アフリカ体験(番外編)

          -- 青年海外協力隊 --


■なぜ青年海外協力隊?

 エチオピアへの派遣が決まった時、私の同僚、友人、先輩、上司などから「どうして協力隊なんかに参加するんだ?」「言ったい何の徳があるんだ?」極め付きは「まだ若いのに人生を捨てる気なのか?」とまで言われました。

 いえいえ、もちろん人生を捨てる気なんかありませんでした。全く逆で、一言で言えば、たった一回の人生ですから自分の気持ちに素直に生きたかったのです。

 ではその時の動機をお話したいと思います。

 一つ目の動機は、おそらくみなさんも持っている外国をもっと知りたいという事でした。協力隊参加前も、5年間で観光という形で16カ国ほど一人旅しました。けれども観光と言う形での理解は上辺だけである事は否定できません。

 どうしても他の国でその国の人と同じように仕事をし、同じような物を食べ、同じように泣き笑う事でその国を深く理解したいと思うようになりました。また日本以外の国を理解する事は、日本をそして世界を理解する事につながると思えました。

 加えて1989年はベルリンの壁が倒れ、世界が大きく動いているのが私にもわかり今こそ世界を理解するには絶好のチャンスに思えました。(実際湾岸戦争、エチオピア30年の内戦の終結、ソ連の崩壊、ケニアでの民主化に伴う部族衝突の激化など激動の2年でした)

 そんなとき協力隊の募集広告を偶然見かけました。それまで私の職種では、応募は無理だと思っていたのですが、なんと私の職種も募集しているではありませんか。さっそく募集要項を取り寄せると、私の職種でエチオピアからの要請がありました。

 どうせ他の国を行くのならばもっとも豊かな国に住んでいるからこそ、日本から一番かけ離れていると思われる世界最貧国に行こうと思ったのです。

 二つ目は自分をもっともっと鍛えたいと思ったのです。自分に足りないコミュニケーション力もその一つ、もちろんそれらには言葉も含まれます。

 協力隊員はふつう一人で生活し職場でも日本人は一人です。活動するには、これはいやおうなしに身につけなければなりません。途上国で生活するのですから、体力も気力も必要です。あらゆる面で自分の能力を向上さなければならない場であると思われました。

 最後に(本当はこれが第一だと言いたいところですが、正直言ってそこまでの意識はなかったと思います) 途上国の国作りに少しでも役立ちたいと思いました。

 ふだん何気なく生活していると世界の多くの人が自分達と同じような生活をしていると思いがちですが、世界中の圧倒的に多くの人々は生きるのがやっとと言う現実があります。ある意味では私たち先進国の生活は、途上国の犠牲の上に成り立っていると言っても過言ではありません。それを頭でわかっているのに何もしない事は、私にとっては焦りにも似た気持ちを感じさせていました。

 そのようなわけで私のような平凡な人間でもできる事をやりたいとずっと思っていました。それがまさに募集要項で知った協力隊でした。 このように考えたとき、協力隊とは私にとって一石二鳥、いや一石五鳥に思えま した。

 もうここまで来ると回りから何を言われようが、私には全然問題にはなりませんでした。後は協力隊へ一直線と言うわけです。


 最後にボランティアの理念で私の好きな文があるので紹介したいと思います。

「持てる者が、持たない者にではない。

 幸せな者が、幸せでない者にではない。

 持てる者も、持たない者も、

 幸せな者も、幸せでない者も、

 共に学び、共に考え、共に生きる。」

この文を読む度に自分はだめだなと感じます。


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