仲良しで居たいね(第4話) DreamMakerサンプル小説
冬休みが終わり、仕事の忙しさも一段落した一月の半ば過ぎ、店は改装の為に数日のあいだ休業する事になった。
そんなある日の学校帰り。通りを歩く
の後ろから、一台の車がクラクションを鳴らした。
振り返ると、それは
の運転する車だった。
の横で止まると、ウインドウを開けて話しかけた。
「
ちゃん、学校終わったの?」
「ええ」
「乗ってかない?駅まで送るよ」
空はどんより曇り、小雨が降り続いていた。フロントウインドウに雨粒がひとつ、またひとつと落ちてくる。
溜まった雨粒をワイパーが拭き取ってゆく。
は助手席に座りながら、その繰り返しをじっと見つめていた。望美との関係や、ほかに彼女がいるのかどうか、
はそのことを気にしていた。
できることなら
から直接聞いてみたい。しかし、そんな事ができるワケもなく、ただ黙り込むばかりだった。
がフロントウィンドウから空を見上げて呟いた。
「夕方から雪になるらしいよ」
は無言のまま、同じように空を見上げた。低く暗い空の色は、
の心を不安にさせた。
「最近、望美ちゃんとうまくいってないみたいじゃない。一体、何があったの?」
突然の
の問い掛けに、
は一瞬びっくりした表情で
の顔に目をやった。
は事情を理解していないのだ。二人が絶交状態になった理由を。
「ごめん!答えたくないなら、無理に答えなくていいんだ。何か余計な事聞いちゃったかな」
が"申し訳ない"とゆう表情を見せる。うつむいてしまう
に、
は問い掛けの理由を語った。
「みんな心配してるんだ。店の連中がさ」
無言のまま、じっと指先を見つめ続ける
。
は続けた。
「ぜんぜん口もきかないし・・・。
ちゃんと望美ちゃんは親友同志なんでしょ。何があったか知らないけど、親友は大事にしなきゃ」
無言を続ける
。彼女は、その原因が
自身なんだとゆうことを、声に出して言いたかった。
あなたを、二人ともあなたを好きになってしまったから、と。
しかしその時、
の話から、
の頭の中にひとつの疑問が浮かび上がった。
ひょっとして、望美と
は付き合っていないのではないか。もし付き合っていれば、二人の間にそんな会話はあっていいはずだ。
は何も知らないらしい。
の脳裏に、一筋の光明が見えた。こうなったら、どんな手を使ってでも聞き出したい。望美と
の関係を。
は二人の間に何もないことを願った。
車は駅に近ずくにつれて渋滞に巻き込まれ始めた。
「困ったなあ、この辺裏道ないんだよなあ」
渋滞を嫌がる
に対し、
は車が動かなくなることを歓迎したい気分だった。
このまま時間が止まればいい、とさえ思った。
歩道を歩く人々がさす傘が、様々な色で混じり合いカラフルに見えた。でも、そこには明るさが感じられない。
すべてが暗く陰湿に思えた。
は、
に顔を向けると突然切り出した。
「あの、いいんですか、あたしなんか乗せちゃって。ここ、彼女の指定席じゃないんですか」
は半分困ったような顔をしながら、にこりと笑って答え返した。
「彼女、いないんだ。いま。もう半年になるなぁ・・・」
は、
の口から出た言葉をすぐには信じられなかった。
予想とはまったく逆の答えで、それを期待してはいたが、正直言って拍子抜けしてしまったのだ。
しかし、少しずつ時間を置くごとにその実感が高まってきた。
の表情にも次第に笑顔が戻ってきた。
望美はもちろん、それ以外にも付き合っている子はいないんだ。
そう思うと、歓喜して飛び上がりたい気持ちになった。
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