煙草(岐阜県・Sさん)


最近は煙草を吸っていると肩身が狭い思いがします。

禁煙コーナーはどんどん増えるし、嫌煙権とかいうものが広まるし、「煙草を止められないのは意思の弱い証拠だね」などと、この間まで吸っていた奴から偉そうに言われたりします。

ポイ捨てとかマナーの悪い奴も確かにいますが、こちらの煙草を吸う自由くらいは尊重していただきたいものです。

体調的には、すこぶる快調で健康だけが唯一の私の自慢です。

快食快眠、なのでよく怪談などで語られる金縛り、という物にもあったことがありませんでした。

ところが先日、出張であるホテルに泊まった時に、初めて金縛りに遭いました。

胸の上になにかが乗っているような気はするし、部屋がグルグル回っているような感じもあるし、枕もとで誰かが見下ろしているような雰囲気もあります。

しばらく悪戦苦闘して、やっと金縛りが解けて目が覚めました。

「なるほど。これが金縛りか。ずいぶんと気味の悪いものだ」などと改めて変に感心したものです。

気を落ち着ける為に、枕もとにあった煙草に火をつけました。

ふぅーっと煙を吐き出すと、
 その煙が小さな人の形になって
  両手を広げて顔面めがけて襲ってくるではありませんか!

あの時は初めて、煙草は止めようかな、と思いましたよ。



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