直木賞のすべて
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第117回

=受賞者=
篠田節子
浅田次郎

=候補者=
藤田宜永
姫野カオルコ
黒川博行
宇江佐真理


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Last Update[H20]2008/3/7

浅田次郎
Asada Jiro
生没年月日【注】 昭和26年/1951年12月13日〜
受賞年齢 45歳7ヵ月
経歴 本名=岩戸康次郎。東京都生まれ。中央大学杉並高等学校卒。
受賞歴 第16回吉川英治文学新人賞(平成6年/1994年)『地下鉄にのって』
第16回日本冒険小説協会大賞[特別賞](平成9年/1997年)「鉄道屋」
第13回柴田錬三郎賞(平成12年/2000年)『壬生義士伝』
第1回中央公論文芸賞(平成18年/2006年)『お腹召しませ』
第10回司馬遼太郎賞(平成19年/2007年)『お腹召しませ』
第42回吉川英治文学賞(平成20年/2008年)『中原の虹』
処女作 『とられてたまるか!』(平成3年/1991年11月・学習研究社刊)
直木賞
選考委員歴
第137回〜(通算1年・2回)
サイト内リンク 直木賞受賞作全作読破への道Part2
付録-柴田錬三郎賞受賞作一覧(第13回)
付録-吉川英治文学新人賞受賞作・候補作一覧(第16回)
リンク集
子サイト
「余聞と余分」内
関連記事
5件/最新は平成19年/2007年11月25日記事(このページの下部にリンクあり)
備考 生年月日および受賞年齢が間違っておりましたので、
平成12年/2000年12月21日訂正いたしました。
お詫び申し上げるとともに、ご指摘いただいた方には
深く感謝いたします。ありがとうございました。
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メトロ
地下鉄に 乗って』
(平成6年/1994年3月・徳間書店刊)
書誌
>>平成9年/1997年6月・徳間書店/徳間文庫『地下鉄(メトロ)に乗って』
>>平成11年/1999年12月・講談社/講談社文庫『地下鉄(メトロ)に乗って』
>>平成18年/2006年7月・徳間書店刊『地下鉄(メトロ)に乗って』[特別版]
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他文学賞 吉川英治文学新人賞 16受賞 一覧へ
選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし 20 「たしかに地下鉄は現代の迷路、そこではなにが起こっても不思議ではない。その上、作者は地下鉄を時間の迷路に置き換える。みごとな発想だ。」「物語が進むにつれて、もつれた時間はきれいに整理され、やがて一人の男の姿が、ある種の郷愁を漂わせながら浮かび上がってくる。」「掛け値なしに傑作である。」
尾崎秀樹 13 「第一に注目した」「地下鉄をつかったユニークなタイムスリップものだ。」「(引用者注:主人公の身に)何度となくタイムスリップがおこり、敗戦直後の新宿、満州の戦場に身をおき、家族への、また恋する女性への愛を確かめるといった作品だった。」
佐野洋 12 「例えば永田町から赤坂見附までの地下道を歩いているときに、だれでも感じる「心許なさ」をタイムトンネルに仕立てた着想と、ページを操るのがもどかしいほどのストーリーテリングに感心した。」「ミステリーの味つけがされている点が、私には面白かった。」
野坂昭如 17 「あたらしい都会小説の分野を拓かれた。かねてからぼくも、地下鉄という乗物を、奇妙に感じていた。(引用者中略)地下鉄の中で、少くともぼくは本が読めず、モノを考えられない。タイムトラベルそのものなのだ。」
半村良 7 「浅田氏と小嵐氏の同時受賞に賛成した。」「社会の深部の感触十分な作品」「故広瀬正を思い出させてくれた。」
選評出典:『群像』平成7年/1995年5月号
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直木賞 115回候補  一覧へ

そうきゅう すばる
蒼穹の 昴』(上)(下)
(平成8年/1996年4月・講談社刊)
書誌
>>平成16年/2004年10月・講談社/講談社文庫『蒼穹の昴』(1)-(4)
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
黒岩重吾 16 「作者の熱意が感じられる。」「この作者に才能があるのは間違いないが、まだ読者を小説世界に引きずり込み、最後まで酔わし続ける技を掌中にしていないような気がする。」
津本陽 41 「膂力がつよいとしかいいようのない、エネルギッシュな書きだしである。」「作品の各部分が重層して響きあう効果が出てくれば、大成功であったが、盛りあがらなかった。読者を引く見せ場が多くなるばかりで、きわだった人格が浮きあがってこなかったためである。」
田辺聖子 21 「エンターテインメントとしては抜群の面白さを持った作品、」「近来の快作だった。小説の醍醐味は〈面白くて巻を措く能わず〉というところにもあるから、受賞圏内、と私は思ったが、いまひといき、票を集めることができなかったのは残念。」「欲をいえば中国風土の匂いが(芳香・悪臭をとわず)も少しほしいところ。」
渡辺淳一 7 「長くて波乱に富んで、楽しく読ませるが、なにかが欠けている。それがなくても、面白ければいいという意見もあるだろうが、わたしはその考えには反対である。」
阿刀田高 11 「よい意味で講談風のおもしろさに溢れている。だが、人物の造形も、筋の運びも、文章も、すべて粗っぽい。そこに腕力を感じ、魅力かなとも考えたが、工匠としての小説家を思うとき、わずかに逸脱するものが感じられた。」
平岩弓枝 17 「何故、宦官の目からみた清朝末期、西太后を書くという素晴しい着想一筋に突き進めなかったのか口惜しい気持になった。こう人物が多すぎて、話があっちへとび、こっちへとびしては、書き手のいいたいことが読者に伝わりにくい。」
五木寛之 26 「もっとも印象に残った。」「たしかに欠点は多い。」「しかし、それでもなお私は、この浅田氏の野心的な仕事に一票を投じたことを後悔してはいない。いかにエネルギッシュな作家でも、これだけの力作をたて続けに世に問うことは難しいだろうと思えば、「長蛇ヲ逸ス」の感をおさえることができなかった。」
井上ひさし 56 「(引用者注:「凍える牙」との)二作受賞を心から願っていた。」「李春雲と玲玲の兄妹がとくに生き生きと跳ねていて、たしかにここには「人間」がいた。」「ここで説かれている「浅田版清朝史」のおもしろさは格別であり、こんな大作を書き下ろしで書いてしまった作者の逞しい膂力にも脱帽した。」
選評出典:『オール讀物』平成8年/1996年9月号
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文量
長篇
章立て
(上)「第一章 科挙登第」「第二章 乾隆の玉」「第三章 河北の太守」「第四章 皇太后宮へ」(下)「第五章 謀殺」「第六章 双頭の龍」「第七章 福音」
時代設定 場所設定
清朝末期[19世紀末]〜清期中期[18世紀半ば]  中国
登場人物
李春雲(貧農の子)
梁文秀(春雲と同郷、光緒十三年の状元)
西太后慈禧(文宗咸豊帝側室、政治の実権者)
光緒帝載〈サンズイ+恬〉(西太后の甥)
栄禄(満州旗人、禁軍将校出身の軍人)
岡圭之介(万朝報支那特派員)
トーマス・バートン(ニューヨーク・タイムズ記者)




直木賞 117受賞  一覧へ

ぽっぽや
鉄道員』(平成9年/1997年4月・集英社刊)
書誌
>>平成12年/2000年3月・集英社/集英社文庫『鉄道員』
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収録作品の書誌
鉄道員
>>初出『小説すばる』平成7年/1995年11月号
>>平成10年/1998年4月・大活字/大活字文庫『鉄道員 ラブ・レター 』所収
ラブ・レター
>>初出『オール讀物』平成8年/1996年3月号
>>平成10年/1998年3月・光文社/光文社文庫『奇妙な恋の物語』所収
>>平成10年/1998年4月・大活字/大活字文庫『鉄道員 ラブ・レター 』所収
悪魔
>>初出『オール讀物』平成7年/1995年11月号
角筈にて
>>初出『小説すばる』平成8年/1996年9月号
伽羅
>>初出『小説すばる』平成8年/1996年11月号
うらぼんえ
>>初出『小説すばる』平成8年/1996年5月号
>>平成9年/1997年5月・徳間書店刊『現代の小説1997』所収
ろくでなしのサンタ
>>初出『小説新潮』平成9年/1997年1月号
オリヲン座からの招待状
>>初出『小説すばる』平成9年/1997年1月号
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
田辺聖子 31 「何とも気持よく泣ける小説が開巻からつづく。」「〈しんみりして泣かせる〉“しみじみ小説”というものは、甘ちゃんの人が書くと歯が浮くものだけれど、浅田さんは辛口作家でいられ、随所に〈根性悪〉(引用者中略)(作家的視線がきびしいこと)が仄見え、信頼できる。」
黒岩重吾 21 「収録された諸短篇は、計算されつくした作品で、余分な贅肉を削り落し、読者に夢を与える小説の揺り籠を作った。」「私は表題作以外、「ラブ・レター」、「角筈にて」、「伽羅」、「うらぼんえ」などに惹かれた。この種の短篇集で、五作に陶酔出来たのは珍しい。」
阿刀田高 21 「八篇の短篇が収められているが、よい作品と、それほどでもない作品と、ばらつきが目立つ。」「表題作の「鉄道員」は、わるくはないけれど、あまりにも型通りで、涙腺をふくらませながらも、――こんなことで、泣けるか――と、しらけるところ、なきにしもあらず。」「しかし、よくもわるくも、これはこの作家の特質であろう。」
平岩弓枝 23 「最初に表題となっている「鉄道員」を読んで、この一冊はすべて、さまざまのぽっぽやさんを主人公とする作品を集めたのかと思い込んだら、そうではなかった。別にそのことに苦情があるわけではないが、(引用者中略)浅田さんなら、そうしたかつての愛すべき鉄道員をもっともっと書いて下さるのではないかと期待をこめてお願いしたい気持がある。」
渡辺淳一 28 「半ばまで読みすすんだところで、これなら間違いない、という確信を得た。冒頭の短篇から話が躍動して、人間がよく見えて説得力がある。」「小説づくりの巧さと裏腹にある、小説づくりのあざとさや、泣かせるツボを心得すぎていることからくる、仕上りの浅さなどが、長年小説を書いてきた者には気がかりである。」「それを越えて、この作家には、旬の作家だけがもつヴィヴィッドで艶な文章の魅力がある。」
津本陽 10 「「ラブ・レター」は以前に雑誌で読み、印象に残っていた。」「どれも似た形の作品を読者に読ませるしたたかな根性が作者の値打ちかも知れない。」
井上ひさし 27 「粒選りの中でも、さらに高い質を誇っていた。」「八つの短編が収められているが、うち四つは大傑作であり、のこる四つは大愚作である。大傑作群に共通しているのは、「死者が顕われて生者に語りかける」という趣向で、この趣向で書くときの作者の力量は空恐ろしいほどだ。たとえば「角筈にて」を読まれよ。(引用者中略)この一編で、大愚作群の欠損は充分に埋められたと信じる。」
五木寛之 37 「どの作品も最近の世相のなかで私たちが見失ってしまっている人間の「情」というものが、たっぷり湛えられた鮮やかな物語で、この作家の大技、小技、ともに優れた実力をよく示す一冊だと感心した。」「「蒼穹の昴」で長蛇を逸した作家が、よくも再度の金的を射とめたものだ。強運も才能のうち、とあらためて思った。」
選評出典:『オール讀物』平成9年/1997年9月号
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文量
短篇集
鉄道員
章立て
なし
時代設定 場所設定
[同時代]  北海道幌舞
登場人物
佐藤乙松(幌舞駅長)
雪子(乙松の娘、生後2ヶ月で死亡)
ラブ・レター
章立て
「1」〜「5」
時代設定 場所設定
[同時代]  東京〜千葉県千倉
登場人物
高野吾郎(ポルノショップ店長)
白蘭(吾郎の戸籍上の妻、出稼ぎ外国人)
悪魔
章立て
なし
時代設定 場所設定
[太平洋戦争戦後]  ある街
登場人物
僕(小学生)
蔭山(東大生、家庭教師)
角筈にて
章立て
「1」〜「5」
時代設定 場所設定
[同時代]〜40年前  東京
登場人物
貫井恭一(営業部長、ブラジルへ左遷)
久美子(恭一の妻、またいとこ)
伽羅
章立て
「1」〜「4」
時代設定 場所設定
[同時代の20年前]  東京
登場人物
私(ファッションメーカー営業マン)
立花静(ブティックの女主人)
うらぼんえ
章立て
なし
時代設定 場所設定
[同時代]  ある田舎町
登場人物
ちえ子(薬剤師、医師と結婚、身寄りのない身)
祖父(ちえ子の祖父、故人)
ろくでなしのサンタ
章立て
なし
時代設定 場所設定
[同時代]  横浜〜磯子
登場人物
柏木三太(ポン引き)
北川(三太と留置場の雑居房で同室)
オリヲン座からの招待状
章立て
「1」〜「5」
時代設定 場所設定
[同時代]  京都
登場人物
三好祐次(大手企業の部長、京都育ち)
良枝(祐次の別居中の妻、幼馴染)
仙波(映写技師)




ブログ版 直木賞のすべて 余聞と余分
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