
ジンバブエ通信 2002年7月
■ムタレもう一つの顔、ハイ・デンシティ(旧黒人居住区)
ムタレには私達が住んでいるロー・デンシティ(旧白人居住区)とハイ・デンシティ(旧黒人居住区)というものがあります。この区別はハラレなどの他の都市にもあります。
ハイ・デンシティには白人はまず住んでいません。ロー・デンシティには白人と中流以上の黒人、そしてその使用人が住んでいます。ムタレのハイ・デンシティはサクバと呼ばれる所で、いわゆる人口のほとんどを占める低所得者層は、サクバに住んでいるのです。
先日、私の家のガーデンボーイ(庭師)に案内されて、彼らが以前住んでいたサクバに徒歩で約1時間かけて行ってきました。
ロー・デンシティに住んでいると、「ここはほんとにアフリカなのか?」と思わせるような軽井沢の別荘地のような風景が続くのですが、サクバは全く違っていました。私はジンバブエに来て初めて「ここはアフリカだったのだ!」と実感することになりました。
サクバはハイ・デンシティ(過密地区の意味)と言うだけに人がむちゃくちゃ多く、小さな家(写真のような掘建て小屋も多い)が密集し、庶民の生活の匂いがプンプンです。
ロー・デンシティには庭付きの一戸建て住宅以外はほとんどないのですが、サクバには数メートル間隔であらゆる店があります。床屋、野菜売り、自転車修理、靴の修理、電気製品の修理、家具屋etc.。生活するにはこちらの方が便利だとも言えそうです。
子ども達は、どこから湧き出てきたのかと思えるほどたくさんいて、彼らはとても陽気、さすがアフリカンです。私達が歩いていると、皆挨拶をしてきて、その後私達が珍しいのか、ぞろぞろとどこまでもついてくるのです。それはまるで私達がスターでもあるかのようです。
サクバにの中央には大きな野菜マーケットと古着のマーケットがあって人々の生活をささえています。古着マーケットには日本の古着も出回っているとの事、根気よく探すと思わぬ掘り出し物があるそうです。
ゴミも多いし、不衛生なサクバに私達が住めるとはとても思えませんが、この庶民の生活の場であるサクバはとても楽しく感じられました。

■ジンバブエの温泉リゾート
アフリカで温泉!などと思われるかもしれませんが、アフリカにも少ないながら温泉があるのです。私が以前住んでいたエチオピアの首都アジスアベバにもありましたし、ケニアにもありました。旅行でピグミー族に会いに行ったウガンダとコンゴの国境地帯にも温泉がありました。
日本に住んでいた頃、週末ごとに各地の温泉巡りをしていた温泉マニアの私達夫婦にとって、ムタレから車で1時間もかからない所にホットスプリングス・ミネラル・スパという温泉リゾートがある事は、何よりのことであったのです。
車を手に入れて、ムタレの郊外に行ってみようと思った時に真っ先に行ってみようと思ったのが、このホットスプリングスというわけです。ホットスプリングスは、ムタレから87キロ南、標高はここより500m低い600mの所にあります。
ムタレの自宅を10時頃に出発すると、山々を眺めながらほとんどまっすぐな快適な道を時速100キロで飛ばすと、約40分でバオバブ木(写真参照)が現れてきます。ホットスプリングスのある地は、標高が低いため年中暑く、アフリカ名物の枝がまるで根っこのようなバオバオ木が点在する亜熱帯の地にあるのです。
さて目的の温泉はと言うと、日本でいう所の野外の25mプールがまず一つ、これはお風呂にしてはちょっと温いけれども、温水プールにしては熱すぎるなというものです。深いところは底に足が届かないほど。こちらの人の多く(この時はほとんど白人)は、こちらのプールで泳いでいます。
またもう一つは小型のプール、これはほとんど水のような温度でした。どうやら冷水浴に使うようです。 そして最後の一つは、湯の温度といい、深さといいちょうど日本の温泉を思わせるもので、まさしくアフリカの温泉の露天風呂でした。
町では、こちらの主食の原料であるミルミル(とうもろこしの粉)も食用油も砂糖も、塩すら手に入らないこの頃ですが、熱帯の動植物を眺めながらの入浴は、まさに別世界、ジンバブエの天国です。これはもう日本人にはたまりません。私の妻などは、ここに来て初めて「ムタレに住んで本当によかった!」と思ったとのこと。私達夫婦は4ヶ月ぶりに温泉気分を満喫したのでした。
ちなみにこの温泉は、もちろん天然温泉で、ナトリウム、重炭酸イオンなどを含み、効能としては、解毒やリューマチ、関節炎などに効くそうです。
温泉を楽しむと、レストランやロッジがありますので、レストランでビュフェ形式の食事を楽しみ、火照った体を冷えたビールで冷ますと、心の底から満足してほろ酔い気分でムタレに帰ってきたのでした。どうやら私達夫婦は、この温泉リゾートの常連客になりそうです。さて、明日も温泉に行ってくる事にしようかな‥。(笑)
2002年8月3日(土) 自宅にて
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