芥川賞のすべて・のようなもの
芥川賞のすべて・のようなもの

第28回

=受賞者=
五味康祐
松本清張

=候補者=
近藤啓太郎
長谷川四郎
澤野久雄
小島信夫
安岡章太郎
吉行淳之介
武田繁太郎
塙 英夫


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Last Update[H20]2008/6/1

五味康祐
Gomi Yasusuke
生没年月日【注】 大正10年/1921年12月20日〜昭和55年/1980年4月1日
受賞年齢 31歳1ヵ月
経歴 大阪府大阪市生まれ。明治大学文学部文芸科卒。昭和19年/1944年応召、中国戦線に出兵。終戦後は一時、亀井勝一郎を頼って上京、定職をもたずに覚醒剤中毒になり療養生活を送る。昭和27年/1952年に新潮社の社外校正員のかたわら、同人誌『新林』に参加。のちに剣豪小説で一世を風靡する。
個人全集 『五味康祐代表作集』全10巻(昭和56年/1981年2月〜11月・新潮社刊)
備考
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芥川賞 28受賞  一覧へ

そうしん
喪神」(『新潮』昭和27年/1952年12月号)
書誌
>>『文藝春秋』昭和28年/1953年3月号
>>昭和28年/1953年☆月・大日本雄弁会講談社刊『創作代表選集 第11巻 昭和27年後期』所収
>>昭和28年/1953年4月・筑摩書房刊『年刊日本文学 昭和27年度』所収
>>昭和30年/1955年7月・新潮社/小説文庫『秘剣』所収
>>昭和31年/1956年☆月・長島書房刊『戦後芥川賞作品集 第1』所収
>>昭和31年/1956年11月・修道社刊『芥川賞作品集 第2巻』所収
>>昭和35年/1960年11月・筑摩書房刊『新選現代日本文学全集33 戦後小説集2』所収
>>昭和38年/1963年☆月・現代芸術社刊『芥川賞作品全集 第4巻』所収
>>昭和41年/1966年☆月・徳間書店刊『五味康祐選集7 女無用・喪神・秘剣』所収
>>昭和44年/1969年3月・学芸書林刊『全集・現代文学の発見 第16巻 物語の饗宴』所収
>>昭和51年/1976年8月・学芸書林刊『全集・現代文学の発見 第16巻 物語の饗宴』[愛蔵版]所収
>>昭和54年/1979年12月・講談社/講談社文庫『現代短編名作選3 1951-1952』所収
>>昭和56年/1981年2月・新潮社刊『五味康祐代表作集 第1巻 喪神・柳生連也斎』所収
>>昭和57年/1982年6月・文藝春秋刊『芥川賞全集 第5巻』所収
>>昭和63年/1988年7月・筑摩書房刊『ちくま文学の森10 賭けと人生』所収
>>平成1年/1989年8月・小学館刊『昭和文学全集 第32巻 中短編小説集』所収
>>平成3年/1991年8月・廣済堂出版刊『柳生連也斎』所収
>>平成4年/1992年1月・講談社刊『歴史小説名作館5 雲のかかる峰 戦国2』所収
>>平成6年/1994年9月・ぎょうせい刊『ふるさと文学館 第35巻 奈良』所収
>>平成10年/1998年11月・リブリオ出版/大きな活字で読みやすい本『ポピュラー時代小説 第1巻 五味康祐集』所収
>>平成12年/2000年9月・新潮社/新潮文庫『歴史小説の世紀 地の巻』所収
>>平成15年/2003年3月・新潮社/新潮文庫『秘剣・柳生連也斎』[改版]所収
>>平成16年/2004年7月・新学社/新学社近代浪漫派文庫『今東光/五味康祐』所収
>>平成17年/2005年6月・学芸書林刊『全集現代文学の発見 第16巻 物語の饗宴』[新装版]所収
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
丹羽文雄 6 「決して悪い作品ではない。しかし受賞作品としては難がある。時代小説の童話と思えば納得できないこともないが、そこに現れる哲学にしろ決闘の場面にしろ、童話的な興味をおぼえるだけで、私にはそんなに深いものとは思えなかった。」
舟橋聖一 2 「私一個としては、何ンらの感銘もない。」
石川達三 7 「佐藤、坂口、石川は認めると云い、丹羽は全く問題にしない態度だった。」「「喪神」には光るものがあるのだ。ある選者はこの中の剣法などを、出鱈目だと云った。彼は光ったものを感じなかったのであろう。」
瀧井孝作 3 「大衆小説風の面白味で、軽い才筆というのか、これは、「喪神」は、ショッキリ角力を見たような妙な感じのものでした。」
佐藤春夫 20 「授賞作は五味康祐の「喪神」か松本清張の「或る『小倉日記』伝」以外にはないと確信した。」「その練達な筆致が群を抜いて恰も幻雲斎の剣を思わせるものがある。」「これは要するに歴史小説ではなく単に史的幻想を傀儡劇のような手法で表現した特色の豊かな作品で、描写は主としてはいないが比村を斃した後の幻雲斎の風貌など甚だ鮮かに珍重である。」
川端康成 10 「選の後で読んだ。」「幻雲斎の夢想剣の精神が非常におもしろい。しかし、読後にもっと精神的な印象が残ってほしいようにも思った。行文は簡潔で鮮烈なところも見えるが、不安なところもある。」
宇野浩二 16 「(引用者注:銓衡するうち)ふと、『喪神』(五味康祐)と『或る「小倉日記」伝』(松本清張)が、浮かび上がった。「浮かび上がる」には「運」のようなものもある。」「私は、誰かが、『喪神』の中の斬り合いがうまい、と云ったのにも、不賛成であり、山中でふいに女を出したところがスバラシイ、と云ったのにも、大反対である。所詮『喪神』は、芥川賞にも程とおく、直木賞にも程とおいものである。」
坂口安吾 12 「剣士や豪傑については日本古来の伝承的話術があり、この作品はそれに即している如くであるが、実はそれに似ているだけで、極めて独創的な造型力によって構成された作品である。かかる発明はとうてい凡手のなしうべからざるところで、非凡の才能というべきである。」
選評出典:『芥川賞全集 第五巻』昭和57年/1982年6月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和28年/1953年3月号)
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