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 ジンバブエ通信 2002年8月

■ジンバブエ人的特徴紹介

 こちらに赴任してからかなり悩まされたのがジンバブエ人的な特徴です。(今はだいぶ慣れました‥) 日本人との違いがよくわかると思うので、いくつか紹介します。

その1 ジンバブエ人的事務処理 − 銀行の口座の開設でもこんな具合! −

 会社から給料をもらうために銀行に口座を開設しなければなりません。そこで、英国系で一番信頼が高いというスタンダード・チャータード銀行に口座を作ることにしました。

 銀行ですから他の企業に比べたら、いろいろな事務処理ははるかにマシなわけですが、現状は以下です。

・普通口座ができるまでに1週間。(申し込みの時に既にデポジットとして給料を入金)

・1週間後に銀行のカードをもらってお金を引き出そうとしたが使用不可。 仕方なく、窓口で給料を下ろそうとしたが、口座にお金はないとのこと。(私のお金はどこへ行ったんだ〜!)

・支店のトップに話をして、やっと窓口で「自分のお金」を下ろすまでにさらに2日。

・普通口座と同時に申し込んだ当座預金口座ができるまでさらに2ヶ月。(こちらで生活するのに小切手が必須) この間、毎回窓口に行列してパスポートを見せて、お金を下ろすこと2ヶ月。(この間、なんども復旧を試みるが銀行カードは使用不可)

・諦めて、新しいカードができたのがさらに1ヶ月後。(ただし、これも最初は使用不可! どうなっているんだ?)

・最終的に預金口座、小切手、カードがまとも使えるまでに3ヶ月強!! 私はこの手続きのために銀行に数十回は通ったことになります。


 ちなみに、電話の開通までは3ヶ月(外人なので特別に早いとのこと)、携帯電話は2つの会社に申し込み、4ヶ月以上たっても手に入りません。(事務効率はもとより、ハード的に足りないことも原因ですが‥) また、いろいろな請求書も必ずと言ってよいほど金額に間違いがあります。それをさらに修正するのが、これまた大変な作業で今まで完全に直ったことはありません。

 
その2 ジンバブエ人的作業 − 鉄格子は飴細工? −

 ムタレは比較的安全な町ですが、最近は泥棒がよく出没するので窓や入口には鉄格子が必須となってきています。私の家には赴任時鉄格子がなかったので、すべての窓と入口に鉄格子を設置することにしました。

 業者を呼んで半日ががりですべての窓と入口の寸法を念入りに測っていきました。彼らの工場でその寸法に合わせて鉄格子を作ってくるとのこと。

 1ヵ月後、鉄格子を満載したトラックと共に業者がやってきて、鉄格子を設置しようとしました。ところが、その鉄格子は一つとしてサイズが合うものがないのです!驚いたことに数すら合わないではないですか!!

 私が呆れて見ていると、業者は慌てる様子もなく平然としています。すると、慣れた手つきで鉄格子を窓枠にあてて、石でチョチョイと印をつけると、トラックからひょいとガスバーナーを取り出して、庭の芝生の上でまるで飴細工でもするように、真っ赤な火花を上げながら鉄格子を焼き切りサイズを調整し始めたのです。

 結局、すべての鉄格子は、再作成されたというわけです。当然、予定していた日程では終わるはずがなく、彼らは当然のように何日も私の家に通うことになりました。


その3 ジンバブエ人的スケジュール管理 − 約束はその日だけ有効だった‥ −

 こちらに赴任すると家具や電化製品を買ったり、業者に頼んで修理やら設置やらを何度もすることになりました。共通する特徴は以下の通りです。これは会社対会社の取引や面会の約束も基本は同じです。

 「当日の朝のX時XX分に来ます」という意味は、朝の8時から13時までの間に「多分」来ますということ。同じく「当日の午後X時XX分に来ます」という意味は、午後14時から夕方までに「多分」くるということ。

 ですからこちらのスケジュールとしては、午前に一つだけの約束、午後も一つの約束しかできないことになります。つまり4時間くらい待つことは、常に覚悟しなければなりません。何の連絡もないすっぽかしもあたり前だとの覚悟も必要です。すっぽかしを問い詰めても適当な言い訳をするだけなので、ほとんど無駄です。(彼らからしたら、すっぽかしも大した意味はないので、逆に変な顔ですら見られる場合もあります)

 次に「明日のXX時に」「3日後のXX時」という約束をするとします。私の経験から言って、この約束は大抵の場合は無効です。当日、約束をもう一度しない限り、これはジンバブエではほとんど意味をなさないと言わざるをえません。

 結論から言うと、「ジンバブエの人はその日、一日分のスケジュールしか作れない」ということなのです。つまり、商品も人も時間に関しても、なんとかスケジュールできるのは、その日1日分だけ、あとは当日なんとかなるさということなのです。また約束ということは、日本人の感覚から言うと、「守れたら守るよ」程度の意味しかないので、約束を破られてもこちらが怒るだけ労力の無駄ということになります。



 上で紹介したのはジンバブエ人の特徴の一部です。(続きはまた紹介予定) このことが理解できるとジンバブエでの生活ははるかに楽になります。またこのことは、驚いたことに容貌や生活習慣としてはヨーロッパ人的である白人のジンバブエ人も同じなのです。

 ジンバブエ人的特徴を知ると、私達の普段の生活や仕事場での奮闘ぶりが多少は想像できるのではないでしょうか?逆に言えば、その特徴をうまく使うとこちらもいろいろな面で楽ができる長所でもあることを付け加えておきます。
 

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トレッキング天国、チマニマニ国立公園

 海外トレッキングが大好きで、キリマンジャロを始めとして今までに11カ国でトレッキングをしてきた私にとって、ジンバブエにトレッキング天国があるとの情報は、私のトレッキング好きを再燃させました。

 トレッキング天国とは、ムタレから150キロ南東、車で3時間弱のモザンピーク国境のチマニマニ国立公園です。ここのトレッキングは、なんと自然の洞窟に泊まってするとのこと。さすがの私も洞窟に泊まってのトレッキングは経験がなく、ますます興味をそそられました。そこで、ジンバブエでの初めての4連休は、チマニマニでトレッキングで過ごすことにしました。

 ジンバブエの治安はここ数年非常に悪くなっているので、トレッキングには念のため白人のガイドと黒人のポーターを二人を雇う事にしました。
 
 トレッキングの前日の7月11日はチマニマニホテルに泊まり、当日出発前にガイドのピーターとその妻レイチェルからルートについて説明がありました。私の希望はチマニマニ最高峰、ビンガ山(2437m)に登る事です。もちろん妻も一緒に登るのですが、特に問題はないとのこと。ビンガ山はモザンピーク最高峰で、天気がよければ130キロ離れたインド洋まで見る事ができるとのことでした。
 
 またこのトレッキングには偶然にも日本からの大学生の旅行者も加わりました。安全面を考えても男性が一人加わる事は、私達も大歓迎です。(ガイドや地元に人によるとチマニマニ国立公園は今でもとても安全だとのことです)


第1日目 洞窟体験

 チマニマニの町(ほとんど何もない小さな町)からベースキャンプ(Mutekeswane Base Camp, 1400m)までの19キロは車で移動。ここで入山料を支払うと、いよいよトレッキングの開始です。私達はまずバナナグローブと呼ばれるトレイルを進みました。
 
 ここはたくさんの野生のランやバナナが所々に自生しています。また山はみかげ石でできているので、あちらこちらに奇妙な形をした石が地面から突き出しています。行く手の正面に見える巨大な山は、まるで山全体が石でできているような印象を与え、迫力満点でした。
 
 この日は穏やかな傾斜のトレイルを山小屋(Mountain hut)の正面経由で4時間ほど歩き、この日泊まることになったレッドウォール・ケイブに到着しました。

 そこは赤っぽい岩山に開いた巨大な裂け目のような洞窟で、奥行きは15メートルほど、入り口は高さが7、8メートルはありそう。まるで歴史の教科書で見た原始人の住みかそっくり、気分は原始人です。

 到着すると、先に到着していたポーター達が慣れた手つきで木々を集めて、洞窟の中で焚き火をして、本格的なコーヒーを入れてくれました。

 また夜は、焚き火を囲んで、二重の寝袋に入り洞窟の入り口から見える無数の星を見ながら眠りにつきました。

第2日目 モザンピーク最高峰、ビンガ山登頂

 日の出と共に起きて、朝7時半にレッドウォール・ケイブを出発。1時間弱で山小屋の正面に到着。ここから一気に標高差1000m、マウントビンガトレイルを登ります。大学生はバックパックを背負っているのですが、1時間も登るとかなり疲れている様子。私はこれでは山頂までは無理だと思い、荷物を途中に置いておくことを勧めました。
 
 大学生が荷物を置いたので少しペースがあがり、山小屋から3時間弱程で少し平らな所に出ました。しかし、頂上はそこからはるか上。標高差はまだ400mもあります。巨大な岩山はどこから登ればいいのだろうと思うほど険しく見えました。
 
 ここでなんとガイドのピーターがトレイルを見失い、貴重な時間と体力を消耗してしまいました。やっと本来のトレイルに戻り、さらに岩だらけの急な斜面を両手を使いながら登ります。やっとのことで、洞窟から歩くこと5時間、12時半頃山頂までたどり着く事ができました。
 
 所々に雲が出てきたもののいい天気で、ジンバブエ側には今まで登ってきた険しい山道と遠くには森林が、またモザンピーク側にも山々がとてもきれいに見えます。

 山頂の風が汗でびっしょりの体を心地よく冷やし、一生懸命に運んできた水とビスケットを食べると気分は最高です。

 モザンピーク側の地平線はガスがかかっていて、さすがにインド洋は見えませんでした。
 
 頂上で30分ほど休むとそこからは、長い長い標高差1000mの下りです。この下りが足腰にはとても堪えるのです。

 結局、頂上からベースキャンプまではさらに5時間もかかってしまい。この日はなんと正味歩く時間が10時間ものロング・トレッキングになってしまいました。さすがに大学生も私の妻もヘロヘロ状態。私は一応余裕の表情で歩いてはいましたが、実態は疲労困憊、一日に歩く行程としては限界に近いものがありました。

 この日は、麓にあるMawenje Lodgeという、白人の老夫婦(ウォーリーとレスリー)が営んでいる瀟洒な設備、レストラン顔負けの料理、隠れ家的なロケーション(国立公園のすぐそばでコテージの前には川もある)、そしてなによりも家庭的な雰囲気がとてもいいロッジに泊まり、前日とは打って変わり優雅に過ごしました。
 
 ちなみにチマニマニには主なトレイルが9つと洞窟が6個もあり、いくらでもトレッキングするところがあります。またガイドのピーターによれば、季節によって山の風景や植物、花々も違ってくるとの事。比較的近いムタレに住んでいるのですから、私達もここには何度も足を運ぶことになりそうです。



2002年8月25日(日) 自宅にて
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