直木賞のすべて
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第60回

=受賞者=
陳 舜臣
早乙女 貢

=候補者=
阪田寛夫
原田八束
豊田 穣
沢田誠一
利根川 裕
浅田晃彦


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Last Update[H20]2008/3/11

陳舜臣
Chin Shunshin
生没年月日【注】 大正13年/1924年2月18日〜
受賞年齢 44歳11ヵ月
経歴 兵庫県生まれ。大阪外国語学校印度語科卒。
受賞歴 第7回江戸川乱歩賞(昭和36年/1961年)「枯草の根」
第23回日本推理作家協会賞(昭和45年/1970年)『玉嶺よふたたび』『孔雀の道』
第25回毎日出版文化賞[文学・芸術部門](昭和46年/1971年)『実録アヘン戦争』
神戸市文化賞(昭和49年/1974年)
第3回大佛次郎賞(昭和51年/1976年)『敦煌の旅』
第20回日本翻訳文化賞(昭和57年/1982年)『叛旗 小説・李自成』
第36回NHK放送文化賞(昭和59年/1984年度)
第40回読売文学賞[随筆・紀行賞](昭和63年/1988年)『茶事遍路』
第26回吉川英治文学賞(平成4年/1992年)『諸葛孔明』
朝日賞(平成4年/1992年)「中国と日本の歴史を踏まえた文学作品を通して日本文化に大きな貢献」
第51回日本藝術院賞[文芸/小説・戯曲](平成6年/1994年度)「作家としての業績」
第3回井上靖文化賞(平成7年/1995年)
大阪芸術賞(平成8年/1996年)
勲三等瑞宝章(平成10年/1998年)
処女作 『枯草の根』(昭和36年/1961年10月・講談社刊)
個人全集 『陳舜臣全集』全27巻(昭和61年/1986年5月〜昭和63年/1988年9月・講談社刊)
直木賞
選考委員歴
第94回〜第110回(通算8.5年・17回)
サイト内リンク 小研究-ミステリーと直木賞
直木賞受賞作全作読破への道Part3
リンク集
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「余聞と余分」内
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直木賞 46回候補  一覧へ

かれくさ
枯草の 根』(昭和36年/1961年10月・講談社刊)
書誌
>>昭和38年/1963年8月・講談社/ロマン・ブックス『枯草の根』
>>昭和48年/1973年2月・講談社刊『現代推理小説大系13 笹沢左保・樹下太郎・陳舜臣』所収
>>昭和50年/1975年6月・講談社/講談社文庫『枯草の根』
>>昭和63年/1988年1月・講談社刊『陳舜臣全集第21巻 枯草の根・三色の家』所収
>>平成9年/1997年7月・講談社/大衆文学館『枯草の根/炎に絵を』所収
>>平成10年/1998年9月・講談社/講談社文庫 江戸川乱歩賞全集『危険な関係/枯草の根』所収
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
木々高太郎 11 「内容は笹沢のより断然すぐれており、人間の隠れた欲望を描こうとしている。」「然し、乱歩賞のような相当な賞をうけているのに直木賞を重ねるとあれば、古今の名作が要求されよう。」
源氏鶏太 5 「面白かったのだが、よけいなものが目立ち過ぎ、そのために、せっかくの作品の風格を落しているような気がした。」
中山義秀 0  
大佛次郎 0  
川口松太郎 0  
海音寺潮五郎 0  
今日出海 0  
松本清張 7 「犯罪の点となると、案外に古めかしいトリックなどが使われて、現実性が失われたのは惜しい。」
村上元三 7 「推理小説としてはトリックも平凡だし、人が人をなぜ殺さなければならなかったか、という肝腎な点がぼやけてしまっている。」
小島政二郎 5 「何もかも都合よく出来ていて、人間小説の読者である私には興味が持てなかった。」
選評出典:『オール讀物』昭和37年/1962年4月号
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文量
長篇
章立て
「一 プロローグ 十二月一日」「二 『桃源亭』主人」「三 遠来の客」「四 診察」「五 観光」「六 伊達男」「七 陶家の日曜日」「八 夜の訪問」「九 凶報」「十 臨時記者クラブ」「十一 管理人の話」「十二 辻」「十三 治喪委員会」「十四 『かもめ荘』第五号室」「十五 報告」「十六 封筒」「十七 葬儀の通知」「十八 懇談」「十九 田舎の祭礼」「二十 いそがしい日」「二十一 五号室でまた……」「二十二 棋戦」「二十三 焼鳥屋とホテル」「二十四 電話」「二十五 東瀛遊記」「二十六 吉田庄造の話」「二十七 面会人」「二十八 伝言」「二十九 その夜」「三十 つぎの朝」「三十一 辻村あらわる」「三十二 告白書」「三十三 告白書 つづき」「三十四 評定」「三十五 エピローグ 十二月三十一日」
時代設定 場所設定
[同時代]  東京〜神戸
登場人物
陶展文(中華料理屋「桃源亭」主人)
マーク・顧(米企業香港駐在員)
喬玉(マークの妻)
席有仁(実業家)
李源良(五興公司社長)
徐銘義(金融業、殺人事件被害者)
吉田庄造(神戸市会議員)
田村良作(吉田の甥)
白沢絹子(田村の昔の女)




直木賞 56回候補  一覧へ

ほのお
炎に 絵を』
(昭和41年/1966年9月・文藝春秋/ポケット文春)
書誌
>>初出『オール讀物』昭和41年/1966年5月号〜8月号
>>昭和52年/1977年6月・文藝春秋/文春文庫『炎に絵を』
>>昭和62年/1987年11月・講談社刊『陳舜臣全集第19巻 玉嶺よふたたび・柊の館』所収
>>平成5年/1993年4月・出版芸術社/ミステリ名作館『炎に絵を』
>>平成9年/1997年7月・講談社/大衆文学館『枯草の根/炎に絵を』所収
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
柴田錬三郎 0  
松本清張 7 「日ごろの作者の実力を十分に出し切っていない。この人はもっとうまい作家で、ほかにいい作品が多い。」
源氏鶏太 5 「この作者には他にもっといい作品がたくさんある筈との声があった。この作品についてだけいえば、構成に非常な無理が感じられた。」
海音寺潮五郎 13 「いずれも面白く読んだ。」「陳舜臣君の文章の巧みさには、脱帽せざるを得ない。」
村上元三 5 「この人にはもっといい短篇があるのに、この作品は骨組が弱くて、最後の謎解きになってから失望する。」
今日出海 15 「力作の割に感銘が薄かった。氏の筆力からいえば、もっと立派な作品が既にあったし、これからも出来る人だ。」
川口松太郎 0  
水上勉 6 「私にはところどころ説明不足のようなのが気になった。話が都合よく出来すぎているせいだろうか。」
中山義秀 1 「趣向にすぎ、」
選評出典:『オール讀物』昭和42年/1967年4月号
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文量
長篇
章立て
「I」〜「IV」
時代設定 場所設定
[同時代]  東京〜神戸〜姫路など
登場人物
葉村省吾(商事会社社員)
葉村鼎造(省吾の父親、故人)
呉練海(鼎造の関係者、活動家)
伸子(省吾の嫂)
服部三絵子(省吾の同僚)
山本国彦(文学部助教授)
橋詰諏訪子(花隈出身の老婦人)
岡本庸助(葉村の上司、支店長)
春名甚吾(公認会計士)




直木賞 60受賞  一覧へ

せいぎょくししこうろ
青玉獅子香炉」
(『別冊文藝春秋』105号[昭和43年/1968年9月])
書誌
>>昭和44年/1969年3月・文藝春秋刊『青玉獅子香炉』所収
>>『オール讀物』昭和44年/1969年4月号
>>昭和52年/1977年11月・文藝春秋/文春文庫『青玉獅子香炉』所収
>>昭和63年/1988年3月・講談社刊『陳舜臣全集第23巻 青玉獅子香炉・桃源遥かなり』所収
>>平成1年/1989年4月・埼玉福祉会/大活字本シリーズ『青玉獅子香炉』所収
>>平成11年/1999年10月・集英社刊『陳舜臣中国ライブラリー29 中国任侠伝 正・続』所収
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
川口松太郎 36 「私は陳舜臣の「青玉獅子香炉」に決めていた。」「力作が多く作家としては既に一家をなし、(引用者中略)直木賞を受けて当然の実力者である。」「(引用者注:受賞作は)作家の構成力が感じられて、読後感も強く力を持っている。恨むらくは前半の精細な描写に較べ、最後のうら返しがぞんざいで、もっと手をこませて書く必要はあった。」
石坂洋次郎 20 「すぐれた作品だったが、同源の香炉に対する執着が神がかっていて、いま一つ必然性が不足していると思った。」「しかし正面から読者を押してくる佳作であることはたしかである。」
源氏鶏太 8 「(引用者注:二作授賞に)堂堂と二本、という意味で積極的に賛成した。」「終始興味深く読んだ。すでにベテランの味である。が強いて難をいえば、読み終ってからこのテーマは、それほど目新しいものでないと思わせられたことであろうか。」
今日出海 21 「筆力もあり、特異の構想、綿密な調べ方も、直木賞作家として充分な有資格者だ。」「今度の「青玉獅子香炉」は氏の傑作とはいえぬかも知れないが、直木賞作品として推して憚らぬものである。」
中山義秀 7 「一通り年功が感じられた」「執拗であり、焦点がしぼられているので、出来も一番よかった。」
大佛次郎 12 「政治的変動に揉まれながら流転する人間の姿が面白く、また変転を続ける時代そのものもよく生かしてあると思った。日本の作家が容易に持ち得ないのびのびと大まかな風格を、このひとは持っている。」
海音寺潮五郎 15 「この作者のものとしては、これはそうよいものではない。」「力は十分にある人であり、この作品も水準は見事に切っている。それで、敢て(引用者注:早乙女氏との)二人の授賞を提言した。」
村上元三 13 「材料に比べて、この作品の人物関係や、素英の獅子香炉に対する執念が稀薄のようにも思うが、同じ作者の「阿片戦争」をわたしも買っているし、当然ここらで直木賞を受けてもいい作家だと信じた。」
柴田錬三郎 23 「(陳、早乙女両氏の受賞は)すでに、選考委員会にのぞむ前に、私は、予想したところであった。」「すでに充分実力をそなえた作家であり、こん後の仕事を安心して見まもっていられるのである。」「(引用者注:受賞作二作は)生きる、ということに、異常な執念を持った中国人の生態が、一見対蹠的な立場から、描かれ、それが成功しているところに、今回両作が受賞した意義があるか、と思われる。」
松本清張 14 「受賞作は陳氏のものとしてはとくにすぐれたものではない。」「題材からいっても氏の薬籠中のものだから氏としては平均作の上質の部類だろう。ということは受賞以後の活躍が間違いないことである。」
水上勉 14 「この人の全力量の出たものといえないが、これはこれで好短篇である。」「この人には「阿片戦争」という大作がある。」「それに何回も候補になっていて、ほんのわずかな差で授賞を逸してきた。今回の授賞には、まったく異存はない。」
選評出典:『オール讀物』昭和44年/1969年4月号
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文量
短篇
章立て
「1」〜「10」
時代設定 場所設定
1920年代〜太平洋戦争戦後  中国〜台湾〜アメリカ
登場人物
王福生(「潤古堂」店主、玉加工職人)
李同源(福生の愛弟子、のち故宮博物員職員)
素英(福生の亡き息子の嫁)
荘念偉(素英の二番目の夫)




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