芥川賞のすべて・のようなもの
芥川賞のすべて・のようなもの

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Last Update[H24]2012/4/12

小川洋子
Ogawa Yoko
生没年月日【注】 昭和37年/1962年3月30日〜
在任期間 第137回〜(通算5年・10回)
在任年齢 45歳3ヶ月〜
経歴 旧姓=本郷。岡山県岡山市生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒。川崎医科大学教員秘書室を経て、結婚、昭和63年/1988年に海燕新人文学賞を受けて作家デビューを果たす。
受賞歴・候補歴
  • 第7回海燕新人文学賞(昭和63年/1988年)「揚羽蝶が壊れる時」
  • |候補| 第101回芥川賞(平成1年/1989年上期)「完璧な病室」
  • |候補| 第102回芥川賞(平成1年/1989年下期)「ダイヴィングプール」
  • |候補| 第103回芥川賞(平成2年/1990年上期)「冷めない紅茶」
  • |候補| 第12回野間文芸新人賞(平成2年/1990年)『冷めない紅茶』
  • 第104回芥川賞(平成2年/1990年下期)「妊娠カレンダー」
  • |候補| 第25回泉鏡花文学賞(平成9年/1997年)『ホテル・アイリス』
  • 第55回読売文学賞[小説賞](平成15年/2003年)『博士の愛した数式』
  • 第1回2004年本屋大賞(平成16年/2004年)『博士の愛した数式』
  • 第32回泉鏡花文学賞(平成16年/2004年)『ブラフマンの埋葬』
  • |候補| 第31回川端康成文学賞(平成17年/2005年)「海」
  • 第42回谷崎潤一郎賞(平成18年/2006年)『ミーナの行進』
  • |候補| 第33回川端康成文学賞(平成19年/2007年)「ひよこトラック」
  • |候補| 第36回川端康成文学賞(平成22年/2010年)「寄生」
芥川賞候補歴 第101回候補 「完璧な病室」(『海燕』平成1年/1989年3月号)
第102回候補 「ダイヴィングプール」(『海燕』平成1年/1989年12月号)
第103回候補 「冷めない紅茶」(『海燕』平成2年/1990年5月号)
第104回受賞 「妊娠カレンダー」(『文學界』平成2年/1990年9月号)
備考
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下記の選評の概要には、評価として◎か○をつけたもの(見方・注意点を参照)、または受賞作に対するもののみ抜粋しました。さらにくわしい情報は、各回の「この回の全概要」をクリックしてご覧ください。

芥川賞 137 平成19年/2007年上半期   一覧へ
選評の概要 叔父さんの体温 総行数45 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
諏訪哲史 35 「この語り手は小説に追いすがってもいないし、いじけてもいない。彼はやすやすと小説の枠を越え、ただひたすら叔父さんの発する声の響きにのみ耳を澄ませた。」「私が最も心惹かれたのは、言語の問題が、他人や社会との関わり合いの難しさを描く方向へ向かっていない点だった。」「初めての選考で『アサッテの人』に出会えたのは幸運だった。」
選評出典:『文藝春秋』平成19年/2007年9月号
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芥川賞 138 平成19年/2007年下半期   一覧へ
選評の概要 余計なお世話 総行数47 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
川上未映子 25 「目の前にある、具体的な形を持つ何かを書き表わす時、その輪郭をなぞる指先が、独特の威力を持つ。勝手気ままに振る舞っているように見せかけながら、慎重に言葉を編み込んでゆく才能は見事だった。」「ただ、読み終えた時、もしこれが母娘の関係を描くのではなく、巻子さんの狂気にのみ焦点を絞った小説だったら……と想像してしまった。(引用者中略)しかしこれは、全くの余計なお世話である。」
田中慎弥 7 「梅子が、私は忘れられない。性的な言葉を放出しながら他者を蔑む彼女の存在感は圧倒的だった。たとえ古臭いと言われても、構わず行けるところまで行ってほしい。」
選評出典:『文藝春秋』平成20年/2008年3月号
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芥川賞 139 平成20年/2008年上半期   一覧へ
選評の概要 感想 総行数49 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
磯崎憲一郎 22 「磯崎さんの作り出す世界から立ち上ってくる現実は、不条理などという便利な言葉でくくれない不気味さをはらんでいる。偶然の恩恵を拒否し、すべてを敢えて宙吊りにしておく勇気に、私は才能を感じた。」「受賞に相応しいと、一生懸命奮闘したつもりだが、力及ばず、残念だった。」
楊逸 21 「浩遠の苦悩は、内側に深まってゆかない。(引用者中略)外へ外へと拡散する方向にのみ動いてゆく。最初、その点が不満だったが、国家に踏みにじられる状況をただ単に嘆くのではなく、一歩でもそこから脱出しようとする彼の生気のあらわれだとすれば、納得できると思った。」「平成の日本文学では書き表すことが困難なさまざまな風景が、楊さんの中には蓄えられているに違いない。」
選評出典:『文藝春秋』平成20年/2008年9月号
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芥川賞 140 平成20年/2008年下半期   一覧へ
選評の概要 間違いないこと 総行数54 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
墨谷渉 19 「最も興味深く読んだ。内面を表現する手段としての暴力ではなく、単なる肉体的運動としての暴力を描写している点がユニークだった。」「最も魅力的なのは、亜佐美が陰嚢の断面図を思い浮かべている場面だった。「潰玉」が真に意味を持つためには、この冷やかに光る医学用語に対抗できる文章が必要だったのだろう。」
津村記久子 4 「津村さんはこれからどんどん書いてゆくだろう。それは間違いないことであるし、一番大事なことである。」
選評出典:『文藝春秋』平成21年/2009年3月号
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芥川賞 141 平成21年/2009年上半期   一覧へ
選評の概要 人格の拒否 総行数52 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
磯崎憲一郎 24 「あらゆる出来事は、まるであらかじめ定められていたかのように起こるべくして起こる。人間の人格など何の役にも立たない。その当然の摂理が描かれると、こんなにも恐ろしいものなのか、と立ちすくむ思いがする。」
選評出典:『文藝春秋』平成21年/2009年9月号
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芥川賞 142 平成21年/2009年下半期   一覧へ
選評の概要 どこかに甘えが 総行数79 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
大森兄弟 27 「唯一の丸をつけた。主人公僕の幼い語り口とは対照的に、彼がとらえる世界のありようはあまりにもいびつで入り組んでいて、死臭に満ちている。(引用者中略)言葉を持たない者が一人ぽつんと取り残された時、本来そこにあるべきでない何かを掘り返してしまうのではないか。犬が広場で腐敗した肉を掘り起こすように。そんな恐怖が見事に描かれている。」
選評出典:『文藝春秋』平成22年/2010年3月号
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芥川賞 143 平成22年/2010年上半期   一覧へ
選評の概要 人形とストップウォッチ 総行数199 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
赤染晶子 163 「アンネにとっての密告と、女子大生の間の告げ口では恐怖のレベルが違いすぎる、という意見もあった。そう、確かにその通りだと思う。ただ、赤染さんはレベルの違う恐怖の間をつなぐ、細い糸を丹念にたどっている。」「目の前の人物を最も的確に表現できるものとして、人形とストップウォッチを選ぶ赤染さんは、社会の貼るレッテルに惑わされず、人間の真実を描写できる作家であろう。」
  「最初の投票から『乙女の密告』が最も多くの点数を集め、その流れのまま受賞作と決まったのだから、結果だけ見れば穏便な選考会だったと言えるのかもしれないが、実際、議論の場ではかなり熱い言葉が行き交った。」
選評出典:『文藝春秋』平成22年/2010年9月号
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芥川賞 144 平成22年/2010年下半期   一覧へ
選評の概要 感想 総行数87 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
朝吹真理子 25 「『きことわ』の人物たちにはまるで質量がないかのようだ。」「古生代から現代まで、葉山の坂の上からマリアナ海溝まで、時は自由自在に移動するが、ふと気づくと、結局は小さな淀みの中をひととき漂っていただけなのかもしれない、という不思議な感触が残る。」
西村賢太 9 「存在感の濃さで言えば、『苦役列車』の貫多も(引用者注:『母子寮前』の「父親」に)負けてはいない。」「肉体はむせるほどの汗と酒のにおいを発し、彼自身そのおざましさを持て余している。」
選評出典:『文藝春秋』平成23年/2011年3月号
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芥川賞 145 平成23年/2011年上半期   一覧へ
選評の概要 小説らしきもの 総行数89 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
選評出典:『文藝春秋』平成23年/2011年9月号
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芥川賞 146 平成23年/2011年下半期   一覧へ
選評の概要 浮き上がってきた模様 総行数86 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
円城塔 35 「小片たちがつなぎ合わされ、一枚のパッチワークが縫い上がり、さてどんな模様が浮き出してきたかと楽しみに見つめてみれば、そこには模様など何も現れていなかった。」「もし自分の使っている言葉が、世界中で自分一人にしか通じないとしても、私はやはり小説を書くだろうか。結局、私に見えてきた模様とは、この一つの重大な自問であった。」
田中慎弥 21 「二人の男性を取り囲む女性たちは、田中さんにしか表せない存在感を放っている。」「古典的なテーマでありながら尚、新鮮な力で読み手を引っ張るのは、父親ではなく、彼女たちの生命力あふれる手と、失われた手と、義手なのだ。」
選評出典:『文藝春秋』平成24年/2012年3月号
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