直木賞のすべて
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第111回

=受賞者=
中村彰彦
海老沢泰久

=候補者=
久世光彦
安部龍太郎
東郷 隆
坂東眞砂子


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Last Update[H20]2008/1/3

安部龍太郎
Abe Ryutaro
生没年月日【注】 昭和30年/1955年6月20日〜
経歴 本名=安部良法。福岡県生まれ。久留米高専機械工学科卒。東京都大田区役所に就職。区立図書館司書を務めながら各誌の新人賞に応募を続け、「師直の恋」で作家デビュー。
受賞歴 第11回中山義秀文学賞(平成17年/2005年)『天馬、翔ける』
処女作 「師直の恋」(昭和62年/1987年・新潮社/新潮文庫『時代小説大全集2』所収)
サイト内リンク 付録-山本周五郎賞受賞作・候補作一覧(第4回)
付録-山本周五郎賞受賞作・候補作一覧(第7回)
付録-山本周五郎賞受賞作・候補作一覧(第10回)
付録-吉川英治文学新人賞受賞作・候補作一覧(第13回)
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関連記事
1件/最新は平成21年/2009年5月31日記事(このページの下部にリンクあり)
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にほんし
血の 日本史』(平成2年/1990年12月・新潮社刊)
書誌
>>平成5年/1993年8月・新潮社/新潮文庫『血の日本史』
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収録作品
「大和に異議あり」「蘇我氏滅亡」「長屋王の変」「応天門放火」「鉄身伝説」「北上燃ゆ」「陸奥の黄金」「比叡おろし」「鎮西八郎見参」「六波羅の皇子」「鬼界ガ島」「木曽の駒王」「奥州征伐」「八幡宮雪の石階」「王城落つ」「異敵襲来」「大峰山奇談」「霧に散る」「山門炎上」「道灌暗殺」「末世の道者」「松永弾正」「余が神である」「沈黙の利休」「性」「姦淫」「大坂落城」「忠長を斬れ」「浪人弾圧」「男伊達」「雛形忠臣蔵」「お七狂乱」「団十郎横死」「絵島流刑」「加賀騒動」「世直し大明神」「外記乱心」「大塩平八郎の乱」「銭屋丸難破」「寺田屋騒動」「孝明天皇の死」「龍馬暗殺」「俺たちの維新」
 
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他文学賞 山本周五郎賞 4回候補 一覧へ
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし 33 3点「最初に、びっくりし、感心した点を申し上げますと、日本史全般にわたって、うんと調べて、ここはこういうふうにして、ここはこういうふうにしてと、全部カバーしようとした作家的野心ですね。内容はどうあれ、この野心は僕も学ぶべきだと思って感服しました。」「とにかく、圧倒的なエネルギーですが、僕は読者として、この日本史のつかまえ方にはついていけません。」
田辺聖子 21 3.5点「読み進めているうち、タイトルが「血の日本史」というだけあって、やたらと血みどろになって、しまいのころにはうんざりしてしまった。すごく重たいんですね。」「文章は読みやすいんですが、これは小説とはいえないな、というのもありますね。」「これは才能の浪費という気もしないではありません。」
野坂昭如 19 0点「この作品集に限っていうと、小説家としての才能は認められないね。」「この人は、なんにも面白く書いていない。ただ、書いてるだけなんだ。」「なんのことはない、『週刊新潮』の「黒い報告書」、あれの時代版じゃないですか(笑)。」
藤沢周平 20 4点「そうか、歴史的な事件を題材にして、小説を書いたんだなと、やっと納得したんです。」「しかしとにかく、このスタイルで四十三篇も書いたというのは、なかなかの力業だと思いました。」「ではこれを推せるかというと、積極的に推すには何か中心を欠いている。」
山口瞳 19 2.5点「小説というより、これは読物だと思うんです。読物とするなら、もうちょっとアクの強さとか、おどろおどろしさとか、驚きみたいなものがあってしかるべきだと思います。」
最終投票      
選評出典:『小説新潮』平成3年/1991年7月号
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おうごんかいりゅう
黄金海流』
(平成3年/1991年11月・新潮社/新潮書下ろし時代小説) *
書誌
>>平成7年/1995年4月・新潮社/新潮文庫『黄金海流』
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他文学賞 吉川英治文学新人賞 13回候補 一覧へ
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし 0  
尾崎秀樹 0  
佐野洋 0  
野坂昭如 0  
半村良 5 「既成の時代物の手法に徹しすぎたきらいはあったが、阿部龍太郎(原文ママ)氏の作品にこだわる気持が強かった。」「熱筆に賛辞をおくる。」
選評出典:『現代』平成4年/1992年5月号
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直木賞 111回候補  一覧へ

さまよ みかど
彷徨える 帝』(平成6年/1994年3月・新潮社刊)
書誌
>>平成9年/1997年3月・新潮社/新潮文庫『彷徨える帝』
>>平成17年/2005年2月・角川書店/角川文庫『彷徨える帝』(上)(下)
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
黒岩重吾 0  
井上ひさし 23 「後醍醐帝像について疑問がある。」「荒唐無稽なものであれなんであれ、「かくかくしかじかであるから作者はこう考える。どうだ、まいったか」という理由づけが要るはずだが、この作品ではそこのところがきわめて弱い。」「互いに敵対しながら狂言回しを兼ねている二人の主人公がうまく噛み合っていない。」
山口瞳 0  
平岩弓枝 16 「対立する二人の主人公のイメージが似たりよったりだったことで随分、損をしている。」「外見も性格も生い立ちも全く正反対のインパクトの強い人間を描き切らないと、これだけ複雑で登場人物の多い物語をひきずって行くのは困難であろう。」
藤沢周平 11 「大部の物語をまとめた意欲と構想力は今後楽しみだが、細部のつくりが雑だ。三つの能面の出し入れの整理がわるく、また人物設定に難があるので、読んでいてどっちが南朝方か幕府方かわからなくなったりする。」
田辺聖子 29 「主人公にもっと魅力があればと惜しい。これだけの長篇に読者を引っぱってゆくには、〈いい男だなあ〉と思わせる強烈な魅力がないと。……それから時代小説の楽しさは、いかにもその時代らしい雰囲気に眩惑を強いられることだが、ここではちょっとその幻戯の呪力が不足していないだろうか。」
五木寛之 4 「意あって何かが足りないという印象をおぼえたのが残念だった。」
渡辺淳一 8 「なかなかの力作で、文章もそれなりにでき上っているが、いわゆる読物的すぎて、新味に欠ける。この古い感覚から一歩抜け出なければ、化けることは難しそうである。」
選評出典:『オール讀物』平成6年/1994年9月号
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他文学賞 山本周五郎賞 7回候補 一覧へ
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
阿刀田高 48 4点「力技の小説で、史料的にも厚いし、充分にレベルに達している小説です。」「ただ、敢えて言えば、小説としての魅力に乏しい。小説を読む楽しみに引き込まれていかない。」「天皇というのは日本の歴史にとって大変大きな意味を持つ存在だったと思うのですが、作者なりの史観というものが、出てこないんです。」
井上ひさし 69 4点「筆力があり、作家的腕力もある。色々な手を考え出し、立回りを、愛欲場面をおもしろいものにしています。」「しかし、(引用者中略)小説の面白さとなると話は別ですね。」「作者に新しい史観があれば、主人公たちもそれを嬉々として演じることができるんですが、史観が曖昧で、手腕だけが浮き上がって、小説的な、そういう感動はついになかった。」「とにかく、読むのにものすごい時間がかかります。読むほうの意識をぶつぶつ切ってしまう。」
逢坂剛 49 4点「物語を引っ張っていく大きな力、まさにうねりというものが欠けていますね。そのために、小さな欠点が目についてしまう。」「また、人物の造形力が、もうひとつないのではないかとも思いました。範冬も宗十郎も、どうしても人物のイメージが湧いてこない。」「視点がばらばらに入ってくるので、なかなか感情移入できないという面も、出てくるんじゃないでしょうか。」「でもこの作者は、物語を語ろうという意欲がすごく感じられますね。」
長部日出雄 66 4.5点「この小説は歴史小説と伝奇ロマンを融合させるという大変興味深い試みをしていて、しかもその試みを実現できるに足る、かなり包容力の大きい文体、柔軟で力強い文体というのをつくり出していると思います。」「うねりがないというか、もう少し、物語の山と谷の差を大きくして、めりはりをつけてもらいたかったですね。」「僕は、色々、欠点があってもなおかつ、最終的には「彷徨える帝」を支持したいと思って来たんですよ。」「この人は一作ごとに飛躍する幅が大きいんです。」
山田太一 62 4点「長い作品をよく考えて書き通されたなあ、と敬意を抱きました。ただかなり読みにくく、時間がかかりましたね。それは、宗十郎と範冬の両方に等分に目が行っているという相対主義で、情熱が高まりにくいせいなのかな、と思いました。」「帝の位置が非常に曖昧で、どこに力を入れて読んだらいいのかがつかみにくく、興奮が来ない。」
選評出典:『小説新潮』平成6年/1994年7月号
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文量
長篇
章立て
「観阿弥暗殺」「高雄山神護寺」「くじ引き将軍」「狩野右馬助貞行」「遠き故郷」「宇嶺の滝」「新たな指令」「花倉の姫」「背振衆の里」「異形の帝」「清笹峠の決闘」「倒幕の令旨」「決戦前夜」「鎌倉公方」「父と子」「了俊の暗号」「翁の舞」「見付天神」「後醍醐の罠」「離見の見」「赤松家と南朝」「僚友二人」「義昭の首」「清浄尼」「二人の遺児」「囚われの帝」「道円死す」「再会」「赤松左馬助則繁」「和議」「密謀」「将軍暗殺」「前兆」「嘉吉元年九月三日」「嘉吉元年九月五日」「嘉吉元年九月七日」「嘉吉元年九月九日」「嘉吉元年九月十日」「大峰山」
時代設定 場所設定
室町中期[後南朝時代]  京都〜駿河〜鎌倉〜吉野山など
登場人物
北畠宗十郎(南朝再興を画し挙兵した満雅の養子)
世阿弥(能楽師)
朝比奈範冬(将軍の近習)
清姫(範冬の許嫁)
足利義教(六代将軍)
真矢(背振衆の里の娘)





せきがはられんばんじょう
関ケ原連判状』(平成8年/1996年10月・新潮社刊)
書誌
>>平成11年/1999年12月・新潮社/新潮文庫『関ケ原連判状』(上)(下)
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他文学賞 山本周五郎賞 10回候補 一覧へ
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
阿刀田高 32 3点「読みにくかったですね。特に前半、これだけのことを書くのに、前座からこんなにいろんな人を登場させ、事件をいろいろ出さなくてもいいんじゃないか。」「連判状はどうなったのか。キャスティングボートになるすごいものが出るぞ、出るぞと言っておきながら、結局きちっと出てきてくれない。」
井上ひさし 29 3.5点「この作家の着眼のおもしろさ、そして骨太な構想力に、いつも敬服しています。ただし、前半は入口が見つからないでいらいらしますね。意欲的すぎて、小説自体はちっとも飛翔しない。」「それから時折、理解しにくい悪文が現れます。」
逢坂剛 21 4点「この作品は良くも悪くも、面白いけれど後に残らないという、東映のチャンバラ映画なんですね。」「チャンバラ映画的部分と、史実としての古今伝授の部分とが、乖離している。そのために小説としてのバランスが崩れて、リアリティを欠く結果になったと思います。」
長部日出雄 27 4点「古今伝授というのは、歴史的な事実で、そういう文化的なものが一国の合戦の大勢を決したというのはとても面白い話ですね。」「もっと古今伝授の話自体のもっている面白さにしぼってほしかったと思います。ただ、この作者の文章とか描写力は、一作ごとに進歩しているんで、もうひとつ上の段階まで化けてほしいという、その期待度をこめて四点とさせていただきます。」
山田太一 19 4点「この小説の主人公は、形としてはやはり石堂多門というフィクションの人物だと思うんです。(引用者中略)その情熱の根拠がどうもはっきりしない。」「多門とか蒲生源兵衛といったフィクションの人物はあまり魅力がありません。そのために、重みを失っているのではないかなと思いました。」
選評出典:『小説新潮』平成9年/1997年7月号
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ブログ版 直木賞のすべて 余聞と余分
  [H21]2009/5/31 史上唯一の70代候補。年下の連中から酷評されて、受賞の望みも断たれて、ややムッとする。 第112回候補 池宮彰一郎『高杉晋作』  
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