直木賞のすべて
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第95回

=受賞者=
皆川博子

=候補者=
隆 慶一郎
もりたなるお
逢坂 剛
泡坂妻夫
篠田達明
山崎光夫


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Last Update[H19]2007/8/17

皆川博子
Minagawa Hiroko
生没年月日【注】 昭和5年/1930年1月2日〜
受賞年齢 56歳6ヵ月
経歴 旧朝鮮京城生まれ。東京女子大学外国語科中退。
受賞歴 第2回学研児童文学賞ノンフィクション部門(昭和45年/1970年)「川人」
第20回小説現代新人賞(昭和48年/1973年)「アルカディアの夏」
第38回日本推理作家協会賞[長編部門](昭和60年/1985年)『壁――旅芝居殺人事件』
第3回柴田錬三郎賞(平成2年/1990年)『薔薇忌』
第32回吉川英治文学賞(平成10年/1998年)『死の泉』
サイト内リンク 直木賞受賞作全作読破への道Part6
付録-柴田錬三郎賞受賞作一覧(第3回)
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「余聞と余分」内
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直木賞 70回候補  一覧へ
「トマト・ゲーム」(『小説現代』昭和48年/1973年7月号)
書誌
>>昭和49年/1974年3月・講談社刊『トマト・ゲーム』所収
>>昭和56年/1981年12月・講談社/講談社文庫『トマト・ゲーム』所収
>>平成13年/2001年8月・角川春樹事務所/ハルキ・ホラー文庫『ふるえて眠れ 女流ホラー傑作選』所収
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
水上勉 0  
源氏鶏太 4 「実に達者である。今からこんなに達者過ぎてどうであろうかと思わせられた。」
石坂洋次郎 5 「文章も感覚も新鮮だが、生活そのものには本質的な新しみはない。」
司馬遼太郎 7 「候補作のなかで、作者の才能をもっとも感じさせるものだった。ただ素材が、ちょっと人目をひく現代風俗だけに、その報告記のにおいがしてしまうのが、惜しいように思える。」
村上元三 7 「票が集らなかったのは、選者がこういう若い作品について行けなかった、というのではない。題材がこの種のものでも、腰のすわった作品にしてもらいたかった。」
今日出海 0  
柴田錬三郎 14 「最も新しく、筆力もある、と思ったが、第一回の票決で、推したのは、私だけであった。」「現代の若者の風俗を描いて、すこしも退屈させない。いっそ悪達者といってもいい。」
川口松太郎 0  
松本清張 3 「達者な筆だし、現代の若者をある程度写しているが、訴求力に欠けている。」
選評出典:『オール讀物』昭和49年/1974年4月号
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文量
短篇
章立て
「1」〜「4」
時代設定 場所設定
[同時代]〜22年前  東京
登場人物
私(語り手、夏目京子、30代末の家政婦、愛称ケイティ)
桐生武郎(喫茶店“ピット”主人、元・米軍ベース・キャンプの倉庫係、愛称サニー)
ノブ(バイク狂の若者)
羽島(ノブの仲間)
ルテナン・シマック(米軍中尉、Nキャンプのホテルマネージャー)




直木賞 76回候補  一覧へ

げしさい
夏至祭の 果て』(昭和51年/1976年10月・講談社刊)
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
水上勉 0  
川口松太郎 5 「作品として水準に達していない。いずれもあと一勉強。」
今日出海 0  
村上元三 6 「キリシタン物に有り勝ちな、泥沼に足を突っ込んで出られないようなじれったさがあるし、主人公の市之助を持て余している感じがする。」
柴田錬三郎 0  
司馬遼太郎 0  
源氏鶏太 13 「キリシタン弾圧の頃に、殉教者としてでなく、自らの意思で棄教し、そのために二重にも三重にも苦しみ、それに必死に堪えていく青年の行動が綿密に描いてあり、私の胸を打った。」
石坂洋次郎 0  
松本清張 0  
選評出典:『オール讀物』昭和52年/1977年4月号
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文量
長篇
章立て
「第一章」〜「第六章」
時代設定 場所設定
江戸初期  長崎〜有馬〜マカオ〜大村〜津軽など
登場人物
内藤市之助(洗礼名ミゲル、有馬領の武士の子)
アンドレ(肥後小西領出身、マカオ育ちの若き神父)
辻ロマノ(市之助のセミナリオ時代の同級生)
千々石清左衛門(大村領の家臣、元・遣欧使節団のキリシタンで帰国後棄教)




直木賞 95受賞  一覧へ

こいべに
恋紅』(昭和61年/1986年3月・新潮社刊)
書誌
>>平成1年/1989年4月・新潮社/新潮文庫『恋紅』
>>平成6年/1994年4月・埼玉福祉会/大活字本シリーズ『恋紅』(上)(下)
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
池波正太郎 20 「時代小説の背景として、もっともむずかしい新吉原と芝居の幕内を巧妙に描き、(引用者中略)ことに恋人の男(役者の富田福之助)がよく描けていて、男が読んでも魅力を感じた。」「これからの皆川さんは、これまでのミステリーのみでなく、時代小説家として歩んでもらいたい。」
陳舜臣 33 「主人公ゆうの目が、全篇を通じていささかも乱れをみせていないのがみごとであった。」「ゆうは自分の世界のなかで、おぞましいことの多い現実と戦い、傷つきながら、彼女のなりの自己形成の道を行く。肩に力がはいりがちなその過程が、抑制のきいた筆でえがかれて、すばらしいビルドゥングスロマンであるとおもう。」「推理小説でない作品で受賞したことが、私にはいささか気になった。これからも皆川氏には推理小説をつづけて書いていただきたい。」
山口瞳 9 「終始、これは次点だと思いながら読んだ。選挙で言うと、次回は最高点となる力を備えているが、今回に限っては魅力に乏しい。「一人が笑うために一人が泣く」というテーマも平凡。それより文学少女臭が気になった。これは努力賞だ。」
藤沢周平 26 「私は以上の二作(引用者注:「百舌の叫ぶ夜」と「忍火山恋唄」)と皆川さんの「恋紅」を受賞圏内の作品と考えて銓衡会にのぞんだ」「周到な考証と適確な想像力なくしては生まれない抜群のリアリティに感服した。」「欲を言えばリアリズムに過ぎて花に欠けるきらいがなきにしもあらずだったが、しかし読み終って時を経てなお感銘が持続する堂々たる受賞作」
五木寛之 23 「最も印象にのこった。一見、古風な物語りのようでいて、かならずしもそうではない。」「もし受賞作を選ぶとすればこの作品だろうと考えながら選考の席にのぞんだ。」「幕末から明治という、それだけでも難しそうな時代を背景に、ゆうという女性の前半生を様々な群像とともに描いてみせた作者の力量は相当のものである。」
黒岩重吾 19 「最も優れていた。この小説の魅力は、主人公を始め登場人物の総てが活字から立ち上がり読者の前で素晴らしい芸を演じていることである。」「慶応から明治の激変期にかけ、吉原に生まれ、吉原で生きた人達の呻き声さえ聞えて来そうである。」「作者の人間を視る眼には一分の揺るぎもない。」
村上元三 14 「「恋紅」一つに絞って選考会に出た。」「難しい吉原や芝居者を扱っていながら、調べもよく行き届いている。新しい時代物の作家、しかも女流作家が出たのは、まことに有難い。推理小説と二本立で行くのではなく、作家として定着するまで、時代物一本で行ったらいかがなものであろうか。」
渡辺淳一 22 「丁寧な仕事で、色街や芝居の資料もよく咀嚼され、味わいのある作品であった。」「女流作家には珍しく、周辺の男達がよく描けているところにも感心した。この小説は、女性の一種のビルドゥングスロマンとしても読むことができるが、してみると、少女期から二十代半ばまで、というのでは少しもの足りない。このあたりが、いま一つの盛り上がりに欠け、華やかさを添えられなかった原因であろう。」
井上ひさし 52 「作者の最近の仕事ぶりは丁寧で細心、じつに用意周到である。」「たとえば一代の人気役者で、脱疽で両手両足を切断することになるあの沢村田之助の使い方(原文傍点)ひとつを見てもよくわかる。」「いまだに筆者は三作(引用者注:「恋紅」「忍火山恋唄」「百舌の叫ぶ夜」)に甲乙をつけられないでいる。」
選評出典:『オール讀物』昭和61年/1986年10月号
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文量
長篇
章立て
「くるわ炎上」「仮の宿」「花の御霊」「断弦」「さくら舟」
時代設定 場所設定
幕末〜明治  江戸・吉原〜名古屋など
登場人物
ゆう(半籬「笹屋」の楼主の娘)
富田福之助(垢離場の役者、ゆうの恋人)
芳三(「笹屋」の見世番)
沢村田之助(名のある芝居役者、のち両脚切断)




ブログ版 直木賞のすべて 余聞と余分
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