直木賞のすべて
直木賞のすべて

第74回

=受賞者=
佐木隆三

=候補者=
有明夏夫
片岡義男
白石一郎
沼田陽一
田中光二
醍醐麻沙夫


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Last Update[H20]2008/6/1

佐木隆三
Saki Ryuzo
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生没年月日【注】 昭和12年/1937年4月14日〜
受賞年齢 38歳9ヵ月
経歴 本名=小先良三。旧朝鮮・咸鏡北道生まれ。福岡県立八幡中央高卒。
受賞歴 第3回新日本文学賞(昭和38年/1963年)「ジャンケンポン協定」
第58回芥川賞候補(昭和42年/1967年)「奇蹟の市」
第2回伊藤整文学賞[評論部門](平成3年/1991年)『身分帳』
処女作 「ある動機」(『新日本文学』昭和34年/1959年)
サイト内リンク 直木賞受賞作全作読破への道Part3
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「余聞と余分」内
関連記事
2件/最新は平成21年/2009年4月5日記事(このページの下部にリンクあり)
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きせき いち
奇蹟の 市」(『文芸』昭和42年/1967年12月号)
書誌
>>昭和43年/1968年7月・講談社刊『大将とわたし』所収
>>昭和47年/1972年6月・河出書房新社/新鋭作家叢書『佐木隆三集』所収
>>昭和51年/1976年3月・講談社刊『大将とわたし』[新装版]所収
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芥川賞 芥川賞 58回候補 一覧へ
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
三島由紀夫 0  
石川達三 7 「数票の支持があったが、このわざとらしい汚なさには賛成し兼ねる。」「露出症的な性描写はそれ自体が作者の自慰であって、こんなところに(人生の真実)があるのだとは私は思わない。」
大岡昇平 6 「特に欠点と目されるものがない。人間関係の扱方もしっかりしており、筆力がある。私はこの意味でこの作品を推したのだが、この題材は「北九州物」という言葉があるほど書き古されており、マカロニ・ウエスターンみたいな残酷物語の型が出来かかっている。」
舟橋聖一 0  
瀧井孝作 9 「必死に強烈な生き方が、生ま生ましく描かれて、私はこの作が今回一番の佳作と見た。」「しかし、これが芥川賞になると、この小説の主人公の中学生を模倣した、中学生の非行少年振りが流行はびこるとこまると考えて、私はこの佳作を敢えて主張しなかったが。」
丹羽文雄 2 「好意をもったが、悪達者すぎるのにためらう気持ちになり、」
石川淳 0  
井上靖 0  
永井龍男 9 「今回の候補作中最も若い作者の作品にふさわしく、既成の道徳や約束もすべてたたきこわそうとする。表現も確かなものがあるが、なにもかもねじ伏せてしまおうとする筆力のかげに、作者の強引な底意がちらつかないではなかった。」
中村光夫 0  
川端康成 6 「作品の長所短所は別としても、それぞれの才能は見えている。」「「東京の春」とともに、今日的な衝撃を与える作品だが、ここまで意識的にきたなく書かれると、私は推挙する勇気に欠ける。」
選評出典:『芥川賞全集 第七巻』昭和57年/1982年8月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和43年/1968年3月号)
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直木賞 59回候補  一覧へ

たいしょう
大将とわたし」(『群像』昭和43年/1968年4月号)
書誌
>>昭和43年/1968年7月・講談社刊『大将とわたし』所収
>>昭和47年/1972年6月・河出書房新社/新鋭作家叢書『佐木隆三集』所収
>>昭和51年/1976年3月・講談社刊『大将とわたし』[新装版]所収
>>昭和57年/1982年1月・講談社/講談社文庫『大将とわたし』所収
>>平成13年/2001年4月・講談社/講談社文芸文庫『供述調書』所収
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
石坂洋次郎 2  
源氏鶏太 7 「すこし冗舌に過ぎるきらいもあるが、この説得力は相当なものである。」「が、大将なる人物が今ひとつ髣髴としてこないような気がした。」
海音寺潮五郎 3 「直木賞のものではないようだ。」
大佛次郎 12 「面白く読んだ。これが入選するだろうと思ったくらいである。しかし後になって見ると、如何にも、それだけで終る狭い世界のことのような気がして来た。蜂の巣城と同じく閉鎖的で、不足するものがあるようであった。」
川口松太郎 8 「文章は正確だし、書ける人と思うが、今度の作品は感心しない。ノンフィクションの匂いが強くてつまらないし、(引用者中略)材題を改めて出直すことを望む。」
村上元三 6 「一人称で書いているから、という理由でなく、無駄なおしゃべりが過ぎる。それに、文章のキメがもっと細かくあってほしい。」
今日出海 10 「長い割りに退屈もせずに読んだ。」「面白いなと思ったのは「大将」であって、「わたし」は単に狂言廻しの役割である。狂言廻しがもっと大将を克明に描いたら、面白味はまた異なってくるだろうにと思わずにはいられない。」
中山義秀 7 「ユーモラスだが、わさびがきいていない。滑稽にしろ諷刺にしろ、ピリッとしたところがあって、味もわざも生きてくる、そんな感じがした。」
柴田錬三郎 0  
水上勉 15 「どちらかといえば芥川賞に廻した方がいいと思えたが、とにかく、おもしろく読めた。」「“大将”の出ないのもおもしろいし、“わたし”の立場もよくわかる。この作に固執したのは私ともう一人の委員だけなので早くに落ちた。」
松本清張 8 「すでに一方の地歩をきずいている作家だが、「大将とわたし」にはわざと面白さを殺している。そういうところが直木賞的な作品を自ら否定している姿勢のようにみえる。」
選評出典:『オール讀物』昭和43年/1968年10月号
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文量
短篇
章立て
「1――国旗」「2――喇叭」「3――戦術」「4――召集」「5――護衛」「6――斥候」「7――情報」「8――籠城」
時代設定 場所設定
[同時代]  九州の山中
登場人物
わたし(語り手、ダム建設反対派の使用人)
大将(お屋敷に住むダム建設反対派リーダー)
M通信員(合同新聞の通信員)
美奈江(大将の末娘)




直木賞 74受賞  一覧へ

ふくしゅう われ
復讐するは 我にあり』(上)(下)
(昭和50年/1975年11月・講談社刊)
書誌
>>昭和53年/1978年12月・講談社/講談社文庫『復讐するは我にあり』(上)(下)
>>平成19年/2007年4月・弦書房刊『復讐するは我にあり』[改訂新版]
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
水上勉 35 「もっとも勝れていた。」「調書を手がかりに、傍証また傍証、執拗な眼と、足の延びに感歎したと同時に、読み終えて、これが現代小説の新しい試みに成功していることを思い、敬意をもった。」「手法の新しさといったのは、主題に迫る簡潔な文体が、ひとりよがりの心理描写を排除した点にこそあると思う。」
源氏鶏太 12 「仕事が終始丁寧で、犯行当時の事件の経緯を見事に再現し、そこからある程度の犯人像を浮かび上らせている。しかも、読んでいて面白いのだから文句のつけようがなかった。」
司馬遼太郎 30 「娯楽で読む人はすくないにちがいない。」「人間の形をした「空白」をのぞきこんだとき、ごく一般的な作法によるなまなかな饒舌よりも人間のぶきみさについて、はるかに内容の深い何事かを感じさせる。」
柴田錬三郎 38 「私は、(引用者中略)買わない。」「ノンフィクション・ノベル、という奇妙なジャンルがあるらしいが、私には、そんなジャンルをみとめることのばかばかしさが、先立つ。」「丹念に、犯行のありさまと逃亡経過を、辿ったところで、それは、小説のリアリティとはならない。」
石坂洋次郎 12 「ハンサムで頭のいい異質の犯罪者・榎津巌(最後は死刑になる)の行動がよく描かれており、私はこの作品にはじめから最高点をつけていたし、選考委員の多くもそうだったようで、まずは佐木隆三君おめでとう、と、いうところだ。」
村上元三 30 「一ばん面白かったし、文学経歴も古い人だろう、と思った。」「読んでいて少しも疲れなかった。」「数多い登場人物をよく描き分けてあるし、文章もしっかりしている上に、会話がうまい。」
川口松太郎 11 「一ばん読みごたえがあった。内容も充実して筆力も確かだし信頼出来た。心せねばならぬ事はこの種のドキュメント作品は報道的記述の多くなる危険だ。」「今後の佐木君がどんな傾向の作品を書くか注目したいところだ。」
今日出海 19 「このような推理小説の構造上の類例が世界にあるのかどうか、私は寡聞にして知らないが、一つの新しい形式だとも思って面白く読んだ。」「第二作を期待出来る有能な作家であることは確かである。」
松本清張 37 「前から好評を聞いていたが、読了して二つの感想をもった。文章がうまい。会話が地の文につづく変化とリズム感、改行の少いのも記録的なものの効果をあげている。」「しかし、その一面、犯行の詳細を外側から書いて積みあげ、犯人の人間像を彫りくぼめるという意図がかならずしも成功しているとは思えない。」
選評出典:『オール讀物』昭和51年/1976年4月号
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文量
長篇
章立て
上巻「1 畑」「2 峠」「3 車」「4 血」「5 貌」「6 火」「7 声」「8 刃」「9 汗」「10 濘」「11 繋」「12 蠢」「13 嗤」「14 脚」「15 海」「16 幟」「17 土」「18 舌」「19 影」「20 爪」「21 纜」「22 目」「23 街」「24 雨」下巻「25 旅」「26 檄」「27 釘」「28 風」「29 鎖」「30 官」「31 朝」「32 歌」「33 檻」「34 春」「35 髭」「36 瘤」「37 告」「38 島」「39 夜」「40 刑」
時代設定 場所設定
昭和38年/1963年〜昭和44年/1969年 北九州〜浜松〜東京〜北海道〜熊本など
登場人物
榎津巌(トラック運転手、指名手配犯)
榎津加津子(巌の妻)




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