直木賞のすべて
直木賞のすべて

第131回

=受賞者=
奥田英朗
熊谷達也

=候補者=
伊坂幸太郎
北村 薫
田口ランディ
東野圭吾


受賞作家の群像
トップページ
受賞作・候補作一覧
候補作家の群像
選考委員の群像
選評の概要
小研究
大衆選考会
リンク集
マップ

受賞作家の一覧へ
前の回へ後の回へ


Last Update[H20]2008/3/21

奥田英朗
Okuda Hideo
生没年月日【注】 昭和34年/1959年10月23日〜
受賞年齢 44歳8ヶ月
経歴 岐阜県岐阜市生まれ。県立岐山高校卒。雑誌編集者や、広告代理店でコピーライターを経験。以後フリーとなり、『ホットドックプレス』『モノマガジン』などでエッセイを連載。
受賞歴 第4回大藪春彦賞(平成14年/2002年)『邪魔』
第20回柴田錬三郎賞(平成19年/2007年)『家日和』
サイト内リンク 付録-吉川英治文学新人賞受賞作・候補作一覧(第21回)
子サイト
「余聞と余分」内
関連記事
1件/最新は平成20年/2008年8月10日記事(このページの下部にリンクあり)
備考
Google
検索結果
  - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -



さいあく
最悪』(平成11年/1999年2月・講談社刊)
書誌
>>平成14年/2002年9月・講談社/講談社文庫『最悪』
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
他文学賞 吉川英治文学新人賞 21回候補 一覧へ
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎 5 「詳悉癖が甚しく、小説としての完成には至っていない。」「ただし凝縮のコツさえ捉えれば、どなたも傑作を物する実力はある。」
阿刀田高 3 「それぞれの人物が生きて、立っている。文章も闊達で、読みやすい。ただストーリィの展開に難がある。」
伊集院静 4 「作者の描写力は候補中、抜きん出ていた。描写は小説の、核と私は思う。それにしたたかなユーモアもある。」
北方謙三 5 「描写力が抜群である。特に、中小企業の社長の描き方が精緻でリアリティがあり、小説の軸をそこに据えられなかったのだろうか、と思った。後半が、どうしても小説として弱かったのである。」
高橋克彦 0  
林真理子 12 「今回私が大きく評価したのは、奥田英朗さんの『最悪』である。とにかく面白い。」「どうぞ、こうした善良な人間に不幸が襲いかからないようにと祈るような気持ちにさせる技はすごい。」「あまりにもマニアックなミステリーが増える中、いい意味での俗っぽさと読者へのサービスがある作品である。」
選評出典:『群像』平成12年/2000年5月号
      - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -



直木賞 125回候補  一覧へ

じゃま
邪魔』(平成13年/2001年4月・講談社刊)
書誌
>>平成16年/2004年3月・講談社/講談社文庫『邪魔』(上)(下)
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし 28 「刮目し、歎服もした」「おもしろい細部、巧みな会話で、東京の衛星都市に住む、ある平凡な一家庭の転落過程が活写され、それだけでも元のとれる小説だが、この作者は途方もない描写トリックを仕掛けている。」「結末へ近づくにつれて、一人の刑事の再生物語の様相を呈しはじめる。なんという描写トリック、なんというあざやかさ。『愛の領分』(藤田宜永)と併せてこの作品を推した」
黒岩重吾 18 「力作である。私は警察の組織や刑事たちの描写に惹かれた。」「ただラストが劇画的だ。」「折角のリアリティの迫力が、ラストの描写で台無しになる。」「多分、余計な人物も含めて余り長くなり過ぎ力がつきたのであろう。」
田辺聖子 17 「(引用者注:「黄金の島」と「邪魔」は)私にとっては優劣つけがたい面白さに思える。」「いろんな要素が文字通り邪魔をして、これも読者をはぐらかすのに作者は夢中、というところがある。その混ざりぐあいが面白いのだが、時折りそれがママコ(原文傍点)になって充分混ぜられていない憾みあり。」「もっとこの作者のものを読みたい気にさせる。」
渡辺淳一 10 「安定した文章で、警察内部の人間関係や市井の人物などを書き分けて、それなりに読ませる。ただこれだけの長篇のわりには、最後に立上ってくるものが希薄でもの足りないが、力のある人だけに次に期待したい。」
宮城谷昌光 0  
林真理子 13 「大層面白かった。」「途中までいっきに読んだ。けれども後半があまりにも劇画的である。」「エンターテイメントの確かな才能をお持ちなだけに残念だ。」
阿刀田高 11 「人物に対する目配りが冴えている。」「ただ、この作品の半分が、妻と子と妻の母とを交通事故で失った刑事の幻想談とするのは納得がいかない。そういう作品ならば、もっとべつな書き方があったのではなかろうか。」
津本陽 20 「読者を飽きさせないで、警察を舞台にした物語のなかへ引きこんでゆき、現実感をみなぎらせてくれる。」「まったくうまいものだと思うが、奥ゆきというか、残響というか、読後に陰影をのこしていってくれる部分が、すくない。九野という主人公が、狂気を秘めていたという点も、なにかつけたしのようで、説得力に欠けていた。」
北方謙三 15 「日常の光景の中から立ちあがってくる人物の存在感は、息をのむほどである。その人物が、なぜか後半になって生きてこない。」「鮮やかだったものが、無彩色に変化していくという印象は、いかにも惜しい。その一点さえ克服できていれば、と強く思った。」
平岩弓枝 9 「現在、ざらにある話を組み立てて、登場する人間達を描き切った腕は確かだと思う。ただ、正直のところ、あまりに息苦しい。小説にはちょっと風抜きの穴を作ってやるとテーマが一層、鮮烈に浮び上るという手法を学んで欲しい。」
五木寛之 12 「私は惜しいと思い、もう少し論じてみるべきだったかな、と、選考の終った後に後悔する感じがあった。この書き手には、どこか読者を惹きつける天与の才があるような気もする。」
選評出典:『オール讀物』平成13年/2001年9月号
      - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
文量
長篇
章立て
「1」〜「44」
時代設定 場所設定
[同時代]  東京?桂楙觧圈組ーケ辧組∈「覆墳
登場人物
九野薫(本城署刑事課の刑事)
及川恭子(主婦、スーパーのパート)
及川茂則(恭子の夫、ハイテックス経理課長)
小室和代(市民運動団体の一員)
花村(本城署暴力犯係)
大倉(清和会組員)
渡辺裕輔(高校生)
服部(本庁一課の警部補)
九野早苗(九野の亡妻)




直木賞 127回候補  一覧へ
『イン・ザ・プール』(平成14年/2002年5月・文藝春秋刊)
書誌
>>平成18年/2006年3月・文藝春秋/文春文庫『イン・ザ・プール』
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
収録作品の書誌
イン・ザ・プール
>>初出『オール讀物』平成12年/2000年8月号
勃ちっ放し
>>初出『オール讀物』平成13年/2001年8月号
コンパニオン
>>初出『オール讀物』平成13年/2001年11月号
フレンズ
>>初出『別冊文藝春秋』237号[平成14年/2002年1月号]
いてもたっても
>>初出『オール讀物』平成14年/2002年3月号
>>平成15年/2003年7月・講談社刊『ザ・ベストミステリーズ2003』所収
>>平成18年/2006年4月・講談社/講談社文庫『ミステリー傑作選 殺人の教室』所収
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
黒岩重吾 15 「面白く読めた。」「ただ直木賞の作品にしては文章が荒っぽく、既成作家が才能にまかせて書きまくったという感じがしないでもない。」「半ばあたりから飽きてきた。面白いが虚しさが残る。」
林真理子 10 「奥田さんのはちゃめちゃさが、大好きである。」「けれど今回の作品は少々弱かった。前作の方がはるかに面白い。」
津本陽 11 「大病院の総領息子の精神科医というのが、非常に興味を持たされる人物で、患者もそれぞれ、実におもしろい。」「小説としては楽しめた。もっと書きこんだら、様変りして重みが出てくるかも知れないと思わされた。」
渡辺淳一 10 「作者の意図が見えすぎて、いささかあざとすぎる。「勃ちっ放し」などはとくにおふざけをこして下司で、この種のことを書くときはもう少し勉強して、真摯に書くべきだろう。」
阿刀田高 29 「軽く読むことができたが、残念ながら私にはじみじみと楽しむというわけにはいかなかった。」「読者の笑いを取ることに傾斜し、現代の病理をえぐる鋭さが薄れた、ということだろうか。それをことさらに言うのは野暮であり、この作品を好編とする他の委員の意見にも納得できるところがあったけれど、やはり今回は見送りのほうへ傾いた。」
田辺聖子 15 「脂ののりきった作者が、手練の手並みもあざやかに、という清新溌剌たる印象。いやあ、笑ってしまった。」「カルチャーショックという上品なものでも諷刺小説というでもなく、とても巧い落語みたい、ただこの落語のオチはつけにくく、そこがまたいい、というところ。」
宮城谷昌光 30 「まえの候補作品の『邪魔』には隠微な笑いがあった。が、今回は笑いが顕現した。」「それは氏のなかにバランスのよい客観性が生じたからであろうと推察している。克己があったのではないか。ゆえに、氏は読者に一歩も二歩も近づいたのであり、小説の愉しさが幅をひろげたのである。」「これほどの才能が受賞という光を浴びなかったのは、解せず、私は廓如とした気分になった。」
五木寛之 10 「興味ぶかく読んだ」「非常に惹かれる部分と、首をかしげる部分とがあったが、(引用者中略)才能のある書き手だと思う。」
北方謙三 28 「読む者を引きつけて、一気に最後まで連れていってしまう、という面白さを持っていた。」「伊良部は一作ごとに存在感を増し、途中から主人公という感じになる。ただ、いつまでも同調装置であり、伊良部の持つ、心を打つほどの偏執性の描写が、不足しているとしか思えなかった。」
平岩弓枝 11 「受賞されなかった候補作の中で、もっともインパクトが強かった」「軽く書いているようにみせて、実は重いテーマを洒落た切りくちで読ませてくれた。直木賞にふさわしくないという意見もあったが、私はこういう作品が直木賞になってもよいと思っている。」
井上ひさし 45 「現代人の病患を、恐るべき作意ときびしい自己凝視によって、みごとな作品に仕上げている。」「診る者と診られる者の逆転が、毎回、大量の笑いと良質の社会風刺を生む。じつに上等な滑稽小説で、この連作集を一番に推した。」
選評出典:『オール讀物』平成14年/2002年9月号
      - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
大衆選考会 127回推薦候補 一覧へ
大衆選考会での推薦
推薦者 推薦日 推薦文
zuuka 平成14年/2002年6月30日 (前文=>乙川優三郎)そして、あんまり読んでないといいつつ今回は、もう1作品。奥田英朗さんの「イン・ザ・プール」。結構話題になってる本ですが、これも単純に面白く、ニンマリ笑える本でした。あんまり直木賞って感じはしないけど、こういう小説は受賞したら面白いなぁ。
    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
文量
連作短篇集
時代設定 場所設定
[同時代]  東京
登場人物
伊良部一郎(神経科医)
マユミ(看護婦)
イン・ザ・プール
章立て
「1」〜「4」
登場人物
大森和雄(出版社編集部員、不定愁訴から水泳依存症に)
尚美(大森の妻)
勃ちっ放し
章立て
「1」〜「4」
登場人物
田口哲也(会社員、陰茎強直症)
佐代子(田口の別れた妻)
コンパニオン
章立て
「1」〜「4」
登場人物
安川広美(芸能人志望のイベントコンパニオン、ストーカーの被害妄想)
フレンズ
章立て
「1」〜「4」
登場人物
津田雄太(高校生、ケータイ依存症)
いてもたっても
章立て
「1」〜「4」
登場人物
岩村義雄(ルポライター、強迫神経症)




直木賞 128回候補  一覧へ
『マドンナ』(平成14年/2002年10月・講談社刊)
書誌
>>平成17年/2005年12月・講談社/講談社文庫『マドンナ』
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
収録作品の書誌
マドンナ
>>初出『小説現代』平成12年/2000年11月号
ダンス
>>初出『小説現代』平成13年/2001年10月号
総務は女房
>>初出『小説現代』平成14年/2002年1月号
ボス
>>初出『小説現代』平成14年/2002年4月号
パティオ
>>初出『小説現代』平成14年/2002年7月号
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし 24 「この作者の場合、文章はつねに幾分かの諧謔味を含む。今回の作品も、一見平凡な会社小説のように見えて、そのじつは会社家庭小説という新形式であり、つねに頬笑む文章はその新冒険を柔らかく包んで、読む者をあきさせない。」「評者は、つねに頬笑む文章と会社家庭小説という発明が好みに合ったので、最後まで『マドンナ』を推した。」
黒岩重吾 11 「良質の短篇集である。」「人間のペーソスが滲み出ており好感が持てた。ただ本作品集を受賞作とするにはためらいがある。」
宮城谷昌光 13 「こういう平凡なテーマを、こういう気どらない筆致で書いたのは、作者がいかに挑戦的であったかということである。虚構の振幅のほどのよさは、絶妙とさえいえる。読者はそれにおどろかねばならぬ。それにもかかわらずこの作品に賞という冠が置かれなかった事実をどう解したらよいのか。」
北方謙三 12 「筆者の抜きん出た筆力を認めた上で言うのだが、人物を並列する書き方に、どうしても馴染めなかった。」「連作短篇で主人公を統一すれば、同じ場所で足踏みという感じはなくなったというのは、私の勝手な思いこみだろうか。」
渡辺淳一 18 「(引用者注:最後に残った「マドンナ」と「空中庭園」のうち)わたしは、「マドンナ」のほうを推した。」「ごく平凡な中年男の心情をユーモアをまじえて過不足なく描いて説得力がある。前回より迫力に欠けるという評もあったが、こういう作品を的確に書けることはプロの作家の必要条件で、今回は見送りとなったが、なかなかの小説巧者だけに、次回を期待する。」
林真理子 30 「私が期待していた奥田英朗さんが、へんに行儀よくなってしまったのが気にかかる。」「達者は達者であるが、以前の奥田ワールドを知っている者にとっては、かなり物足りない。」「こうした小品もうまい、ということをアピールしたかったかもしれないが、奥田さんはもっと奥田さんらしいもので、受賞していただきたいと思う。」
阿刀田高 13 「わるくない。月々の雑誌にこのレベルの作品が載っていたら、読者は充分に楽しんでくれるだろう。」「挑戦的なところが少ない。凄味がない。賞の対象として強くは推せなかった理由である。」
田辺聖子 19 「私個人としては、右二作(引用者注:「空中庭園」と「マドンナ」)とも受賞圏内(ことに奥田氏は前候補作品『イン・ザ・プール』の印象が好意的に強く、今回の作品の、よき光背となった感がある)と思われたが、二つの作品の優劣を双方の支持者が論じているうち、応酬が白熱し、双方相討ちの様相を呈してしまった。」
津本陽 7 「作者の触覚は、するどさを失っていないが、まえに読んだ作品群より軽くなった。読み手をひきつける力はつよいが、おや、と考えさせるような問題は出していない。」
平岩弓枝 5 「前回の『イン・ザ・プール』の毒が抜けてしまって大人しくなったのがもの足りない。」
五木寛之 0  
選評出典:『オール讀物』平成15年/2003年3月号
      - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
大衆選考会 128回推薦候補 一覧へ
大衆選考会での推薦
推薦者 推薦日 推薦文
ハヤシ 平成14年/2002年11月8日 新刊はあまり読んでいないのですが、奥田英朗「マドンナ」を推薦します。
前回候補となった「インザプール」より質は落ちるけれど、なかにし礼や桐野夏生の
例もあるのでそろそろいけるんじゃないだろうかと思います。(後文=>東野圭吾
    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
文量
短篇集
マドンナ
章立て
「1」〜「4」
時代設定 場所設定
[同時代]  ある町
登場人物
荻野春彦(営業三課課長)
倉田知美(新規配属された荻野の部下)
山口(営業三課員)
ダンス
章立て
「1」〜「4」
時代設定 場所設定
[同時代]  ある町
登場人物
田中芳雄(営業四課課長)
浅野(営業五課課長、田中の同期)
飯島(営業部長)
田中俊輔(田中の息子、高校二年生でダンサー志望)
総務は女房
章立て
「1」〜「4」
時代設定 場所設定
[同時代]  ある町
登場人物
恩蔵博史(総務部第四課課長、営業出身のエリート)
幸子(恩蔵の妻)
松田(恩蔵の会社の出入り業者・松田商店社長)
ボス
章立て
「1」〜「4」
時代設定 場所設定
[同時代]  ある町
登場人物
田島茂徳(鉄鋼製品部第一課課長)
浜名陽子(田島の上司、新任の部長)
美佐子(田島の妻)
パティオ
章立て
「1」〜「4」
時代設定 場所設定
[同時代]  東京〜前橋
登場人物
鈴木信久(土地開発会社の営業推進部第一課課長)
久保田(いつも一人の謎の老人)
父(鈴木の父親、前橋在)




直木賞 131受賞  一覧へ

くうちゅう
空中ブランコ』(平成16年/2004年4月・文藝春秋刊)
書誌
>>平成20年/2008年1月・文藝春秋/文春文庫『空中ブランコ』
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
収録作品の書誌
空中ブランコ
>>初出『オール讀物』平成15年/2003年1月号
>>『オール讀物』平成16年/2004年9月号
ハリネズミ
>>初出『オール讀物』平成15年/2003年7月号
義父のヅラ
>>初出『オール讀物』平成15年/2003年10月号「教授のヅラ」/単行本収録にあたり加筆改題
ホットコーナー
>>初出『オール讀物』平成15年/2003年4月号
女流作家
>>初出『オール讀物』平成16年/2004年1月号
>>『オール讀物』平成16年/2004年9月号
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
平岩弓枝 29 「(引用者注:「イン・ザ・プール」が候補作のとき)どういうわけか票がまとまらず、受賞に至らなかったのを残念に思う気持がずっと尾を引いていた。」「作者が苦労なしにこの五篇を書いたとは考えていないが、よくも悪くも現代の最前線で脚光を浴びている人間をひっぱり出して伊良部先生の前へおいたのは作者の凄腕であり、しかも成功している。」
津本陽 19 「最初の表題作からおもしろかった。ひきこまれたといってよい。」「作品の要所にするどい針のような表現があって、それがこちらの感覚を刺してくる。」「ユーモラスな主人公を動かしてゆく愉快なともいえる作品であるのに、この切実感と迫力はどこから出てくるのだろうかと思った。受賞にふさわしい成功作である。」
田辺聖子 34 「決選投票では『邂逅の森』にほんの少し差がついたが、しかしこの作品も早い段階で高点を得、甲乙つけがたしということで二作受賞となった。」「ユーモア小説は、文体が緊まっていないと効力を失うが、その点、的確で硬質の、そっけない文体がまことに適切、ユーモアが際立ってよかった。」
宮城谷昌光 34 「私のなかでは「イン・ザ・プール」も「マドンナ」も、奥田英朗氏の作品は、直木賞を受賞するにふさわしいものであったので、今回、「空中ブランコ」が候補作品として眼前にあらわれたとき、――まだ奥田氏は受賞していなかったのか。と、倦怠をともなったおどろきをおぼえた。」「(引用者注:「イン・ザ・プール」より)評価が漸進していたので、ほっとした。」
阿刀田高 23 「たまらなくおかしい短編連作集だ。と同時にユーモア小説を書くむつかしさが随所に見え隠れしている。」「(引用者注:「空中ブランコ」と「女流作家」は)笑いながらも人生を響きあうところがあって優れていると思ったが、ほかの委員からは「そういう小賢しさはむしろうるさい」という指摘もあり、つくづく、――笑いの文学は厄介だな――と考えた。」
渡辺淳一 25 「前作のドタバタ的なくさい部分が抜けて、内容も多彩になり、安心して読めた。」「欲をいえば、名探偵をもってしても解決しないような病気が登場すると、さらに小説の深味がでただろう。」
林真理子 26 「この方のユーモアの才能というのは全くすごい。一見無造作なようでいて、緻密な計算がなされている。」「女性作家の自意識過剰さは、私自身の姿を見ているようだ。むっとする場面もあったが、やはりおかしくてたまらない。」「作者の力量にひたすら感心するばかりだ。」
北方謙三 19 「絶品である。前作と較べて、精神科医が名医に成長していて、荒唐無稽の中から顔を出す、微妙な暗黒性に欠けると思った。この医師の成長が、常識性のリアリズムへの後退というふうにも私には読めて、そこが第一に推すのをためらう要因になった。」「私が第二に評価していた『空中ブランコ』が賞に入ってくることには、異議はなく、むしろ歓迎であった。」
五木寛之 26 「受賞の結果に異存はない。」「文句なしにおもしろい連作である。」「問題は人間の内面世界は、もっと奇怪で難解なものではないか、と、ふと感じさせられる点だ。」
井上ひさし 38 「物語構造そのものがすばらしい発明であるが、今回、作者はこの構造に絢爛たる笑いの花を満開に咲かせた。とりわけ、「ハリネズミ」と「義父のヅラ」には、さんざん笑ったあとに人生の真実にふれたような感動をおぼえ、前作同様に強く推した。」
選評出典:『オール讀物』平成16年/2004年9月号
      - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
大衆選考会 131回推薦候補 一覧へ
大衆選考会での推薦
推薦者 推薦日 推薦文
kengo 平成16年/2004年6月12日 奥田さんはやっぱりすごかった。好評だった「イン・ザ・プール」よりも,うまい作りだと思うし,ぜひこの人にはこういう作品で賞を取ってほしい!!
うさこ 平成16年/2004年6月26日 (前文=>伊坂幸太郎)(なし)
書癡 平成16年/2004年6月30日 一人だけの受賞なら
奥田英朗『空中ブランコ』(後文=>東野圭吾
遠金 平成16年/2004年7月2日 奥田英朗(&伊良部一郎!?)『空中ブランコ』
救われました、本当に!
    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
文量
連作短篇集
時代設定 場所設定
[同時代]  東京
登場人物
伊良部一郎(神経科医)
マユミ(看護婦)
空中ブランコ
章立て
「1」〜「4」
登場人物
山下公平(新日本サーカス空中ブランコのファーストフライヤー)
内田(空中ブランコのキャッチャー)
ハリネズミ
章立て
「1」〜「4」
登場人物
猪野誠司(紀尾井一家の若頭、強迫神経症)
和美(猪野の内縁の妻)
義父のヅラ
章立て
「1」〜「4」
登場人物
池山達郎(麻布学院大学付属病院勤務、伊良部の同窓生)
野村栄介(池山の義父、医学部長)
ホットコーナー
章立て
「1」〜「4」
登場人物
坂東真一(野球選手、サードのレギュラー、イップス)
鈴木(新入団のサード)
女流作家
章立て
「1」〜「4」
登場人物
星山愛子(都会派恋愛を描く作家、本名・牛山)
中島さくら(愛子の友人、フリー編集者)




ブログ版 直木賞のすべて 余聞と余分
  [H20]2008/8/10 訳あって初版本は2種類アリ。文庫化はいまだナシ。でもこの作品の面白さは、まったく揺るぎなし。 第125回候補 山之口洋『われはフランソワ』  
    - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -  


ページの先頭へ

トップページ受賞作・候補作一覧候補作家の群像選考委員の群像選評の概要
小研究大衆選考会リンク集マップ || 受賞作家の一覧へ前の回へ次の回へ