直木賞のすべて
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第86回

=受賞者=
光岡 明
つかこうへい

=候補者=
古川 薫
西村 望
海老沢泰久
村松友視
深田祐介


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Last Update[H19]2007/11/4

つかこうへい
Tsuka Kohei
生没年月日【注】 昭和23年/1948年4月24日〜
受賞年齢 33歳8ヵ月
経歴 本名=金峰雄(キム・ボンウン)。韓国国籍。福岡県生まれ。慶応義塾大学文学部仏哲学科中退。
受賞歴 第18回「新劇」岸田戯曲賞(昭和49年/1974年)『熱海殺人事件』
第14回ゴールデンアロー賞演劇賞(昭和51年/1976年)
第28回キネマ旬報賞脚本賞(昭和57年/1982年)『蒲田行進曲』《脚本》
第6回日本アカデミー賞最優秀脚本賞(昭和57年/1982年)『蒲田行進曲』《脚本》
第42回読売文学賞戯曲賞(平成2年/1990年)『飛竜伝'90』《戯曲》
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4件/最新は平成21年/2009年5月3日記事(このページの下部にリンクあり)
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直木賞 82回候補  一覧へ
「ロマンス」「かけおち」「ヒモのはなし」 (昭和54年/1979年7月・角川書店刊『いつも心に太陽を』より)
書誌
>>昭和55年/1980年5月・角川書店/角川文庫『いつも心に太陽を』所収
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収録作品の書誌
ヒモのはなし
>>『オール讀物』昭和55年/1980年4月号
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他の収録作品
「惜別」「弟よ!」「見合い写真」「ポックリ・ソング」「断絶」
 
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
新田次郎 14 「新鮮な作品だった。」「ショッキングな言動や描写が小説の流れの上で問題になるようにも、視点を変えて読むと効果的な文学的布石にも思われて、興味をそそられた。確かに私はこの作品に一種の感動のようなものを覚えていた。もう一歩のところで惜しいことをした。」
水上勉 25 「受賞作をと迫られて、つかさんに手をあげたが、二票しかなかった。」「つかさんに執着したのは、独自性をかったのである。読んでいるうちにもの哀しくなっていく、そこがいい。」「重いところがないのが、気にはなる。しかし迫るもの苦しさは、やはりこの人の芸の力である。」
松本清張 7 「「ヒモのはなし」はもう少し文章の抑制と主人公の悲哀に詩情があれば一級の作品になったと思うが、この文体が若者の表現だといわれると私は沈黙のほかはない。」
源氏鶏太 14 「「ヒモのはなし」は、笑わせるし、しんみりさせるし、描き方も天衣無縫で面白かった。ヒモにもプライドがあるということであろうか。こういう作品の評価はそれだけ難しいのかも知れない。」
城山三郎 16 「三作品の中では、「ヒモのはなし」が、とびぬけておもしろかった。」「かつて、わたしは、「熱海殺人事件」という戯曲を読み芝居も見て、この作者のたたきつけるように荒々しいダイナミズム、不条理というかナンセンスの軽やかな美学といったものに感心したものだが、「ヒモのはなし」には、荒々しさに代って一種のペーソスがあり、この作者の大きな才能と将来性を感じさせた。」
今日出海 14 「特異の世界を持っており、殊に「ヒモのはなし」は面白く読んだ。」「題材の特異さに、もう一つ踏み込んだものがあってもいいという望蜀の歎も漏らしたくなる」「作者が才能を濫費するか、吝嗇になるか、そんな境い目にあるように見えてならなかった。次作品を読みたい。」
五木寛之 4 「最終的に私は、つかこうへい氏の作品を受賞作に推したが、各委員の賛意を得ることができなかった。」
村上元三 4 「作者が芝居を書いているせいか、せりふのうまさだけが浮きあがって、読後の感銘は大そう弱かった。」
選評出典:『オール讀物』昭和55年/1980年4月号
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文量
短篇3篇
ロマンス
章立て
なし
時代設定 場所設定
[同時代]  和歌山
登場人物
俺(語り手、平田、高校生で水泳の国体選手)
青木シゲル(茨城県代表の国体選手、俺の昔の同級生)
中村(俺のチームメイト)
かけおち
章立て
なし
時代設定 場所設定
[同時代]  京都
登場人物
オレ(おもちゃ工場の息子)
シゲ子(オレの駆け落ち相手)
ヒモのはなし
章立て
「1」〜「3」
時代設定 場所設定
[同時代]  広島など
登場人物
俺(語り手、重蔵、ストリッパーのヒモ)
明美(ストリッパー、俺の女)




直木賞 86受賞  一覧へ

かまたこうしんきょく
蒲田行進曲』(昭和56年/1981年11月・角川書店刊)
書誌
>>初出『野性時代』昭和56年/1981年10月号「銀ちゃんのこと」/単行本化にあたり改題加筆
>>昭和57年/1982年8月・角川書店/角川文庫『蒲田行進曲』
>>昭和60年/1985年4月・埼玉福祉会/大活字本シリーズ『蒲田行進曲』
>>昭和63年/1988年7月・世界文化社/TBS文芸図書館『蒲田行進曲』
>>平成6年/1994年11月・メディアファクトリー刊『つかこうへい傑作選1』所収
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
城山三郎 14 「テンポがよく、間がよく、イキがよく、いかにも人間が生きている感じがあった。」「だめな男対だめな男の関係が、お互いを生かし合っていて、おもしろく、その底にこの作者独特の破壊力を感じさせる。」
池波正太郎 10 「笑いながら読みすすみつつ、長年、芝居の世界にいた私は、むしろ鋭いリアリティに迫力を感じた。後半は、先を読まれてしまってペースが落ちる。」
水上勉 25 「私はさきに、「ひも」を強力に推して破れていたので、この作品が最後までのこったのはうれしかった。どちらかといえば、「ひも」の方が密度も濃かったと思う。「蒲田」は「ひも」のように会話が追いこまれてなくて改行の多いせいか、つかさんの語りのオリみたいなものが散ってしまう気分である。」
源氏鶏太 8 「何んとも面白くてうら悲しい小説であった。」「作者の才能を感じさせる。難をいえば、すこし軽い。尤も、この軽さは、作者の狙いであったようにも思える。」
阿川弘之 6 「軽妙だが読み了へての印象が薄く、(引用者中略)めでたく決定後も、すつきりしないものが残つた。」
村上元三 5 「前半の章だけが面白かった。会話はお手のものでうまいし、軽く読めるが、後半もヤスの話で進めるべきではなかったろうか。」
山口瞳 10 「ともかく面白い作品で、何度も笑ったり唸ったりした。銀ちゃんがいい。」「いまの若者の受身の姿勢がマゾヒズムに拡大され、一種の恍惚境を造りだす作者の手腕に感動した。」
五木寛之 37 「つか氏の作品は、私たちの無意識の世界の深いところに鋭く触れるものがある。」「私はこの物語りを遠い祭ばやしを聞くような気分で楽しみながら一気に読み通し、やがて数日たってからずしんと来るものを感じた。」「面白おかしく書きとばせば、それがおのずからなる批評の色合いをおびるという痛快な結果をもたらすので、そういう無意識の狩人を天才と呼んで不自然なわけがない。」
選評出典:『オール讀物』昭和57年/1982年4月号
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文量
長篇
章立て
「ヤスのはなし」「小夏のはなし」
時代設定 場所設定
[同時代]  京都〜人吉
登場人物
銀ちゃん(倉丘銀四郎、映画俳優)
ヤス(村岡安次、大部屋俳優、銀ちゃんの子分格)
小夏(女優、銀ちゃんの女、のちヤスと結婚)




ブログ版 直木賞のすべて 余聞と余分
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