アフリカ体験 (キリマンジャロ編) - 4
-- 青年海外協力隊 任国外研修旅行 --
■2日目、ホロンボハットへ(2700-3729m)
トーストと目玉焼きの簡単な朝食の後、 私たちは今日の目的地ホロンボハット(3729m)を目指して出発した。 歩き始めて20分ほどは前日と同じようなジャングルであったが、それを抜けると見晴らしのすばらしい草原となった。その先はなだらかな道が続く。そして徐々に、岩でごつごつした男性的なマウエンジ峰と雪に輝くキボ峰が姿を現してきた。
天気もいいし体調もすこぶるいい。この程度の高度ならば、以前エチオピアのアジスアベバ(2400m)で生活し周辺の山へ登っていたので、まだまだ余裕である。 気分は楽しいハイキングであった。 ときどき行き違う登山者とは「ジャンボ!(こんにちわ)」とスワヒリ語で挨拶をする。その表情から何となく頂上へ行けたががわかる。その中の一人が、「ゆっくり登って、水を飲みなさい」とアドバイスしてくれた。理由はよくわからないが、それからは水をどんどん飲み始めた。
ところでポーター達と言えば、20キロ位はあると思われる荷物を頭にのせてバランスをとり身軽に歩いている。彼らの中には、ナイロビ製160円の古いビーチサンダルで登っている者までいる。彼らにとってはキリマンジャロとは言っても何でもないようである。彼らの足の裏をもってすれば、裸足ででも登ることは可能であろう。
高度が増すにつれいろいろな植物が目を楽しませてくれる。特に目を引いたのは、まるでツクシを巨大にして上に葉をのせたような奇妙なセネシオという植物である。その姿は滑稽でさえあった。
そうこうしているうちに、 5時間の行程を3時間40分で目的地ホロンボハット(3729m) に到着した。ここも前日のマンダラハットよりは規模が小さいものの、食堂兼社交場の建物とバンガロウからなる立派なものであった。
割り当てられたバンガロウへ行くと、すでに先客が一人いた。けれども様子がおかしい。顔は真っ青だしぴくりとも動かないで、死んだようにベットで寝ているのだ。病気かしらと思っていると若い女性が現れた。様子を聞くと、連れの男性は高山病で寝込んでいるらしい。この二人、わざわざフランスから来たらしいが、この男性が高山病のためやっとのことで途中から引き返してきたということだ。
上の様子をいろいろ尋ねると「とにかく手袋と帽子と厚いジャケットは絶対必要」とのこと、私は軍手とペラペラのジャケットだけである。いざとなったら頭にバンダナでも巻こうか思っていたが、これはまずい。でも今更遅すぎる。ケニア人の友達には「日本人はキリマンジャロなんか問題じゃない」と大見栄を切ってきたのだ。寒いから帰ってきたなんて冗談じゃない。もうここまできたら行くしかないのだ。
私の方は今のところ山の影響はまったくなかったので、マウエンジ峰を見ながらセネシオの林を散歩したり食堂で友達に手紙を書いたりしてのんびりと過ごした。しかし帰りにトイレに行ったら、思わず目をそらしてしまった。そこは、げろげろのゲロの海なのだ。それを見た途端、私は初めて気分が悪くなってしまった。どうやらこの高度になるとそろそろ高山病の人が多くなるようである。
いよいよ明日からは富士山の高度を越える。本当の勝負が始まるのである。
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