事務所風景 第3話 高校生の事務所見学

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 中西の出身校である大阪教育大学附属高等学校天王寺校舎では、2001年から、「インターン・シップ」と題して、毎年3月に、新学期に3年生になる生徒に、興味のある職場を見学するという企画が実行されるようになり、当事務所に4人の高校生が見学に来ました。
 人生の進路を決める重要な時期に、現場を見てみることはたいへん意義のあることで、さすがは我が出身校と、喜んで受け容れた次第です。
 何よりも、私自身が弁護士を志した当時のことを思い出し、気分を新たにする好機となりました。

 4人の高校生から感想文が寄せられていますので、ご紹介します。

■ 天 野 匡 人 君

   御忙しい中貴重な時間を割いて頂いて本当に有難う御座いました。将来法学系に進もうと思っていたので、このインターンシップという絶好の機会に法律を扱うスペシャリストである弁護士とはどのようなものかを知ってみたくなったわけです。
 そして、いざ法律事務所に御伺いしみると゛まさに″と言った感じの環境でした。まず第一におびただしいほどの法律関係の書物に囲まれた事務所に憧れの気持ちと同時に、畏怖の念をも感じました。その後、先生が弁護士の仕事とはどういうものかを熱く語られたときは、感嘆することばかりだったです。

 弁護士は独立性の強い職業だと強調されていた点が非常に印象に残っています。しかし、裏を返せば何もかも自分の手で道を切り開いていかなければならないのだから、意志力のない僕にとっては困難な道であるかのように見えました。しかし、正義感さえ備えていれば人々の人権を守ることが出来るというのはなんとも魅力的です。当事者同士の紛争の解決だけでなく、社会的な活動、例えばあのメルボルン事件のような国際性の強い問題にも携わることが出来るというのにも興味をひきつけられました。かねてから楽しみにしていた法廷の傍聴では、裁判官の方が身振りを交えながら陳述されていたのに驚きました。(案外人間味があるものですね。)昼の休みにテニスをする裁判官が多くて時々法廷の始まりが遅れると聞いたときはおかしかったです。

 事務所では司法修習生予定の方にもお会いすることが出来、実体験としての法曹界を垣間見ることが出来ました。司法試験のことや大学受験のことまで色々とお話して頂いて嬉しかったです。弁護士が不足していることを強調されていたのが気になりました。夕食会でも法律についての話題が飛び交い、非常に有意義なものとなりました。

 僕自身、目まぐるしく変動する社会の中で、秩序を維持し、土台となるものは法であると思っています。インターンシップとしては何か自分の力を試したいという気持ちもありましたが初めての社会体験は今までの人生にない、極めて新鮮な出来事として今後の人生の指針にさせて頂きます。

■ 西 尾 彩 さん

 私は今まで、弁護士の方に会ったことがなく、弁護士の仕事についても、どういうものなのかあまりイメージもできませんでした。今回、弁護士の仕事についてお話を聞かせていただいたり、実際に仕事をされているところを見学させてもらったりして、弁護士を前よりも身近に感じられるようになりました。

 私は、小学生の頃から外交官になりたいと思っていたのですが、今回インターシップに参加し、弁護士もやりがいのある仕事だなと思い、弁護士にも憧れるようになりました。

 一日目に聞かせてくださったお話の中で一番印象に残ったのは、“どんなに重い罪を犯した極悪人でも、法律で保障されている権利は守らなければならない”ということです。私はオウム真理教が問題になった時、“どうしてこんなに悪い人を弁護する人がいるのだろう”と思い、その答えが出せずにいました。今回、お話を聞かせていただき、“そうか。なぜこんな簡単なことが分からなかったのだろう。”と目からうろこが落ちたように感じました。

 また、増えつつはあるが、まだ女性の司法試験合格者が少ないこと、女性は家庭へ入るべきだと考える人もいることなどを知れてよかったです。

 まだ高校生で男女差別なんてうけたこともなく、また社会へ出れば差別をうけるかもしれないことなど、あまり考えたこともなかったので、よい刺激になり、だからこそがんばらねば、と強く思うようになりました。

 また暴力団のところへ乗り込んでいったことがあるというお話を聞き、弁護士の力はすごいのだなと思い、感動しました。

 二日目に法廷傍聴へ行ったのも、とても良い経験になりました。いつでも傍聴できるとは言っても、やはり1人では入りづらいし、またどのような事件なのか知らなければ、何を話しているのか全く分からないだろうから、どのような事件なのか、また裁判はどのように進んでいくのかなど、傍聴する前にお話を聞けたのはためになりました。

 またいただいたメルボルン事件についての冊子を読んで、こんなことが現実にあるのだということにとても驚き、また激しい怒りを感じました。
 私はこの冊子を読むまで、この事件について全く知りませんでした。もっとたくさんニュースを読んだり聞いたりしなければと思うと同時に、日本のマスコミも、もっと大きく取り上げるべきではないかと感じました。
 松本サリン事件でもそうでしたが、マスコミというのは本当に大きな力を持っています。そのマスコミがもっと大々的にこの事件を報道すれば、支援したいという人ももっとたくさん出てくるのではと思います。
 また陪審員制度がどのようなものなのか詳しくは知りませんが、メルボルン事件においては、マスコミの影響を多大に受けたようなので、日本での陪審員制度の導入に少し疑問も感じました。
 またこの事件はひどすぎると感じると同時に、日本も外国人に対して同じようなことをしてはいないだろうかと不安になりました。アジア人に対する差別が今でもまだ残っていることなども含め、外交官や弁護士を目指すには、また大人になるには、まだまだ勉強すべきことがたくさんあるなとも感じました。

 インターシップに参加する前は、弁護士はあまりにも自分からかけはなれた存在で、参加するのも少しこわいように感じていたのですが、いろいろなことを気さくに話してくださったり、焼肉までごちそうしていただいたりして、とても楽しく、また勉強になり、今は参加して本当によかったと思っています。
 二日間、とても貴重な経験をすることができました。
 本当にありがとうございました。

■ 比 江 島 槇 さん

 今回の体験では、本当に多くのことを学ぶことができました。
 私は昔から弁護士になりたいという志望はあったものの、実際にはどのような仕事をしているのか、どうしたら資格が取れるのか、などについては少ししか知りませんでした。しかし、今回の体験で事務所や法廷を見せていただき、また先生から多くのお話を聞かせていただくことによって、テレビや本からでは分からないような仕事や生活について知ることができました。
 また、弁護士という仕事や法律についてさらに興味を持ち、もっと学びたいと思いました。司法試験の話や、先生が担当なさった法廷のお話など、ためにもなるし、めったに聞くことのできないお話も、とても楽しく聞かせていただきました。

 実際の事務所や法廷は、テレビで見るようなものとは全く雰囲気が違いました。緊張感はあるのですが、テレビで見るよりもずっと身近なものに感じられました。法廷は思ったよりも淡々としていましたが、そのせいか「仕事」というイメージがより強かったです。

 弁護士という仕事に対して、先生は「後悔はしない」と言われました。それを聞いたとき、先生の堂々とした姿を見て、先生はこの仕事に誇りを持っているのだと感じました。自分の信じた道に生き、誇りを持つことができる生き方はとても素敵だと思いました。

 本場の仕事を見て、その空気に触れて、とても貴重な体験ができたと思います。忙しい時間を割いて下さって、ありがとうございました。この二日間で、自分の目標がより明確になったように思います。高校生のうちからこのような体験ができ、とても幸せだと思います。この体験を活かせるよう、これからがんばっていきます。本当にありがとうございました。

■ 森 建 君

 先日は色々お世話になった上に焼き肉までごちそうして頂き、ありがとうございました。まず弁護士事務所の本棚等を見させて頂いて、あんなにたくさん法律の本が並んでいるのには驚かされました。さすが法律のエキスパートだなあ、と思いました。と同時に弁護士という仕事に対するあこがれが一段と強くなりました。

 次にお話を聞かせて頂いて、決して楽な職業ではないのだなあと言う事がわかりました。弁護士という職業は特別な資格が必要という事もあってなんとなく高価な仕事というイメージがあり、資格をとれば割と楽に収入を得られるものと思っていました。でも弁護士になった後でもどんどん変わって行く法律に対応していくために勉強し続けなければならないし、一度に抱えてる裁判の数も多く、あと平和運動など社会運動などもこなすのですごく大変な仕事だということがわかりました。最後に裁判を見させて頂いて、思ったよりも堅苦しいものではなく早く終わることにびっくりしました。でも映画のような派手なやりとりは無かったけどお互いの駆け引きには強く魅かれるものがありました。

 今回インターンシップという形で弁護士という職業に触れさせて頂き改めて魅力的な仕事だなあと思いました。これから弁護士になれるよう幅広い視野と深い教養を見に付けていきたいとおもいます。インターンシップの間親切にして頂いてほんとにありがとうございました。