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 ジンバブエ通信 2003年8月


■やっちーのラジオ出演二回目の延期 − 幻の放送内容 −

 連絡した方はご存知だと思いますが、実は7月26日に妻のやっちーが、NHKのラジオ第一放送にジンバブエから生出演することになっていたのです。けれども、放送直前に宮城県北部で震度6の地震が発生したとのことで、番組が地震ニュースになり延期になってしまいました。

 この番組は、ラジオ日本を通じて世界中にも放送するというので、私とやっちーは日本の両親や友達を始め、世界中の友達にもせっせと連絡をしていたのです。やっちーなどは、小学校時代の担任の先生にまで連絡していたほど。地震では仕方がありませんが、実は今回の延期は二回目なのでした。


 さて放送の当日、私はやっちーの晴れ舞台ということで、とっておきのオーストラリア米を使って、日本から大事に持参したマツタケの炊き込み御飯で朝食を準備、やっちーの方も朝から原稿の手直しや時間の調整などに余念がありませんでした。

 放送直前になり、やっちーが電話の前に正座し精神を集中、いよいろ本番かと思われたその時、NHKから電話があり本日の放送はあえなく中止。二人で思いっきりズッコケてしまったわけです。


 放送の予定は、「ワールドテレフォンネットワーク」でムタレの簡単な紹介、「世界まるごと質問箱」では外来語についての質問に答えることになっていました。この質問のため、やっちーは知合いのジンバブエ人に何度も聞き取り調査を行い、放送原稿もNHKの方と何度もメールのやり取りをして準備していたのです。

 やっちーの労作ですし、ちょっとおもしろい、興味深い内容もあるので、今回は放送されることのなくなった幻の「世界まるごと質問箱」をここで再現したいと思います。


●「世界まるごと質問箱」

アナ: 世界まるごと質問箱、今日の質問は、「外来語に関してどのような扱いをしているのでしょうか」というものです。

 やっちーさん、ジンバブエで一番多く使われている外国語はどこの国の言葉ですか?

やっちー: こちらでは、英語がよく使われます。というのも、以前、ジンバブエはイギリスの植民地だったことから、英語が公用語になっているからなんです。この国には、ショナ族とンデベル族、他に少数民族が住んでいて、同じ民族同士が話す時は、現地語を使っているんです。


アナ: 現地語で話しているときに、英語の単語を使うことはあるんでしょうか?

やっちー: あります。バナナやマンゴー、アボカドなどの外国から来た果物や、テレビ、ラジオ、パソコンなどの電化製品や、車、バス、自転車などは、英語の単語を使います。

 でも、日本でも、英語のアパートメントがアパートになったり、キャメラがカメラになっているように、こちらでも縮めたり、特有の発音になっています。たとえば、モーターカー(車)は「モタ」に、バイシクル(自転車)は「バシコロ」という具合なんです。

 また商品名が、その物を表す言葉になったりもしています。たとえば、こちらでは、練り歯磨きのことを「コルゲート」というのです。


アナ: 日本語は外来語として入っていますか?

やっちー: 空手はこちらで大変人気のあるスポーツですが、「カラテ」とか、それから「ゲイシャ」などがあります。あるメーカーは、派手な色合いの石鹸にこの名前をつけているんですよ。(下の写真)

 地元の人に言葉の意味をたずねてみると「ゲイシャ」は、「派手なメイクアップをして男性を誘惑する女の子」とのことです。

 実際に、男性関係が派手な女の子に対して「ゲイシャ」と言ったりしています。「カラテ」も「ゲイシャ」も、多くの人が日本語だとは知らずに使っているみたいですね。

 逆にショナ語が日本に渡ったのではないかと思われる単語があるのです。

 「象」です。これは、一説によると、16世紀ごろ、今のジンバブエのあった所にモノモタバ王国(世界遺産、グレートジンバブエ遺跡、写真参照)があって、その王国が日本に象牙を輸出しはじめ、その時、「ゾウ」というショナ語が伝えられたのではないかというものです。

アナ: 日本にショナ語は入ってきていたなんて驚きですね!

やっちー: ほんと、世界は狭いですね。


アナ: 外来語が氾濫することに対して、危機感のようなものはありますか?

やっちー: 政府は、そうした危機感をもっているようです。そのため、3年前に、国営放送のZBCが放送するプログラムの内容についての法律を制定しました。75%はジンバブエで作られたローカル内容の番組を流し、残りの25%は外国の番組を流してよいことになったんです。

 理由は、「ジンバブエの文化を守るため」ということのようです。でも、この法律ができてから、外国の番組が少なくなって、つまらなくなったと感じている人が多いようです。

 この法律ができるまで自国の音楽を聞く人は少なかったようですが、規制されてから、ジンバブエのミュージシャンがテレビによく出演するようになり、それを見て多くの人が彼等のCDやテープなどを買うようになったということです。


アナ: どうも、ありがとうございました。ジンバブエのムタレにお住まいのやっちーさんに「世界まるごと質問箱」にお答えいただきました。




 ところで話は変わりますが、ジンバブエでは、男の人のファッションとして、赤や黄色のド派手な色のシャツに龍の模様、そしてなにやらわけのわからない漢字が書かれたシャツが大変人気となっています。

 私などは、「趣味の悪いシャツだなぁ」と思っていましたが、なんとこのシャツ、とんでもないことに「ジャパニーズ・シャツ」と呼ばれているのです! 

 あなたもジンバブエからのおみやげに流行の「ジャパニーズ・シャツ」なんていかがですか。(笑)


2003年8月2日(土) 9時 晴れの自宅にて
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