直木賞のすべて
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第90回

=受賞者=
神吉拓郎
高橋 治

=候補者=
連城三紀彦
西木正明
北方謙三
樋口修吉
赤瀬川 隼


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Last Update[H20]2008/2/26

高橋治
Takahashi Osamu
生没年月日【注】 昭和4年/1929年5月23日〜
受賞年齢 54歳7ヵ月
経歴 千葉県生まれ。東京大学文学部卒。
受賞歴 第20回芸術祭賞奨励賞(昭和40年/1965年)「白鳥事件」《脚本・演出》
小野宮吉戯曲平和賞(昭和45年/1970年)「告発・水俣病事件」《戯曲》
第5回泉鏡花記念金沢市民文学賞(昭和52年/1977年)『派兵』
第1回柴田練三郎賞(昭和63年/1988年)『名もなき道を』『別れてのちの恋歌』
第30回吉川英治文学賞(平成8年/1996年)『星の衣』
サイト内リンク 直木賞受賞作全作読破への道Part3
付録-柴田錬三郎賞受賞作一覧(第1回)
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直木賞 88回候補  一覧へ

けんらん かげえ おづやすじろう
絢爛たる 影絵―― 小津安二郎』
(昭和57年/1982年11月・文藝春秋刊)
書誌
>>初出『オール讀物』昭和57年/1982年8月号〜10月号/単行本化にあたり加筆
>>昭和60年/1985年5月・文藝春秋/文春文庫『絢爛たる影絵』所収
>>平成15年/2003年3月・講談社刊『絢爛たる影絵』所収
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし 10 「手がたい仕上げで文章も練達です。ただし大事な個所、いいと感じ入った個所の多くが他からの引用、あるいは証言という手法なので、だいぶ損をしたのではないかと思います。作者は正直すぎたのです。」
源氏鶏太 6 「私には面白かったのは第三部だけで、第一部第二部は、論文を読まされているようで味気なかった。」
池波正太郎 0  
城山三郎 15 「わたしには読みごたえがあった。人間分析の鋭さ、周到さ。」「偉大な個性とは組織にとって何であったか。その組織まで斜陽に追いやったものは何なのか。人生論、芸術論を超えて考えさせるものがあった。」
阿川弘之 0  
山口瞳 4 「意外にも文学青年であることに驚く。つまりは生硬であって、ここを脱けださないと小説にならない。」
五木寛之 0  
村上元三 6 「題名は、内容にふさわしくないし、小津安二郎のエピソードを扱った部分だけが面白い。評伝としても生煮えで、その点が物足りない。」
水上勉 25 「いちばん魅かれた。」「説明が多くて、描写が少ない、という欠点もあった。「伝」を語ることのむずかしさだ。これが小説か、といわれれば、作者も、考えこまざるを得ないだろうが、私は推すつもりでいた。作者の小津さんへの畏敬のふかさに魅かれたからだ。不運にも、賛成委員が少なかった。」
選評出典:『オール讀物』昭和58年/1983年4月号
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文量
長篇
章立て
「第一部 春」「第二部 夏」「第三部 秋」
時代設定 場所設定
昭和20年代〜30年代  大船〜京都など
登場人物
私(語り手、高橋治、新人助監督)
小津安二郎(映画監督)
原節子(女優)
笠智衆(俳優)
野田高梧(脚本家)
厚田雄春(カメラマン)
森栄(小津の生涯の恋人)
城戸四郎(松竹映画の重鎮)




直木賞 89回候補  一覧へ

じらい
地雷」(『小説新潮』昭和58年/1983年6月号)
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
山口瞳 15 「地雷を踏んでしまうところの緊迫感は相当なものだが、その前後の状況がわかりにくい。」「以上四氏(引用者注:北方謙三、山口洋子、連城三紀彦、高橋治)、なにか、近々満期になる定期預金を四口座持っている感じで、リッチな気分になった。」
池波正太郎 0  
井上ひさし 3 「スリリングな設定」「どの作品にも魅せられた。」
水上勉 0  
源氏鶏太 5 「映画のシナリオを小説にしたような作品である。作者が狙ったであろうスリルもサスペンスもこちらの胸に迫ってこなかった。」
村上元三 7 「作りものの面白さがあったし、犬の扱いかたなどもうまいが、戦争のむなしさを伝える前に、この作品は文章のうまさに自分で酔ってしまって、映像的なむなしさだけで終っている。」
五木寛之 0 「紙数がつきたので別な場所で感想を述べたい。」
城山三郎 0  
選評出典:『オール讀物』昭和58年/1983年10月号
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文量
短篇
章立て
「1」〜「11」
時代設定 場所設定
1973年  ベトナム
登場人物
石村健一郎(フリーカメラマン)
ロジェ・クレール(フランス人、FNS通信社サイゴン支局長)
グエン・ミンマン(フーコク島守備隊司令官、少佐)
タン・ティ・ヒエン(ミンマンの内縁の妻)




直木賞 90受賞  一覧へ

ひでん
秘伝」(『小説現代』昭和58年/1983年11月号)
書誌
>>昭和59年/1984年2月・講談社刊『秘伝』所収
>>『オール讀物』昭和59年/1984年4月号
>>昭和62年/1987年2月・講談社/講談社文庫『秘伝』所収
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
池波正太郎 17 「ようやく、小説の構築と文章になってきて、これまでの候補作にくらべると見ちがえるばかりだが、この素材とテーマなら、二百枚の必要はない。」「魚釣りの描写は、ちからがこもってはいても長すぎ(原文傍点)て、二人の名人の描出とバランスがとれなくなってしまった。」
源氏鶏太 11 「やや力み過ぎの感がないではなかったが、(引用者中略)文章にも張りがあり、申し分のない作品となっている。」
村上元三 14 「魚の種類などには全くうといわたしも、ぐんぐん引きつけられた。」「最後に百五十キロもの巨魚の正体を見せるあたりに、ちょっと不満が残った。しかし、前作の「地雷」より、はるかにすぐれている。直木賞にふさわしい作品と言っていい。」
五木寛之 34 「前に候補になった「地雷」とは、がらりと変った作風の力作である。」「人間の業の象徴としての怪魚であるから、原寸大で目に見えてしまうより、遂に得体の知れない幻の生きものとして海中にひそませておきたい思いもあった。そこを描き切れば、この小説はひとつの神話的な世界にまで高まったかもしれない。」
水上勉 20 「ふたつわずかな註文が生じた。題名にひねりが足りない。それと最後に出てくる深海の巨魚の描写が少しあっけない。」「それにしても、材料がよい。取り組み方も誠実で方言に苦心している。」「「絢爛たる影絵」から、ここに辿りついた氏の小説づくりの真率さに文句はない。」
山口瞳 18 「二人の狙う巨魚に魅力がない。それと今日性に欠ける憾みが残ったが、毎回違った題材、異なるテーマで力作を書く気合に打たれた。」「(引用者注:授賞は)力量のある作家の将来性に賭けるという意味あいが濃い。」
井上ひさし 13 「物語はパターン通りに進行するが、それが読む者には非常に快いのである。パターン通り、定石通りの物語が、言葉を信じさえすれば(原文傍点)、骨太な神話になることを作者はよく知っていた。」「今回はこれだと思いながら、わたしは会場へ向ったのだった。」
選評出典:『オール讀物』昭和59年/1984年4月号
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文量
短篇
章立て
「一」〜「十一」
時代設定 場所設定
[同時代]  長崎県
登場人物
永淵良造(茂木の漁師、鯛釣りの名人)
岸浪庸助(式見の老漁師、鯛釣りのもう一人の名人)
永淵清次(良造の父親)




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