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 ジンバブエ通信 2003年1月

■年末の休暇へのプロローグ

 
年末になればなるほど、ジンバブエの物不足は激しくなり、クリスマスなのに肉もパンもミルクも卵すらなくなってしまったのです。ガソリンは、スタンドに並んでも何日待ったら手に入るかもわからないほどでした。(これらは依然として続いています)

 こんな情況下、とてもクリスマスや年末をジンバブエで過ごしたいとは思いません。そこで、私達夫婦も年末はジンバブエに住むほとんどの日本人、外国人と同じように、ジンバブエから離れて過ごすことにしました。

 けれども問題なのは、離れて過ごそうにもハラレまでの往復のガソリンの確保と留守中の家のセキュリティでした。ガソリンについては、半分はなんとかスタンドに並んで確保し、残りの半分は通常価格の14倍でブラックマーケットで手に入れました。

 家の方は、道路側には塀とレザーワイヤー(ナイフ付きのワイヤー)、すべての窓には鉄格子、警備会社への無線リンク付きの防犯装置を設置し、さらに犬も飼い始めました。敷地内には使用人(ガーデンボーイ夫妻)も住むようにしてあります。

 けれでも塀が道路側にしかなく、残りの三方は金網で泥棒にとっては素通り状態なので、最大の弱点は明らかでした。けれども万が一泥棒が侵入しても、防犯装置の警報で警備員が到着する時間内(宣伝文句では5分間)は、家の内部の鍵でなんとか持ちこたえらえるだろうと計算したわけです‥。

 いずれにしてもある程度のリスクを覚悟の上でもリフレッシュしないと、外国人にとって、今のジンバブエでは長期の生活は耐えがたいものがあるのです。


■理想郷ケープタウン ショッピングとグルメ

 私は比較的多くの国(36カ国)を旅行したことがありますが、今まで一生住んでもいいなと思ったのが南アフリカの一番南に位置する都市、ケープタウンです。

 初めて行った時には信じられなかったのですが、アフリカのイメージからはかけ離れたアメリカの都市を思わせるりっぱな町、世界一美しいという港、ヨーロッパの田舎のようなワイン畑、豊かな自然が調和した理想に近い都市に思えました。*1


 今回の訪問の目的のひとつは妻の買物。買物大好き人間の妻は、ジンバブエの貧相なショッピングではそろそろ我慢の限界にきていたのです。

 ケープタウンのウォーター・フロントにある巨大なショッピングセンターは、先進国のものと比較してもひけをとらないものです。妻は目を爛々と光らせ、足掛け3日間も通ったものの、それでも買物の時間が足りなすぎるとぼやいておりました。

 もう一つの目的は、シーフードを食べることです。ジンバブエは内陸国で、ただでさえ食べ物がないので、まともなシーフードは食べたことがありません。

 ところが、ケープタウンではなんとお寿司まで食べられるのです。驚いたことに回転寿司まであり、スーパーではパック入りの寿司まで売られていました。

 私達が行ったのは、日本人が経営する「港」というレストラン。さっそく寿司の盛り合わせを頼みました。まずネタが新鮮でうまい、そしてそのネタがシャリの3倍もあって器にペロンとはみ出していて、とても一口では食べきれないほどのボリュームなのです。私達には、日本のどの高級店のお寿司よりもおいしく感じられました。

 妻にとって残念だったのは、港ではカラオケもできるとのことで、数ヶ月も前から楽しみにして、毎日のように練習までしていたのですが、この日はカラオケはできないとのことでした。

 お寿司の方はウォーターフロントにもカウンターで日本人の職人さんが握ってくれる所があり、こちらでは職人さんと日本語で話をしながら、日本酒を飲みつつ堪能しました。

 また地元の人に大人気というポルトガル料理のパブ、Vasco da Gama Tavernでは、イカ、いわし、近海魚を味わいました。ここは料理はもちろん、雰囲気が気さくで、またぜひ行ってみたい所です。

 この間泊まっていたのは、Brenda's guest houseというB&B。女性オーナーのブレンダの趣味で部屋はとても素敵、ウォータフロントにも歩いていけるので便利でした。
 クリスマスイブ、センセットクルーズにて。

*1 実際にはジンバブエでもお目にかかれないようなバラックに住む人も多く、貧富の差は激しそうです。ある程度お金がある人にとっては理想郷でしょうか‥。


■海のスイス・ガーデンルート

 ケープタウンの東側の600キロほどの海岸線沿いの道路は、森や湖、干潟、ビーチ、渓谷が続くのでガーデンルートと呼ばれています。南アフリカ随一のドライビング・コースとのことなので、レンタカーを借りてB&B(民宿)に泊まりながら旅行することにしました。

○ガーデンルート 1日目

 まず行ったのはお馴染みの喜望峰、よく晴れていたので気分は最高です。ここで見ていると地球が丸いことが実感できます。この沖でインド洋と大西洋がぶつかるのだそうです。

 妻にとって、喜望峰よりもずっと優先順位が高かったのが、ボルダ−ズ・ビーチという所で、野生のペンギンと泳ぐことでした。聞くところによると野生のペンギンと泳げるのは世界でもここだけとのこと。 

 行ってみると唖然としました。無数のペンギンがまるで置物のように海岸にぼ〜っと立っているではありませんか! 
 地元の人達は、まるで私達がカモメでも相手にするように完璧に無視状態なのです。追っかけまわしているのは私達観光客のみ。妻は目的のペンギンとのツーショット写真を撮り、とても満足したようです。
 
 この日は、偶然見つけたサマーセット・ウェストという所にあるWillow Brook Lodgeという、一泊2万円もする高級ロッジに泊まることになりました。(夜になり、ここしか見つからなかったのです。値切ったので1万5千円ほど。) さすがに部屋はゴージャスで、私は思わず記念にバスルームの写真を撮ってしまったほどでした。

○ガーデンルート 2日目
 この日はサマーセット・ウェストからガーデン・ルートのメインとも言うべきナイズナまでの500キロのドライブです。ガーデン・ルートの名に恥じず、私に言わせれば、まるで海のスイスといった景色が延々と続きました。

 道路も非常によく、130キロくらいで走っていてもまったく平気です。5時間ほどで、予定通りナイズナに着いて、この日のB&Bを探したのですが、クリスマスとのことですべて2週間先まで予約済みとのことでした。

 しかたなくB&Bのガイドブックから、近くの町から手当たり次第に電話して、やっとのことで50キロ離れたチチカマにLangley houseというB&Bを見つけ、そこに泊まることになったのです。

 このB&B、飛び込みで行ったのにオーナーの作る夕食はとてもおいしく、またオーナー夫妻はとてもフレンドリーで、B&Bを探した苦労も吹っ飛んでしまいました。

○ガーデンルート 3日目

 午前中、チチカマ国立公園内の美しい干潟やビーチ、高さ139mの峡谷を流れるストーム・リバーを見物し、プレッテンバーグ・ベイで泳ぐとナイズナへの戻りました。

 ナイズナに来た本当の目的とは‥。

それは何を隠そう、カキを食べにきたのでした。そうです。ナイズナとはカキの産地なのです!

 さっそくウォーターフロントにあるThe Oystercatcherに行きました。私達夫婦は生カキから始まり、メニューにある目ぼしいカキ料理は、あっという間にすべて食べつくしてしまいました。

 ウェイトレスも私達がカキしか注文しないので、ちょっと呆れ顔。特に天然ものの生カキは身がしまり、ほどよい甘さがレモンの酸っぱさとマッチして絶品でした。カキ料理だけでお腹を一杯にしたのは、生まれて初めての経験。二人で食べたカキは、約40個。いや〜、大満足、堪能しました〜。

 この日はたまたまキャンセルが出たというシービューがとてもいい The Old Cape Road Guest HouseというB&Bに運良く泊まることができました。これからガーデンルートにいかれる方は、シーズンには宿を予約していくことをお薦めします。

○ガーデンルート 4日目
 この日はナイズナからケープタウンまでの500キロを戻ります。妻が、早く帰ってまたまたケープタウンで買い物したいと、車を飛ばしまくります。

 130キロで走っていても前の車が遅いと、それをぶっちぎってしまうのです。しまいには、スピードメーターは180キロを超え、さらに200キロに近づきつつあります。もちろんここは、高速道路ではなく一般の道路。私の方がビビッてしまい、妻をなんとか抑えるのに必死でした。

 妻の激走のおかげで、予定より2時間も早くケープタウンに着くと、さっそく買物。それが終わると、そのまま夜行バスで一路1000キロ離れたレソト王国へと向かったのでした。

 
 実はこのガーデンルートでリゾートしている時に、ジンバブエの留守宅はとんでもないことになっていたのです‥。次回に続く。


2003年1月18日(土)11時30分 快晴の自宅より
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