直木賞のすべて
直木賞のすべて

第135回

=受賞者=
三浦しをん
森 絵都

=候補者=
伊坂幸太郎
宇月原晴明
古処誠二
貫井徳郎


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Last Update[H20]2008/1/3

宇月原晴明
Utsukibara Haruaki
生没年月日【注】 昭和38年/1963年12月15日〜
経歴 本名=永原孝道。岡山県生まれ。早稲田大学文学部日本文学科卒。大学時代に早稲田文学編集に携わったのち、出版社に勤務。
受賞歴 第6回三田文学新人賞(平成11年/1999年)「お伽ばなしの王様―青山二郎論のために」永原孝道名義
第11回日本ファンタジーノベル大賞(平成11年/1999年)「信長 あるいは戴冠せるアンドロギュヌス」
第19回山本周五郎賞(平成18年/2006年)『安徳天皇漂海記』
サイト内リンク 付録-山本周五郎賞受賞作・候補作一覧(第15回)
付録-山本周五郎賞受賞作・候補作一覧(第19回)
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「余聞と余分」内
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1件/最新は平成20年/2008年6月1日記事(このページの下部にリンクあり)
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じゅらく たいこう れんきんくつ
聚楽― 太閤の 錬金窟』
(平成14年/2002年1月・新潮社刊)
書誌
>>平成17年/2005年10月・新潮社/新潮文庫『聚楽 太閤の錬金窟』
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他文学賞 山本周五郎賞 15回候補 一覧へ
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
長部日出雄 44 3.5点「作者の博学というか、ペダントリーについていけませんでした。」「キリスト教の異端と錬金術と日本の戦国史がうまく絡み合っているとも言い難いと思います。」「やっぱり青髯とか、ジャンヌ・ダルクとか、話を広げ過ぎですよ。」
北原亞以子 23 3.5点「よくお調べになっているな、よくご存知だなと感心するほかはないんですが、その知識に頼り過ぎているような気もいたしました。」「が、豊臣秀吉や徳川家康の書き方はとてもうまいと思いました。」「どうしてやたら子供を殺すとか、気持ちの悪い場面を連続的に書くのかなと思いました。」
久世光彦 20 3.5点「西洋のほうの話と日本の話があまり効果的にお互いに働きかけていないので、読みにくいですね。」「家康と正信のやりとりなんていうのはうまいなと思っているうちに、急にまた西洋のキンキン耳につく音が入ってきて気分が殺がれる。つまり、東西の話のバランスを五分五分にしたのが勘定間違いで、結局のところ、一つの結末に収斂しそこなった。」
花村萬月 27 4点「この人は、ポテンシャルがすごくあると思います。」「読んでいて腹が立つのは、肝心の部分に薀蓄や引用が入ってくることですね。」「変なインテリ・コンプレックスさえ抑制できて、楽しく物語をきっちりつくり上げてくれれば、きっと面白いものが出てくると思います。」「この人、化けてほしい。説明さえしなけりゃ、本当に面白いのに。」
山田詠美 19 2点「家康と信長と秀吉の部分はすごくいいと思うんです。けれども、結局これって壮大なる失敗作というか、知識と物語性が融合していないという感じで、大体この長さ、必要ないと思うんです。」
選評出典:『小説新潮』平成14年/2002年7月号
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直木賞 135回候補  一覧へ

あんとくてんのう ひょうかいき
安徳天皇 漂海記』
(平成18年/2006年2月・中央公論新社刊)
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし 33 「よく出来た知的ファンタジーで、考証も文体も凝りに凝っている。」「いい作品ではあるが、この有名人のつるべ打ちは、物語の破天荒な進行をかえって小さくしたように思われる。」
平岩弓枝 22 「この物語の語り部である人物がどんな出自で、どのような過去を持ち、自分がおかれている時代をどういう信念で生きようとしているかなぞということを、しっかり描いておかないと、その人物を通して語られるすべての人間が虚像になってしまう。」
宮城谷昌光 0  
阿刀田高 9 「いくつもの資料を精査し、とてもないイマジネーションをくり広げ、――やるもんだなあ――と感嘆したけれど、小説としての感動が乏しかった。」
北方謙三 12 「なにゆえ人の繋がりをここまで拡げてしまうのだろうと、読んでいる間、私は首を傾げ続けていた。」「拡げすぎたために、秀逸な部分もある細部の描写が生きず、全体として散漫な印象を拭いきれなかったのは、残念である。」
林真理子 12 「作者がひとりで膨大な知識をまき散らしているような感を持つ。スケールの大きな荒唐無稽な物語のはずが、いつしか冗長な解説に変わってしまった。」
五木寛之 17 「全体に文体の統一感があれば、もっと凄い小説になったような気もする。前半の筆致のほうが冴えているように思うが、直木賞の枠からは自ずとはみだす異才というべきか。」
渡辺淳一 12 「構成が目を惹くが、それ自体、文学とはなんの関係もない、資料をもてあそんだ面白さにすぎない。これが山本周五郎賞を受けた理由もわからない」
選評出典:『オール讀物』平成18年/2006年9月号
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他文学賞 山本周五郎賞 19受賞 一覧へ
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎 40 「一読して、作中に溢れる文学的教養が作品を成すための付け焼き刃ではないことがわかった。衒いを感じぬからである。」「だがいかんせん、私にはわかりづらい小説だった。」「かくも耽美的な小説であるからこそ、ファンタジーの域にとどまらぬ普遍の美を、もっとわかりやすく提示してほしいと思った。」
北村薫 161 「自分の物差しを当てた時、最も突出した作」「今回は、わたしの前に、この物語が現れた。野球でいうなら、まさに守備範囲に球が飛んできたのだ。捕るのが義務と思った。」「好みの分野の、自分に近い作品が現れた時、人は最もきびしい評者となる。時には激しい憎悪さえ浴びせる。」「そういう思いを抱かされることが毫もなく、作中から《これを推せ》という声が聞こえた。」
小池真理子 40 「その描写力は闊達で、並々ならぬ力が感じられ、美文調で綴られる文章も、作品の核となっている幻想性を活かすことに成功している。」「あらゆる色彩が横溢している。言葉に対して、これだけの細心の注意が払われていたことを私は高く評価した。」「しかし、全体として私にはこの作品は読みづらいものだった。」「よく読めば、大仰な表現だけが浮き上がっているだけのような気もした。」
重松清 51 「唯一の○をつけて選考会に臨んだ」「本作は衒学趣味に終始するだけの一編ではない。」「眼前で繰り広げられる物語を読者にただただ素直にたどらせる力がここにはある。二人の少年皇帝に対する実朝やマルコの鎮魂の思いが、知的な仕掛けを忘れさせるほどの熱を持って物語を支えているためだろう。」
篠田節子 33 「極めて知的たくらみに満ちた傑作である。」「個々の要素を繋げ、壮大な物語を構築したイマジネーションの豊かさは見事と言うしかない。」「一見したところ作者の並はずれた文学的素養の上に生まれたコラージュのように見える。しかし「安徳天皇漂海記」は構成、設定、描写等々、すべてにおいて、高度に創造的な作品である。」
選評出典:『小説新潮』平成18年/2006年7月号
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文量
長篇
章立て
「第一部 東海漂泊――源実朝篇」【「第1章 大秘事」「第2章 玉体」「第3章 双夢」「第4章 廃太子」「第5章 唐船」「第6章 散華」「第7章 大任」】「第二部 南海流離――マルコ・ポーロ篇」【「第1章 巡遣使」「第2章 うつろ舟」「第3章 二天子」「第4章 翡翠玉」「第5章 亡国」「第6章 葬送」「第7章 親王の島」】
時代設定 場所設定
鎌倉初期[12世紀後半]  鎌倉〜大元帝国・大都〜華南・広州など
登場人物
安徳天皇(名・言仁、壇ノ浦で入水した幼帝)
隠者(第一部語り手、源実朝の従者)
源実朝(右大臣、将軍にして歌人)
天竺丸(別名・天竺の冠者、平家の落人)
マルコ・ポーロ(ヴェネツィア出身の商人)
クビライ・カーン(元の大王)
趙ヘイ〈日かんむり+丙〉(元・南宋の若き皇帝)




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  [H20]2008/6/1 読みづらい、って決して欠点じゃありません。一人の女流作家の生きざまです。 第46回候補 来水明子『背教者』  
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