直木賞のすべて
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第45回

=受賞者=
水上 勉

=候補者=
松本 孝
井口朝生
永岡慶之助
樹下太郎
永井路子
大屋典一
杜山 悠


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Last Update[H20]2008/6/28

水上勉
Mizukami Tsutomu
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生没年月日【注】 大正8年/1919年3月8日〜平成16年/2004年9月8日
受賞年齢 42歳4ヵ月
経歴 福井県生まれ。立命館大学国文科中退。
受賞歴 第14回日本探偵作家クラブ賞(昭和35年/1960年)『海の牙』
第27回文藝春秋読者賞(昭和40年/1965年)「城」
第19回菊池寛賞(昭和45年/1970年)『宇野浩二伝』
第7回吉川英治文学賞(昭和48年/1973年)『北国の女の物語』『兵卒の鬚』
第11回谷崎潤一郎賞(昭和50年/1975年)『一休』
第4回川端康成文学賞(昭和52年/1977年)「寺泊」
第16回斎田喬戯曲賞(昭和56年/1981年)『あひるの靴』《戯曲》
第25回毎日芸術賞(昭和59年/1984年)『良寛』
第42回恩賜賞・日本藝術院賞[文芸/小説・戯曲](昭和61年/1986年)
第8回東京都文化賞(平成4年/1992年)
文化功労者(平成10年/1998年)
第2回親鸞賞(平成14年/2002年)『虚竹の笛』
処女作 「フライパンの歌」(昭和23年/1948年)
個人全集 『水上勉全集』全26巻(昭和51年/1976年6月〜昭和56年/1981年12月・中央公論社刊)
『新編 水上勉全集』全16巻(平成7年/1995年10月〜平成9年/1997年1月・中央公論社刊)
直木賞
選考委員歴
第55回〜第93回(通算19.5年・39回)
サイト内リンク 小研究-ミステリーと直木賞
直木賞受賞作全作読破への道Part3
リンク集
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「余聞と余分」内
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直木賞 42回候補  一覧へ

きり かげ
霧と 影』(昭和34年/1959年8月・河出書房新社刊)
書誌
>>昭和36年/1961年8月・河出書房新社刊『霧と影』[新装版]
>>昭和36年/1961年☆月・東都書房刊『現代長篇推理小説全集 第13 水上勉集』所収
>>昭和37年/1962年8月・河出書房新社/河出ペーパーバックス『霧と影・海の牙』所収
>>昭和39年/1964年6月・河出書房新社刊『現代の文学35 水上勉集』所収
>>昭和41年/1966年☆月・新潮社/新潮文庫『霧と影』
>>昭和42年/1967年5月・角川書店/角川文庫『霧と影』
>>昭和43年/1968年☆月・新潮社刊『水上勉選集 第4巻』所収
>>昭和47年/1972年1月・新潮社刊『新潮日本文学59 水上勉集』所収
>>昭和48年/1973年☆月・朝日新聞社刊『水上勉社会派傑作選1 霧と影』所収
>>昭和48年/1973年☆月・筑摩書房刊『昭和国民文学全集29 水上勉集』所収
>>昭和52年/1977年10月・中央公論社刊『水上勉全集 第22巻』所収
>>昭和52年/1977年12月・筑摩書房刊『昭和国民文学全集34 水上勉集』[増補新版]所収
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
源氏鶏太 5 「欠点は、登場人物に、独特の魅力に欠けていることである。」
木々高太郎 13 「若し犯罪を取扱うなら、やはり犯罪そのものが人生的興味あるものでなければならぬ。」
中山義秀 0  
小島政二郎 3 「このノン・フィクション的な書き方に私は興味を引かれた。」
村上元三 7 「むしろ推理小説の形式に依らず、正攻法の行き方で人間と人生を描いたら何うだったろう、と思った。」
吉川英治 0  
海音寺潮五郎 0  
川口松太郎 0  
大佛次郎 0  
選評出典:『オール讀物』昭和35年/1960年4月号
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文量
長篇
章立て
「序章 ある投書」「第一章 教員の死」「第二章 発展」「第三章 売薬行商人」「第四章 切符」「第五章 二人の男」「第六章 東京から来た男」「第七章 秘境猿谷郷」「第八章 会議の夜」「第九章 花火線香」「第十章 背後」「第十一章 詐欺」「第十二章 影」「第十三章 変死者」「第十四章 応接室」「第十五章 矢田すぎ子」「第十六章 猿谷郷一族」「第十七章 坂根の手紙」「第十八章 捕捉」「第十九章 死の樹海」「終章 斜面の影」
時代設定 場所設定
[同時代]  東京〜福井県青峨山〜松戸市など
登場人物
小宮雄介(新聞記者)
宇田甚平(土木建築業、猿谷郷出身)
石田寅造(繊維問屋社長)
野見山渉(自称・現代商事社長)
津野鳥枝(野見山の部下)
二階堂洋造(野見山の部下)
笠井卓男(小学校教員、小宮の同窓生、不審死)
井関信吉(興信所員)
坂根時二郎(小浜の新聞通信員)
島田(高浜署部長刑事)
大井(高浜署刑事)




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うみ きば
海の 牙』(昭和35年/1960年4月・河出書房新社刊)
書誌
>>昭和36年/1961年☆月・東都書房刊『日本推理小説大系第15巻 水上勉・樹下太郎・笹沢佐保集』所収
>>昭和37年/1962年8月・河出書房新社/河出ペーパーバックス『霧と影・海の牙』所収
>>昭和39年/1964年☆月・角川書店/角川文庫『海の牙』
>>昭和43年/1968年☆月・集英社/コンパクト・ブックス『海の牙』
>>昭和47年/1972年10月・朝日新聞社刊『水上勉社会派傑作選2 海の牙』所収
>>昭和48年/1973年☆月・講談社刊『現代推理小説大系11 有馬頼義・新田次郎・菊村到・水上勉』所収
>>昭和48年/1973年☆月・筑摩書房刊『昭和国民文学全集29 水上勉集』所収
>>昭和52年/1977年11月・中央公論社刊『水上勉全集 第23巻』所収
>>昭和52年/1977年12月・筑摩書房刊『昭和国民文学全集34 水上勉集』[増補新版]所収
>>平成7年/1995年11月・双葉社/双葉文庫 日本推理作家協会賞受賞作全集13『海の牙』
>>平成9年/1997年12月・読売新聞社/戦後ニッポンを読む『海の牙』
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
源氏鶏太 4 「その社会性の扱い方と推理性との間に隙間があるのではなかろうか。」
小島政二郎 2 「「海の牙」は、前の「霧と影」と同工異曲で、しかも劣っている。」
川口松太郎 0  
木々高太郎 4 「いずれも推理畑であるが、もう一二歩というところ。」
大佛次郎 12 「推理小説は作り物だろうが、作ったものと読者が感じないような作品が出来てきたら、私は歓迎したい。」
村上元三 14 「現代小説として正面から取り組むべき材料を扱っていながら、推理小説の形をとった為に、どっちつかずの感じの作品になっている。」
吉川英治 14 「水上氏の挑んでいる社会小説的な作家眼とそのいやみのない筆のタッチに心をひかれる。」
海音寺潮五郎 0  
中山義秀 3 「面白かった。しかし、それだけのことであった。」
選評出典:『オール讀物』昭和35年/1960年10月号
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文量
長篇
章立て
「序章 猫踊り」「第一章 不知火海沿岸」「第二章 保健所の男」「第三章 伽羅の香」「第四章 失踪船黒久丸」「第五章 ある密輸団」「第六章 鴉と死」「第七章 靴跡の疑惑」「第八章 結城宗一のノート」「第九章 郁子」「第十章 夜汽車の中」「第十一章 死んでいた男」「第十二章 湯山温泉」「第十三章 怒りの街」「第十四章 背景」「第十五章 新しい事実」「終章 死んだ海」
時代設定 場所設定
同時代  熊本県水潟市[架空]〜湯山温泉
登場人物
木田民平(警察嘱託医)
勢良富太郎(水潟署刑事主任)
結城宗市(保健所医師、失踪)
結城郁子(結城の妻)
浦野幸彦(自称・東京北都大学博士)
錦織季夫(浦野の助手)
寺野井正蔵(落選中の代議士)
来栖(警視庁捜査三課の警部)




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みみ
耳』(昭和35年/1960年5月・光文社/カッパノベルス)
書誌
>>昭和47年/1972年10月・朝日新聞社刊『水上勉社会派傑作選2 海の牙』所収
>>昭和50年/1975年12月・角川書店/角川文庫『耳』
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
源氏鶏太 4 「その社会性の扱い方と推理性との間に隙間があるのではなかろうか。」
小島政二郎 2 「「海の牙」は、前の「霧と影」と同工異曲で、しかも劣っている。」
川口松太郎 0  
木々高太郎 4 「いずれも推理畑であるが、もう一二歩というところ。」
大佛次郎 12 「推理小説は作り物だろうが、作ったものと読者が感じないような作品が出来てきたら、私は歓迎したい。」
村上元三 14 「現代小説として正面から取り組むべき材料を扱っていながら、推理小説の形をとった為に、どっちつかずの感じの作品になっている。」
吉川英治 14 「水上氏の挑んでいる社会小説的な作家眼とそのいやみのない筆のタッチに心をひかれる。」
海音寺潮五郎 0  
中山義秀 3 「面白かった。しかし、それだけのことであった。」
選評出典:『オール讀物』昭和35年/1960年10月号
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文量
長篇
章立て
「第一章 耳が落ちていた」「第二章 吉崎町と富坂のあいだ」「第三章 鳩」「第四章 ロック・アウトとステー・イン」「第五章 雪と木の町」「第六章 名刺」「第七章 任意の一点」「第八章 耳はなぜ落ちていたか」
時代設定 場所設定
同時代  東京〜秋田
登場人物
竹井徳次郎(捜査一課警部補)
大曾根勘蔵(人生改造社社長、秋田県倉本市選出の代議士)
小松川広次(人生改造社勤労課長)
小村(人生改造社の労働組合委員長)
光明寺忠市(人生改造社の労働組合員、行方不明)
鰐淵春次(労働運動の指導者)
片桐秀男(森本製衡所社員、労働組合員)
本山庄吉(森本製衡所労働組合の書記長)
古木内大造(大曾根と同郷の製材所社長、代議士)
畠山(竹井と同僚の捜査二課警部補)




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がん てら
雁の 寺」
(『別冊文藝春秋』75号[昭和36年/1961年3月])
書誌
>>昭和36年/1961年8月・文藝春秋新社刊『雁の寺』
>>『文藝春秋』昭和36年/1961年9月号
>>昭和37年/1962年☆月・講談社刊『文学選集27 昭和37年版』所収
>>昭和39年/1964年4月・文藝春秋新社刊『雁の寺(全)』
>>昭和43年/1968年☆月・新潮社刊『水上勉選集 第1巻』所収
>>昭和44年/1969年3月・新潮社/新潮文庫『雁の寺・越前竹人形』所収
>>昭和44年/1969年9月・河出書房新社刊『日本文学全集第2集23 水上勉集』所収
>>昭和44年/1969年10月・新潮社刊『日本文学全集40 有吉佐和子・松本清張・水上勉・北杜夫・瀬戸内晴美・司馬遼太郎』所収
>>昭和47年/1972年1月・新潮社刊『新潮日本文学59 水上勉集』所収
>>昭和49年/1974年☆月・文藝春秋/文春文庫『雁の寺(全)』
>>昭和50年/1975年9月・文藝春秋刊『雁の寺』[新訂]
>>昭和51年/1976年6月・中央公論社刊『水上勉全集 第1巻』所収
>>昭和52年/1977年5月・筑摩書房刊『筑摩現代文学大系84 水上勉・司馬遼太郎集』所収
>>昭和55年/1980年7月・新潮社刊『新潮現代文学45 水上勉』所収
>>昭和63年/1988年4月・小学館刊『昭和文学全集 第25巻』所収
>>『オール讀物』平成1年/1989年臨時増刊号<直木賞受賞傑作短篇35>[3月]
>>平成5年/1993年7月・ぎょうせい刊『ふるさと文学館 第三十巻 京都1』所収
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
源氏鶏太 5 「いいと思った。」
木々高太郎 16 「推理小説として楽しめると同時に、立派な文学作品で、これがずぬけてよく、選考には苦労はしなかった。」「この作者は何回も候補になったが、この前の長篇二作は、どうしても気に入らなかった。力作ではあるが、すっきりしてなかった。」「これからは長篇をかいても、きっとよいのが出来ると思う。」
川口松太郎 29 「これに出られては、他の作品がさぞ見劣りするだろうと思った予想は案に違わず、「雁の寺」と太刀打ち出来る作品はなかった。」「小島政二郎氏一人を除いては誰にも異存がなかった。」「既に人気作家であり、彼の受賞にはジャーナリスティックな興味も薄れ、「やっぱりそうか」というような落胆感もあったようだが、水上君自身にしてもこれだけの作品はそうザラに書けるものではない。」
吉川英治 8 「推薦理由を、それ(引用者注:欠席のため提出した文書)には極力といっていいほどかなり述べつくした。なにかここでまた書くのはひとつことを二度もくりかえすようで気がのらない。他氏の推薦の辞におまかせしておく。」
海音寺潮五郎 30 「今更という気もしないではなかったが、もらうものはもらっておいた方が将来いろいろと便利なものである。積極的にこの人を推した。」「恐らく作者は書き上げたあと、方々度々書きなおしたのではないかと思う。そのためか、流露感が乏しくなっている。念の入ったわりに小疵もある。世評ほどのものとは思わなかったが、この人の実力を買ったのである。」
小島政二郎 0  
村上元三 14 「やはり今回は「雁の寺」に匹敵するほどの作品はなかった」「本命だとかなんとか前評判が高かったにもせよ、水上勉氏の受賞は妥当だったと信ずる。いいものは、いいのだから。」
今日出海 21 「無器用でも、作者の書きたい意欲と迫力が溢れているものが、読者を打つようだ。その点、「雁の寺」は多作家らしい水上氏も一生に何度もこのような作品は書けまいと思われるほど力がこもった作品である。」
大佛次郎 5 「すぐれていた。用意も周到で渾然として特殊の味のある作品になっている。」「技術の名品だ」
中山義秀 3  
松本清張 33 「八篇の候補作のうち、水上勉氏の「雁の寺」が抜群で、ほとんど全員一致をみた。」「山中の禅寺の暗い雰囲気と、人間関係の陰湿なからみ合いとがよく溶け合っている。」「もとより、些少の瑕を指摘するのは容易だが、重量感がそれを圧している。ただ、小僧が和尚を殺す経過の裏の段になると、それまでの迫力が一挙に落ちてくるのは、いわゆる推理小説の持つ宿命的な欠陥であろう。」
選評出典:『オール讀物』昭和36年/1961年10月号
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文量
中篇
章立て
「一」〜「八」
時代設定 場所設定
昭和初期  京都
登場人物
慈念(少年僧)
北見慈海(孤峯庵の住職)
桐原里子(慈海の愛人)
岸本南嶽(画家)




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