直木賞のすべて
直木賞のすべて

第132回

=受賞者=
角田光代

=候補者=
伊坂幸太郎
岩井三四二
古処誠二
福井晴敏
本多孝好
山本兼一


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Last Update[H20]2008/6/1

角田光代
Kakuta Mitsuyo
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生没年月日【注】 昭和42年/1967年3月8日〜
受賞年齢 37歳10ヶ月
経歴 神奈川県横浜市生まれ。早稲田大学第一文学部文芸専修卒。昭和63年/1988年、彩河杏(さいかわ・あんず)の筆名でコバルト・ノベル大賞を受賞。ジュブナイル小説を執筆しながら、平成2年/1990年には海燕新人文学賞受賞。夫は作家の伊藤たかみ。
受賞歴 第11回コバルト・ノベル大賞(昭和63年/1988年)「お子様ランチ・ロックソース」彩河杏名義
第9回海燕新人文学賞(平成2年/1990年)「幸福な遊戯」
第108回芥川賞候補(平成4年/1992年)「ゆうべの神様」
第109回芥川賞候補(平成5年/1993年)「ピンク・バス」
第110回芥川賞候補(平成5年/1993年)「もう一つの扉」
第18回野間文芸新人賞(平成8年/1996年)『まどろむ夜のUFО』
第13回坪田壌治文学賞(平成9年/1997年)『ぼくはきみのおにいさん』
第46回産経児童出版文化賞フジテレビ賞(平成11年/1999年)『キッドナップ・ツアー』
第22回路傍の石文学賞(平成12年/2000年)『キッドナップ・ツアー』
第3回婦人公論文芸賞(平成15年/2003年)『空中庭園』
第32回川端康成文学賞(平成18年/2006年)「ロック母」
第2回中央公論文芸賞(平成19年/2007年)『八日目の蝉』
子サイト
「余聞と余分」内
関連記事
2件/最新は平成20年/2008年1月6日記事(このページの下部にリンクあり)
備考
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かみさま
「ゆうべの 神様」(『群像』平成4年/1992年11月号)
書誌
>>平成19年/2007年6月・講談社刊『ロック母』所収
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芥川賞 芥川賞 108回候補 一覧へ
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
河野多恵子 0  
丸谷才一 0  
大江健三郎 0  
大庭みな子 0  
吉行淳之介 0  
黒井千次 2 「思春期の奥に探ろうとしたテーマに手が届かなかった。」
古井由吉 0  
田久保英夫 0  
日野啓三 0  
三浦哲郎 0  
選評出典:『芥川賞全集 第十六巻』平成14年/2002年6月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成5年/1993年3月号)
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「ピンク・バス」(『海燕』平成5年/1993年6月号)
書誌
>>平成5年/1993年8月・福武書店刊『ピンク・バス』所収
>>平成16年/2004年6月・角川書店/角川文庫『ピンク・バス』所収
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芥川賞 芥川賞 109回候補 一覧へ
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
大江健三郎 10 「特異な若者のタイプと関係をきざむイメージの力をそなえている。」「小説後半のあわただしい整理不十分を見なおしてもらいたいという気がする。」
日野啓三 2 「若干気味悪くないこともない感性をおもしろいと思った。」
大庭みな子 0  
古井由吉 0  
吉行淳之介 0  
田久保英夫 4 「作者が一作ごとに急速に力をつけているのがわかる。しかし、最後に現われるバスの、超現実的な世界が成り立つには、もっと周到な伏線が必要だ。」
黒井千次 5 「力を制御して作品を構成しようとする意志の弱いところに不満を覚えた。奇妙な人間関係を表現することに関心を集中する以上、安易な幻想のバスなどに逃げてはなるまい。」
河野多恵子 0  
丸谷才一 0  
選評出典:『芥川賞全集 第十六巻』平成14年/2002年6月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成5年/1993年9月号)
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ひと とびら
「もう 一つの 扉」(『文學界』平成5年/1993年11月号)
書誌
>>平成8年/1996年1月・ベネッセコーポレーション刊『まどろむ夜のUFO』所収
>>平成10年/1998年6月・幻冬舎/幻冬舎文庫『まどろむ夜のUFO』所収
>>平成16年/2004年1月・講談社/講談社文庫『まどろむ夜のUFO』所収
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芥川賞 芥川賞 110回候補 一覧へ
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
大江健三郎 0  
大庭みな子 0  
丸谷才一 0  
吉行淳之介 0  
日野啓三 0  
田久保英夫 0  
黒井千次 0  
三浦哲郎 0  
河野多恵子 4 「意外に票が集まらなかったが、私はこれまでの二候補作からずっと成長していると思った。モチーフが鮮明になり、取り込まれている事柄もなかなか効いている。」
古井由吉 0  
選評出典:『芥川賞全集 第十六巻』平成14年/2002年6月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成6年/1994年3月号)
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直木賞 128回候補  一覧へ

くうちゅうていえん
空中庭園』(平成14年/2002年11月・文藝春秋刊)
書誌
>>平成17年/2005年7月・文藝春秋/文春文庫『空中庭園』
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収録作品の書誌
ラブリー・ホーム
>>初出『別冊文藝春秋』238号[平成14年/2002年3月]
チョロQ
>>初出『別冊文藝春秋』239号[平成14年/2002年5月]
空中庭園
>>初出『別冊文藝春秋』240号[平成14年/2002年7月]
キルト
>>初出『別冊文藝春秋』241号[平成14年/2002年9月]
鍵つきドア
>>初出『別冊文藝春秋』242号[平成14年/2002年11月]
光の、闇の
>>書き下ろし
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし 25 「語り手が変わっても語り口があまり変わらないところ、つまり語りの位相に変化のないところに欠損があるが、ここに描き出された現代風景はおそろしい。こんな毎日を送るために人間はこの世に生まれてきたのだろうか。読む者をそう落ち込まさずにおかないが、そんな気にさせられるのも作品に力があるからにちがいない。」
黒岩重吾 35 「最も面白かった。」「見事だった。私は次々と家族たちを剥いでゆくペン捌きに魅了され、時には解剖の生々しさに息苦しくなった。だが息抜きの場もペンを乱すことなく描かれている。」「確かに唐突な描写や、放り投げたような面がないでもないが、この作品が持つ新鮮な吸引力は直木賞にふさわしい、と感じて推した。」
宮城谷昌光 14 「欠点とおもわれるものが主題を補成するとき、それを読者に開示するのが作者と作品の誠実さというものであろう。この小説ではそれがなされていたとは私にはおもわれない。」
北方謙三 15 「現実に準拠したものではないが、小説的リアリティはある。微妙なところをうまく書いたと思った。」「最後に『マドンナ』と争った時は、こちらに固執した。」
渡辺淳一 12 「いま流行の家庭小説だが、各章とも同じように見えて、せっかくの構成が生きていない。部分的に面白い発言や視点もあるが、それが奇をてらいすぎて、あざとさのほうが目立つのも不満であった。」
林真理子 21 「いちばんよくまとまっているという感想を持った。」「構成力もあり、家族というもののいかがわしさ、不合理さというものを、家族の独白によって表現している。特にいちばん傍役と思っていた人物の、最後の章が秀逸であったが、やはり強く推そう、という気にはなれない作品である。」
阿刀田高 28 「小説を評価する方法の一つに、――私には書けない――というものさしがある。(引用者中略)〈空中庭園〉は、それに近かった。弱点のない作品ではないけれど、読んでおもしろく、読み進むうちに奇妙な展開が次々にあって小説の深さを感じさせてくれる。」「発想が非凡であり、よおくはわからないながら可能性だけを感じた。」
田辺聖子 35 「私が興趣をかきたてられた魅力作である。新しい才能に遭遇したときの戦慄的な快感をおぼえ、楽しませてもらった。」「新人らしい才能のきらめきがページにこぼれ、珍重に価すると感じた。」「かなり票の入った作品だが、『マドンナ』(奥田英朗氏)と票を食い合って、烈しい競りあいとなり、ついに共倒れとなってしまったのは残念。」
津本陽 7 「現代の存在感の稀薄な家庭を描いて巧妙であるが、登場してくる婆さんも娘も息子も、三十代の主婦とおなじようなしゃべりかたをしているのが、気になってならなかった。」
平岩弓枝 5 「才筆だが推敲が足りない。その分、軽く読まれてしまうのは、この作者にとって不満だろうと思う。」
五木寛之 3 「魅力のある作品だった。」
選評出典:『オール讀物』平成15年/2003年3月号
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文量
連作短篇集
時代設定 場所設定
[同時代]  ある町
登場人物
京橋貴史(ダンチに住むサラリーマン)
京橋絵里子(貴史の妻)
京橋マナ(京橋家の長女、高校生)
京橋コウ(京橋家の長男、中学生)
木ノ崎さと子(絵里子の母親)
北野三奈(貴史の恋人、コウの家庭教師)
ラブリー・ホーム
章立て
なし
チョロQ
章立て
なし
空中庭園
章立て
なし
キルト
章立て
なし
鍵つきドア
章立て
なし
光の、闇の
章立て
なし




直木賞 132受賞  一覧へ

たいがん かのじょ
対岸の 彼女』(平成16年/2004年11月・文藝春秋刊)
書誌
>>初出『別冊文藝春秋』平成15年/2003年11月号〜平成16年/2004年7月号
>>平成18年/2006年4月・大活字/大活字文庫『対岸の彼女』(1)〜(3)
>>平成19年/2007年10月・文藝春秋/文春文庫『対岸の彼女』
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
平岩弓枝 22 「瞠目した。」「自由奔放に行きつ戻りつしているようで緻密に計算されている構成のおかげで作品の流れがよどむことはない。こけおどしの作為もないし、豊富な資料を使った重厚さもない代りに、登場人物の一人一人の表情がはっきり見え、その背景の現代に正確なスポットライトが当っている。受賞作にふさわしいと思った。」
津本陽 29 「この作品の魅力は、葵とナナコが高校生であった頃の、悲哀感に満ちた日々の記憶である。過去と現在との切りかえがときどきぎくしゃくして、全体につよい統一感のうすらぐきらいはあるが、やはり二人の高校生の出てくる場面が圧巻で、小夜子との話もそれなりにうまく溶けあっている。」
阿刀田高 16 「とりわけ大きな事件が起こるわけではないが、構成の妙もあって楽しく読み進むことができる。少女たちの海辺の生活とその後を描くくだりには感動を覚えた。」
林真理子 42 「少女の頃からどこかに属していないと、女たちは非常に生きにくいという現実を踏まえながらもこの小説には救いがある。」「女たちの茶飲み話のようなせせこましさを打開するために、いきなり心中を持ってきてスケールを拡げる。こういう技を筆力がない人がやると白けてしまう。若いのに文章修業を積んだ角田さんはらくらくとやり遂げてしまった。」
五木寛之 29 「生きるためには、誰しもが生きる意味を必要とする。その捕え難い感覚を、この作家はじつに的確に表現してみせて、間然する所がない。」「文章力は、今回の候補作のなかでもぬきんでていたと思う。」
渡辺淳一 53 「ある意味で斬新な小説である。」「この小説はすべて女性が主人公の、女性に関わる問題だけが描かれている」「男性だけの話に終始して、存在感のないステレオタイプの女しか登場しない小説もあるのだから、本作のような作品が評価されても当然ともいえる。」「小説は人間を、そして人と人との関わりを書くことであり、(引用者中略)もっとも安心して読める作品であった。」
北方謙三 20 「力量を感じさせる作品だった。」「ただ、ここに描かれた孤独が、いじめから生み出され、そのいじめがどこか類型を越えていない、という思いにもつきまとわれた。」「男の描き方が、私には多少不満であった。」
宮城谷昌光 50 「角田氏の小説には、おどろくべき素直さと首をかしげたくなる圭角がある。」「『空中庭園』においてもそうであったが、理性的な意義をみつけにくい整理と組み合わせがなされていて、むしろそれは生理的なものではないか、と疑ったのである。あえていえば、性癖が露呈している。」「今回の作品では、氏の手法によって情景は額縁のなかにおさまるが、じつは読む側の感情がそのなかにおさまらないという体験をした。」
田辺聖子 17 「角田氏の力量を充分、知悉していながら、幼児が登場してくると、日常次元の靄に包まれてしまいそうで、心もとなくなる。ところが作者は、日常に泥みつつ、非日常の異次元〈ナナコ〉の世界へかるがると飛翔する。」「読者も生きる力を与えられ、読後感は爽やかだった。授賞に異存はない。」
選評出典:『オール讀物』平成17年/2005年3月号
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大衆選考会 132回推薦候補 一覧へ
大衆選考会での推薦
推薦者 推薦日 推薦文
まさ 平成16年/2004年12月18日 はっきり言って、最高傑作!
心敬 平成17年/2005年1月7日 文芸春秋社刊(前文=>伊坂幸太郎=>)
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文量
長篇
章立て
「1」〜「15」
時代設定 場所設定
[同時代]〜10数年前  東京〜群馬など
登場人物
田村小夜子(主婦)
楢橋葵(旅行会社プラチナ・プラネット社長)
野口ナナコ(葵の高校時代の同級生)
木原(プラチナ・プラネットの非常勤勤務)




ブログ版 直木賞のすべて 余聞と余分
  [H20]2008/1/6 文蔵 2008.1(Vol.28) 特集「「直木賞」の基礎知識」  
  [H19]2007/10/28 ダカーポ 平成18年/2006年7月19日号(587号)  
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