アフリカ体験 (ウガンダ編) - 3

         -- 青年海外協力隊 任国外研修旅行 --


■ザイール国境へ

 早朝5時、 まだ真っ暗な中を長距離バスに乗るためにバスターミナルへ行った。 「こんなに早いのだからほとんど人はいないだろう」と思ったらとんでもない。そこいら中、人でいっぱいである。おそらくホテルに泊まるお金もないのであろう。老人も子供もこの寒い中で野宿である。ウガンダに着いてから空港以外ではずっと停電なので、もちろんバスターミナルも真っ暗で少し不気味であった。

 暗闇のバス中で、アタッシュケースの倍以上はありそうな巨大なバックをぶら下げた車掌に、大量の札束で運賃を払った。車掌は慣れた手つきで札を数える。私は思わ ず見とれてしまった。

 バスはまだ薄暗い中をウガンダの西の端、ザイール国境に近いカセセを目指して走 り始めた。道は予想に反してなかなかいい。まわりはやはりバナナなどの緑でいっぱ いである。所々で赤土から煉瓦を作り、その上に藁のようなものをのせ野焼きしてい るのが見える。多くの家はそれら自家製の煉瓦で作られている。主食のバナナ、そし て家の材料も豊富である。内戦などがなければ、自然に恵まれた豊かな生活ができそ うな国である。

 長距離バスに乗っていての最大の楽しみは、休憩の時間である。バスが止まるとい ろいろな食べ物やら飲物、おみやげなどを持った人々が集まってくる。私は興味半分に手あたり次第に食べまくり、飲みまくった。気に入ったのは、日本の焼き鳥を十倍 程の大きさにしたムシカキという羊の串焼きである。これを数本買い、バナナを絞っ て作った半透明のジュースと一緒に食べる。肉は柔らかく、味もどこか日本の焼き鳥 を思い出させるものがある。バスに戻る前にまた数本買ってしまった。

 昼食はバスの運転手達について行き彼らと一緒に食べる。この方法が一番安くおい しいものが食べれる。また、バスに置いて行かれることもない。私たちが食べたのは ウガンダの主食のマトケと言ってバナナを蒸したもの。これをウガンダ式肉じゃがと共に食べる。私はまだマトケを食べ慣れていないので、今一つうまさがわからない。 ちょっと芋を思わせ酸っぱい味がする。ウガンダではマトケを除けば、基本的にケニ アと同じようなものを食べるようである。

 自然を楽しむこと9時間ほどで、目指すカセセである。カセセはルエンゾリ山の麓 にある小さな町である。ルエンゾリの他には、特に見るものもない田舎の町だ。一年に数日しか姿を現さないというルエンゾリは、やはり残念ながら姿を現せないのであ った。この山にもぜひ登りたかったが、素人には無理らしいので諦めた。

 翌日、ピグミーの村へ行くためカセセの北にあるフォートポータルという町へ向か った。タクシーは5人乗りに9人乗り込んだが、これくらいの窮屈さはアジスアベバやナイロビで鍛えられているので大丈夫である。ときどきエンジンが止まるが、誰も気にした様子はない。

 3時間程でフォートポータルに着くとさっそく宿を探し、次にピグミーの村へ行く手配を始めた。そこまでは交通手段がないので、地元の旅行会社のツアー?に参加す るか、自分で車を見つけるしか方法はない。私の泊まることにしたホテルでも手配す るとのことだが、100ドルと恐ろしく高い。一人で参加するのは不可能に近い。

 た またま同じホテルにいた何人かの白人達に「一緒にピグミーの村へ行こう」と声をか けたが、彼らはチンパンジーを見に行くのだという。私も時間があればチンパンジー を見たいのだが、時間が限られているのでいつ見れるかもわからない方には行くこと はできなかった。

 村の中にある数件の旅行会社に掛け合ってみるのだが、これまた足元を見られて高すぎる。さて困ってしまった。こうなったら当たって砕けろである。そこいら中の人 にピグミー村まで行ってくれる人を尋ねまくる。何十人に聞いただろうか、バス停の近くでやっと50ドルで車をチャーターすることができた。これでも予算オーバーであるが仕方がない。

 ドライバーの薦めでピグミーへのおみやげにキャンディーを山のように買うと、私たちは一路ザイール国境のジャングルを目指し山岳地帯へと向かっ た。


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