直木賞のすべて
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第112回

=候補者=
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志水辰夫
池宮彰一郎


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Last Update[H20]2008/1/3

池宮彰一郎
Ikemiya Shoichiro
生没年月日【注】 大正12年/1923年5月16日〜平成19年/2007年5月6日
経歴 本名=池上金男(イケガミ・カネオ)。東京生まれ。沼津商卒。戦中は、満州にて現地召集、陸軍入隊。戦後、新東宝シナリオ研究生から大映を経て、映画脚本家。
受賞歴 京都市民映画祭脚本賞(昭和38年/1963年)
シナリオ功労賞(平成4年/1992年)
第12回新田次郎文学賞(平成5年/1993年)『四十七人の刺客』
第12回柴田錬三郎賞(平成11年/1999年)『島津奔る』
サイト内リンク 付録-山本周五郎賞受賞作・候補作一覧(第6回)
付録-柴田錬三郎賞受賞作一覧(第12回)
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しじゅうしちにん しかく
四十七人の 刺客』
(平成4年/1992年9月・新潮社/新潮書下ろし時代小説)
書誌
>>平成7年/1995年9月・新潮社/新潮文庫『四十七人の刺客』
>>平成14年/2002年5月・埼玉福祉会/大活字本シリーズ『四十七人の刺客』(上)(中)(下)
>>平成16年/2004年4月・角川書店/角川文庫『四十七人の刺客』(上)(下)
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他文学賞 山本周五郎賞 6回候補 一覧へ
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
阿刀田高 30 3.5点「日本人なら誰でもが知っている話を、新しい視点から、なるほど、世論操作もおこなわれていたのか、知的な勝負がそこでおこなわれていたのか、といった想像的な世界を構築してくれたということで、とても面白く読みました。」「しかし、文章の中に、従来の「忠臣蔵」の史料に対するクリティークのようなものが時どき出てきます。(引用者中略)そこまで言っていいのかなという気がして、興趣がそこでそがれてしまうんです。」
井上ひさし 61 3.5点「あっという間に読ませる筆力はさすがです。」「この作品は大石内臓助の書き方が従来通りだなと感じましたね。」「お上への挑戦、大公儀への挑戦というところをもう少し書いてもらえばよかったと思います。」
逢坂剛 42 4点「作者は、この事件を情報戦としてとらえてます。その点が非常に新鮮だと思いました。」「結局、この小説の大きな欠点は、刃傷の真相に対する考察が足りないところだと思います。」
長部日出雄 34 4点「この小説には、ところどころに決め台詞があって、それがなかなか切れ味がいいと思いました。」「とてもテンポよく、面白く読めたのですが、ここまでいろいろ仕組んでくれたのなら、ラストにもうひと工夫ほしかったと思います。」「しかし、風格とともに新鮮味も感じさせる時代小説になっていて、これまで数多く書かれている「忠臣蔵」に関する小説の中で、明らかに独自性を主張し得る力をもった作品だと思います。」
山田太一 24 3.5点「この作品は、内蔵助を他の人では代替出来ない人格として登場させ、相手方にも、上杉家の色部又十郎という才人を他ならぬその人として登場させたことに、最近の流れに対して、あえて古風に戻ることでの新しい趣向があるのではないかという印象を受けました。」「時代の欲求に応えていて、面白いのですが、史実に対する一解釈を少し強引にいいまくられたような当惑が残りました。」
最終投票      
選評出典:『小説新潮』平成5年/1993年7月号
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直木賞 112回候補  一覧へ

たかすぎしんさく
高杉晋作』(上)(下)(平成6年/1994年11月・講談社刊)
書誌
>>平成9年/1997年9月・講談社/講談社文庫『高杉晋作』(上)(下)
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
藤沢周平 7 「幕末期という歴史のおもしろさ、講談の話法を活かして誇張した文章のおもしろさで読ませるけれども、受賞には距離がある作品に思われた。」
渡辺淳一 10 「資料や史実の正邪をこえて、ストーリーを追うに急で、いわゆる骨格だけで肉付けの薄い、痩せた小説になってしまった。なによりも不満なのは、これだけの長篇でありながら、主人公の姿が一向に見えてこないもどかしさである。」
田辺聖子 11 「きびきびと書けているのと、長州から見る薩摩の奸佞が面白かった。が、いま少し主人公の晋作の顔がハッキリすれば……と願うのは、女からみても興あったかもしれない晋作の、男としての魅力を知りたいため。」
黒岩重吾 5 「講談調的な面白さはあるが、小説としてはどうだろうか、と首を捻らざるを得ない場面が何か所かあった。」
山口瞳 15 「正直に言って、これは小説家の文章ではない。作家ならもっと艶があるはずだ。」
平岩弓枝 10 「最後まで読んでも、肝腎の高杉晋作が、なんとしても目に浮んで来なかった。同時に高杉晋作を取り巻く人物像も中途半端で終っている。おそらくは資料にふり廻された結果ではないかと思うが、作者の熱意が作品に伝っていない。」
井上ひさし 22 「晋作が奇兵隊仮本部へ乗り込むあたりの迫力は相当なもの、しかしどこかから絶えず講釈師の張り扇の音が聞こえていたことも否定できない。晋作の目鼻立ちがはっきりせず、つまり彼の人間像が判然とせず、そこで演出の派手さだけが目立ってしまった。」
五木寛之 0  
選評出典:『オール讀物』平成7年/1995年3月号
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文量
長篇
章立て
上巻「1 酒旗の風」「2 松下の白露」「3 天歩艱難」「4 奇策縦横」「5 禁門の変」「6 社稷将傾」下巻「7 登高四望」「8 海濤の賦」「9 髀肉の嘆」「10 雲煙飛動」「11 風塵の警」「12 溝壑の死」
時代設定 場所設定
江戸幕末  上海〜長州〜江戸など
登場人物
高杉晋作(長州藩士)
吉田松陰(長州の尊皇攘夷論者、晋作の師)
井上聞多(江戸詰の長州藩士)
白石正一郎(商人、志士の支援者)
久坂玄瑞(幼名・義助、晋作の友)
山県狂介(奇兵隊軍監)




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せんり うま
千里の 馬」
(『季刊歴史ピープル』2号[平成6年/1994年12月])
書誌
>>平成7年/1995年5月・講談社刊『新・異色時代短篇傑作大全』所収
>>平成8年/1996年3月・新潮社刊『その日の吉良上野介』所収
>>平成10年/1998年12月・新潮社/新潮文庫『その日の吉良上野介』所収
>>平成11年/1999年11月・講談社刊『異色忠臣蔵大傑作集』所収
>>平成14年/2002年12月・講談社/講談社文庫『異色忠臣蔵大傑作集』所収
>>平成16年/2004年6月・角川書店/角川文庫『その日の吉良上野介』所収
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
山口瞳 0  
渡辺淳一 12 「前の高杉晋作のときのような、骨格だけのやせた小説といった印象は薄れ、大分、肉づきがよくなったが、人間を簡単に動かしすぎる安易さは消えていない。」「浅野内匠頭や大石内蔵助とのいきさつなどは、いかにもつくりものじみて興を殺ぐ。」
平岩弓枝 26 「あまりにも書き尽されている素材なので、作者の独自な歴史観とか、或いは新資料の発見がないと、なかなか魅力的な小説にはなりにくい。」「気になったのは、この時代の主従関係が、現代の中小企業の社長と部下のような気易さで書かれている点で、身分意識の強い武家社会では、殿様と家来は、こんなに気易く話も出来ないし、してはならない。」
津本陽 25 「いろいろと細工をこらすべき山場が、読者をひきこむ技をあらわすことなく終ってしまう。かたい感じの熟語で感興の動きをプツンと切るような場面がいくつもある。」「流露するところがいかにもすくないので、大名と家来との応酬などの現実感の薄さが目立ってしまう。」
田辺聖子 9 「前半、私は面白く読み進んだのだが、後段になるに従い主人公がよくみえない。ことに彼の得意技にはちょっと困惑してしまう。」
黒岩重吾 4 「味があるが、作者が何を訴えたいかが伝わって来ない。」
阿刀田高 19 「賞の対象として眺めると、あまりにも型通りであり、講談などによくあるように“都合よく”事が運ばれ過ぎている。」「この作品には手だれの軽いさばきといった印象が拭いきれなかった。」
井上ひさし 29 「枚数が足りないせいか、あるいはそれが氏の文章の癖なのか、いつも文章の後ろに張り扇の音が聞こえていて、やや興を殺がれる。」「家来が主君に向かって、ここに描かれているような接し方をすれば、即座に切腹ということになるはず。」
五木寛之 0  
選評出典:『オール讀物』平成7年/1995年9月号
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文量
短篇
章立て
「一」〜「十」
時代設定 場所設定
江戸中期  江戸〜赤穂
登場人物
千馬三郎兵衛光忠(赤穂藩士)
浅野内匠頭長矩(藩主)
大石内蔵助良雄(筆頭家老)
りえ(料理屋の女あるじ)




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