芥川賞のすべて・のようなもの
芥川賞のすべて・のようなもの

第116回

=受賞者=
柳 美里
辻 仁成

=候補者=
町田 康
伊達一行
青来有一
デビット・ゾペティ

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Last Update[H26]2014/6/20

辻仁成
Tsuji Hitonari
生没年月日【注】 昭和34年/1959年10月4日~
受賞年齢 37歳3ヵ月
経歴 別名義=辻仁成(ツジ・ジンセイ)。東京都南多摩郡日野町(現・日野市)生まれ。成城大学経済学部中退。昭和60年/1985年、ロックバンド「ECHOES」のヴォーカルとしてデビュー。平成1年/1989年、作家デビューを果たす。バンドは平成3年/1991年に解散。
受賞歴・候補歴
  • 第13回すばる文学賞(平成1年/1989年)「ピアニシモ」
  • |候補| 第110回芥川賞(平成5年/1993年下期)「母なる凪と父なる時化」
  • |候補| 第9回三島由紀夫賞(平成7年/1995年度)『アンチノイズ』
  • 第116回芥川賞(平成8年/1996年下期)「海峡の光」
  • 函館市栄誉賞(平成9年/1997年)
  • フェミナ賞外国小説賞(平成11年/1999年)『白仏』
  • |候補| 第11回島清恋愛文学賞(平成16年/2004年)『いまこの瞬間愛しているということ』
  • |候補| 第34回川端康成文学賞(平成20年/2008年)「青春の末期」
備考
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芥川賞 110回候補  一覧へ

はは なぎ ちち しけ
母なる 凪と 父なる 時化」(『新潮』平成5年/1993年12月号)
媒体・作品情報
誌名 「新潮」  別表記表紙 「THE SHINCHO^」併記
巻号 第90巻 第12号  別表記12月号/1067号
印刷/発行年月日 発行 平成5年/1993年12月1日
発行者等 編集兼発行者 坂本忠雄 印刷者 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社(東京都)
発行所 株式会社新潮社(東京都)
総ページ数 356 表記上の枚数 表紙・目次 200枚 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×24行
×2段
本文ページ 6~66
(計61頁)
測定枚数 183
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書誌
>>平成6年/1994年5月・新潮社刊『母なる凪と父なる時化』
>>平成9年/1997年3月・新潮社/新潮文庫『母なる凪と父なる時化』
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選評の概要
候補者 辻仁成 男34歳
選考委員 評価 行数 評言
大江健三郎
男58歳
0  
大庭みな子
女63歳
0  
丸谷才一
男68歳
0  
吉行淳之介
男69歳
0  
日野啓三
男64歳
0  
田久保英夫
男65歳
0  
黒井千次
男61歳
0  
三浦哲郎
男62歳
0  
河野多恵子
女67歳
0  
古井由吉
男56歳
0  
選評出典:『芥川賞全集 第十六巻』平成14年/2002年6月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成6年/1994年3月号)
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芥川賞 116受賞  一覧へ

かいきょう ひかり
海峡の 光」(『新潮』平成8年/1996年12月号)
媒体・作品情報
誌名 「新潮」  別表記表紙 「THE SHINCHO^」併記
巻号 第93巻 第12号  別表記12月号/1103号
印刷/発行年月日 発行 平成8年/1996年12月1日
発行者等 編集兼発行者 前田速夫 印刷者 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社(東京都)
発行所 株式会社新潮社(東京都)
総ページ数 356 表記上の枚数 表紙・目次 185枚 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×23行
×2段
本文ページ 6~70
(計65頁)
測定枚数 180
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書誌
>>平成9年/1997年2月・新潮社刊『海峡の光』
>>『文藝春秋』平成9年/1997年3月号
>>平成12年/2000年3月・新潮社/新潮文庫『海峡の光』
>>平成14年/2002年8月・文藝春秋刊『芥川賞全集 第17巻』所収
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選評の概要
候補者 辻仁成 男37歳
選考委員 評価 行数 評言
河野多恵子
女70歳
10 「少年時代の同級生花井修のクラスでの立ち廻り方は、よく描けている。」「ただ、主人公の花井への二十年近い拘泥りが、私には実感が淡かった。が、そこに強い理解を示す複数の委員もあった。」「私の気のつかぬ何等かの取柄があるのかもしれないと思いもして、二作受賞に賛成したのである。」
宮本輝
男49歳
17 「一気に読んだ。」「辻氏の筆からスタミナは最後まで失われず、不可知な人間の闇を描くことに成功したと思う。」「力あまって、生硬な文章が多用されていて、そこが黙認できないという委員の意見も理解したうえで、なお、私は「海峡の光」の確固たる小説世界を支持した。」「辻氏は、作家としてのある決意を秘めて、この作品に立ち向かっている。その気迫もまた、私は読みながら感じつづけることができた。」
丸谷才一
男71歳
23 「(引用者注:「家族シネマ」より)もつとリアリティがない。」「この語り手の教養に合せて文体を選んだと見るのならば、これだけ言語能力の低い者の一人称で小説を書かうとした作者の責任が問はれなければならない。」「小説全体もこの文章にふさはしく意味不明で、主人公行状も語り手の感慨もいちいちわけがわからなかつた。」
日野啓三
男67歳
13 「いささか生硬な漢文的スタイルの文章が、奥行のある硬質の小宇宙(独房がその核だろう)を構築している。」「主要登場人物の心理と行動の変化の点で構成上の欠陥がないわけではない。自然に納得し難い飛躍があるのだが、にもかかわらず小器用にまとまった佳作以上の迫力と魅力があることを納得せざるをえない。」
石原慎太郎
男64歳
15 「氏の作家としての力量を感じさせる幅も奥も深い作品である。人間の心、というよりも体の芯に潜む邪悪なるものの不可知さに正面きって向かい合い厄介な主題をとにかくもこなしている。」「ある選者はこの男(引用者注:花井)の衝動は理解出来ないし、作者もそれを描き切れていないといったが、理解できぬ人間の本性の部分を理解を求めて描く必要がある訳はない。」
古井由吉
男59歳
14 「ようやく自分の文学を立ち上がらせた力動が文章そのものから感じ取れる」「イジメ・イジメラレの関係から、人間の「悪」をめぐる関係へ至るまでの、表現の距離は長い。」「しかし独房中の男の描出は、言葉が徒労になりかけるが、空白に近い表現の緊張に支えられて、立っているではないか。とにかく立ち上がらせた。出発点である。」
黒井千次
男64歳
23 「以前に候補作となった「母なる凪と父なる時化」に比べて格段の飛躍が認められた。」「焦点は、(引用者中略)受刑者の不可解な行動をいかに捉えるかにあったろう。作者はそれを不可解なものとして扱う姿勢を貫いているが、読者はその奥にひそむものを知りたいと感じる。」「この力作は、作者にとっての貴重な踏み台であり、また現代の世界の一断片を示す小説としての可能性を孕んでいる。」
池澤夏樹
男51歳
15 「一番の問題は、中心人物の内面を描きえない設定を最初にしてしまったことにある。会話が禁じられている刑務所の中で、看守である語り手が囚人である当の人物の複雑で矛盾を孕んだ心を論ずるのはむずかしい」「敢えて古めかしい、硬い、作者自身が使い慣れているとは思えない文体を採用した点も認めがたい。」
三浦哲郎
男65歳
13 「堅固な砦を思わせるような作品である。さあ、どこからでもこい、これが受賞しなければ芥川賞とは一体なんだ、という自信と気概も感じられる。ところどころ美文調に陥ったり(引用者中略)、語尾にのだった(原文傍点)が頻出する嫌いがあるが、作品の評価を揺るがすほどではない。」
田久保英夫
男68歳
13 「波濤や船の航行の描写などに、逞しい筆力を感じた。しかし、この作品にはつねに二面があって、(引用者中略)囚人は「邪悪」で、「悪魔」的とも描かれるし、逆に「大仏」のようにも、「超俗」した者にも描かれる。この両面に、読む側は刑務官自身の言うように、すべて「妄念」ではないか、とも思えて、人物の統一像が結ばない。」
選評出典:『芥川賞全集 第十七巻』平成14年/2002年8月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成9年/1997年3月号)
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