芥川賞のすべて・のようなもの
芥川賞のすべて・のようなもの

第144回

=受賞者=
朝吹真理子
西村賢太

=候補者=
小谷野 敦
田中慎弥
穂田川洋山


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Last Update[H25]2013/11/4

西村賢太
Nishimura Kenta
生没年月日【注】 昭和42年/1967年7月12日〜
受賞年齢 43歳6ヶ月
経歴 東京都江戸川区生まれ。市立中学校卒。藤澤清造に私淑。
受賞歴・候補歴
  • |候補| 第134回芥川賞(平成17年/2005年下期)「どうで死ぬ身の一踊り」
  • |候補| 第32回川端康成文学賞(平成18年/2006年)「一夜」
  • |候補| 第19回三島由紀夫賞(平成17年/2005年度)『どうで死ぬ身の一踊り』
  • |候補| 第138回芥川賞(平成19年/2007年下期)「小銭をかぞえる」
  • 第29回野間文芸新人賞(平成19年/2007年)『暗渠の宿』
  • |候補| 第35回川端康成文学賞(平成21年/2009年)「廃疾かかえて」
  • 第144回芥川賞(平成22年/2010年下期)「苦役列車」
備考
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芥川賞 134回候補  一覧へ

ひとおど
「どうで 死ぬ 身の 一踊り」
(『群像』平成17年/2005年9月号)
書誌
>>平成18年/2006年1月・講談社刊『どうで死ぬ身の一踊り』所収
>>平成21年/2009年1月・講談社/講談社文庫『どうで死ぬ身の一踊り』所収
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
河野多恵子 0  
石原慎太郎 0  
山田詠美 18 「爆笑。死語のこれでもかという連発、あまりにも古い文学臭。それもここまで極めればかえって新しい。」「意識せずに天然の心持ちで、自らを笑い者に出来る人は、天才、もしくは、ばかたれと呼ばれるが、この作者は天才ではない。かと言って、ただのばかたれでもない。愛すべき文学ばかたれである。」
村上龍 0  
宮本輝 23 「捨て難い作品だと思う。」「主人公が耽溺する作家がいかなる作家であったのか、なぜ主人公がその作家にここまで惹かれつづけるのかについては、ほとんど、というより、まったく触れられていない。私もだが、そこのところを大きな欠落だと指摘する委員は多かった。」「それにしても粘着力のある書き手であって、主人公の、女への滑稽なほどの執着を描く筆さばきは秀逸である。」
黒井千次 3 「(引用者注:「vanity」と共に)特色はあっても冗長の感を拭えない。」
高樹のぶ子 5 「主人公のやりきれない矮小さがリアル。ただなぜ藤澤清造という作家に執着するかが、描かれていない。」
池澤夏樹 0  
選評出典:『文藝春秋』平成18年/2006年3月号
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芥川賞 138回候補  一覧へ

こぜに
小銭をかぞえる」
(『文學界』平成19年/2007年11月号)
書誌
>>平成20年/2008年9月・文藝春秋刊『小銭をかぞえる』所収
>>平成23年/2011年3月・文藝春秋/文春文庫『小銭をかぞえる』所収
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
池澤夏樹 0  
小川洋子 0  
村上龍 0  
黒井千次 3 「企みと作品の仕上りとの間に隙間があるような印象を受けた。」
高樹のぶ子 0  
宮本輝 15 「支持する委員は少なかった。私も推さなかったが、小説のうまさは候補作七篇のなかでは秀でたものを感じた。ただ、内容が前作とまったく同じで、藤沢清造という作家の全集を刊行することに執着しつづける男の、その根本的な動機というものが伝わってこない。」「私は、西村氏の書くまったく別の主人公による小説を読みたい。」
川上弘美 0  
石原慎太郎 15 「私にとって一番強い印象だった」「金策の地獄というのは人間の業のからんだ永遠の主題だが、今一つの迫力に欠ける。」「あられもない金策の理由がもっと普遍的なものの方が、金にあがく人間を太宰治的な世界として描けるのではなかろうか。」
山田詠美 6 「相変わらず、卑屈さと厚かましさのコントラストが抜群。ただし、そう感じるのは、この作者の小説を読み続けて来た故。いちげんさんの読者を意識すべし。」
選評出典:『文藝春秋』平成20年/2008年3月号
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芥川賞 144受賞  一覧へ

くえきれっしゃ
苦役列車」(『新潮』平成22年/2010年12月号)
書誌
>>平成23年/2011年1月・新潮社刊『苦役列車』所収
>>『文藝春秋』平成23年/2011年3月号
>>平成24年/2012年4月・新潮社/新潮文庫『苦役列車』所収
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選評の概要
選考委員 評価 行数 評言
島田雅彦 22 「古い器を磨き、そこに悪酔いする酒を注いだような作品だ。」「社会や政治を呪うことさえできず、何事も身近な他人のせいにするその駄目っぷりだが、随所に自己戯画化が施してあり、笑える。」
高樹のぶ子 18 「人間の卑しさ浅ましさをとことん自虐的に、私小説風に描き、読者を辟易させることに成功している。これほどまでに呪詛的な愚行のエネルギーを溜めた人間であれば、自傷か他傷か、神か悪魔の発見か、何か起きそうなものだと期待したけれど、卑しさと浅ましさがひたすら連続するだけで、物足りなかった。」
川上弘美 8 「すでに自分の「型」を見つけています。その「型」を、どのように磨いてゆくのか。または壊してゆくのか。読者を裏切ることを恐れずに、これから先も何かをこころみて下さることを、期待します。」
池澤夏樹 0  
石原慎太郎 41 「この作者の「どうせ俺は――」といった開き直りは、手先の器用さを超えた人間のあるジュニュインなるものを感じさせてくれる。」「この豊穣な甘えた時代にあって、彼の反逆的な一種のピカレスクは極めて新鮮である。昔、(引用者中略)池田得太郎の「家畜小屋」という作品を褒めた誰かが、「色の黒いの七難隠す」といっていたが、この作家の特性もそれに繋がるものと思う。」
小川洋子 9 「存在感の濃さで言えば、『苦役列車』の貫多も(引用者注:『母子寮前』の「父親」に)負けてはいない。」「肉体はむせるほどの汗と酒のにおいを発し、彼自身そのおざましさを持て余している。」
山田詠美 15 「この愛すべきろくでなしの苦役が芥川賞につながったかと思うと愉快でたまらない。私小説が、実は最高に巧妙に仕組まれたただならぬフィクションであると証明したような作品。」
黒井千次 23 「主人公の奇行、愚行が必要以上に突出せず、若さによって受容され、思春期という器に収ってしまう面があるのに注目した。また、一つ一つの行為にどこかで微妙なブレーキがかけられ、それが破滅へと進む身体をおしとどめるところにリアリティーが隠されているように思われる。」
村上龍 37 「(引用者注:「きことわ」と共に)相応の高い技術で書かれていて、洗練されているが、「伝えたいこと」が曖昧であり、非常に悪く言えば、「陳腐」である」「作家は無意識のうちに、また多くの場合は無自覚に、現実と対峙し、作品はその哲学や人生の戦略を反映するのだ。新人作家に対し、このような注文をつけるのは、『きことわ』と『苦役列車』が質の高い作品だとわたしが認めているからである。」
宮本輝 26 「(引用者注:以前の候補作に比べて)主人公が外の世界、たとえば荷役会社での重労働や、そこで働く多くの人間とのつながりが描かれたことで、氏の独特の私小説世界に、息づく生な世の中が加味された。それは「苦役列車」に小説として文字どおり「面白さ」をもたらしたのだ。」「基礎的な強い文章力があればこその副産物であって、出会い頭に偶然に生まれた面白さではない。」
選評出典:『文藝春秋』平成23年/2011年3月号
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