アフリカ体験(ケニア編3) - 5

          -- 青年海外協力隊 --


■猿人発掘現場、ナチョラへ

 早朝、ひんやりとした空気の中で目覚める。いよいよ今日は猿人発掘現場ナチョラである。まずは腹ごしらえというわけで、私達はレストランに集合した。朝食はパン ・卵・ベーコン・フルーツなどであった。私はベーコンなんて高くてナイロビでは食 べられないものだから、朝から大変得した気分である。

 ウェイターが、ヨーロッパの レストランのような手つきで2人分の朝食が運んできた。なかなかサービスがいいよ うで、ベーコンは40センチもある。しかし、どうしたことか、運ばれてくるたびにベ ーコンは、小さくなっていくではないか。私の前の人の分で、もう既に 8センチ程になってしまった。

 おもわずみんな顔を見合わせた。どうなることか、固唾を飲んで次 のベーコンを見守った。私の分が運ばれてくると、私は「これは何?」とウェイターに尋ねた。 愛しい私のベーコンは、 長さが1センチに満たないからからに乾いた物体であった ‥‥。

 4台の4WDに分乗して、私達はマララルを後にしてさらに北へと向かった。 数十分もすると、そこはグレートリフトバレーの縁である。雲に霞む巨大な裂け目と山々といった景色延々と続く。大陸が裂け続けていることを、体全体で実感できる光景だ。

 車を止めて見たいが、それは帰りにすることにした。しばらくは、そのごろごろとした石だらけの道をゆっくり進む。ここまでくると普通の車で走ることは、かなり難しい。そうしているうちに、眼下に見渡す限りの大平原が開けた。

 私達は車を止めて外に出ると、無言でその風景を見つめた。まだ雨季が終わったばかりだというのに、平原には茶色の部分が目につく。おそらく、太古の昔からほとんど変わっていないだろうその環境は、思っていた以上に厳しそうだ。しかし、なぜかしら故郷にでも帰ったような懐かしい気がするのは、私達の遠い祖先の地であるからだろうか‥‥。

 遠くに小さな山が見えるが、その付近が目指すナチョラだということだ。そうしていると近くに住むサンブル族がどこからともなく槍を片手に数人現れた。彼らはこの風景にすっかり解けこんでいる。とても私達には住めるような環境ではないが、ここは彼らのホームグランドなのである。

 そこから車はまっすぐにリフトバレーの底に駆 け降りた。所々に水の流れた川の跡がある。雨季には、4WDといえどもこの道は進 めまい。

 マララルから4時間ほどで、バラゴイという小さな町に到着した。ふつうの道はここまでで、ここからナチョラのキャンプ地までは、道すらないようなところを進むのだ。回りは大きな木はほとんど無い、まばらにかろうじて緑があるようなところだ。

 大きなギャップがあるたびに、それを迂回しながら車は進んだ。15分ほどで、回りより一段高くなった所に教会を思わせる建物が見えてきた。それこそがI先生が、発掘の基地にと建てた新しいベースキャンプであった。


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