直木賞のすべて
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第46回

=受賞者=
伊藤桂一

=候補者=
来水明子
笹沢左保
林 青梧
杜山 悠
陳 舜臣
各務秀雄


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Last Update[H20]2008/6/1

伊藤桂一
Ito Keiichi
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生没年月日【注】 大正6年/1917年8月23日〜
受賞年齢 44歳5ヵ月
経歴 三重県生まれ。世田谷中学卒。
受賞歴 第1回『群像』懸賞小説佳作(昭和24年/1949年)「晩青」
第42回サンデー毎日大衆文芸入選(昭和27年/1952年)「夏の鶯」伊藤恵一名義
第4回千葉亀雄賞(昭和27年/1952年)『夏の鶯』
第27回芥川賞候補(昭和27年/1952年)「雲と植物の世界」
第29回芥川賞候補(昭和28年/1953年)「黄土の牡丹」
オール讀物新人杯次席(昭和29年/1954年)「最後の戦闘機」
第45回芥川賞候補(昭和36年/1961年)「黄土の記憶」
第34回芸術選奨文部大臣賞(昭和58年/1983年度)『静かなノモンハン』
第18回吉川英治文学賞(昭和59年/1984年)『静かなノモンハン』
紫綬褒章(昭和60年/1985年)
第22回地球賞(平成9年/1997年)『連翹の帯』《詩集》
恩賜賞・日本藝術院賞[文芸/小説・戯曲](平成13年/2001年)「長年にわたる小説と詩の業績」
第2回三好達治賞(平成19年/2007年)『ある年の年頭の所感』《詩集》
サイト内リンク 直木賞受賞作全作読破への道Part3
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「余聞と余分」内
関連記事
6件/最新は平成21年/2009年12月13日記事(このページの下部にリンクあり)
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くも しょくぶつ せかい
雲と 植物の 世界」
(『新表現』6号[昭和27年/1952年5月])
書誌
>>『文藝春秋』昭和27年/1952年9月号
>>昭和37年/1962年3月・文藝春秋新社刊『螢の河』所収
>>昭和40年/1965年6月・集英社刊『昭和戦争文学全集 第3 果てしなき中国戦線』所収
>>昭和57年/1982年8月・光人社刊『螢の河』所収
>>平成1年/1989年8月・小学館刊『昭和文学全集 第32巻 中短編小説集』所収
>>平成15年/2003年6月・光人社/光人社名作戦記『螢の河』所収
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芥川賞 芥川賞 27回候補 一覧へ
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
瀧井孝作 3 「『淵』の次に(引用者中略)推しました。これは抒情小説のようですが、色恋の世界でない、文壇小説のくさみ(原文傍点)のない新味があると思いました。」
丹羽文雄 8 「馬が出てくるところがよい。本人も気にしていたが、感傷的に流れているところが気にかかる。」「十一氏の中で、読んで甲斐のあったのは、この小説の馬のところだけだった。」「私は感動を覚えた。」
舟橋聖一 2  
佐藤春夫 21 「(引用者注:「淵」と共に)候補作品中の優秀作品であることは座中何人も異議のないところであった。」「あの清新なリリシズムはすばらしい。しかしそれは前半の部分で惜しむらくは後半戦友の姉が出るあたり以後調子がぐっと低くなり甘いセンチメンタリズムに堕してこの作者は馬はよく描くが人間は一向に描けないという批評は僕も承認せざるを得ないものがった。」
川端康成 0  
石川達三 0  
宇野浩二 12 「馬の事がくわしく書かれてあるのが珍しいけれど、それから、文章はうまくないのに読ませる力のようなものはあるが、欠点は『ヒトリヨガリ』な事である。」「読んでしまってから、印象が案外うすれてしまっているのも欠点の一つであろう。」「いずれにしても、『馬と人』の交渉をこれほど克明に書いた小説は、それだけでも、めずらしい。」
坂口安吾 7 「前半だけ感心した。馬を書いてるうちは目をうたれるものがあったが、人間が現れたり戦争になったりすると、年期の不足をバクロして目も当てられない。しかし、騎兵生活をした人は何十万人もいる筈だが、馬をこんな風に書いて見せてくれたのはこの人だけで、これは見上げた才能であろう。」
選評出典:『芥川賞全集 第四巻』昭和57年/1982年5月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和27年/1952年9月号)
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こうど ぼたん
黄土の 牡丹」(『文藝日本』昭和28年/1953年5月)
書誌
>>昭和37年/1962年3月・文藝春秋新社刊『螢の河』所収
>>昭和57年/1982年8月・光人社刊『螢の河』所収
>>平成15年/2003年6月・光人社/光人社名作戦記『螢の河』所収
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芥川賞 芥川賞 29回候補 一覧へ
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
丹羽文雄 8 「私は(引用者中略)推していたが、最後まで銓衡にのこったので満足だった。このまえの候補作品にくらべると、一段と精進のあとがみえた。」「通俗的な興味や構成の失敗はみとめられる。しかしこのひとの精進には信頼がおける。その意味で推したのだが、芥川賞としては十分な作品ではなかった。」
宇野浩二 7 「「困りもの」だ。」「読むのに、ほとほと持て余した。」
石川達三 0  
佐藤春夫 0  
岸田國士 1 「興味本位でありすぎる。」
瀧井孝作 3 「小説というよりも、陣中情話と云ったようなもので、面白がらせる読物にすぎないと思った。」
舟橋聖一 2  
坂口安吾 0  
川端康成 7 「主観の勝った、主観による構成のいちじるしい作品で、その力は感じられる。しかし、構成する主観の動きに、乾燥した無理が見えるように思う。作者は感動していても、読者はちょっと後に取り残される。」「少し通俗になっている。」
選評出典:『芥川賞全集 第五巻』昭和57年/1982年6月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和28年/1953年9月号)
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直木賞 33回候補  一覧へ

さいご せんとうき
最後の 戦闘機」
(『オール讀物』昭和30年/1955年6月号)三ノ瀬溪男名義
書誌
>>昭和60年/1985年10月・光人社刊『最後の戦闘機』所収
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
川口松太郎 0  
吉川英治 3  
永井龍男 0  
井伏鱒二 0  
小島政二郎 5 「これは話が型にはまっていて、その点でつまらなかった。面白かったのは、最後の一場面だけだった。」
村上元三 3 「映画のストーリーのような気がした。」
大佛次郎 5 「僕には面白かった。近頃あまり他に見ない熱情が感じられたからである。しかし、平凡な取扱い方とも言えるだろう。」
木々高太郎 0  
選評出典:『オール讀物』平成15年/2003年3月号再録(初出:『オール讀物』昭和30年/1955年10月号)
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文量
短篇
章立て
「1」〜「7」
時代設定 場所設定
太平洋戦争戦中  南太平洋ニューブリテン島近くの島
登場人物
南崎(航空隊員)
珠鳳(台湾人、南崎の情婦)
小村(中尉、編隊長)





こうど きおく
黄土の 記憶」
(『近代説話』7集[昭和36年/1961年4月])
書誌
>>昭和37年/1962年3月・文藝春秋新社刊『螢の河』所収
>>昭和57年/1982年8月・光人社刊『螢の河』所収
>>平成15年/2003年6月・光人社/光人社名作戦記『螢の河』所収
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芥川賞 芥川賞 45回候補 一覧へ
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
中村光夫 0  
石川達三 2 「三つ(引用者注:「名門」「光りの飢え」「海岸公園」)の次には伊藤君の「黄土の記憶」と思っていた。」
丹羽文雄 0  
瀧井孝作 2 「手に入りすぎて、稍マンネリズムくさい。」
宇野浩二 0  
井上靖 6 「私は(引用者中略)上位に置いた。」「随筆風の作品で小説としては弱いうらみはあったが、併し、端正な文章にも魅力があったし、三つの挿話のどれも、妙にあとまで印象に残るものを持っていた。」
川端康成 0  
舟橋聖一 0  
佐藤春夫 0  
井伏鱒二 0  
永井龍男 2 「三つの連作から成っているが、私は第二第三の篇が好きだった。清潔な作風である。」
選評出典:『芥川賞全集 第六巻』昭和57年/1982年7月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和36年/1961年9月号)
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直木賞 46受賞  一覧へ

ほたる かわ
螢の 河」
(『近代説話』8号[昭和36年/1961年10月])
書誌
>>『文藝春秋』昭和37年/1962年3月号
>>昭和37年/1962年3月・文藝春秋新社刊『螢の河』所収
>>昭和40年/1965年☆月・講談社/ロマン・ブックス『螢の河』所収
>>昭和40年/1965年☆月・東都書房刊『戦争の文学 第2』所収
>>昭和40年/1965年6月・集英社刊『昭和戦争文学全集3 果てしなき中国戦線』所収
>>昭和47年/1972年☆月・毎日新聞社刊『戦争文学全集5』所収
>>昭和51年/1976年2月・文藝春秋/文春文庫『螢の河』所収
>>昭和57年/1982年8月・光人社刊『螢の河』所収
>>『オール讀物』平成1年/1989年臨時増刊号<直木賞受賞傑作短篇35>[3月]
>>平成12年/2000年7月・講談社/講談社文芸文庫『螢の河・源流へ』所収
>>平成15年/2003年6月・光人社/光人社名作戦記『螢の河』所収
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
木々高太郎 7 「珍しく決選投票までやって、「螢の河」(伊藤桂一)ときまった。」「僕も最後には「螢の河」に投じた。」
源氏鶏太 17 「何か清冽な泉を感じさせるような後味があり、これは、近頃のどぎつい大衆文芸に欠けているものである。」
中山義秀 8 「「螢の河」には救いがある。」「しかしむせかえるばかり密集した螢の描写や黄色い花の幻想は、詩集の諸篇などの優麗さをしめしていない。」
大佛次郎 19 「「螢の河」の作者の戦争ものは、明るくて淡々としていて、素直なのが感じがよい。」「久振りで素直にヒュウマンな作品を得た。」
川口松太郎 15 「従軍中の実験を淡淡と描いてケレン味がなく、叙情的にまとめた好短篇が清潔好きの源氏君他委員たちに好感をもたれたのであろう。」
海音寺潮五郎 5 「近頃の若い人のものにはめずらしく詩のあるのがうれしかった。」
今日出海 8 「他の作品と異るところは無難無瑕な点だろう。」「それほど文学的な香気があるとも思えなかった。」
松本清張 20 「その巧緻な文章で抒情を盛り上げた佳品であることで認めたい。」「直木賞の性格としては、もっとエネルギーのあるものを取りたい。」
村上元三 10 「うまい小品だが、ただそれだけのもの、という印象しか受けなかった。」「ほかの伊藤氏の作品を参照にするというのなら、選考方法を考え直す必要がある、とわたしは思う。」
小島政二郎 17 「少くともこれは文学だ。しかし、受賞作品としてはいかにも弱い。」「最後のところが、短篇の構成上一番大事のところだ。その肝腎のところが、あれではイージイ・ゴーイングだ。」
選評出典:『オール讀物』昭和37年/1962年4月号
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文量
短篇
章立て
なし
時代設定 場所設定
太平洋戦争戦中  中国中部
登場人物
ぼく(語り手、擲弾筒手)
安野(ぼくの中学時代の同級生、小隊長)




ブログ版 直木賞のすべて 余聞と余分
  [H21]2009/12/13 直木賞とは……直木賞をとれなかった経験が一篇の渾身作を生む。そしてそれが、また候補になる。お見事。――胡桃沢耕史『天山を越えて』  
  [H21]2009/5/3 1970年代、NOWでHOTなフィーリングが、直木賞の扉をたたく。 第73回候補 楢山芙二夫「ニューヨークのサムライ」  
  [H21]2009/1/4 スラムダンクほど有名じゃなくても、隠れたとこに眠っている傑作もあります。 第59回候補 井上武彦「死の武器」  
  [H20]2008/3/23 花にあらしのたとえもあるぞ 辻平一の八十年  
  [H20]2008/2/3 黒岩重吾の世界  
  [H19]2007/9/2 快楽と救済  
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