芥川賞のすべて・のようなもの
芥川賞のすべて・のようなもの

第40回

=候補者=
吉村 昭
山川方夫
下江 巌
庵原高子
萩原一学
山下 宏
池田得太郎
金 達寿
林 青梧


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Last Update[H20]2008/6/1

吉村昭
Yoshimura Akira
生没年月日【注】 昭和2年/1927年5月1日〜平成18年/2006年7月31日
経歴 東京府北豊島郡日暮里町(現・東京都荒川区)生まれ。学習院大学文政学部中退。大学時代から作家を志し、中退後繊維関係の団体に勤務しながら『文学者』『Z』などの同人誌に参加。妻は芥川賞作家の津村節子
受賞歴 第2回太宰治賞(昭和41年/1966年)「星への旅」
第34回文藝春秋読者賞(昭和47年/1972年)『深海の使者』
第21回菊池寛賞(昭和48年/1973年)
第13回吉川英治文学賞(昭和54年/1979年)『ふぉん・しいほるとの娘』
第26回毎日芸術賞(昭和60年/1985年)『冷い夏、熱い夏』
第36回読売文学賞[小説賞](昭和59年/1984年)『破獄』
第35回芸術選奨文部大臣賞(昭和59年/1984年度)『破獄』
日本藝術院賞[文芸/小説・戯曲](昭和62年/1987年)
荒川区民栄誉賞(平成4年/1992年)
第21回大佛次郎賞(平成6年/1994年)『天狗争乱』
海洋文学大賞特別賞(平成12年/2000年)
従四位及び旭日中綬章(平成18年/2006年)
備考
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芥川賞 40回候補  一覧へ

てっきょう
鉄橋」(『文學者』昭和33年/1958年7月号)
書誌
>>『文藝春秋』昭和34年/1959年3月号
>>昭和38年/1963年7月・南北社刊『少女架刑』所収
>>昭和46年/1971年10月・読売新聞社刊『鉄橋』所収
>>昭和53年/1978年1月・読売新聞社刊『吉村昭自選短編集』所収
>>昭和54年/1979年5月・集英社/集英社文庫『日本名作シリーズ5 スポーツ小説名作選』所収
>>平成2年/1990年3月・学芸書林刊『透明標本―吉村昭自選短篇集』所収
>>平成2年/1990年10月・新潮社刊『吉村昭自選作品集 第1巻』所収
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
中村光夫 0  
瀧井孝作 5 「技芸アート持味など、よいと思った。」「読後何かよい味が残った。が、三カ所ほど描き足りない所があって、また、筋を作りすぎた無理も見えた。」
丹羽文雄 5 「いちばん素直に頭にのこった。が、これはあんまり面白いことが並べられている。それが欠点である。」
舟橋聖一 1 「印象に残り、」
石川達三 4 「三面記事の解説みたいな所があり、技巧だけで文学を創ろうとしているように思われ、感心しなかった。」
佐藤春夫 0  
井伏鱒二 0  
川端康成 0  
井上靖 3 「一応そつなく纏った作品だが、作品の底を流れているものが低く、読物の域を出ていないのは惜しいと思った。」
永井龍男 0  
宇野浩二 28 「なかなか変った事を書いてはあるが、それほどスリルも猟奇も感じさせられない、それは、作者が、唯、こういう小説を書こう、と、段取りをつけて手際よく、作っただけで、これを書くのに、感動もなく、打ちこんでいないからである、そのために、こんな奇怪な事件が当たり前の事のように思われ、少し目のある読者には、作り事が見え透くからである。」
選評出典:『芥川賞全集 第五巻』昭和57年/1982年6月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和34年/1959年3月号)
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芥川賞 41回候補  一覧へ

かいがら
貝殻」(『早稲田文学』昭和34年/1959年3月号)
書誌
>>昭和38年/1963年7月・南北社刊『少女架刑』所収
>>昭和46年/1971年☆月・三笠書房刊『少女架刑』所収
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
石川達三 0  
丹羽文雄 0  
舟橋聖一 2 「骨組が足りないが、前作「鉄橋」よりは読めた。」
井伏鱒二 0  
中村光夫 0  
永井龍男 0  
川端康成 0  
佐藤春夫 0  
井上靖 2 「素直さを取るが、所詮小品にすぎない。」
瀧井孝作 2 「前回の候補作に遠く及ばず。」
宇野浩二 0  
選評出典:『芥川賞全集 第六巻』昭和57年/1982年7月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和34年/1959年9月号)
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芥川賞 46回候補  一覧へ

とうめいひょうほん
透明標本」(『文学者』昭和36年/1961年9月号)
書誌
>>『文藝春秋』昭和37年/1962年3月号
>>平成2年/1990年3月・学芸書林刊『透明標本―吉村昭自選短篇集』所収
>>平成2年/1990年10月・新潮社刊『吉村昭自選作品集 第1巻』所収
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
瀧井孝作 4 「腐爛死体を解きほぐす職業などを、こんなに熱心に描いた、その動機がよくわからず、読みながら気味のわるいイヤな感じがした。明瞭に描いた、デッサンの手腕は認めるが。」
石川達三 0  
中村光夫 3 「作者の手練はたしかに感じられますが、モチイフの明かでない作品で、異常な一人物の生態が、ただのお話という、感銘しかあたえません。」
丹羽文雄 7 「この小説はよけいなことは一切書いていない。人間関係をあざやかに描いている。娘が急性肺炎で死ぬあたり、筆が足りないうらみがあったが、人間の執念をよくまとめあげてあると思った。腕のたしかな作家であるので、これまでの候補作品も考えて、推薦した。」
永井龍男 3 「因果物語に似た古めかしい読後感があった。この特異な題材を写実する、手堅い手法の中に、それがただようのである。」
舟橋聖一 8 「私には、両方(引用者注:最後に残った「鯨神」と「透明標本」)とも、そんなに強硬に支持するほどの作品ではないような気がした。」「(引用者注:宇能鴻一郎と共に)持時計が一つ足りない気がする。」
井上靖 6 「力作であることは否めない。」「力倆のある作家だと思う。併し、余り気持のいい作品ではなく、主題は同じでも、もっと違った読後感のものができないものかと思った。」
井伏鱒二 4  
佐藤春夫 14 「僕は会場に臨む前から「透明標本」と決めていた。神経の行きとどいた明快な文体とこの特異な取材との必然性を見て、これをホンモノと思い、少々都合のよすぎる筋立てもあるとは思いながらも層々として盛り上り進捗するのもよく、独自の世界を創作し得て一頭地を抜く作とする。」「風変りな取材のため正当な理解を得られなかったのは、作者のためには気の毒、賞のためには残念だが是非もない。」
選評出典:『芥川賞全集 第六巻』昭和57年/1982年7月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和37年/1962年3月号)
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芥川賞 47回候補  一覧へ

いし びしょう
石の 微笑」(『文學界』昭和37年/1962年4月号)
書誌
>>昭和41年/1966年8月・筑摩書房刊『星への旅』所収
>>平成2年/1990年3月・学芸書林刊『透明標本―吉村昭自選短篇集』所収
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
中村光夫 8 「或る水準にはたしかに達しています。ただ、それをつきぬける何かがかけていて、それが文学作品にもっとも本質的なもののように思われるのは、作者も考えてほしいと思います。」
瀧井孝作 4 「余りに小説らしく仕組んで、古くさい感じになった、これも失敗作だろう。」「「透明標本」の方がずっと佳かったが。」
石川淳 0  
永井龍男 0  
石川達三 4 「私ははじめから、今回は授賞作無しと思っていたが、その中でも「烏のしらが」や「石の微笑」や「雪」ならば、それが受賞されても特に強い反対は云わなくても済むはずだった。」
舟橋聖一 13 「(引用者注:「睡蓮」「猫のいる風景」と共に)他の諸作の素人っぽさを脱していると見た。」「前作の「透明標本」を買えなかった僕としては、こんどは抵抗なしに面白く読めた。」「すぐ女に心中をそそのかす男の癖を、虚無的な味に仕上げたこんどの出来栄は、悪くない。」「(引用者注:田久保英夫と共に)文壇的には新進作家の腕前を認められている。」
井上靖 0  
井伏鱒二 0  
丹羽文雄 4 「この小説は小説つくりの秘密の不器用なところをみせている。もっと書けるひとだ。候補ずれしないことをのぞむ。」
川端康成 0  
高見順 17 「私は推した。」「このところ毎回のように候補にあがっている。今度の「石の微笑」も決定打にはならない作品だが、力のある作家である。」「つとに「貝殻」(「早稲田文學」三十四年三月)から見られる死の影、あるいは骨への嗜好といったものは、現在の作品にもずっとつづいている。」「そこに私は注目しつつ「石の微笑」や「墳墓の谷」(「文學者三十七年四月。候補作にあげられた「石の微笑」より私にはこの方が面白かった)を読んで、推したのである。」
選評出典:『芥川賞全集 第六巻』昭和57年/1982年7月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和37年/1962年9月号)
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