直木賞のすべて
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第122回

=受賞者=
なかにし礼

=候補者=
東野圭吾
馳 星周
福井晴敏
真保裕一


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Last Update[H20]2008/8/6

真保裕一
Shimpo Yuichi
生没年月日【注】 昭和36年/1961年5月24日〜
経歴 東京都生まれ。千葉県立国府台高校卒。アニメ制作会社にてディレクターを務め、平成3年/1991年江戸川乱歩賞を受賞して作家デビュー。
受賞歴 第37回江戸川乱歩賞(平成3年/1991年)「連鎖」
第17回吉川英治文学新人賞(平成7年/1995年)『ホワイトアウト』
第10回山本周五郎賞(平成8年/1996年)『奪取』
第50回日本推理作家協会賞[長編部門](平成9年/1997年)『奪取』
第25回新田次郎文学賞(平成18年/2006年)『灰色の北壁』
処女作 『連鎖』(平成3年/1991年9月・講談社刊)
サイト内リンク 付録-山本周五郎賞受賞作・候補作一覧(第10回)
付録-吉川英治文学新人賞受賞作・候補作一覧(第15回)
付録-吉川英治文学新人賞受賞作・候補作一覧(第17回)
小研究-ミステリーと直木賞
リンク集
子サイト
「余聞と余分」内
関連記事
6件/最新は平成20年/2008年8月10日記事(このページの下部にリンクあり)
備考 テレビアニメ『笑ウせぇるすまん』のディレクターだったという経歴は有名。
乱歩賞受賞者のなかでも着実にファンを増やしつつある中堅作家、と言っていいだろう。
ちなみに、私、サイト管理人P.L.B.もかなりのファンです。蛇足。
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しんげん
震源』(平成5年/1993年10月・講談社刊)
書誌
>>平成8年/1996年10月・講談社/講談社文庫『震源』
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他文学賞 吉川英治文学新人賞 15回候補 一覧へ
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし 0  
尾崎秀樹 5 「国がらみの謀略を追及したスケールの大きな政治サスペンスだが、後半話を拡げすぎた感が深い。」
佐野洋 8 「発表時の評判がよかったので、最後の楽しみにとっておいたのだが、期待はずれだった。大福を作るのに、あんこを多く入れ過ぎたため、外側の餅が破れたという感じだ。」「この作品では、多視点を取ったため、構成に破綻が生じてしまった。」
野坂昭如 0  
半村良 5 「(引用者注:『百万ドルの幻聴』と)ぶつかりましたが、(引用者中略・注:受賞作の)二作に票が集まったので、仕方なく外されました。」「影のライバルはラドラムだったように思いました。」
選評出典:『群像』平成6年/1994年5月号
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『ホワイトアウト』 (平成7年/1995年9月・新潮社/新潮ミステリー倶楽部)
書誌
>>平成10年/1998年9月・新潮社/新潮文庫『ホワイトアウト』
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他文学賞 吉川英治文学新人賞 17受賞 一覧へ
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし 6 「一介の発電所員がテロリストの集団との知恵比べや戦いを通して一個のヒーローに成長して行く。彼がヒーローに出来上がって行く過程そのものが小説に活気と生命力とを与えていて、この魅力がいくつもの弱点を消した。」
尾崎秀樹 6 「厳寒期の雪山を舞台にくりひろげられるスリリングなドラマである。雪山の描写も迫力があった。」
佐野洋 11 「乱歩賞以来の業績から言えば、受賞して当然とも言えるが、『ホワイトアウト』で受賞ということには、首をひねりたくなる。」「(引用者注:主人公の)超人ぶりに驚くばかりで、読んでいるだけで疲れてしまうが、それはこちらの年齢のせいだろう。」
野坂昭如 15 「他の舞台で、こんなタフな主人公を登場させれば、ちょっと鼻白んだろうけど、冬の雪山、巨大なダムという大仕掛けの中では、かえって人間味を添え、滑らかに運び、」「そもそも強烈なキャラクターが不在の時代、むしろ、御都合主義という月並みで片付けてしまえる役割りをふられていた方が、人間は活き活きするのだろう。」
半村良 17 「もうこうしたジャンルの作品があらわれてもいいころだという予感を抱かせていたから、抵抗なく嚥みくだせた。」「(引用者注:「天空の蜂」との)両者をめぐる議論は一進一退、互角で取り組んでいたが、(引用者中略)最後に「ホワイトアウト」に軍配があがった」
選評出典:『群像』平成8年/1996年5月号
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だっしゅ
奪取』(平成8年/1996年8月・講談社刊)
書誌
>>平成11年/1999年5月・講談社/講談社文庫『奪取』(上)(下)
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他文学賞 山本周五郎賞 10受賞 一覧へ
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
阿刀田高 28 4点「ヤクザはぜんぜんヤクザらしくない、偽札造りにそこまで情念を燃やす内なる必然性というのは何かというと、彼はただ偽札を造りたかったということしかないわけです。」「今まで真保さんが書いてきた作品は、もう少し実質的な問題をちゃんと見据えていたような気がする。だから、この作品はあまり、よい出来ではないという感じが否めません。」
井上ひさし 69 5点「候補作中、無我夢中で読みふけった作品はこれだけでした。」「うまい仕掛けだったと思うのは、先行するチーム、それも失敗したチームを用意して、現チームと対比させたことですね。」「最後に、自分の書いた世界全体をぶっ壊してしまおうという気構えに感心しました。」「一万円札に対する徹底的な抵抗小説、いわば上出来のレジスタンス小説として面白く読みました。」
逢坂剛 31 4.5点「いかにもコンピューター世代の小説だなと感じましたが、そのせいなのか、人物造形がわりと淡泊ですよね。」「読者の興味は、偽札の造り方そのものよりも、むしろ印刷会社に忍び込んで、スキャナーなんかを使っている時に、誰かが見回りに来てばれちゃうんじゃないかとハラハラ、ドキドキするというほうに向かうだろうと思うんです。」
長部日出雄 62 4.5点「私が、この作品でいちばん感心したのは構成です。」「意表をつく面白い変なじじいが出てくる。このじいさんが出てきてから、僕は完全にこの小説にのりました。」「この小説はたしかに千四百枚必要で、なおかつ、非常にスピーディなテンポのある文体で一気に読ませたという点を評価したい。」
山田太一 34 5点「内面はもとより、いまの時代についての聞いたふうな解釈や意味あり気なところもまったくない。セックスについても、挨拶程度にしか触れないというかたちで、読んでいくうちに、ウーン、いまの若い人の小説だなあ、と快い興奮がありました。」
選評出典:『小説新潮』平成9年/1997年7月号
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直木賞 122回候補  一覧へ
『ボーダーライン』(平成11年/1999年9月・集英社刊)
書誌
>>平成14年/2002年6月・集英社/集英社文庫『ボーダーライン』
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
阿刀田高 23 「力作だ。」「探偵という職業を、なんの違和感もなく提示した技も巧みである。」「だが、他の委員から「探偵を登場させたら、たまたま先天的犯罪者と遭遇した、というのは小説の本道ではない。先天的な犯罪者とはなんなのか、それがメイン・テーマとなり、そこにたまたま探偵が関わるという形、これは、そのくらい重いテーマでしょう」と指摘されると首肯しないわけにいかない。」
田辺聖子 0  
黒岩重吾 0  
平岩弓枝 27 「主人公の設定といい、その上司に当る人物の描き方なぞ実にうまい。」「世の中に悪魔のような人間というのは居るけれども、何故、そうなって行ったかの過程はあるもので、生れながら悪魔と片づけるのはものを書く人間としては無責任ではないだろうか。私がこだわったのは、その一点だけであとは文句なしによく書けた作品だった。」
井上ひさし 26 「前半は間然する所のない傑作だ。」「「純粋の悪」ともいうべきその男(引用者注:調査官が対決すべき相手)の所業が常に伝聞でのみ描かれる」「作者が誠実に伝聞を書けば書くほど、肝心の純粋の悪はどんどん言葉の鎧を着て行き、最後には言葉だけの存在になってしまった。」
五木寛之 34 「卓抜な取材力といい、登場人物のくっきりした性格づけといい、見事なものだと思う。」「それにもかかわらず、この作品を受賞作として強く推すことが私にはできなかった。」「情感をたたえた文体が、後半まで持続できなかった」「物語りの糸の結び目ともいうべき重要な場面が、きちんと描写されずに手軽に通過されてしまっている」「人間の悪に対する考えかたに、どこか歯がきしむような違和感をおぼえた」
渡辺淳一 53 「(引用者注:「白夜行」「ボーダーライン」「亡国のイージス」は)子供の父親殺しという点で、共通のテーマを扱っている。」「最も重要、かつ切実な問題は、子がなぜ親を殺すのか。この一点に尽きる。」「殺人がゲーム的に書かれていて、小説になりきっていない。」「作家と自負するなら、より深く誠実に、主人公の内面に分け入り、踏みこんで書くべきではないか。」
津本陽 4 「殺人鬼を描ききれていないので、せっかくの風土の描写の輝きが徒労に終ってしまった。」
選評出典:『オール讀物』平成12年/2000年3月号
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文量
長篇
章立て
「1」〜「35」
時代設定 場所設定
[同時代]  アメリカ・ロサンゼルス〜アリゾナなど
登場人物
私(語り手、永岡修、信販会社調査官)
安田信吾(通称サニー、心のない青年殺人鬼)
安田英明(信吾の父親、大企業の重役)
安田真由美(信吾の妹)
トッド・関口(私のボス、支社長)
メリンダ(私のガールフレンド)
ダニエル・ファウラー(ロス市警殺人課刑事)
マーヴィン・コラソン(私の友人、殺人で服役中)




直木賞 123回候補  一覧へ
『ストロボ』 (平成12年/2000年4月・新潮社/新潮エンターテインメント倶楽部SS)
書誌
>>平成15年/2003年5月・新潮社/新潮文庫『ストロボ』
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収録作品の書誌
第五章 遺影……五十歳
>>初出『小説新潮』平成10年/1998年7月号
>>平成15年/2003年8月・文藝春秋刊『推理作家になりたくて:マイベストミステリー第2巻 影』所収「遺影」
第四章 暗室……四十二歳
>>初出『小説新潮』平成11年/1999年1月号
>>平成12年/2000年6月・講談社刊『ザ・ベストミステリーズ2000』所収「暗室」
>>平成14年/2002年11月・講談社/講談社文庫『ミステリー傑作選42 罪深き者に罰を』所収「暗室」
第三章 ストロボ……三十七歳
>>初出『小説新潮』平成11年/1999年7月号
第二章 一瞬……三十一歳
>>初出『小説新潮』平成11年/1999年10月号
第一章 卒業写真……二十二歳
>>初出『小説新潮』平成12年/2000年2月号
>>平成13年/2001年6月・講談社刊『ザ・ベストミステリーズ2001』所収「卒業写真」
>>平成16年/2004年9月・講談社/講談社文庫『ミステリー傑作選45 殺人作法』所収「卒業写真」
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
北方謙三 17 「意欲的な作品であった。」「一章ごとに過去に戻り、それに従って主人公の試みに必然性を与えていくという手法には斬新なものがあり、唸らされた。作為は見えるが、それを凌ぐリアリティもあった。ただ、私はなぜか、五十歳の痛みを感じなかった。」
田辺聖子 4 「どの篇もこしらえ物の気がして隔靴掻痒の憾みあり。」
宮城谷昌光 28 「小説を書くという作業にあらたな課題をあたえ、何かを越えようとするこころみが感じられた」「作為の跡が消されておらず、人間関係もぎごちないが、この作家の精神の中枢にはたぶん変化と成長があり、自身を甘やかさない厳しさがあるとみて、好感を懐いた。」
平岩弓枝 0  
渡辺淳一 11 「前作のバイオレンス的熱気が抜けると、ただのさばさばした味気のないものになってしまった。その最大の原因は、小説を頭で書きすぎるところで、この程度の観念的なものでは、一般の読者も満足しないだろう。」
五木寛之 5 「評価する声はあったものの、大多数の支持を集めるにいたらず見送られ、」
林真理子 4 「カメラマンといわれる業界の描き方がややありきたりではないか。」
阿刀田高 11 「あえて趣向のある連作短篇集を編もうとして、カラまわりしてしまったのではあるまいか。」「個々の短篇も、人間への目配りに不足があったのではないか。力のある作家であることは疑いない。」
黒岩重吾 8 「月刊雑誌の短篇としては、ラストを除き充分通用する。間違いなく才筆である。ただ直木賞の俎板に乗ると、上手さだけでは力不足ということになる。」
津本陽 9 「どれもするどい切り口を狙っていて、相応に成功しているのだが、おや、と意表をつかれ、想像力を刺戟されるような、つよい訴え、あるいは独白が見あたらなかった。」
井上ひさし 20 「主題と題名と形式になにか大事な意味があるにちがいない。そう考えて、前から読んだり、うしろから眺めたりしたが、作者の真意がどのへんにあるのか、ついに分からなかった。形式の追求に力が入りすぎて、中身についての追求が充分ではなかったという憾みがある。」
選評出典:『オール讀物』平成12年/2000年9月号
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文量
連作短篇集
時代設定 場所設定
[同時代]〜約30年前  東京〜長野など
登場人物
喜多川光司(本名・北川浩二、カメラマン)
喜美子(喜多川の妻)
豊島泰子(元モデルの壮年女性)
柊ハルミ(本名・平石晴美、カメラマン、ネパールの雪山で事故死)
仁科圭二(広告代理店の敏腕社員)
黒部勝人(喜多川の師)
桜井美佐子(雑誌ライター、30代の北川の恋人)
葛原幸也(北川の大学同級生、交通事故死)
長峰真希(葛原の彼女)
第五章 遺影……五十歳
第四章 暗室……四十二歳
第三章 ストロボ……三十七歳
第二章 一瞬……三十一歳
第一章 卒業写真……二十二歳




直木賞 125回候補  一覧へ

おうごん しま
黄金の 島』(平成13年/2001年5月・講談社刊)
書誌
>>初出『週刊現代』平成10年/1998年10月3日号〜平成12年/2000年8月12日号/単行本化にあたり加筆修正
>>平成16年/2004年5月・講談社/講談社文庫『黄金の島』(上)(下)
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし 27 「旺んな筆力にまず驚く。」「才筆の作者であるから、ときに読者を魅了する。」「だが、主人公が日本上陸の寸前に殺されてしまうのに呆然とした。読者の労にもう少し酬いてもらいたい。」
黒岩重吾 12 「本作品に魅力を感じなかった。冒頭に出てくる暴力団の組長の女と主人公の関係は中途半端で、主人公のベトナムでの悩みや正義感も理解はできるが迫力が薄い。」
田辺聖子 25 「(引用者注:「黄金の島」と「邪魔」は)私にとっては優劣つけがたい面白さに思える。」「文章が躍動して、映像やマンガの比ではない昂揚感を与えられる。それだけに、主人公の〈修司〉のあっけない死は、裏切られた思いである。」「〈ワルモン〉が〈エエモン〉にやっつけられて溜飲をさげる、というたのしみを奪われて、欲求不満だった。」
渡辺淳一 6 「ストーリーは多彩だが、ただ面白おかしく書いたという域を出ず、人間関係や現代への視点もありきたりで、平板である。」
宮城谷昌光 0  
林真理子 5 「後味が悪いものとなった。現代のベトナムをよく調べていると思うものの、これでは救いがない。」
阿刀田高 18 「力作だが、ストーリーの展開と構成に配置を欠いているように感じた。」「充分に長い作品だが、これで前半、主人公たちが生きて日本に帰り、そこに後半があるような、そういうストーリーでなければカタルシスが乏しい。どことなく二階にあげられ梯子を取られたような印象の残る作品であった。」
津本陽 21 「読者に飽きさせない筆力を、充分にそなえている。」「あまりおもしろい運びに乗って、欠点も目につかないまま、読みおえた。そこが、この小説の欠点といえばいえるのだろうか。」「しかし、この作者の話の運びのうまさは、尋常ではない。旨い酒か菓子のようである。いま一段苦味をそえれば、重さが増してくるだろう。」
北方謙三 17 「修司という男の描き方、特に日本にいる場面での人物造形が甘い。ここに厳しさがあれば、もうひと皮剥けた作品になったであろうし、結末のつけ方も違ってきたはずだと感じた。取材が行き届いた作品であるのに、惜しいという思いは否めない。」
平岩弓枝 10 「ヴェトナムはよく調べているし、細かなところにまで行き届いている。但し、ここに出て来るヴェトナム人の性格や心はヴェトナム人ではなく、むしろ、他の東南アジアの人々のものである。ヴェトナム人にとっては心外なことに違いない。」
五木寛之 6 「あまり積極的に評価する声がなかった。」「実績のある実力作家なので、これも意外な気がした。」
選評出典:『オール讀物』平成13年/2001年9月号
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文量
長篇
章立て
「プロローグ」「第一章 逃亡」「第二章 越南」「第三章 野心」「第四章 船出」「第五章 失意」「第六章 触発」「第七章 望郷」「第八章 激浪」「第九章 上陸」「エピローグ」
時代設定 場所設定
1988年〜95年  ベトナム・ホゥザン〜ホーチミン〜東京〜バンコクなど
登場人物
坂口修司(偽名タチバナ、暴力団員で逃亡者)
ブイ・クック・チャウ(シクロ乗りの少年)
ホイン・ヴァン・カイ(チャウの従兄、シクロ乗りのリーダー)
トラン・フイ・ティエップ(カイの仕事仲間)
ファム・タン・トゥエイ(食堂手伝い、ティエップの恋人)
砂田幹靖(月慈会砂田組組長)
持田奈津(砂田の愛人)
磯貝栄一(ベトナムのブローカー)
ドアン・カック・キエム(ホーチミン勤務の警察官)




『ダイスをころがせ!』 (平成14年/2002年1月・毎日新聞社刊)
書誌
>>平成17年/2005年5月・新潮社/新潮文庫『ダイスをころがせ!』(上)(下)
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大衆選考会 127回推薦候補 一覧へ
大衆選考会での推薦
推薦者 推薦日 推薦文
ゼスギ 平成14年/2002年5月30日 文句なしに面白かったし、内容もすばらしかったです。
選挙について深く考えさせられ、政治の在り方についてもいろいろと興味をひかれました。
今のままじゃ何も変わらない。誰かがダイスをころがす。
ならば自分がやろう!というポジティブな考え方はすごく良かったです。
これからは毎回選挙に行こうと思いました。
さらにこの本を読んだら立候補しちゃおうかな!?という気さえ起きました(爆)。
それくらい選挙に関して事細かに記述しているのでとても勉強にもなります。
選挙をテーマとしたミステリ小説とはちょっと異色ではありますが、おもしろさは絶対です!!
著者もそろそろ直木賞を受賞しても良いのではないでしょうか!?
ぜひぜひ推薦いたします!!
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直木賞 129回候補  一覧へ

つな あす
繋がれた 明日』
(平成15年/2003年5月・朝日新聞社刊)
書誌
>>初出『週刊朝日』平成13年/2001年8月17.24日号〜平成14年/2002年9月6日号/単行本化にあたり加筆修正
>>平成18年/2006年2月・朝日新聞社/朝日文庫『繋がれた明日』
>>平成20年/2008年8月・新潮社/新潮文庫『繋がれた明日』
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
平岩弓枝 13 「重く、ねばり強い作風が魅力である反面、読みにくいというもろ刃の剣になっている。構成に少々念を入れれば解決出来るのではないかと思う。」
津本陽 11 「熟練者で、読者をひきこむ力は充分にある。」「なにか軽みを感じる。主題にもたれているところが、弱点となったのであろうか。」
井上ひさし 37 「主人公の困難な贖罪の旅を記録する文章に力みなぎり、彼を支える保護司がよく描かれてもいて、これは作者渾身の力作である。」「「殺す気はなかったのだが」と、主人公に代わって作者が言い訳をしているうちに、物語の流れがしばしば緩んで澱んで滞り、そのたびに作品はふくらみを欠いて、重く平べったくなった。」
田辺聖子 0  
渡辺淳一 15 「前回まで、圧倒的な迫力で走っていた新鋭車が、今回の作品で完熟、一旦、停止した感じだが、その原因は、少し頭でつくりすぎるところにあるのかもしれない。その顕著な例がラストの平板さにでてしまった。」
阿刀田高 22 「評価はけっして低くはなかったが、なにかしら不足するものが感じられ、受賞作に一歩譲る結果となってしまった。」「筆致ものびやかで、なんの抵抗感もなくスムースに読むことができたけれど、読後の感動はテーマが深いわりには乏しかった。」
宮城谷昌光 36 「創作の基盤に感動がすえられていたのが真保裕一氏の「繋がれた明日」であることは瞭然としている。」「むろん小説の良否は修辞に大きくかかわり、主題の堅牢さは修辞のまずさによって湮没させられてしまう。しかし真保氏の創作の姿勢と手順は正しい。ところどころ虚構の素肌が露呈しているが、そんなことを嗤われても、まったく気にする必要はない。この小説には真実があると私はみた。」
北方謙三 28 「今回は、私は(引用者注:「手紙」よりも)真保氏の方を評価した。」「(引用者注:主人公の設定と生き方の)愚直さが、社会にとって、家族にとって、人間にとって、犯罪とはなんなのかと問いかける力になったと思う。テーマ性が強すぎるという意見もあるだろうが、犯罪とはなにかを問いかけるために書かれた小説があってもいい、と私は思った。」「石田、村山、真保の三氏に丸をつけて、私は選考会に臨んだ。」
林真理子 9 「(引用者注:「手紙」と)非常に似た設定だったため、どちらにとってもかなり不利だったのではないか。」「主人公から刑務所帰りの体臭がまるで伝わってこない。お行儀がよい小説という感じがした。」
五木寛之 9 「すでに一家をなしている書き手である。新人として眺めることをしなかったせいか、どこか物足りない印象があった。」「もっと迫力のある個性的な作品を書くことができる作家だと信じている。」
選評出典:『オール讀物』平成15年/2003年9月号
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大衆選考会 129回推薦候補 一覧へ
大衆選考会での推薦
推薦者 推薦日 推薦文
ゆずぽん 平成15年/2003年7月6日 (同時推薦=>東野圭吾)同じテーマを内からと外から扱った作品。
読み比べると面白さ二倍。
二作でワンセット。
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文量
長篇
章立て
「1」〜「34」
時代設定 場所設定
[同時代]  東京〜千葉など
登場人物
中道隆太(26歳、仮釈放中の受刑者)
大室敬三(隆太の担当保護司)
高取繁樹(隆太の刑務所仲間)
中道朋美(隆太の妹)
三上吾郎(隆太の殺した相手)
田中鶴子(三上の母親)
藪内晴枝(三上の彼女)





えいこう がいせん
栄光なき 凱旋』(上)(下)
(平成18年/2006年5月・小学館刊)
大衆選考会 135回推薦候補 一覧へ
大衆選考会での推薦
推薦者 推薦日 推薦文
くまさん 平成18年/2006年6月17日 真保さんの新境地であり、渾身作。
戦争を3人のアメリカ在住日系2世の視点で描き出す。
日本とアメリカ、2つの国の間で揺れ動く感情。彼らはそれぞれの思いを胸に戦場へと出て行くが、そこで目にする『戦争』とは・・・。
物語の始終、熱い人間ドラマが展開され、読んでいて心がぐっとくるものがある。特に後半の戦場の場面はまさに圧巻。
非常に長い作品であったが、一気に読ませる真保さんの手腕はさすがとしかいいようがない。
この作品は真保さんの作品中でも、一番の傑作であると私は思う。
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