直木賞のすべて
直木賞のすべて

第110回

=受賞者=
佐藤雅美
大沢在昌

=候補者=
内海隆一郎
小嵐九八郎
中村彰彦
熊谷 独
内田春菊


候補作家の群像
トップページ
受賞作・候補作一覧
受賞作家の群像
選考委員の群像
選評の概要
小研究
大衆選考会
リンク集
マップ

候補作家の一覧へ
前の回へ後の回へ


Last Update[H14]2002/10/4

熊谷独
Kumagai Hitori
生没年月日【注】 昭和11年/1936年6月10日〜
経歴 本名=熊谷一男。広島県生まれ。東京外国語大学ロシア語科卒。和光交易勤務。退社後、『最後の逃亡者』でサントリーミステリー大賞受賞。
受賞歴 第11回サントリーミステリー大賞(平成5年/1993年)「最後の逃亡者」
サイト内リンク 小研究-ミステリーと直木賞
備考
Google
検索結果
  - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -


直木賞 110回候補  一覧へ

さいご とうぼうしゃ
最後の 逃亡者』(平成5年/1993年11月・文藝春秋刊)
書誌
>>平成9年/1997年1月・文藝春秋/文春文庫『最後の逃亡者』
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし 16 「主人公の岡部に関する記述は不明瞭かつ曖昧。それに逃走途中でおこる危機は、たいていが都合よく回避される。結末の暗さは、多分、逃走中の甘さを作者が自分で罰しようとして付け加えたのかもしれない。とにかく前半の旧ソ連の庶民生活のリポートは大の字のつく傑作である。」
陳舜臣 16 「一気に読ませるが、このような大逃亡、大追跡にいたらせたエネルギーは何であったのか判然としない。アラブの王様からもらったトルストイのダイヤのためとすれば、日本まで追ってくる仕掛けが大袈裟だし、政治的信条であるとすれば、それが納得できるように書きこまれていない。」
藤沢周平 16 「読み終ったときに筆力のある新人が出現した強い印象が残った作品だった。」「圧巻は旧ソ連の官庁組織(その内部)、検閲の実態、基地の様子などが綿密に調べられていることで、ここには取材もひとつの才能だと思わせる重味がある。結末が悲劇に終るのはどうだろうか。私は疑問符をつけた。」
田辺聖子 13 「手に汗にぎる臨場感はただごとではない。」「管理社会に住む恐怖の細部がよく書けている。私は特にラストの暗さに作者の才能と現代批判を見た。」「ただすでにこの作品はサントリーミステリー大賞を手中にしていられるので。……」
黒岩重吾 8 「面白く読んだが、この面白さは小説の味とは少し異なるように思えた。私が主に読みたかったのは、日本人の岡部が、ソ連の罠にはまって行く詳細な過程だった。それが描かれていない。」
五木寛之 0  
平岩弓枝 0  
渡辺淳一 14 「息詰まる緊迫感があり、風景や人々の生活などのディテールもよく書けている。だが全体としてみると、ソ連をよく知る者の綿密なルポルタージュの気配が強く、それを越えて虚構とともにわきでてくる小説的ふくらみに欠けている。」
山口瞳 41 「文章がのびのびしている。格調が高くスケールが大きい。」「卑しいところが少しもない。」「外国を舞台にした小説としては珍しく作者の腰がすわっていて、見る目が安定している。」「難点がないわけではない。(引用者中略)主人公の追われる身となる原因がやや曖昧。これは何しろ野蛮国ロシヤの話だから、精しく書くと商社マンであったらしい作者の身に危険が及ぶのではないかといったように好意的に解釈した。」
選評出典:『オール讀物』平成6年/1994年3月号
      - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
文量
長篇
章立て
「1」〜「25」
時代設定 場所設定
1980年代  ソビエト連邦・モスクワ〜ムルマンスクなど
登場人物
エレーナ・イワノワ(娼婦)
岡部信吾(日本企業モスクワ駐在事務所長)
アンナ(エレーナの娘、初等学校2年生)
ナターシャ(エレーナの友人、娼婦)
ビーチャ(ナターシャの恋人、リトアニア人医師)
ダダエフ少尉(OBHSS所属)




ページの先頭へ

トップページ受賞作・候補作一覧受賞作家の群像選考委員の群像選評の概要
小研究大衆選考会リンク集マップ || 候補作家の一覧へ前の回へ次の回へ