直木賞のすべて
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第63回

=受賞者=
結城昌治
渡辺淳一

=候補者=
林 青梧
白石一郎
加藤 薫
黒部 亨
福岡 徹


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Last Update[H21]2009/7/22

結城昌治
Yuki Shoji
生没年月日【注】 昭和2年/1927年2月5日〜平成8年/1996年1月24日
受賞年齢 43歳5ヵ月
経歴 本名=田村幸雄(タムラ・ユキオ)。東京生まれ。早稲田専門学校法科卒。
受賞歴 エラリイ・クイーンズ・ミステリー・マガジン短編コンテスト入選(昭和34年/1959年)「寒中水泳」
第17回日本推理作家協会賞(昭和39年/1964年)『夜の終る時』
第19回吉川英治文学賞(昭和60年/1985年)『終着駅』
紫綬褒章(平成6年/1994年)
処女作 「寒中水泳」(昭和34年/1959年)
サイト内リンク 小研究-ミステリーと直木賞
直木賞受賞作全作読破への道Part3
リンク集
子サイト
「余聞と余分」内
関連記事
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直木賞 47回候補  一覧へ

『ゴメスの 名はゴメス』
(昭和37年/1962年4月・早川書房/日本ミステリ・シリーズ)
書誌
>>昭和39年/1964年4月・角川書店/角川文庫『ゴメスの名はゴメス』
>>昭和48年/1973年10月・朝日新聞社刊『結城昌治作品集2 ゴメスの名はゴメス・暗い落日』所収
>>昭和49年/1974年8月・角川書店/角川文庫『ゴメスの名はゴメス』[改版]
>>昭和55年/1980年11月・東京文芸社刊『結城昌治長篇推理小説選集3 ゴメスの名はゴメス』
>>平成8年/1996年6月・中央公論社/中公文庫『ゴメスの名はゴメス』
>>平成20年/2008年4月・光文社/光文社文庫:結城昌治コレクション『ゴメスの名はゴメス』
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
木々高太郎 7 「国際的のテーマを扱って国際的にならなかった。(ソマセット・モームを学ぶ必要がある)」
海音寺潮五郎 0  
源氏鶏太 5 「面白過ぎるほどであったが、後半になって、その面白さが弱くなり、崩れてしまったようだ。」
村上元三 6 「前半までの細かい構成が後半になってから、がたがたと崩れてしまった。」
中山義秀 5 「推理小説は読めば依然として面白いが、クイズを解くみたいな頭脳の使い方は、老齢の私には堪えがたくなっている。」
小島政二郎 3 「面白いが、それだけのものという感じだ。」
大佛次郎 5 「機智の点で第一等、面白いのだが、これだけ書けるひとなら、もっと他に優れた作品がある筈と思った。」
川口松太郎 5 「読みやすい文体で、延びも十分感じさせながら後半の腰くだけが残念、此の作家は今後が面白い。」
今日出海 8 「終り近く解決部に入ると、味も素っ気もなく、凡庸な解決に終ったのは一考すべき重要な問題ではあるまいか。」
松本清張 4 「静かな緊迫感が後三分の一になって崩れが大きくなり、」
選評出典:『オール讀物』昭和37年/1962年10月号
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文量
長篇
章立て
「第一章 失踪者」「第二章 仮りの名をゴメス」「第三章 スパイの本質」「第四章 告別」
時代設定 場所設定
1960年頃  南ベトナム・サイゴンなど
登場人物
わたし(語り手、坂本、日南貿易社員)
香取吉彦(日南貿易サイゴン出張所員、行方不明)
森垣靖介(合同通信記者)
ナム(現地採用社員)
リエン(香取の女中)
ギア(ベトナム警察本部刑事)
フン(越南公司社長)
グエン・バン・トウ(わたしの隣人)
ブイ・タン・ズック(保険代理業)
ヴェラ(ダンサー、混血児)




直木賞 55回候補  一覧へ

はくちゅうどうどう
白昼堂々』(昭和41年/1966年2月・朝日新聞社刊)
書誌
>>初出『週刊朝日』昭和40年/1965年6月〜12月
>>昭和43年/1968年☆月・報知新聞社刊『白昼堂々』
>>昭和45年/1970年☆月・朝日新聞社刊『白昼堂々』[新装版]
>>昭和46年/1971年2月・角川書店/角川文庫『白昼堂々』
>>昭和49年/1974年3月・朝日新聞社刊『結城昌治作品集4 白昼堂々・死者におくる花束はない』所収
>>平成8年/1996年3月・講談社/大衆文学館『白昼堂々』
>>平成20年/2008年6月・光文社/光文社文庫:結城昌治コレクション『白昼堂々』
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
川口松太郎 10 「楽しい小説だし、信頼するに足る作家なのだが、今回の作品はいかにもコクがなく、洒落すぎていて真実味がうすかった。」「傑作があれば文句なく推せんしたい人だ。」
海音寺潮五郎 4 「いずれもおもしろく読んだ。」
村上元三 15 「大衆文学らしい面白さが豊かで、少しぐらい八方破れの作品が直木賞になってもいい、とわたしは前々から考えている。」「作品が軽いという批評で破れた。しかし、わたしはそうは思わない。」
大佛次郎 0  
柴田錬三郎 5 「面白さの点では一番であるが、いかにも軽すぎる。」
水上勉 25 「もし二作ということになれば、結城氏を入れてもいいのではないかと思った。」「この作家が、すでに地盤をもち、個性的で地道な創作態度を保っているのにも好感をもってきた。」
松本清張 13 「すでに中堅作家として安定した道を歩いている結城昌治氏も推したが、「白昼堂々」は面白いけれど、受賞作とするには少し軽量であった。」
源氏鶏太 5 「面白さでは申し分がなかったのだが、読了後の印象は、軽かった。しかし、週刊誌連載の作品としては上上の出来であろう。」
中山義秀 3 「それぞれの面白さを発揮しているが、感銘はなかった。」
今日出海 0  
選評出典:『オール讀物』昭和41年/1966年10月号
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文量
長篇
章立て
「帰郷(一)」「帰郷(二)」「帰郷(三)」「帰郷(四)」「モサガン」「シケ張り」「ヅヤ」「南天館」「合唱」「捜査三課スリ係」「専従捜査班」「坂下弁護士」「やがて十月」「江間川警察署」「泥棒部落」「雁渡る」「弥勒菩薩」「ハゲ寅」「ゴマ安」「張込み」「大耳」「切符とマッチ」「接見室」「講中十四名」「平和商会」「赤字」「先納トランク」「下検分」「行動開始」「夢の形見」
時代設定 場所設定
[同時代]  北九州市〜東京〜京都など
登場人物
富田銀三(スリ、デパート保安係)
渡辺勝次(銀三の刑務所仲間、スリの棟梁)
寺井(警視庁捜査三課スリ係)
森沢(寺井の先輩、スリ係の最古参)
野田(大阪の元ヤクザ)
ユキ(勝次の教え子)
腰石よし子(勝次の教え子)
桜岡寅太郎(通称ハゲ寅、現金専門スリ)
坂下(弁護士)




直木賞 63受賞  一覧へ

ぐんき もと
軍旗はためく 下に」
(『中央公論』昭和44年/1969年11月号〜昭和45年/1970年4月号)
書誌
>>昭和45年/1970年7月・中央公論社刊『軍旗はためく下に』
>>昭和48年/1973年9月・中央公論社/中公文庫『軍旗はためく下に』
>>昭和48年/1973年11月・朝日新聞社刊『結城昌治作品集5 軍旗はためく下に・虫たちの墓』所収
>>昭和50年/1975年9月・講談社/講談社文庫『軍旗はためく下に』
>>昭和60年/1985年4月・埼玉福祉会/大活字本シリーズ『軍旗はためく下に』(上)(下)
>>平成8年/1996年7月・中央公論社/中公文庫BIBLIO『軍旗はためく下に』[改版]
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収録作品の書誌
上官殺害
>>『オール讀物』昭和45年/1970年10月号
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
川口松太郎 34 「軍旗が神であった頃の兵たちが軍旗の下で虫けらのように死んで行ったいくつかの挿話は今更ながら戦争の痛ましさを覚えさせ、世界中の何処かでは今でもこの愚を繰り返しているのかと思い胸が痛かった。そんな実感を起させるまでに緊迫した実感に満ちて誇張しない文章が更に緊迫感を深めた。」
石坂洋次郎 20 「一番ひかれた。」「日本は神国であるという背景を負って書かれたものではなく、無条件降伏後に書かれた作品だけに、「敵前逃亡」「司令官逃避」「上官殺害」などの題材がリアルに描かれて生彩がある。」
海音寺潮五郎 8 「この狙いのものは戦後は一向にめずらしくない。しかし、こういう作品が必要であることは言うまでもない。」「授賞は遅すぎたといってよい。」
源氏鶏太 14 「選考委員会の空気は初めから結城昌治氏については問題がないというようであった。」「旧軍隊の最も暗い面を描いたものであるが、従来のそれをあばきたてるという手法でなく、冷静に寧ろ悲しんでいるようであった。」「文章は申し分がない。」
柴田錬三郎 12 「最も秀れている、と思った。しかし、作者は、すでに、評価さだまった地位にいて、今更直木賞を、という観がなくもない、と多少首をかしげたのも事実である。」
村上元三 12 「どの挿話も巧みな構成力で、立派な文学作品にしている。これは当然、直木賞に価すると思いながら、作者がすでに職業作家として立っている人だけに、いささか抵抗を感じた。」
今日出海 19 「見る角度や状況を異にしながら、その事実は様々な陰翳を帯びて浮き上がり、当事者の人間までがくっきり描かれ、状況の深刻さが深部にまで達し作者の眼が行き届いているのがわかる。」「未完成の感じを残していても、やはり文学だと思った。」
水上勉 15 「全体を読了すれば、おのずから氏の文底に秘めたこころが感じられた。」「軍隊物の常道を踏まず、自己の土俵にもち来たって、重い記録を完了している。結城氏の諸作の中でも、第一等の作品と私は思う。」
松本清張 18 「いまさらの感があるが、近ごろの直木賞に対する世間の関心からすると、やはり受賞はあったほうがよい。結城氏は控え目な作家で、作風も都会的な含羞をもっている。文章は練り上げられたものだが、決して自分の顔をつき出すことはない。」
司馬遼太郎 6 「候補作を読みおわって、結城昌治氏の「軍旗はためく下に」が他より数等卓れていた。」
選評出典:『オール讀物』昭和45年/1970年10月号
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文量
連作短篇集
時代設定 場所設定
太平洋戦争戦中・戦後  中国大陸〜フィリピン〜バースランド諸島
登場人物
小松(伍長、敵前逃亡・奔敵罪で死刑宣告)
矢部(上等兵、従軍免脱罪で死刑)
杉沢(中尉、司令官逃避罪で死刑宣告)
馬淵(軍曹、敵前党与逃亡罪で死刑)
富樫(軍曹、上官殺害罪で終戦後に死刑)
小針(上等兵、同罪)
堺(一等兵、同罪)
敵前逃亡・奔敵
従軍免脱
司令官逃避
敵前党与逃亡
上官殺害




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