第22回)
付録-吉川英治文学新人賞受賞作・候補作一覧(第28回)
付録-山本周五郎賞受賞作・候補作一覧(第22回)
特集-第142回候補の詳細
子サイト
「余聞と余分」内
関連記事
7件/最新は平成22年/2010年1月14日記事(このページの下部にリンクあり)
備考
Google
検索結果
  - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -



エム・ワン
M1』(平成12年/2000年3月・講談社刊)
書誌
>>平成15年/2003年3月・講談社/講談社文庫『架空通貨』に改題
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
他文学賞 吉川英治文学新人賞 22回候補 一覧へ
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎 2 「アイデアばかりを集積させた感を否めなかった。」
阿刀田高 3 「経済小説としての野心をおおいに買ってはみたが、人物が立っていないし、ややこし過ぎる。」
伊集院静 7 「導入の巧みさに期待を持って読みすすめたが、中盤以降、私が想像していたものより安易に人間たちが片付いてしまった。氏は一度、人間と金の問題にじっくり向き合ってはどうか。」
北方謙三 4 「銀行の内部描写などこの作者にしか書けないものだと感じられた。人物設定がやや安易で、絵空事を突破する迫真力を感じさせるまでに到らなかった。」
高橋克彦 0  
林真理子 0  
選評出典:『群像』平成13年/2001年5月号
      - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -



直木賞 136回候補  一覧へ

そらと
空飛ぶタイヤ』
(平成18年/2006年9月・実業之日本社刊)
書誌
>>初出『月刊ジェイ・ノベル』平成17年/2005年4月号、6月号〜平成18年/2006年9月号
>>平成20年/2008年8月・実業之日本社/Jノベル・コレクション『空飛ぶタイヤ』
>>平成21年/2009年9月・講談社/講談社文庫『空飛ぶタイヤ』(上)(下)
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし 22 「いちばんいい点をつけて選考会に臨んだ。」「まことに古典的な物語設計だが、しかし細部が新鮮である。」「「文学的香気に乏しい」という批判の火が燃え上がり、評者はこれに十分に反駁できなかった。今は評者の力不足を嘆くばかりである。」
林真理子 6 「難のない達者な作品であるが、こう新しいタイプの小説が並んだ今回の選考会ではいかにも不利であった。」
渡辺淳一 8 「どこといって悪いところはないが、はっきりいってつまらない。ちょうど、音符どおり正確に唄う歌がつまらないように、小説的なふくらみに欠ける。」
平岩弓枝 17 「もっとも力があると思った」「登場人物がよく描けている。」「力なき蛙でもここまでやってのけられるという作者の思いが読者をゆり動かす。企業小説を超えた優秀な作品といえる。」
阿刀田高 17 「読みやすく、充分におもしろい。」「サラリーマン諸氏がみずからの仕事のあいまに、――こんなもんだよな、企業社会は――と同感を覚えながら、ひとときの読書を楽しむには恰好の内容となっている。私はそれを“よし”としたが、直木賞の文学性という、きびしいテーゼを問われると、不足がないでもない。」
北方謙三 22 「構成力がいいし、ストーリー展開に緊迫感がある。」「ただ、登場人物がみんな、ほんとうにこうだろうな、と思わせる描かれ方で、意外な存在感で読者を圧倒してくる脇役がいなかった。リアリティがあるところに留保をつけられるのは、作者にはいい迷惑だろうが、」
宮城谷昌光 6 「けれんなくひた押しに押す筆致に好感をもった。」
五木寛之 0  
選評出典:『オール讀物』平成19年/2007年3月号
      - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
他文学賞 吉川英治文学新人賞 28回候補 一覧へ
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎 5 「実に読ませる作品であったが、膨大な数の登場人物に未整理の感が否めなかった。しかしこの種の社会派小説の書き手は、まことに貴重な存在である。」
伊集院静 19 「新人が常にかかえる文章の不安定さや小説としての破綻をすべてクリアーしている」「ただ私は巨悪に立ち向かう主人公に物足りなさを感じた。悪いものは悪い、という悪の箇条書きが並べられているように思えた。」「現代の事件をテーマにした時、マスコミの目では届かぬ裏面、深層部を掴み取る、作家の目と魂を見せて欲しい。しかし氏の力量は並の力ではない。」
大沢在昌 12 「私は一番に推した。登場人物がすべてステレオタイプだという批判は、この作品に限っては当たらない。」「どこにでもいそうな人間ばかりを使って、困難への挑戦と勝利を描ききった池井戸さんの力量は本物である。誰もが想起するであろう現実の事件を題材にしたことが、マイナスになった面はある。が、それを次作では払拭できる力を、池井戸さんは蓄えている。」
高橋克彦 13 「(引用者注:「赤朽葉家の伝説」とともに)ことに議論の対象となった」「山の作り方と話の出し入れが抜群に上手い。が、私は最後の作り方に不満を感じた。もっと小説的に綺麗に拵えていいのではないかと思った。」「これでは不完全燃焼という思いが拭えない。」
宮部みゆき 51 「傑作です。ただ、ある一点に引っかかりを感じて、私は強く推しきることができませんでした。」「大筋では、この筋書きこそが三菱自動車リコール隠し事件の経緯と決着点なのではないかと、私は思ってしまったのです。」「なぜこの小説を書こうと思ったのか。なぜ、現実にはいない赤松社長に、この小説を創ることで命を与えようと思ったのか。(引用者中略)それがわかる平易な言葉がほんの一ページでも存在していれば、(引用者中略)現実の事件から解き放たれ、フィクションとして独り立ちすることができたろうと思います。」
選評出典:『小説現代』平成19年/2007年4月号
      - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
大衆選考会 136回推薦候補 一覧へ
大衆選考会での推薦
推薦者 推薦日 推薦文
原 光好 平成18年/2006年12月14日 リコール隠蔽事件の陰で、加害者扱いをされた企業には何が起きているか。マスメディアが見落としている日常的視点で事件を描く推理作家の新境地。兎に角、泣かせる。
森田 平成19年/2007年1月14日 (なし)
    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
文量
長篇
章立て
「序章 決して風化することのない、君の記憶」「第一章 人生最悪の日々」「第二章 ホープとドリーム」「第三章 温室栽培群像」「第四章 ハブ返せ!」「第五章 罪罰系迷門企業」「第六章 レジスタンス」「第七章 組織断面図」「第八章 不経済的選択」「第九章 聖夜の歌」「第十章 飛べ! 赤松プロペラ機」「第十一章 コンプライアンスを笑え!」「第十二章 緊急避難計画」「終章 ともすれば忘れがちな我らの幸福論」
時代設定 場所設定
[同時代]  神奈川〜東京など
登場人物
赤松徳郎(赤松運送の二代目社長)
沢田悠太(ホープ自動車販売部カスタマー戦略課長)
狩野威(ホープ自動車常務取締役、品質保証部長)
井崎一亮(東京ホープ銀行本店営業本部)
榎本崇(『週刊潮流』記者、井崎の大学時代の友人)
柚木雅史(自動車事故の被害者の夫)
高幡真治(港北警察署刑事)
門田駿一(赤松運送の整備士)
片山淑子(赤松の息子の同級生の母親、通称“女王蜂”)





はな ぐみ
『オレたち 花のバブル 組』
(平成20年/2008年6月・文藝春秋刊)
他文学賞 山本周五郎賞 22回候補 一覧へ
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎 17 「外装は近代的に見えるが、一介の中間管理職が組織の巨悪に立ち向かうという基本構図は、企業小説の古典的様式である。」「難をいうなら登場人物が繁多で個性に欠けること、またシリアスなのかコミカルなのか、どっちつかずの印象があること、あるいは二つの独立した案件をひとつの建物に押しこめたこと、などであろうか。」
北村薫 27 「実に面白く、一気に読んだ。」「内部を知る人にしか書けない攻防は、読みごたえがあった。」「しかし、この流れなら最大の山場は、何といっても大和田を倒す場面になる。となれば、ここに、銀行業界に詳しい作者ならではの、思わず膝を打つような必殺技がほしかった。」「途中が優れているだけに、ページをめくりつつ、そういう山場の用意があって、作られた物語かと期待するところはあった。」
小池真理子 27 「サスペンスフルなシーンもあり、物語の流れがわかりやすい。読者の人気を博しているのは理解できなくもないが、私にはどうしても、ドラマの脚本のようにしか思えなかった。」「友を裏切る形で、銀行に戻っていく男(=近藤)の心の叫びや苦悩も描かれていない。(引用者中略)そうなってしまった彼らの内面をこそ描くのが、小説なのではないか。」
重松清 30 「候補作六編の中で最も心地よく読み進めることができた」「だが、選考にあたって本作を積極的に推すことはできなかった。スパッと事態が解決する心地よさと引き替えに、悪役が、そして「悪」そのものが、いささか単純になっていないか、という思いが拭えなかったのである。」「また、物語の深みを生むはずの近藤の失意と再生のドラマも、そもそもの失意が第一作を参照しなければ伝わりづらいし、第三作への展開を期待させるラストシーンも、本作単独の閉じ方として考えると中途半端に感じられる。」
篠田節子 33 「ソフトカバーの体裁やいかにも安易なタイトルに似合わない、予想外に硬派な内容だった。」「ストーリー自体は十分面白いので、何も奇矯な人物や無駄に熱い同期の連帯感を描いて、ことさらの笑いと泣きを狙う必要はない。むしろスーツ姿の男たちがネクタイを緩めることもなく、敬語を使いながら腹の中で殴り合いをするバトルシーンの方が印象に残った。」
選評出典:『小説新潮』平成21年/2009年7月号
      - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -



直木賞 142回候補  一覧へ

てつ ほね
鉄の 骨』(平成21年/2009年10月・講談社刊)
書誌
>>初出『IN★POCKET』平成19年/2007年5月号〜平成21年/2009年4月号
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎    
阿刀田高    
五木寛之    
井上ひさし    
北方謙三    
林真理子    
平岩弓枝    
宮城谷昌光    
宮部みゆき    
渡辺淳一    
      - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
文量
長篇
章立て
「第一章 談合課」「第二章 入札」「第三章 地下鉄工事」「第四章 アクアマリン」「第五章 特捜」「第六章 調整」「第七章 駆け引き」「最終章 鉄の骨」
時代設定 場所設定
[同時代]  東京〜長野など
登場人物
富島平太(中堅ゼネコン一松組社員、入社四年目)
野村萌(平太の恋人、白水銀行新宿支店行員)
尾形総司(一松組常務)
兼松巌夫(一松組業務課長)
西田吾郎(一松組業務課員、平太の先輩)
三橋萬造(ゼネコン山崎組顧問、談合の調整役)
園田俊一(白水銀行融資課員、萌の先輩)




ブログ版 直木賞のすべて 余聞と余分
  [H22]2010/1/14 第142回直木賞(平成21年/2009年下半期)決定の夜に  
  [H22]2010/1/10 第142回直木賞(平成21年/2009年下半期)候補のことをもっと知るために、色で占う。  
  [H20]2008/11/23 「文学」なんちゅうブランドから遠く離れているからこそ、余計にこの作品は光輝きます。 第136回候補 池井戸潤『空飛ぶタイヤ』  
  [H20]2008/8/17 意味なきものになり果てた直木賞に、小さな光明を投げかける。 第137回候補 万城目学『鹿男あをによし』  
  [H20]2008/7/9 第139回候補・新野剛志 9年0ヵ月前に第45回江戸川乱歩賞受賞 「筆に勢いがついた時が愉しみである」  
  [H19]2007/9/30 小林久三展―社会派推理作家の軌跡―  
  [H19]2007/7/8 小説現代 平成19年/2007年4月号〈第28回吉川英治文学新人賞決定発表号〉  
    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -  


ページの先頭へ

トップページ受賞作・候補作一覧受賞作家の群像選考委員の群像選評の概要
小研究大衆選考会リンク集マップ || 候補作家の一覧へ前の回へ次の回へ