アイランド音楽の旅【ケルトの国アイルランド】


Maighread
Triona

2001年から[アイランド音楽の旅]シリ−ズがスタ−ト!
世界の大洋に浮かぶ“島々の音楽”を紹介して参ります。

第1回は、世界有数の民謡の宝庫である大西洋の緑の島
[アイルランド]からアイリッシュ・ヴォ−カルの最高峰と称される
「モレ−ト&トリ−ナ」姉妹が来日し公演を行います。
歌の幾つかはゲ−ル語(ケルト語)で歌いますが、その豊穣でふくよかな歌唱は
ニュ−ヨ−クタイムズ紙に「輝かしい存在」と絶賛されました。
ステ−ジでは伝統楽器であるフィドル、ホイッスル、
アイリッシュ・ハ−プ、アコ−ディオンなどの名演が多いに期待されます。

ステ−ジでは「アイルランド風景」も紹介いたします。

●予定曲目

シューリ・ルゥ
(ピーター・ポール&マリーの
「虹と共に消えた恋」原曲)

スペインの乙女

クラウディの岸辺

キャン・ドゥランの砂丘

愛らしい少女、他

トリーナ・ニ・ゴーナル(写真左)
Triona Ni Dhomhnill

モレート・ニ・ゴーナル(写真・右)
Maighread Ni Dhomhnill
2001年6月7日(木)
香川県民文化ホールにて


料金/5,000円



モレート&トリーナ姉妹

●伝統音楽の宝庫ドニゴール地方の伝承歌を伝える音楽一族の出身

アイルランド伝統音楽は、古くから人から人へ口伝えに伝承されてきました。モレートとトリーナは首都ダブリンの出身ですが、アイルランド北西部にある伝統音楽の宝庫ドニゴール地方(カウンティ・ドニゴール)の出身でアイルランドの伝統歌の収集家であった父親と伝統歌手の叔母からその音楽的基礎を授けられました。ドニゴールに住む叔母は、膨大なレパートリーと優れた歌唱で姉妹をうたの世界に導き、姉妹のレパートリーの大半を伝えてくれた人です。音楽一家に生まれた5人の兄弟姉妹のうち、トリーナが姉(上から三番目)、モレートが妹(同四番目)です。姉妹の兄ミホール(同二番目)もミュージシャンで、今回も一緒に出演します。(一番上の兄と末弟は音楽以外の職業についています。)

●ゲール語(アイルランド語)の美しい響き

ドニゴール地方は、モレート&トリーナ姉妹の他に、エンヤや他の多くの伝統音楽グループのメンバーの故郷でもあり、アイルランドの伝統音楽の宝庫です。それは、ドニゴール地方が日常的にゲール語(アイルランド語)を話す地域であることと深い関係があります。アイルランドの伝統音楽の歌はほとんどゲール語で歌われるので、その独特の唱法はゲール語の響きをより美しくきわだたせるのです。現代の都市生活では、生活が音楽と切り離されてしまっていますが、アイルランドの伝統音楽においては、生活の中に音楽が溶け込んでおり、生活の中で用いられる言葉と音楽は切り離すことができないのです。アイルランドでは、ここ10年ほどの間に伝統文化の復権のためにゲール語の復興が国を挙げて取り組まれており、それがアイルランド伝統音楽のリバイバルブームを支えているのです。

●モレート&トリーナのCDとこれまでの来日公演

モレート・ニ・ゴーナル『ノー・ダウリィ』

アイルランドだけでなくヨーロッパ各国でもヒットとなった『ノー・ダウリィ』(1991年)がよく知られています(日本での発売は1997年)。1997年には、ドーナル・ラニー・バンドのゲストシンガーとして来日しています。

トリーナ・ニ・ゴーナル『トゥリーナ』

ソロ・アルバム『トゥリーナ』(1975年)が最近になって日本で発売されました(1997年)。また、遊佐未森コンサートに出演のため来日したことがあります(1997年)。



近年世界的ブームとなったアイルランド音楽とは


●世界的に注目されているアイルランド音楽とダンス

いま、世界的にアイルランドの音楽とダンスが注目を集めています。中でも、幻想的な美しさの中に心地よいやすらぎを与える癒し系のサウンドで世界的に人気の高い女性ボーカリストのエンヤの音楽は、妖精の国としても知られるアイルランドの神秘的なイメージを高め、今日のアイルランド・ブームを生み出すきっかけとなりました。また、スピリチュアルで力強いサウンドで知られるロック・バンドのU2も世界的によく知られています。一方、アイルランドの伝統的な音楽とダンスをもとに、洗練されたミュージカル・エンタテインメントとして作品化した「リバーダンス」が世界的に大ヒットしたこともアイルランド・ブームの広がりに拍車をかけました。この「リバーダンス」は、日本にも1999年に初来日して旋風を巻き起こし、早くも翌2000年に再来日しています。


●アイルランド音楽の主流は、伝統音楽(トラディッショナル・ミュージック)

ただし、エンヤやU2の音楽がアイルランド音楽の典型というわけではありません。アイルランドの音楽の主流は、ケルトの伝統に根ざした伝統音楽なのです。これまでにも、「アルタン」や「チーフタンズ」などの数多くの伝統音楽バンドがアイルランドの伝統音楽の素晴らしさを世界に紹介してきました。それらの多くは、古くからの生活に根ざした伝統音楽でありながら、現代的なポップな感覚も併せ持っています。そして、モレート&トリーナ姉妹の音楽はそのような特徴をもっともよくそなえた、親しみやすいものなのです。

●アイルランド音楽は、アメリカン・ポップスの源流

19世紀半ば、極度の飢饉に見舞われたアイルランドから、大量の移民がアメリカに渡りました(注1)。その後、アイルランドの伝統音楽は、アメリカのカントリー/ブルーグラスミュージックに直接的な影響を与えました。1960年代のアメリカン・フォークソングにも、ジョーン・バエズの「西部の百合」やピーター・ポール&マリーの「虹と共に消えた恋」などに見られるようにアイリッシュ・フォークソングが取り入れられています。いわば、アイルランド音楽は、今日のアメリカン・ポップスの源流といってよいのです。

また、今日多くのミュージカルにかかすことのできない要素となっているタップダンスも、もともとアイリッシュ・ダンスが起源だと言われています。

注1:現在アイルランド及び北アイルランドに住む人たちの人口は500万人ほどですが、アメリカには2000万人を超えるアイルランド移民の子孫が住んでいます。