アフリカ体験 (キリマンジャロ編) - 3

         -- 青年海外協力隊 任国外研修旅行 --


■1日目、マンダラハットへ(1550m-2700m)

 朝起きるとどこまでも透き通るようなアフリカ晴れで、体調もまずまずであった。長年の夢であったキリマンジャロへ挑戦するにしては、 気持ちの方は落ち着いていた。 なんと言っても私の目標は頂上(5895m)への到達である。 まだまだ浮かれるには早すぎる。キリマンジャロ関係の本によれば、頂上まで行けるのは登山者の半分以下、アルピニストでさえ高山病にかかれば下山を余儀なくされるそうだ。 逆にまったくの私のような素人が平気で登る場合もあるのだそうだ。その成否は一言で言えば高山病次第とも言うわけである。

 朝9時、マネージャー、ガイド、ポーター、 そして私の3人はまず車でマラング ゲート(1829m)へ向かった。 途中でガイドとポーターが肉や野菜などの食料をてきぱきと買う。30分程でゲートに到着し入山の手続きをした。他のパーティーもちらほら見えるが、皆団体のようである。

 ゲートの近くの木には下のような案内があり、私たちはその前で記念撮影しいよいよ登山を開始した。

     KILIMANJARO NATIONAL PARK     
         MARANGU ROUTE.        
  PLACES.    E.T.A.     ALTITUDE .    VEG.ZONE.  
   ̄ ̄ ̄ ̄    ̄ ̄ ̄ ̄    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  MANDARA    3HRS     2700M       FOREST  
  HOROMBO      5HRS    3729M       MOORLAND  
  KIBO              5HRS      4703M       ALPINE DESERT
  GILMANS        5HRS      5685M       ALPINE DESERT
  UHURU PEAK  1.5HRS     5895M      ICE CAP    

 初めの道はジャングルを切り開いた幅が4メートル程ある道で、だらだらとした登りである。時折ジャングルの奥から猿や得たいの知れぬ動物の鳴き声が聞こえる。天気がよく日差しが強いので、歩いているとかなり汗ばんでくる。

 自分なりにトレーニングはしてきたので体力には自信があり、勾配も全く大したことはなかったのだが、ガイドにはできるだけゆっくり登るように頼んだ。とにかく恐かったのは、高山病である。高度に適応するため、なるべくゆっくり一歩一歩確かめるように着実に登っていった。私たちを追い抜くパーティーもあったが、私はあくまでマイペースを守った。

 1時間ほどすると道の幅は半分以下となり、勾配も少しきつくなった。それでもまだ尾瀬のハイキング並の登りである。ただ違うのはジャングルの中なので、木という木には緑の綿のような苔がぶら下がり、湿っているので下が滑りやすいのだった。

 私としたら自分の歩けるペースの7割程のペースで歩いたのだが、2時間40分程でジャングルが突然開け、あっけないほど早く1日目の目的地マンデラハットに到着した。

 そこはびっくりするほどの大きなキャンプサイトで、真ん中には3階建ぐらいの食堂兼社交場の建物、回りには多くのバンガロウが囲んでいた。バンガロウに行ってみるとこれまた驚いた。それはヨーロッパを思わせるりっぱなもので、なんと中には太陽電池式の蛍光灯まである。入山料がとてもアフリカとは思えない理由の一つはこれらの施設にあるのだろう。

 まだまだ驚くのは早かった。夕方コックに変身した我がガイドとポーターは、大都会ナイロビでも食べれないような食事を作ってきたのであった。それはスープから始まり、メインの肉料理、ピラフ、スパゲティ、デザート、そして最後にコーヒーまでついた。私は唖然としてしまい、思わず出された食事の写真を取ってしまった。

 ガイドが「うまいか」と尋ねる。もちろん私は、「うますぎる」と答えた。

 回りの他のパーティーの食事を見ると、白いテーブルクロスまで広げてまるで高級レストランである。これはある程度予想はしていたもののナショナルパークと同じで、完全にヨーロッパ人が自分達用に作り上げたシステムのようだ。


 余談になるがみなさんはご存知であろうか、野生の王国ケニアでライオンを見たことのない人が多いことを・・。ナショナルパークには車がないと入れないので、一般の人は見ることができないのである。

 もっとも車があったとしても動物を見たがるかと言えば、疑問ではある。おそらくナショナルパークよりはディスコ、動物よりはビールを選びそうな気はするが・・・・。


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