多 重 債 務 の 解 決

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  はじめに
     最近(2003年3月)、このホームページを通じてのご相談が何件か続きました。
 いずれも、多重債務についてのご相談でした。
 このホームページには、これまで業務に関することはほとんど記載していませんでした。
 いずれは「役に立つ」ホームページを目指しながらも、怠慢で、手をつけていませんでしたが、多重債務問題は需要が多いようなので、まずはこれについて。
     裁判所での自己破産事件の数は、うなぎのぼりの一方です。
 サラ金やローンなどからの債務が累積し、収入の大半を返済に向けても追いつかず、返済のためにさらに借入をするという悪循環に陥っている人は、想像以上に多いと思われます。
 長引く不況で、リストラ・失業はもとより、残業の減少や賃金カットなどでの収入減、不時の必要があっても、銀行は庶民には貸してくれない。
 結局、高利とは知りつつサラ金に頼ってしまう。
 繁盛するのはサラ金ばかり。
 私は、この仕事は20年を超えますが、多重債務は、お金にルーズな人だけが陥る不幸とは言えなくなって来ているのが、最近の特徴のようです。
     「たまにはババーンとやらなきゃ。」などと、安易に高利の借金をけしかけるテレビCMを見ていると、腹が立ちます。最後に付け足しのように「ご利用は計画的に。」などと言ったところで、一般消費者を食い物にしようとしていることに変わりがありません。
 どんなに可愛い犬でも、高利の借金をしてまで買うものでもないでしょうし、高利の金を借りてガールフレンドにいい格好をしなさいと勧めるなど、言語道断です。
 あとでも触れると思いますが、「浪費」による債務増加は、破産手続でも責任が免除されないのです。
     
  解決方法
     今ある債務を、返済期間を延ばして(つまり、毎月の返済額を減らす)もらったり、あるいは多少減額してもらうことができれば、返済することができるという場合と、もうとても追いつかないという場合とでは、解決方法は異なります。
 前者の場合は、「個人再生」や「特定調停」という裁判所の手続か、裁判所の手続を用いない「任意整理(内整理ということもあります)」によることになります。
 後者の場合には、「自己破産」によることになります。
     前者か後者か、どちらの方法をとるかは、債務総額や債権者数、収入の程度、特に安定度にもよります。
 具体的に、弁護士に相談して下さい。
     
  任意整理
  (1)  一括払いと分割払い
     もし、親戚などから借りるなど、まとまったお金が準備できるなら、減額してもらって一括払いするという方法も可能です。
 ただし、相手のあることですから、減額交渉がうまくいくかどうかは、あまり楽観しないで下さい。
     もう既に、親戚には迷惑をかけていて、これ以上の依頼は無理だという場合、親戚だってこの世の中で決して楽ではないという場合、収入に応じた返済月額の範囲内で返済計画をたてて、債権者と分割払いの交渉をすることになります。
     ただ、ここで注意を要するのは、「安定的に」返済できる金額を設定することです。
 現在の苦境から逃れるためなら、「今よりまし」な線を出しがちですが、それでは続きません。
 生活費を充分考慮して、確実な返済月額を設定することです。
 それがあまりに低いときは、整理をあきらめて自己破産を選択することもやむを得ないということです。
  (2)  弁護士への依頼
     これらの債権者との交渉は、もちろん自分でやってもいいことですが、弁護士は、この交渉を委任されてこれにあたることもします。
 「借りた弱み」から、ついつい債権者の要求に負けてしまいそうだったら、弁護士に依頼する方がよいと思われます。
     弁護士は、高利の利息を利息制限法という法律に定められた利率で計算しなおして返済額を設定することを基本に交渉しますので、それだけでも返済額が減ることが、けっこうあります。
     また弁護士に依頼された場合は、弁護士は、受任と同時に債権者に対して通知を送付しますので、これで大半の業者からの直接の取立てなどはなくなることが期待されます。
     費用ですが、着手金は、債権者1社あたり2万円程度とお考え下さい。 それに、債権者への通知のための通信費などの実費が加わります。
 解決がついた場合に報酬が発生しますが、減額できた額や、分割の回数などによりますので、ご相談下さい。
     弁護士費用の分割払いができるかどうかは、弁護士により違うと思いますので、ご相談下さい。
 私の場合、正直言いまして、分割払いは歓迎こそできませんが、少なからぬ実例があるのも事実です。
  (3)  債権者からの取立て
     任意整理を弁護士に依頼された場合は、弁護士は、受任と同時に債権者に対して通知を送付しますので、これで大半の業者からの直接の取立てなどはなくなることが期待されます。
     
  個人再生
     追って、ご説明します。
     
  自己破産
  (1)  自己破産と債権者破産
     「破産法」という法律に基づく手続です。
 破産の申立は、債務者自身からもできますし、債権者から申し立てることもできます。
 債務者自身が申し立てる場合を「自己破産」といい、これとの対比で債権者から申し立てた場合を「債権者破産」と言いますが、この呼び方はいわゆる「俗称」で、法律上区別があるわけではありません。
 ここでは、債務者自身が申し立てる場合を念頭においてご説明します。
     「破産申立書」という書類を作成して、裁判所から「破産宣告」という決定を出してもらいます。
 破産決定を出すにあたって、裁判所は申立人(つまり債務者)から直接事情を聴取します。これを「審尋」といいます。
 新しい運用では、この審尋を省略することがあります。
  (2)  同時廃止と破産管財人
     破産手続の本来の姿は、裁判所が「破産管財人」を選任して、この管財人が債務を調査し、債務者の財産を換価処分してそのお金を配当するという実務にあたります。
     しかし、見るべき財産がなく、はじめから債権者への配当の可能性がないことが分かっている場合は、破産管財人を選任せず、破産宣告と同時に破産手続を終了させることがあります。
 これを「同時廃止」と言います。
 「廃止」という言葉が使われますが、破産手続は取り消されてしまったわけではありません。
     ただ、いくら財産がないと言っても、申立人(債務者)が経営者(自営)の場合には、破産管財人だ選任されることがあります。
 給与所得者の場合には、収入が明らかなので、財産のないことが比較的わかりやすいのですが、自営の場合には、儲かっていたときに財産を取得していた可能性がありますし、売掛金・買掛金などが錯綜して複雑だから、とりあえず管財人を選任して調査させるというわけです。
 管財人が調査して、やはり財産のないことが確認されたら、その時点で破産手続は終了(廃止)となります。
 これを「異時廃止」といいます。
  (3)  免責
     さて、破産宣告だけでは、仮に破産管財人が選任されて債権者への配当まで行ったとしても、それだけでは債務は法律上残っています。
 法律上債務をなくするためには、裁判所から「免責」という決定がなされる必要があります。
 したがって、破産を申し立てるときには、同時に免責の申立もするのが通常です。
     破産宣告は、弁済が可能かどうかということだけで出してもらえますが、免責決定は常に出してもらえるとは限りません。
 どのような場合に免責が得られないかは、破産法という法律に規定されています。
     例えば、財産を隠して破産申立をした場合がそうです。この場合には、「詐欺破産罪」とい犯罪に問われることもあります。
 莫大な借金を消してしまおうというのですから、せっかくの財産だからこれだけはこっそり残しておこうなどとは決して考えないで下さい。
     だまして信用させたような場合にも、免責されません。
 「借金仲間」などには、偽名を使ったり、生年月日をいつわったりすればまだ借りらるれるよ、というとんでもないアドバイスをする人もいるようですので、ご注意下さい。
     免責の障害となることが多いのは、「浪費」です。
 男性に多いのはギャンブル、女性に多いのは貴金属や高価な着物の購入などです。
     これら免責のされない事由は、程度問題でもありますので、弁護士にご相談下さい。
 ただ、弁護士には、不利と思われることもきちんと離しておいて下さい。
 黙っていても、債権者から異議が出たりして、結局手続上問題になることも多く、弁護士には初耳だったりすると、対応がむずかしくなってしまいますので。
     免責を許可するかどうかの調査・審理のため、裁判所が申立人(債務者)から直接事情を聴取します。
 これを「審尋」と言います。
  (4)  弁護士への依頼
     破産や免責の手続も、自分ですることはできます。
 必ず弁護士に依頼しなければ手続できないというわけではありません。
     破産申立書の作成や必要書類の整理など、弁護士に依頼したほうがいいのは間違いないでしょう。
 免責への見通しや対処などのこともありますし、特に最近では、破産件数の増加から、裁判所が効率的に処理するため、申立書や添付資料についての裁判所の要求が増えている現実もありますので。
     弁護士は、書類の作成・提出だけでなく、原則として裁判所での破産審尋や免責審尋にも同行します。
 裁判所との協議にもあたります。
     費用ですが、着手金は、同時廃止になるような事案では30万円程度とお考え下さい。
 それに裁判所に納める費用や債権者宛通知などの通信費などの実費が3〜5万円程度必要です。
 手続が全て終わった時点で報酬が発生しますが、その金額は事案にもよりますので、ご相談下さい。
     破産管財人が選任されるような事案は、同時廃止の事案より多少なりとも複雑な事案が多いので、弁護士費用も上記の金額より増えると思われますが、債権者数や負債額など具体的な状況によりますので、ご相談下さい。
     弁護士費用の分割払いができるかどうかは、弁護士により違うと思いますので、ご相談下さい。
 私の場合、正直言いまして、分割払いは歓迎こそできませんが、少なからぬ実例があるのも事実です。
  (5)  債権者からの取立て
     破産申立を受理した裁判所は、債権者に対する意見聴取などで文書を送付しますが、裁判所が取り立てを禁止するなどしてくれるわけではありません。
     破産手続を弁護士に依頼された場合は、弁護士は、受任と同時に債権者に対して通知を送付しますので、これで大半の業者からの直接の取立てなどはなくなることが期待されます。
     
  ヤミ金
     暴利・無認可営業など、違法な金融がこのところ蔓延しています。
 これについても、追ってご説明します。