直木賞のすべて
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第126回

=受賞者=
山本一力
唯川 恵

=候補者=
石田衣良
乙川優三郎
黒川博行
諸田玲子


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Last Update[H20]2008/1/3

諸田玲子
Morota Reiko
生没年月日【注】 昭和29年/1954年3月7日〜
経歴 静岡県静岡市生まれ。上智大学文学部英米文学科卒。フリーアナウンサー、化粧品会社勤務を経験。テレビドラマのノベライズ、翻訳などを手掛けた後、平成8年/1996年『眩惑』を発表。作家生活に入る。
受賞歴 第24回吉川英治文学新人賞(平成15年/2003年)『其の一日』
第25回新田次郎文学賞(平成19年/2007年)『奸婦にあらず』
処女作 『眩惑』(平成8年/1996年11月・ラインブックス、ワニブックス発売)
サイト内リンク 付録-山本周五郎賞受賞作・候補作一覧(第13回)
付録-山本周五郎賞受賞作・候補作一覧(第15回)
付録-吉川英治文学新人賞受賞作・候補作一覧(第21回)
付録-吉川英治文学新人賞受賞作・候補作一覧(第23回)
付録-吉川英治文学新人賞受賞作・候補作一覧(第24回)
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しんじゅう
誰そ 彼れ 心中』(平成11年/1999年2月・新潮社刊)
書誌
>>平成15年/2003年10月・新潮社/新潮文庫『誰そ彼れ心中』
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他文学賞 吉川英治文学新人賞 21回候補 一覧へ
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎 6 「佳作であるが、ミステリー性と心中譚がうまく融合していないという致命的な欠点があった。少くとも男女の内なるモラルにまつわる苦悩やその崩壊の過程を描かなければ、心中物としては成立しない。」
阿刀田高 9 「ヒロインの情念もさることながら小説としての情念を、激しい迫力を感じた。」「それだけでも新人賞に値すると考えたが、瑕瑾は多い。ミステリーとして読むにはたあいないし、心中物として読むには花がない。」「それでもなお魅力を湛えた不思議な作品だ。」
伊集院静 9 「興味深く読んだ。作品中の、人と人の距離をよく描いてある。めらめらとした炎のようなものが、その距離間によって振幅が出ていた。」「あとは心中のテーマゆえにあでやかさが欲しかった。」
北方謙三 7 「私は候補作を、制約のある男女の恋愛小説として読んだが、そこに物語のダイナミズムを持ちこんでいて、今後の可能性は大きいと感じた。ミステリーとしては欠点が多く、そのあたりの緻密さが課題となるが、期待すること大である。」
高橋克彦 7 「(引用者注:「深川恋物語」と)おなじ江戸ものという意味では一番に諸田玲子さんが割を食うこととなった。どうしても、どちらか、という判断を強いられる。こういう賞には運不運がつきものだ。」
林真理子 0  
選評出典:『群像』平成12年/2000年5月号
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ゆうれんぶね
幽恋舟』(平成12年/2000年1月・新潮社刊)
書誌
>>平成16年/2004年10月・新潮社/新潮文庫『幽恋舟』
>>平成19年/2007年5月・埼玉福祉会/大活字本シリーズ『幽恋舟』(上)(下)
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他文学賞 山本周五郎賞 13回候補 一覧へ
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
長部日出雄 49 3.5点「この小説は、実にうまくいろんなことを辻褄合わせて、飯田藩のお家騒動とは、こんな話だったのかということを、よく分かるように書いてあるわけです。」「剣戟の場面にも一応の迫力がありますし、文章の切れ味もいいと思います。ですから、基本的な設定というところに気を遣ってもらえたら、もっとこの小説は面白くなったんじゃないかと思います。」
北原亞以子 23 3点「はたして関所破りの女性を、役人である旗本が屋敷へ連れ帰るかどうか。」「仮に連れ帰ったとしても、「大罪を犯したわけではない」と言えるかどうか。」「他にもあるのですが、そういうところでひっかかっちゃって、読むのに苦労してしまったんですよ。」
久世光彦 26 2.5点「なんかこれ、僕のほうの仕事で言えば、シナリオになる前のプロットみたいな気がしてならないんですね。」「このへんでちょっと布石をとか、そういうところが常套的で嫌なんです。」「魅力的な人間が一人もいない。」「とにかく、なんか破けていくような面白さが欲しかった。」
花村萬月 19 3点「文章が整理されてない翻訳物を読まされているような違和感をおぼえてつらかったです。」「それでも正直なことをいえば、俺が一番楽に読めたのは、これでした。」「ただし、自分が楽しくても、客観的に判断すると、これに高得点を与えると顰蹙を買うなと思ったので三点です。」
山田詠美 18 1.5点「一番読み進められなかったのが、実はこれなんです。ちっとも盛り上がらなくて、退屈でしたね。」「こんな鈍くて頼りにならない男に、どうしちゃったんだ、この女の子って、そういう感じがずーっとつきまとってて。なんていうか、入り込めないなと思って、」
選評出典:『小説新潮』平成12年/2000年7月号
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かさぐも
笠雲』(平成13年/2001年9月・講談社刊)
書誌
>>平成16年/2004年9月・講談社/講談社文庫『笠雲』
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他文学賞 吉川英治文学新人賞 23回候補 一覧へ
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎 4 「野心作だが、侠気に欠ける侠客像に得心がゆかなかった。全体的に平坦で半音低い、いわばフラットかつフラットな印象は否めない。」
阿刀田高 5 「あと一歩で受賞を逃がした。」「人物の書き分けが見事だった。」
伊集院静 10 「大崎氏を追う選考委員の評価」「私は『笠雲』の、おじゅうの魅力にひかれた。これほどの艶気を感じさせることは作者の力量、才能である。強く推したが、惜しい結果だった。」
北方謙三 4 「手練れの作であり、当然ながら過不足のない出来栄えを示している。ただその分だけ、候補作としてもうひとつ迫力に欠けたように感じた。」
高橋克彦 7 「大衆文学という点では(引用者中略・注:「パイロットフィッシュ」より)上に位置する。」「全部のキャラクターが生きている。私個人としてはダブル受賞を望んでいたのだが、諸田さんには残念な結果となった。この路線で間違いがないと自信を持っていただきたい。」
林真理子 0  
選評出典:『群像』平成14年/2002年5月号
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直木賞 126回候補  一覧へ

ひょうろく
『あくじゃれ 瓢六』
(平成13年/2001年11月・文藝春秋刊)
書誌
>>平成16年/2004年11月・文藝春秋/文春文庫『あくじゃれ―瓢六捕物帖』
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収録作品の書誌
地獄の目利き
>>初出『オール讀物』平成11年/1999年6月号
>>平成17年/2005年9月・光文社/光文社文庫『撫子が斬る 女性作家捕物帳アンソロジー』所収
ギヤマンの花
>>初出『オール讀物』平成11年/1999年12月号
鬼の目
>>初出『オール讀物』平成12年/2000年4月号
虫の声
>>初出『オール讀物』平成12年/2000年10月号
紅絹の蹴出し
>>初出『オール讀物』平成12年/2000年12月号
さらば地獄
>>初出『オール讀物』平成13年/2001年3月号
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
平岩弓枝 17 「着想は面白いが、この着想は連作には向かない。」「映画やテレビドラマの虚構はともかく、小伝馬町の牢が、どういうものだったか、実態をしっかり把握した上で上手な嘘をついてもらいたい。」「この作者の責任ではないが作品が未完であることも候補作としてはマイナスになったと思う。」
井上ひさし 36 「定型化した捕物帳にぴかぴかの新機軸をいくつも打ち出そうとした野心作である。」「ただし、扱われている事件そのものは、いずれも輪郭がはっきりせず、したがってあまりおもしろくない。」「さらに人物の造型も文章もよほど悪達者で、そこも減点せざるをえなかった。」
林真理子 5 「達者な書きぶりであるが、上手なエンターテイメントの枠に入ったままのような気がする。」
北方謙三 8 「実際にあり得るかどうかは別として、ドラマ性は確かに感じる。ただ、候補作は単体として読む。シリーズもので、大きな問題点が解決されていない作品での候補は、気の毒であった。」
津本陽 6 「達者な筆はこびで楽しませてくれるのだが、構成が大胆すぎて嘘っぽい感じになってきてしまった。」
宮城谷昌光 16 「時代小説にも新風が必要であり、氏の工夫がひとつの旋風になってもらいたい。今回の作品はおもしろく読んだ。今後は、おもしろさの質を向上させ、正確な情報量をふやせばよく、たとえ細部にこだわったところで、氏は迷路にはいりこむような人ではなさそうなので、次作に期待したい。」
阿刀田高 27 「登場人物のキャラクターがおもしろい。しかし、――江戸時代にこんなことありえたかなあ――という視点に立つと疵は多い。」「一番の弱点はそうまでして捕物帳を綴りながら核心となる事件が冴えないことだろう。未完の連作集のような気配もあって強くは推せなかった。」
渡辺淳一 16 「この作品の魅力はなによりも主人公で、ふるいつきたいほどハンサムで、そのくせ悪で、反骨精神にあふれているところが洒落ている。」「惜しむらくは、瓢六が挑む謎解きがつまらなく、牢を出たり入ったりのご都合主義が、史実的な点から批判されて大きく後退した。」
田辺聖子 13 「奇想天外なアイデアが面白かった。」「時代小説好きの私、時代小説の中で女性が(好ましいのも、好かんたらしい(原文傍点)のも)うんと活躍してほしいもの、と思う」「弥左衛門の姉・政江が面白かった。」
五木寛之 0  
黒岩重吾 9 「才筆である。瓢六が囚人であるにも拘らず牢から出て活躍する発想は、もう一捻りしたなら一層面白くなる。ただ短篇集として読むと、瓢六と弥左衛門の二人が主人公になり、読み手はとまどってしまう。」
選評出典:『オール讀物』平成14年/2002年3月号
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文量
連作短篇集
時代設定 場所設定
江戸中期  江戸
登場人物
瓢六(目利き上がりの博徒、入牢中)
篠崎弥左衛門(北町奉行所の定廻り同心)
お袖(芸者、瓢六の女)
八重(賄い組頭の娘、弥左衛門の見合い相手)
菅野一之助(弥左衛門の上役与力)
雷蔵(牢名主、元力士)
地獄の目利き
章立て
「一」〜「十」
ギヤマンの花
章立て
「一」〜「八」
鬼の目
章立て
「一」〜「九」
虫の声
章立て
「一」〜「七」
紅絹の蹴出し
章立て
「一」〜「九」
さらば地獄
章立て
「一」〜「十一」





げんないきょうれん
源内狂恋』(平成14年/2002年1月・新潮社刊)
書誌
>>平成18年/2006年5月・新潮社/新潮文庫『恋ぐるい』改題増訂
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他文学賞 山本周五郎賞 15回候補 一覧へ
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
長部日出雄 52 3.5点「面白おかしく世の中を渡ってきて、人生の最後に来たときのディレッタントの苦い後悔と悲しみが語られていて、僕はとてもいいと思ったんですね。」「細かな言葉遣いとかそういうところで、引っかかるところがあるんですね。」
北原亞以子 26 3.5点「野乃という女性に託して源内自身を語るという手法は、私もとても面白いと思いました。」「時代小説を書くなら、やはりその時代のルールに従わなければいけない。でも、細かなミスがかなりあるんです。」「不注意としか思えないようなミスが興をそいでしまうんです。」
久世光彦 28 4.5点「僕が一番がっかりしたのは、やはりラストです。」「通俗な言い方ですが、結局ちょっと人間が書けてないというのが一番の致命傷じゃないかなと思いました。」「諸田さんは、突然と言っていいくらいに、うまくなったなと思うんです。これまであまり感じられなかった作者の思いが、今回初めて見えてきた。」
花村萬月 44 4.5点「平賀源内という実在の人物を据えたことで随分得をしているんでしょうが、以前の作品のように散らかることもなく、今回の候補作の中で一番楽しく読めました。」「地味ではありますが、この人がしっかりと仕事を重ねてきて上達しているのがわかって、非常に気持ちがよかったです。」
山田詠美 29 1.5点「ここのどこに狂おしい恋があるのかと思いました。源内が雑念を捨てて、初めて自分のための物語を念頭において、人生の最後に書かれた物語がこれか、と。」「それから、会話がすごく多用されているんですね。地の文でどう書くか苦労すべきところを、会話で一行で済ませてしまう。」
選評出典:『小説新潮』平成14年/2002年7月号
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いちにち
其の 一日』(平成14年/2002年11月・講談社刊)
書誌
>>平成17年/2005年12月・講談社/講談社文庫『其の一日』
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収録作品
「立つ鳥」「蛙」「小の虫」「釜中の魚」
 
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他文学賞 吉川英治文学新人賞 24受賞 一覧へ
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎 4 「長所短所のあからさまな英国車で、スタイリングも性能もそれなりにすぐれてはいるのだが、メンテナンスに手がかかりそうである。」
阿刀田高 9 「凛とした筆致と結構のよさに引かれた。無駄のない、緻密な表現である。四つの短編が、それぞれ四人の登場人物の“運命的な”一日を捕らえ、鮮かに展開している。」「技法としては格別新しいものではないが、作者の筆力が読みごたえのあるものとしてくれた。」
伊集院静 29 「作品の中でも、私はとりわけ『小の虫』に魅かれた。」「母の胎内から外界へ出ることも誕生だが、この短編にはもうひとつの誕生が描いてある。作者は実に高等な誕生を切り拓いた。最後の一行を読み終えた後、そこからひろがる無限、見事な空白を感じた。」
北方謙三 8 「うまさを狙うというのは、完成期の作家の方法であり、そこに微妙な齟齬を感じはしたが、この達者さはやはり捨て難かった。」「全体として格調の高い一冊に仕上がっていた。」
高橋克彦 13 「とっくに新人の域を超えている。新人賞が失礼と思われるほど深くて巧みだ。私は昨年の候補作『笠雲』でも満点と見ていたので、この結果に喜びを感じている。」
林真理子 5 「文章の姿の美しさというのは、おそらく翻訳を長くされていたせいであろう。長く実力派と言われた方であるから、この賞をきっかけにさらに大きく飛躍されるに違いない。」
選評出典:『群像』平成15年/2003年5月号
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  [H20]2008/3/16 ウエザ・リポート  
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